第11次兵庫県卸売市場整備計画の概要 序章 計画の目標年度 平成37年度(中間目標年度:平成32年度、基準年度:平成25年度) 計画の目標 県民へ生鮮食料品を安定的に供給する基幹的社会インフラとしての卸売市場の機能堅持と整備の推進 現状の取扱量を今後も維持することで青果物需要量に対する供給割合を44%(H25)→46%(H37)とする 県内卸売市場のめざす姿 ひょうご五国のめぐみを活かし、「強み」「特色」を自ら発揮する卸売市場 35.0 126,926 30.0 5,600 126,000 120,902 5,551 食料費に占める生鮮食品比率 食料費に占める外食+調理食品比率 5,500 H22 H25 H27 H32 H20 H21 H22 H23 H24 (H16年100とする) 110 80 2,500 150,000 2,000 120,000 60,000 50,000 40,000 1,500 90,000 1,000 60,000 20,000 30,000 10,000 兵庫県 全国 0 0 H17 H22 ○生産額の減少 H25 30,000 1,800 99 1,600 71 1,400 県内市場(中央+地方) 東京中央(大田市場) 大阪市中央(本場) 1,200 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 1,736 (卸売業者の減少) 【卸売業者数の推移】 96 100 1,509 83 H24 H25 80 60 兵庫県(中央+地方) H23 90 70 全国(中央+地方) 1,000 50 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 ○卸売業者等の経営体質が悪化傾向 ○大規模市場への荷の集中 S60 70,000 H17 H25 H2 H7 H12 H17 H22 H25 県内市場をはじめ、全国的に取扱量が減少傾向に あるが、大阪市場等大規模市場は横ばい ○食の安全を揺るがす事件の発生 (全国/億円) H12 H19 【青果物取扱量の推移】 0.0 H37 【農業生産額の推移】 500 100 H18 100 H16 2 生産・流通構造の現状 H7 0 0 ○生鮮食料品の消費量の減少 H2 全国(中央+地方) 青果物 食料費に占める調理食品比率 5.0 5,300 (%) 120 20 食料費に占める外食比率 10.0 5,385 116,000 S60 20 H16 H17 40 消費支出に占める食料費比率 20.0 5,400 118,000 (兵庫県/億円) 兵庫(中央+地方) 60 25.0 15.0 総人口 兵庫県 H17 国産青果物 H16 【消費支出に占める食料費等の比率(全国)】 59.2 40 73 40 (世帯構造及び消費形態の変化) 5,700 H12 66.1 60 0 130,000 120,000 80 87 20 (消費人口の減少と高齢化の進行) 【総人口と県内人口の推移】 県内人口(千人) 総人口(千人) 122,000 85 (H16年を100とする) 100 60 1 消費者側の現状 124,000 100 (取扱量の減少と卸売市場間格差の拡大) (%) 【卸売市場経由率の推移(全国)】 【全国及び兵庫県の青果物取扱金額推移】 100 93 80 第1章 卸売市場をめぐる情勢と課題 128,000 (%) 120 【全国生鮮食料品小売店数の推移】 野菜・果実小売業 鮮魚小売業 食肉小売業 百貨店、総合スーパー 58,785 53,133 41,371 19,443 14,050 11,604 1,706 1,754 0 S57 S60 S63 H3 H6 H9 H11 H14 H16 H19 H24 H26 ○八百屋など専門小売店の減少、総合スーパー等の寡占化 3 卸売市場の現状 【卸売市場が持つ機能】 品揃え機能 多様な品目の豊富な品揃えを確保する 集荷・分荷機能 全国の産地から多量多品目の商品を集荷するとと もに、実需者のニーズに応じて、迅速かつ効率的 に必要な品目を分荷し、配送する 需給を反映した迅速かつ公正な評価による透明性 価格形成機能 の高い価格形成を行う 代金決済機能 販売代金の迅速・確実な決済を確保する 情報受発信機能 需給にかかる情報を収集し、生産者と消費者にそ れぞれ発信する 災害時対応機能 災害時にライフラインとして市民生活を支える 【県内青果物需要量に対する供給割合(推計)】 その他 (直接取引等) 18% 直売所 6% 生食肉による腸管出血性大腸菌食中毒事件、冷 凍食品の農薬混入事件、賞味期限が切れた鶏肉 を使った中国産鶏肉加工品問題等、食の安全を脅 かす事件が続発。 ○消費者に対するPR不足 卸売市場は、国内外から生鮮食料品の集荷を行 い、効率的に実需者に分配するという流通の基幹 的社会インフラであるにもかかわらず、直接消費者 に生鮮食料品を販売しないため、消費者からは見 えにくい存在。 ○卸売市場の運営に伴う環境負荷 卸売市場では、段ボールや発泡スチロール等の 廃容器、品質保持のために使用する冷蔵・冷凍施 設や照明などによる大量の電気消費など日々の活 動において環境に負荷をかけている。 課 題 県内市場 44% 県外市場32% ( 平 成 25 年 度 の 農 林 水 産 省 及 び 消 費 流 通 課 データより消費流通課で推計) 1 集荷力・販売力強化 ①主要品目の確保等集荷力の強化 ②消費者ニーズを踏まえた品揃えと販売力の強化 重点目標(集荷力・販売力の強化) [現状] <全国的な傾向> 農業生産量の減少 生鮮食料品の消費量の減少 専門小売店の減少による総合スーパー等の寡占化 直接取引等、流通の多様化による卸売市場経由率の低下 <県内市場の傾向> 品揃え・量が多い近接の県外大規模市場からの青果物の 流入が年々増加 (県外の大規模卸売市場から、本部集配センターへ一括 仕入れを多く採用等) ↓ 主要品目の集荷の確保や特色のある品揃え等に加え 総合スーパー等への対策強化により県内市場の活性化 を推進 [目標] 県内青果物需要量に占める県内市場供給割合 平成37年度 46% 800,000 その他(直売所、直接取引等) 700,000 676,263 600,000 97,542 (14%) 500,000 131,338 (19%) 2 食の安全への取組強化 3 消費者の卸売市場に対する理解醸成 200,000 4 環境負荷低減への取組強化 100,000 677,776 183,689 (27%) 136,286 (20%) 400,000 300,000 5 卸売業者、仲卸業者の経営体質強化 【県内青果物需要量に占める県内市場取扱量】 (トン) 447,383 (66%) 357,801 (53%) 県外市場 672,927 県内市場 661,757 661,757 652,182 161,451 (24%) 164,494 (25%) 164,909 (25%) 213,627 (32%) 199,414 (30%) 189,424 (29%) 297,849 (45%) 297,849 (44%) 現行 トレンド (推計) 目 標 値 297,849 (46%) 0 H15 H20 H25 H32 H37 第2章 自ら「強み」「特色」を活かし、食の安定供給を図る卸売市場に向けて Ⅰ 課題解決のための方策 1 卸売市場の活性化に向けた取組強化 (1) 主要品目の集荷の確保 ① ひょうご卸売市場協働ネットワークを活用した協働集荷による集荷力・品揃え強化 ② 生産者との契約取引等産地への働きかけを強くし、集荷を強化 (2) 県内農林水産業との密接な連携による特色のある品揃え ① 産地等と連携し、実需者ニーズにあった農林水産物を生産し、それを流通販売するシステムの構築 ② 兵庫県認証食品等、特色のある独自商品の品揃えの充実と取扱量の拡大 (3) 生鮮食料品の販売力強化 ① 生産者、実需者への情報受発信・コーディネート機能の強化 ② 卸売市場の専門知識を活かした企画提案を行い、小売店等に対する営業力を強化 ③ 立地を活かしたせり時間の工夫や夕市による鮮度重視販売など、特色ある販売の取組強化 (4) 時代に即した卸売市場の新たな機能付加と価値向上 新 ① 県産農林水産物の魅力を活かした輸出促進 ② 農林漁業者の6次産業化のパートナーとしての機能発揮 2 食の安全・安心の確保 (1) 衛生・品質管理高度化に対する取組強化 ① 問題発生時の情報の発信・共有等対応できる体制強化 ② 衛生・品質管理の一層の強化 ③ 卸売市場の衛生・品質管理に対する取組の県民への積極的PR (2) コールドチェーンシステムの整備促進 ① 冷蔵庫等保冷設備の整備促進 (3) 適正な表示と食品トレーサビリティーへの取組推進 ① 研修会の開催等、食品表示、食品トレーサビリティについての認識強化 3 食育の推進と卸売市場のPR・啓発 ① 地元産品を活用した料理教室、小学校等への出前食育講座の実施 ② 卸売市場でのイベントの開催等、卸売市場のPR活動の実施 4 環境負荷の低減とコスト削減 ① ② ③ ④ 野菜や果物のくずの堆肥化、魚のあらの魚粉化等の再資源化 発泡スチロールの再資源化 廃棄物の削減に向けた段ボールから通い容器への転換・再利用化 太陽光発電施設等の導入 5 卸売業者・仲卸業者の経営体質強化 新 ① 社内研修等の実施による人材育成 ② 販売管理システムの整備や場内動線の改善等による業務の効率化 ③ 卸売市場間、卸売業者間の業務連携 第3章 流通圏の設定と卸売市場の整備方針(※国の基本方針に則して作成) 流通圏 全品目について県下一円とする 整備方針 各卸売市場開設者等の将来構想とそれに向けた方針を第一とし、中央市場の配置を前提として それを補完する地域拠点市場を位置づける。国整備方針・計画等状況に応じ、地方卸売市場 等の再編を検討。 水産物産地市場は、漁協の事業統合、漁港・港湾の整備計画を踏まえた統合整備を検討。 Ⅱ 卸売市場ごとの取組方法 新 1 卸売市場の類型分類 (1) 中核市場 (2) 消費地立地市場 (3) 産地消費地複合市場 (4) 地域流通市場 :取扱量は多く、商圏も広い。他市場との連携を主導する :阪神~播磨地域の人口の多い地域に位置し、取扱量は比較的大きい :生産地にも近く、産地市場的な面と消費地市場的な面の両方の性格を持つ :小規模な卸売市場であるが、地域への食料品の供給を担っている 2 類型別の主な課題と対応 (1) 中核市場 ① 主要品目の確保(他市場との連携主導) ② 県内農林水産業と密接な連携による特色のある品揃え(実需者と連携した産地育成) ③ 生鮮食料品の販売力強化(企画提案の強化等) ④ 時代に即した卸売市場の新たな機能付加と価格向上(輸出の取組等) ⑤ 卸売業者・仲卸業者の経営体質強化(取引業務の電子化等) (2) 消費地立地市場 ① 主要品目の確保(他市場との連携参画) ② 県内農林水産業と密接な連携による特色のある品揃え(兵庫県認証食品の取扱拡大等) ③ 生鮮食料品の販売力強化(給食事業者等への地元産品供給等) (3) 産地消費地複合市場 ① 主要品目の集荷の確保(出荷時の農家負担軽減等) ② 県内農林水産業と密接な連携による特色のある品揃え(独自商品の開発等) ③ 生鮮食料品の販売力強化(給食事業者等への地元産品供給等) (4) 地域流通市場 ① 地域農林水産業と密接な連携による特色のある品揃え(地場産品、小ロット品目等取扱) ② 生鮮食料品の販売力強化(地元小売店との連携等) 3 卸売市場ごとの目標設定 ① 各卸売市場が抱える課題を自ら分析して活性化目標を策定 ② 活性化目標を達成するための行動を実践 Ⅲ 県の支援・取組 新 県は、卸売市場がそれぞれの「強み」「特色」を活かす取組みを行えるよう支援を行う 1 卸売市場自らによる活性化目標の策定・実践に対する県の支援 (1) 活性化目標を設定するモデル市場の選定 (2) モデル市場の活性化目標の設定支援 (3) 活性化目標達成のための取組の支援、点検 2 卸売市場の活性化に向けた県の取組 (1) 集荷力の強化 県内卸売市場の協働集荷の推進、県産農林水産物の生産振興による集荷力確保、産地との連携強化 (2) 販売力の向上 県産農林水産物の販売促進活動への支援、兵庫県認証食品の生産拡大と認知度向上 (3) 卸売業者・仲卸業者の経営力強化 卸売業者・仲卸業者の経営の改善に向けた取り組みへの支援 第4章 卸売市場の整備・運営に関する留意事項(※国の基本方針に則して作成) 卸売市場の立地と施設の種類、規模、配置及び構造に関する事項 卸売市場での取引と積卸し、荷さばき、保管などの合理化に関する事項 (1) 取引の合理化 (2) 積卸し、荷さばき、保管などの合理化 (3) 物品の品質管理の高度化に関する事項
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