各論5.防衛 (1)防衛関係費の現状・見通し 防衛関係費については、平成25年12月に閣議決定された「中期防衛力整備計画(平成26 年度~平成30年度)」(以下、26中期防)を踏まえ、必要な手当てを行っています。また、 沖縄の地元負担軽減等のための在日米軍再編事業についても着実に推進することとしています。 ○防衛関係費の推移(赤色部分は防衛関係費からSACO・米軍再編関連経費及び政府専用機導入関係費を除いた計数) (億円) 51,000 49,801 (2.0%) 50,000 49,000 50,541 (1.5%) 48,848 (2.8%) 48,013 (▲0.3%) 48,000 47,796 (▲0.5%) 47,741 (▲0.1%) 47,903 (0.3%) 47,752 (▲0.3%) 47,138 (▲1.3%) 47,538 (0.8%) 48,607 48,221 47,000 (0.8%) 46,000 45,0000 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 (年度) (注) SACO:沖縄県の在日米軍に係る土地・施設の返還、訓練・運用改善による騒音等の地元の負担軽減等について日米間 で協議を行った特別委員会(Special Action Committee on Okinawa)の呼称 ○防衛関係費の内訳 防衛関係費は、①人件・糧食費、②歳出化経費、③一般物件費の3つに分類され、義務的な経費で ある①と②が全体の約8割を占める構造となっています。 平成28年度当初予算(合計50,541億円) (単位:億円) 一般物件費 10,692 (21.1%) 人件・糧食費 21,473 (42.5%) ①人件・糧食費 ・・・ 隊員等に支給される給与や、営内で生活して いる隊員等の食費など ②歳出化経費 ・・・ 装備品などの物件費のうち、27年度以前の契 約に基づき28年度に支払うもの 歳出化経費 18,377 (36.4%) ③一般物件費 ・・・装備品などの物件費のうち、28年度の契約に 基づき28年度に支払うもの ○新規後年度負担の推移 翌年度以降に歳出化経費となる新規後年度負担は、将来の予算が硬直化しないよう、平成28年度 においては抑制を図っています。 [億円] 30,000 21,733 (25.6%) 25,000 20,000 17,303 (1.8%) 18,476 (6.8%) 25,623 (17.9%) 22,875 (▲10.7%) 17,299 (▲6.4%) 15,000 10,000 0 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 (2)防衛関係費の効率化への取組み 持続的な防衛力整備を可能とするためには、装備品等の調達の効率化・合理化は不可欠です。 「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について」においては、経費の抑制に努めることと規定 されているとともに、26中期防においては、調達改革等を通じ、効率化・合理化を徹底した防 衛力整備に努め、おおむね7,000億円程度の実質的な財源の確保を図ることと規定されてい ます。 防衛計画の大綱 ○ 日本国憲法の下、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本方針に従い、文民 統制を確保し、非核三原則を守りつつ、実効性の高い統合的な防衛力を効率的に整備する。 ○ 格段に厳しさを増す財政事情を勘案し、防衛力整備の一層の効率化・合理化を図り、経費の抑制に努めるととも に、国の他の諸施策との調和を図りつつ、防衛力全体として円滑に十全な機能を果たし得るようにする。 中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度) Ⅵ 所要経費 1 この計画の実施に必要な防衛力整備の水準に係る金額は、平成25年度価格でおおむね24兆6,700億円 程度を目途とする。 2 本計画期間中、国の他の諸施策との調和を図りつつ、調達改革等を通じ、一層の効率化・合理化を徹底した防 衛力整備に努め、おおむね7,000億円程度の実質的な財源の確保を図り、本計画の下で実施される各年度の 予算の編成に伴う防衛関係費は、おおむね23兆9,700億円程度の枠内とする。 3 この計画については、3年後には、その時点における国際情勢、情報通信技術を始めとする技術的水準の動 向、財政事情等内外諸情勢を勘案し、必要に応じ見直しを行う。 ○調達改革の達成状況 平成28年度までに累計3,690億円の調達効率化が図られる見込みとなっており、防衛装備庁(平 成27年10月設立)を中心にさらなる取組の拡大が求められます。 防衛省作成資料 を基に作成 施策の例 26年度 27年度 28年度 29年度 維持・整備方法の見直し (ロジスティクスの改革) 81億円 336億円 432億円 装備品のまとめ買い 331億円 350億円 465億円 民生品の使用・仕様の見直し 250億円 423億円 455億円 長期契約制度の導入 - 417億円 148億円 2年度間の 要効率化額 3,310億円 (単年度あたり 1,655億円) PM/IPT制度の導入 国際共同開発・生産の推進 - - - 単年度計 660億円 1,530億円 1,500億円 660億円 2,190億円 3,690億円 累 計 30年度 達成率 52.7% 7,000億円 (注) PM/IPT制度:装備品等の構想、開発、量産(取得)、維持・整備、廃棄といった各段階を一元的に管理するため、 プロジェクト・マネージャー(PM)及び組織横断的な検討を行う統合プロジェクトチーム(IPT)を設 置するプロジェクト管理体制
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