内装施工管理に係わる【基本業務用語】 内装施工管理業務において使用される業務用語について、丹青社で取りまとめたものの中から、 代表的なものを、その意味と合わせて掲載します。 業務用語は、業界や職種、さらには個々の企業や組織で微妙に意味合いが異なっている場合があ り、各人が勝手に用いると、情報が正しく伝わらない場合も出てきます。 このため、丹青社では社内で業務用語の意味の統一を図っていますので、用語に目を通して理解 し、情報の正確な伝達に努めてください。 なお、ここに掲載されたものは業務用語の一部です。業務の中で分からない用語、自分の知って いる意味合いと違うと思われる用語などが出てきた場合は、その都度周囲に確認したり、また辞 書検索等を利用して調べて確認したりすることで、理解を深めてください。 < 掲載業務用語 > 《 あ 》 安全大会、雨仕舞、安全衛生管理、請負契約 《 か 》 ・・・・・P2 危険予知活動、協力会社、経師、工種、高所作業、工事監理、工事検査・検収、 工事与件調査 《 ・・・・・P3 さ 》 仕上げ、墨出し、設計監理、制作、製作、施工、積算と見積り 《 た ~ な 》 直接原価と間接原価、手戻り工事とダメ工事、動線と導線、内監業務 《 は ~ や 》 分割発注と分離発注、補修工事、目地、養生 ・・・・・P2 ・・・・・P4 ・・・・・P4 《 A~ Z 》 ・・・・・P5 A 工事/B 工事/C 工事、F コスト、KYM と T-RA-KYM、TBM、VA、VE -1- 【 安全大会 】 現場着工前(中)に、実際に現場で施工作業を行う全ての関係者(協力会社・社員等)を集め て、現場における安全管理の意識向上や徹底を図るために開催する大会のこと。 【 雨仕舞 】 雨水が建物内部に侵入するのを防ぐ方法のこと。 【 安全衛生管理 】 労働安全衛生法、同施行令および労働安全衛生規則に基づいて、労働災害を防止し、労働者の 安全の確保および健康の維持を図るとともに、快適な作業環境をつくること。 【 請負契約 】 当事者の一方(請負人)がある仕事を、全責任を持って完成することを約し、相手方(注文者) がその結果に対して報酬を支払うことを約束することで成立する契約をいい。建築や土木工 事で多く行われる。 注文者は工事が未完成のうちは、いつでも損害を賠償し契約を解除することができる。 【 危険予知活動 】 現場の中には多くの危険が潜在しており、この潜在的危険が何らかの不安全行動、不安全状 態により顕在化し、事故となり、災害となる。 そこで安全の保持のため、危険の先読みを推し進めて、潜んでいる危険な要因をみんな予知 し、取り除くために対応することを危険予知、あるいは危険予知活動(「KY」と略すことがあ る)という。 【 協力会社 】 丹青社においては、丹青社から工事を請負う会社ならびに工事に関連した物品、資材、労力、 機械力等を含む役務を提供する会社の総称である。 丹青社を元請とした場合に、一般的には下請会社とか下請業者という場合もあるが、丹青社 では呼び方をすべて協力会社に統一している。 【 経師 】 きょうじ。ふすま、障子、壁紙を張る職人またはその作業のこと。 【 工種 】 工事の分類方法のひとつで、防水・石・金物・建具・内装・サイン・電気設備・給排水設備な どのように、工事内容の違いによって区分すること。 【 工事監理 】 元請業者が専門工事業者に対して行う施工全般にかかわる管理のこと。 工事が設計図どおり契約工期内で完成できるように、施工者が作業の進捗や品質、予算、工 程、安全などの面から監督指導を行うこと。 (ゼネコン等で用いている。) 【 高所作業 】 物の組立て、解体、機械設備の点検などのために、足場、はしご、梁などの足掛かりを利用し て行われる作業のこと。 労働安全衛生規則では高さ2メ-トル以上における作業を高所作業とし、作業床を設けるこ ととしている。 -2- 【 工事検査・検収 】 工事が設計図書などの計算どおりに施工されているかどうか、協力会社の検収依頼をもって 検査を行い、不備があれば手直し工事を行うよう指示および手配をし、良好な場合は検収し て、官公庁や施主の検査に備えるとともに引き渡しに立会う業務。 【 工事与件調査 】 工事の全体スケジュール、全体予算他の受注条件を確認するとともに、現場や近隣の状況、関 連法規や規定など、工事を推進するための種々の前提条件や制約条件を事前に調べる業務。 【 仕上げ 】 建築および内装において、最終段階で行う手入れのことで、見え掛り(部材のうち、直接目に 見える部分)となる部分を完成させること。 【 墨出し 】 仕上げの基準となる線を、柱芯、壁芯から引き出し床面へ墨で記すこと。 コンクリート工事では、型枠の撤去後、やり形からとった基準線を更に柱芯、壁芯等の逃げ墨 を打つ作業。 【 設計監理 】 工事が設計図書に従って進むように工事請負者に指示、助言を行い、同時に工事が設計図書 どおり実施されているかどうかを確認すること。 施主直属の工事管理部門や、多くの場合は設計者が施主の委任を受けて業務を行う。設計業 務と工事管理業務を合わせて「設計監理」ということもある。 【 制作 】 予算、工程、品質、安全などの製作や施工に関するすべての業務を総称した広義の概念を意味 する。 設計者が設計図書(仕様書等)におって指示した表現内容を、日程、コスト、環境条件、材質、 機能、法規、安全等の諸要素を総合的に管理、調整して、製作物として具現化することを意味 する。 【 製作 】 工場等において物品を製造するための直接的な行為のことをいい、制作活動の一部を意味す る。