**2 0 1 5年3月改訂(第1 7版) *2 0 1 4年4月改訂 日本標準商品分類番号 876179 キャンディン系抗真菌剤 25mg 劇薬、処方箋医薬品 承認番号 21800AMZ10356 注意−医師等の処方箋により 使用すること 劇薬、処方箋医薬品 注意−医師等の処方箋により 使用すること 劇薬、処方箋医薬品 注意−医師等の処方箋により 使用すること 注射用ミカファンギンナトリウム 25mg・50mg・75mg for Infusion **貯 法:遮光した密封容器、室温保存 〔バイアルはUVカットフィルムで遮光している。〕 使用期限:ケース等に表示(製造後3年) 【組成・性状】 1. 組成 添加物 (1バイアル中) ファンガード 点滴用25mg ミカファンギンナトリウム 2 5mg(力価) ファンガード 点滴用50mg ミカファンギンナトリウム 5 0mg(力価) ファンガード 点滴用75mg ミカファンギンナトリウム 7 5mg(力価) 乳糖水和物 2 0 0mg、 pH調節剤 2. 製剤の性状 本剤は白色の塊で生理食塩液、ブドウ糖注射液に溶解したと きのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。 容器:無色バイアル 含量/溶解液量 溶解液 pH 浸透圧比※ 25mg(力価)/100mL 生理食塩液 4. 5∼8. 0 約1 50mg(力価)/100mL 生理食塩液 4. 5∼8. 0 約1 75mg(力価)/100mL 生理食塩液 4. 5∼8. 0 約1 150mg(力価)/100mL 生理食塩液 4. 5∼8. 0 約1 300mg(力価)/100mL 生理食塩液 4. 5∼8. 0 約1 5∼7. 0 25mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3. 約1 50mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3. 5∼7. 0 約1 5∼7. 0 75mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3. 約1 150mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3. 5∼7. 0 約1 5∼7. 0 300mg(力価)/100mL ブドウ糖注射液(5w/v%) 3. 約1 ※生理食塩液に対する比 【効能・効果】 アスペルギルス属及びカンジダ属による下記感染症 真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症 造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカ ンジダ症の予防 2006年6月 販売開始 2006年7月 再審査結果 2013年6月 効能追加 2007年1月 国際誕生 2002年1 0月 5 0mg 75mg 承認番号 21400AMZ00623 21400AMZ00624 薬価収載 2 00 2年1 2月 販売開始 2 00 2年1 2月 再審査結果 2 01 3年6月 効能追加 2 00 7年1月 国際誕生 2 00 2年1 0月 重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じ て増量できるが、1日300mg(力価)を上限とする。 カンジダ症: 通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして 50mg(力価)を1日1回点滴静注する。 重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量 できるが、1日300mg(力価)を上限とする。 造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及び カンジダ症の予防: 成人にはミカファンギンナトリウムとして50mg (力価)を1日1回点滴静注する。 【禁 忌(次の患者には投与しないこと) 】 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 有効成分 (1バイアル中) 薬価収載 点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液 又は補液に溶解し、75mg(力価)以下では3 0分以上、 75mg(力価)を超えて投与する場合は1時間以上か けて行う。 溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。 [溶 液が等張とならないため。] 2.小児 アスペルギルス症: 通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして /kgを1日1回点滴静注する。 1∼3mg(力価) 重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じ /kgを上限とす て増量できるが、1日6mg(力価) る。 カンジダ症: 通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして /kgを1日1回点滴静注する。 