29P-0915

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塩酸リトドリン注射液の使用成績調査
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佐野 正毅 1 ,
高嶋 孝次郎(
福井県済生会病院薬)
◯長谷川 敦子 1 ,寺下 朋江 1 ,
【目的】当院では、2007.5 から塩酸リトドリン注射液の後発医薬品が採用となっ
たが、医師の要望により先発医薬品も引き続き使用され、後発品への完全な移行
は行われていない。ここ数年、後発品注射剤の純度試験が注目されており、塩酸
リトドリン注射液もその一つである。また、塩酸リトドリン注射液は、これまで
に血管炎、血管痛など先発品使用時には頻度の少ない副作用が、後発品使用時の
み高頻度に発生し薬剤変更に至ったなどの臨床症例が複数報告されている。そこ
で、当院における塩酸リトドリン注射液の使用成績について調査を行った。
【方法】塩酸リトドリン注射液の先発品および後発品使用患者 100 名ずつを、後
発品導入前後で抽出し、以下の項目について使用状況を調査した。①患者背景:
妊娠成立状況(不妊治療の有無)、合併症の有無、妊娠歴、分娩歴②出産背景:分
娩週数、早産児(37 週未満)、低出生体重児(2500g 以下)
、健常児、奇形・先天
代謝異常の有無③塩酸リトドリン注射液の使用量および副作用
【結果】後発品使用にて見られた主な副作用は、発疹・ᦋ痒感、肝機能障害、C
PK上昇であった。血管痛、静脈炎による先発品への変更はなかった。
【結論】当院使用例では、報告されている副作用例のみで、頻度も低かった。後
発品は、品質、有効性および安全性が先発品と同等であるとして、科学的な評価
をされている一方で、その品質(純度・添加剤)に対する懸念は多く、品質の信
頼性確保の向上を図ることが急務となっている。また、先発品と違い、市販後調
査がなく、今回のような調査により、安全性・有効性の情報を収集・分析し、臨
床現場にフィードバックすることは、先発品同様重要と考える。