校長 酒 井 治 己 本日ここに、独立行政法人水産大学校本科184名、専攻科 44名、水産学研究科7名の平成27年度卒業式並びに修了式 を挙行するにあたり、水産大学校校長として式辞を申し上げま す。 卒業生、修了生諸君の未来を祝福するとともに、これまで支 えてこられた保護者の皆様にも、心からお祝い申し上げます。 また、佐藤一雄 水産庁長官、中尾友昭 校同窓会滄溟会 本村紘治郎 盛承 下関市長、水産大学 会長、水産大学校後援会 濱田 理事をはじめ、ご来賓の皆様に厚く御礼申し上げます。 さて、農林水産省を主務省とする水産大学校は、今年で創立 75周年の歴史と伝統を誇る水産高等教育機関であり、水産教 育一筋に邁進し、これまで水産業界に約1万名の卒業生を送り 出してきました。諸君にはその一員、すなわち同窓生となる事 に誇りを持って欲しいと思います。 思い起こせば、諸君は約4.5倍の難関を突破して本校に入 学してきました。その後本校の実学重視の水産学教育を受け、 社会人としての基礎力、適応力、解決力を身に付けたはずです。 しかし、それも今までは本校や家族の庇護のもとでのこと、こ れからは実社会での様々な課題に自ら立ち向かい、乗り越えて 行く必要に迫られます。 しかも、その実社会ではグローバル化の名のもとに人、物、 金が流動化し、一つの価値基準ではなかなか事が進まないよう になってきています。そこで確実に助けとなるのが諸君の持つ 様々な人との繋がりなのです。多くの人との連携能力は人間力 の一部です。1万人の同窓生がまさに諸君の水産界における人 脈となるのです。諸君はそれを使えるのです。それがいかに大 切な事か、歳を重ねるごとに身にしみて分かってくるのではな いかと思っています。 独立行政法人水産大学校は、4月 1 日をもって国立研究開発 法人 水産研究・教育機構の人材育成部門としての水産大学校 になります。すなわち、諸君は独立行政法人水産大学校として の15年間の最後の卒業生でもあるわけです。しかし、新しい 機構の水産大学校がこの地に有り、来年からも200名をこす 同窓生を世に送り出す事には変わりありません。 実社会は、温かくまた時に厳しく諸君を受け入れてくれるは ずです。社会での、わけても同窓の先輩・同輩・後輩の連携を どうぞ大切にし、柔軟かつしぶとくご活躍ください。そして、 数年後には本校の後輩を包み迎えるような社会の先輩とならん ことを念願するとともに、諸君の健闘を心より祈念し、式辞と いたします。
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