1mg(力価) 重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量 できるが、1日6mg(力価)/kgを上限とする。 造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及び カンジダ症の予防: 小児にはミカファンギンナトリウムとして1mg (力価)/kgを1日1回点滴静注する。 【用法・用量】 1. 成人 アスペルギルス症: 通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして 5 0∼1 5 0mg(力価)を1日1回点滴静注する。 −1/1 0− 点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液 又は補液に溶解し、1時間以上かけて行う。 溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。 [溶 液が等張とならないため。] 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 1 本剤の使用に際しては、疾病の治療上必要な最 ! 小限の期間の投与にとどめること。 2 成人に対しては、下記の点に注意すること。 ! アスペルギルス症及びカンジダ症:体重50kg以 下の患者に対しては、体重換算で1日あたり6mg (力価)/kgを超えないこと。 造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症 及びカンジダ症の予防: 1) 好中球数が5 00個/mm3以上に回復するなど、適 切な時期に投与を終了すること。 2) 体重5 0kg以下の患者に対しては、体重換算で /kgを超えないこと。 1日あたり1mg(力価) 3 小児に対しては、下記の点に注意すること。 ! アスペルギルス症及びカンジダ症:体重50kg以 上の患者に対しては、1日あたり3 0 0mg(力価) を超えないこと。 造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症 及びカンジダ症の予防: 1) 好中球数が5 0 0個/mm3以上に回復するなど、適 切な時期に投与を終了すること。 2) 体重5 0kg以上の患者に対しては、1日あたり 5 0mg(力価)を超えないこと。 【使用上の注意】 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) 1 薬物過敏症の既往歴のある患者。特に他のキャン ! ディン系抗真菌剤に対し過敏症の既往歴のある患 者には注意すること。 2 肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがあ ! る。] 2.重要な基本的注意 1 定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十 ! 分観察し、異常が認められた場合には、投与を中 止するなど適切な処置を行うこと。 [本剤投与中 の患者で肝機能障害、黄疸があらわれることがあ る。 ( 「重大な副作用」の項参照)また、動物試験 において肝変異細胞巣の発生とその一部の腫瘍化 が認められている。 ( 「その他の注意」の項参照) ] 2 小児では、臨床試験において、成人に比べ肝機能 ! 障害の頻度が高いことが観察されているので、十 分配慮すること。 3 本剤の予防投与開始後においてアスペルギルス症 ! 又はカンジダ症が発症した場合は、漫然と使用せ ず、他の薬剤に変更する、又は本剤を増量するな ど適切な処置を行うこと。 4 本剤投与開始後において、原因菌がアスペルギル ! ス属又はカンジダ属でないことが明確になった場 合、又は本剤投与で効果が認められない場合は、 漫然と使用せず、他の薬剤に変更するなど適切な 処置を行うこと。 3.副作用 〇アスペルギルス症及びカンジダ症 成人を対象とした国内臨床試験において、副作用 (臨 床 検 査 値 の 異 常 変 動 を 含 む)が6 7例 中21例 −2/1 0− (31. 3%)に33件報告された。その内訳は、静脈炎 2件(3. 0%)、関節炎、血管痛、悪寒、頭痛、高血 圧、動悸、下痢、軟便、発疹、丘疹性皮疹各1件 5% (1. 5%)、Al‐P上昇4. 5%(3/67)、BUN上昇4. 0%(2/66)、ALT(GPT)上 (3/67)、γ‐GTP上昇3. 0%(2/67) 昇3. 0%(2/67)、クレアチニン上昇3. 等であった。 小児を対象とした国内臨床試験において、副作用 (臨 床 検 査 値 の 異 常 変 動 を 含 む)が2 0例 中6例 (30. 0%)に14件報告された。その内訳は、アナフ ィラキシー様反応1件(5. 0%)、AST(GOT)上昇 5. 0%(3/20) 、 15. 0%(3/20)、ALT(GPT)上昇1 γ‐GTP上昇10. 5%(2/19)等であった。 成人を対象とした市販後の使用成績調査では、 1, 074例中3 06例(2 8. 5%)に臨床検査値異常を含 む副作用が認められ、主なものは肝機能障害7 9件 (7. 4%)、AST(GOT)上昇4 7件(4. 4%)、ALT (GPT)上昇43件(4. 0%)、Al‐P上昇36件(3. 4%)、 γ‐GTP上昇、腎障害各23件(2. 