Ⅴ章 第 集合研修の企画にあたって 61 Ⅴ 集合研修の企画にあたって 実践力Up検討会の手法を普及・共有するために、集合研修を行う場合のポイ ントは、 「実際の事例で検討する」ことです。 ここでは、集合研修にあたっての留意点を紹介します。 【研修会場や物品等の準備】 ● 研修会場は、参加人数によって異なりますが、グループ討議 があることを配慮し、必要な広さ (スペース)のある会場を確 保します。 ● 物品の準備は、事例検討会の準備に準拠します。 (P11) 1グループにつき、2台のホワイトボードの準備が難しい場合 ● は、壁等に貼って、マーカーで書き込むタイプの市販シートが 便利です。 左図は、事例検討会のため の集合研修の一例です。 ●他にも、 「デモストレーショ ンを見てからグループで実 際に行う」 「有識者の講義 を聞いてから試行する」 「有 識者と7人程 度の参加者 で行う事例検討を見学す る」等、様々な企画がある でしょう。 ● 大切なのは、 ①全員で、事 例検討会の主旨を理解で きることに加えて、②各グ ループで事例検討を行う 際は、グループごとに 「事例 提 供 者」と 「ファシリテー ター」 を確保すること、にあ ります。 ● 集合研修の開催例(半日の場合) 開催前 会場の手配や参加者への通知等 事例提供者の確保 (グループ数分) ファシリテーターの確保 (グループ数分) 当日 13:00-13:10 オリエンテーション 主催者あいさつ 13:10-14:10 実践力Up事例検討会とは (DVD視聴/ 本テキスト付録) 14:10-16:00 事例検討会体験(グループごと) 16:00-16:30 グループワークの全体発表 (事例の概要、 アセスメント、方針と 事例提供者の感想等) 16:30-16:40 終了のあいさつなど 注) ここでいう 「集合研修」 とは、 本事例検討会の手法を紹介するために開催する研修会等を示しています。 62 Ⅴ ■ 事例提供者とファシリテーターは、 グループの数分、 確保する 事例検討を実際に体験するために、事例提供者は必ず各グループごとに確保し 集合研修の企画にあたって 各グループごとに事例検討を行うときのポイント ます。事例提供者は、架空の事例ではなく、必ず自身の現在の事例 (もしくは、必ず しも自身が主担当ではなくても、実際に関わっている事例)を提供します。 1 人の事例をいくつかのグループで検討したり、架空の事例と架空の担当者の 事例を検討するという企画は、極力、避けるようにします。 どうしても、ファシリテーターがグループの数分、確保できない場合は、1 つの グループ (7~ 8 名)の事例検討会の様子を、他の参加者が取り囲むようにして見 学するのも一案です。この場合、見学者は発言せずに、事例検討会の推移を見守る ことになります。 ■ ファシリテーターとの事前打合せを確実に行う ファシリテータ―と事例提供者の事前打ち合わせが重要なのは、集合研修でも 同様です。 特に、集合研修の場合は、企画の意図、参加者状況 (職種・年代・所属・事例検討 会の経験の有無等)をファシリテーターと共有します。ファシリテータ― には、本 手引きの付属DVDの視聴を促し、認識の統一を図るようにします。 ■ 新人が事例を提供する場合は、職場の上司や先輩の同席 が得られるよう調整する 新人が事例を提供する場合は、できる限り職場の上司等が参加し、場合によっ て事例提供者の発言や背景などをサポートします。その場合、過度に代弁せず、事 例提供者自らが発言できるような支えとなることが重要です。 63
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