単品の什器、家具、サインなどについては製作するという。 【 施工 】 請負った工事を現場において実施する技能的な作業をいう。 ※丹青社においては、施工を実際に行うのは各協力会社であることから、社内の業務用語と して【施工】という用語は、協力会社が行う業務(施工計画、施工準備、施工管理、現場施 工等)に対して適用する。 この意味から、丹青社で行う制作管理については、工事計画、工事準備、工事管理等、すべ て【工事】という用語を用いる。 【 積算と見積り 】 積算は、各構成部分の数量および単価を算出し、事前に原価を予測する技術的行為のこと。 見積りは、積算結果によって求められた原価に利益などを加えて売価を設定する経済的行為 のこと。 -3- 【 直接原価と間接原価 】 直接原価は、個別原価計算において材料費、労務費、直接経費など個別の物件毎に把握できる 原価で、物件単位で直接集計する。 間接原価とは、不特定の物件に共通的に発生し、個別に分離できない原価で、決算期間中の総 発生額を社員の作業時間の比率により個別物件に配賦する。 【 手戻り工事とダメ工事 】 手戻り工事は、ある工程が完了または進行中に設計図書どおりに工事がなされなかった場合 や設計変更などが発生したために、前の工程に戻って行う工事のこと。 ダメ工事は、一度施工したが不十分なためにやり直す工事のこと。 【 動線と導線 】 動線は、人間の生活行為において、種々な目的のために人や物が動く道のこと。建築設計では 動線を分離整理し、性格や重要度を確かめ、空間構造の手掛かりとしている。 導線は、施設を計画する中で、設計者が客を誘導する目的で設けた道のこと。 【 内監業務 】 ショッピングセンターその他の複合商業施設等において、施主の代理人としてテナントの内 装工事についての全体的な業務の調整指導を行うこと。設計管理業務、制作管理業務の両方 の要素が含まれる。 具体的には①B(乙)工事に関するゼネコン側との調整、②C(丙)工事に関する各テナント の工程管理、および関連法規やビル指導要綱にもとづく確認指導などの業務がある。 【 分割発注と分離発注 】 分割発注は、大規模プロジェクトなどで、1社または1グループの業者にすべて請負わせず、 同種の業務を工区別、棟別、フロアー別等に分けて発注すること。 分離発注は、工事一式を1社にすべて追わせるのではなく、躯体と設備、電気工事のように工 種で分けて発注すること。 【 補修工事 】 工事の引渡時または中間時になされる施主や設計事務所等の検査や工事会社自身が行う社内 検査で、求められる満足すべき品質が得られず、補修のために行う工事のことで、工事会社の 責で行う。 【 目地 】 めじ。ボード類、タイル、石、レンガ等の貼り付けにおい等において、部材の接合部に生じる 継ぎ目、隙間のこと。 【 養生 】 工事時において、資材や周辺の既存物に対し、破損や汚損が発生しないように、紙、ビニー ル、板などで保護すること。 内装工事においては、完成物を引き渡すまでの期間保護することをいう。また、コンクリート やモルタル等を、強度の出るまでの期間、保湿、保温をすること。 -4- 【 A 工事/B 工事/C 工事 】 A 工事(甲工事)は、オーナー(デベロッパー)が自らの費用負担で設計施工を行う工事。共 用の施設・共用通路等の工事が含まれ、一般的にはゼネコンが工事を担当する。 B 工事(乙工事)は、テナント決定後にテナントの要望により、テナントの費用負担でオーナ ーが設計施工を行う工事。 C 工事(丙工事)は、テナントの費用負担により、テナントが直接設計施工する工事。 【 F コスト 】 (Failure Cost) 、失敗・不良コスト。施工不良など、規格から外れた不良品等によって発生 する費用(手直し修理費、廃棄損、運送費等)や苦情処理等に要する費用などをいう。 【 KYM と T-RA-KYM 】 危険予知ミーティングの略。TBM 等と同様に危険予知活動の一種である。 KYM は、 「事故対策は、未然防止に勝るものは無い」との観点から、前もって存在する危険 を探り出し、対策を立て、防止を図る事前の会合のこと。 T-RA-KYM は、丹青社で行っている「リスクアセスメント(Risk Assessment)を採り入 れた危険予知ミーティング」で、①その日の作業から、危険作業などを出し合う(シートに書 き出す) 、②出し合った内容について全員で考えられる危険を予知・リスクアセスメント(見 積り、評価)し、③危険作業の除去または低減対策を実施する、といった流れで、関係者全員 が“明確になった危険”に細心の注意を払って、災害・事故の撲滅に取組んでいる。 【 TBM 】 ツールボックスミーティング(Tool Box Meeting)の略。作業の段取りや注意点を話し合う 際、ツールボックス(道具箱)を囲むように職場の片隅に気軽に作業者が集まって、職長を中 心に話し合う短時間のミーティングから派生した用語である。 危険を予知し安全に作業を進めるため、5分~10 分程度で、作業の段取り、安全上の指示や 話し合いをする現場で行うミーティングのこと。 【 VA 】 (Value Analysis) 、価値分析。機能とコストの対比(価値)を分析し、機能を低下させずに コストの引き下げを図る手法。 【 VE 】 (Value Engineering) 、価値工学。購買品を機能と価格の面から調査分析し、コスト引き下 げと新製品開発に役立てようとする購買管理の方法。 -5-
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