1%)等であった。 小児を対象とした市販後の特定使用成績調査では、 191例中4 2例(22. 0%)に臨床検査値異常を含む副 作 用 が 認 め ら れ、主 な も の は 肝 機 能 障 害2 6件 (13. 6%)、AST(GOT)上 昇5件(2. 6%) 、ALT (GPT)上昇、黄疸各4件(2. 1%) 、Al‐P上昇3件 (1. 6%)等であった。なお、低出生体重児12例、新 生児18例のうち、低出生体重児の1例にシュード モナス感染が認められた。 (再審査結果通知:2013年6月) 〇造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及 びカンジダ症の予防 造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及 びカンジダ症の予防を対象とした市販後の特定使 用成績調査では、241例中8 6例(3 5. 7%)に臨床検 査値異常を含む副作用が認められ、主なものは肝 機 能 障 害46件(1 9. 1%) 、ALT(GPT)上 昇1 4件 0件(4. 1%) 、AST(GOT) (5. 8%)、γ‐GTP上昇1 上昇、発熱各9件(3. 7%)、下痢8件(3. 3%)等 であった。 (再審査結果通知:2013年6月) 1 重大な副作用 ! 1)血液障害:白血球減少(0. 6%)、好中 球 減 少 (0. 2%)、溶 血 性 貧 血(血 管 内 溶 血 を 含 む) (0. 1%)、血小板減少(0. 8%)があらわれるこ とがあるので、定期的に検査を行うなど観察を 十分に行い、異常が認められた場合には投与を 中止するなど適切な処置を行うこと。なお、溶 血性貧血については、投与開始直後にあらわれ ることもあるので、溶血が認められた場合には 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 2)ショック、アナフィラキシー:ショック(頻度 2%)があらわれ 不明注))、アナフィラキシー(0. ることがあるので、観察を十分に行い、血圧低 下、口内異常感、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、 蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中 止し、必要に応じて気道の確保、アドレナリン、 ステロイド、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な 処置を行うこと。 3) 肝 機 能 障 害、黄 疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、 γ‐GTP、Al‐Pの 上 昇 等 を 伴 う 肝 機 能 障 害 (9. 5%)、黄疸(1. 8%)があらわれることがあ るので、定期的に検査を行うなど観察を十分に 行い、異常が認められた場合には投与を中止す るなど適切な処置を行うこと。 4) 急 性 腎 不 全:急 性 腎 不 全 等 の 重 篤 な 腎 障 害 (1. 6%)があらわれることがあるので、定期的 に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認 められた場合には投与を中止するなど適切な処 置を行うこと。 5) 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(StevensJohnson症候群)、多形紅斑:中毒性表皮壊死 融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑(いずれ も頻度不明注))があらわれることがあるので、 観察を十分に行い、異常が認められた場合には 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 注) 最小有効用量検討試験、侵襲性アスペルギルス症を 対象とした試験、カンジダ血症及び侵襲性カンジダ 症を対象とした試験。下表は、これらの試験におい て1%以上の頻度で認められた副作用を記載した。 5%以上 肝臓 代謝異常 低マグネシウム血症、低カ ルシウム血症、高クロール 血症、低カリウム血症 血液 皮膚 白血球減少、血小板減少、 貧血 発疹 循環器 血管拡張、高血圧 消化器 嘔吐、嘔気、下痢 腎臓 クレアチニン上昇、BUN 上昇 その他 発熱、腹痛、無 力 症、さ む け、静脈炎、頭痛 注) 頻度不明:自発報告のため頻度が算出できない。 2)造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症 及びカンジダ症の予防注) 造血幹細胞移植患者で安全性が評価された症例 425例(成人3 86例、小児3 9例)中64例(15. 1%) に臨床検査値の異常変動を含む副作用が認めら れた。主な副作用は、高ビリルビン血症14件 (3. 3%) 、嘔気10件(2. 4%)、下痢9件(2. 1%)、 低カリウム血症8件(1. 9%) 、発疹8件(1. 9 %)等であった。 2 その他の副作用 ! 0. 1∼5%未満 0. 1%未満 肝臓 低カルシウ ム血症、低 マグネシウ ム血症 血液 好酸球増多 皮膚 発疹 循環器 動悸 消化器 下 痢、悪 心、嘔 軟便 吐 腎臓 BUN上昇、クレ クレアチニ アチニン上昇 ンクリアラ ンス低下 その他 頻度不明注) AST (GOT) 上昇、 ALT(GPT) 上昇、 Al‐P上 昇、LDH 上 昇、 γ‐GTP上 昇 代謝異常 カリウム上昇、 カリウム低下 1∼5%未満 AST(GOT) ALT (GPT) 上昇、Al‐P上昇、 上昇 高ビリルビン血症 注) 米国第!相予防投与試験。下表は、本試験において 1%以上の頻度で認められた副作用を記載した。 1∼5%未満 肝臓 高血圧 高ビリルビン血症 代謝異常 低マグネシウム血症、低カリウム血症、 低リン酸塩血症 静脈炎、関節炎、 血管痛、ミ 悪寒、頭痛、CK オグロビン (CPK) 上昇、 発 上昇 熱 注) 頻度不明:臨床検査の実施例数が少ない、自発報告、 あるいは海外のみで認められた副作用のため頻度が算 出できない。 上記の副作用の発現頻度は、承認時までの臨床試験及び 市販後の調査の結果に基づいている。 [参考]海外臨床試験 1) アスペルギルス症及びカンジダ症注) 真菌感染症患者で安全性が評価された症例7 99 例 (成人6 7 6例、小児1 2 3例)中2 89例(36. 2%)に 臨床検査値の異常変動を含む副作用が認められ た。主 な 副 作 用 は、AST(GOT)上 昇41件 (5. 1%) 、ALT(GPT)上昇38件(4. 8%) 、Al‐P 上昇3 5件(4. 4%) 、嘔吐3 1件(3. 9%) 、嘔気29 件(3. 6%) 、白血球減少2 6件(3. 3%) 、低マグネ シウム血症2 6件(3. 3%)等であった。 血液 白血球減少 皮膚 発疹 消化器 嘔吐、嘔気、下痢 その他 腹痛 4.高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、用 量に留意するなど慎重に投与すること。 5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 1 妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 " には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断さ れる場合にのみ投与すること。 [妊娠中の投与に 関する安全性は確立していない。] 2 授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望 " ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避 けさせること。[動物実験(ラット)において母乳 中に移行することが報告されている。( 「薬物動 態」の項参照)] 6.小児等への投与 1 小児では、臨床試験において、成人に比べ肝機能 " 障害の頻度が高いことが観察されているので、十 分配慮すること。 −3/1 0− 2 低出生体重児、新生児に対する使用経験は ! 少ない。 ( 「副作用」の項参照) 3 海外臨床試験では、低出生体重児において ! 血漿中濃度が低くなる傾向がみられている。 ( 「薬物動態」の項参照) 7. 適用上の注意 1 調製方法:本剤は溶解時、泡立ちやすく、 ! 泡が消えにくいので強く振り混ぜないこと。 2 投与時:光により徐々に分解するので直射 ! 日光を避けて使用すること。また、調製後、 点滴終了までに6時間を超える場合には点 滴容器を遮光すること。[点滴チューブを 遮光する必要はない。] 溶解後の光安定性 含量/溶解液量 試験項目 溶解直後 6時間後 24時間後 光分解物 05未満 2. 61 50mg(力価) (%) 0. /100mL 力価 生理食塩液 100 96. 6 残存率(%) 光分解物 05未満 0. 70 300mg(力価) (%) 0. /100mL 力価 生理食塩液 100 98. 7 残存率(%) 50mg(力価) 光分解物 0. 05未満 1. 14 (%) /100mL ブドウ糖注射 力価 98. 0 液(5w/v%) 残存率(%) 100 6. 58 88. 8 2. 52 96. 7 4. 46 93. 6 保存条件:遮光なし、室温、室内散光下(3, 0 0 0ル クス) 3 配合禁忌:本剤は他剤と配合したとき、濁 ! りが生じることがある。また、本剤は塩基 性溶液中で不安定であるため、力価の低下 が生じることがある。表1に配合直後に濁 りが生じる主な薬剤を、表2に配合直後に 力価低下が生じる主な薬剤を示す。 表1 配合直後に濁りが生じる主な薬剤 バンコマイシン塩酸塩、アルベカシン硫酸 塩、ゲンタマイシン硫酸塩、トブラマイシ ン、ジベカシン硫酸塩、ミノサイクリン塩 酸塩、シプロフロキサシン、パズフロキサ シンメシル酸塩、シメチジン、ドブタミン 塩酸塩、ドキサプラム塩酸塩水和物、ペン タゾシン、ナファモスタットメシル酸塩、 ガベキサートメシル酸塩、チアミンジスル フィド・ピリドキシン塩酸塩・ヒドロキソ コバラミン酢酸塩、メナテトレノン、乾燥 ペプシン処理人免疫グロブリン、ドキソル ビシン塩酸塩 表2 配合直後に力価低下が生じる主な薬剤 アンピシリン、 スルファメトキサゾール・ トリメトプリム、アシクロビル、ガンシ クロビル、アセタゾラミド 8.その他の注意 1 ラットに4週間反復静脈内投与した試験に ! おいて 、高 用 量 群の32mg/k g 投 与 群 に 血 中AST(GOT)及びALT(GPT)などの上昇 と単細胞壊死などの肝障害像が認められた1)。 なお、3カ月間反復静脈内投与試験の3 2mg /kg投与群及び6カ月間反復静脈内投与試 験の20及び3 2mg/kg投与群では、これら所 見に加え、肝変異細胞巣の増加も認められ たが、3カ月間反復静脈内投与試験の2 0mg /kg投与群では肝変異細胞巣は認められな 2mg/kgを6カ かった2)∼6)。また、ラットに3 月間反復静脈内投与し、その後1 8カ月間休 5) 薬した試験 及び3カ月間反復静脈内投与 し、その後21カ月間休薬した試験6)において、 対照群に比べ肝細胞腫瘍の有意な増加が認 められた。また、ラットに6カ月間反復静 脈内投与した試験3)において、高用量群であ る32mg/kg投与群に尿量、尿中Na及び尿中 Clの増加が認められた。一方、10mg/kg投与 群にこれらの所見は認められなかった。な お、ラットに2 0及 び32mg/kgを3カ 月 及 び 6カ月間反復静脈内投与したときの平 均 AUCは、ヒトに3 00mg/日を投与したときの AUCのそれぞれ2. 2倍及び3. 5倍に相当する。 2 イヌに長期間反復静脈内投与した試験(3. 2、 ! 10及び3 2mg/kg、9カ月間)において、中及 び高用量群に精子細胞及び精母細胞の障害 による精細管萎縮あるいは精巣上体中精子 数の減少が認められ、高用量群ではこれら 所見に加え精細管上皮(セルトリ細胞)の空 胞化が認められた7)。また、ラットの受胎能 及び着床までの初期胚発生に関 す る 試 験 (3. 2、1 0及び3 2mg/kg)における全ての用量 群で、雌雄親動物の受胎能及び初期胚発生 は正常であったが、中及び高用量群に精巣 上体頭部管上皮の空胞化、また高用量群に は精巣上体中精子数の減少が認められた8)。 3 In vitro試験において、本剤はイトラコナゾ ! ールとの併用によりイトラコナゾールのク リプトコックス・ネオフォルマンス注)に対 する作用を減弱させた9)。 注) クリプトコックス属は本剤の適応外菌種である。 【薬 物 動 態】 1. 血漿中濃度 1 健康成人 ! 1) 単回投与10) 健康成人2 3例に本剤2 5mg、5 0mg及び7 5mgを3 0分 あるいは1 5 0mgを1時間かけて静脈内持続投与し たとき、血漿中未変化体のAUCは投与量に比例し て増加した。血漿中濃度は投与終了時に最高とな り、消失半減期は1 3. 9時間であった。 −4/1 0− ( μ g/mL) けて静脈内持続投与したとき、定常状態でのCmax は、投与量に比例して増加した。消失半減期は1 3. 1 時間であった。乳児(3例)の血漿中濃度は幼児、学 童に比べてやや低い傾向がみられた。 薬物動態学的パラメータ 投与量 例 (mg/kg) 数 (h) t1/2 Cmax ( μ g /mL) (h) 1 2 3 6 7 9 9 1 5. 0 3±2. 3 3 1 0. 2 5±4. 4 5 1 4. 7 6±5. 5 2 2 1. 1 1 1 3. 0±1. 8 1 2. 3±1. 9 1 4. 4±3. 2※ 1 1. 3 1∼6 2 6 − 1 3. 1±2. 4 −:算出せず、※:n=8 薬物動態学的パラメータ 6 6 6 5 2 5∼1 5 02 3 t1/2 (h) 20 2. 5 2±0. 2 80. 5±0 3 4. 3±5. 81 4. 0±1. 2 4. 2±1. 2 5. 2 3±0. 3 80. 5±0 7 4. 3±6. 21 3. 3±0. 7 7. 9 0±1. 3 50. 5±01 0 6. 5±1 3. 41 4. 0±0. 9 1 4. 3 0±1. 3 11. 0±02 1 6. 6±2 3. 11 − − − 1 3. 9±1. 0 −:算出せず (平均値±S.D.) 注 本剤の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症: ! 5 0∼1 5 0mg(重症又は難治性では3 0 0mgまで)、カンジダ 症:5 0mg(重症又は難治性では3 0 0mgまで)である。 Cmax( μg/mL) 投与量 例 Cmax T max AUC0−∞ (mg) 数 ( μ g /mL) (h) ( μ g・h/mL) 2 5 5 0 7 5 1 5 0 (平均値±S.D.) 25 15 :乳児(8カ月齢及び1歳) :幼児(2∼5歳) 10 :学童(6∼15歳) (年齢区分別の個別値、 −:投与量別の平均値±S.D.) 5 0 0 1 2 1 0) 2) 反復投与 健康成人6例に本剤7 5mgを1日1回、7日間、3 0 分間かけて静脈内持続投与したとき、血漿中未変 化体濃度は第4日には定常状態に達し、最終投与 4. 0時間 時のCmaxは1 0. 8 7μ g/mL、消失半減期は1 であった。血漿蛋白結合率は9 9. 8%以上であった。 ( μ g/mL) 3 4 5 6 投与量(mg/kg) 5 深在性真菌症患者14)(低出生体重児:外国人データ) ! 深在性真菌症の5 8 4∼2 0 1 4gの低出生体重患者2 2例に 5mg/kg及び3mg/kgを3 0分以上 本剤0. 7 5mg/kg、1. かけて単回静脈内持続投与した。低出生体重児の Cmaxは小児より低く、半減期は短かった。 薬物動態学的パラメータ 体重 投与量 例 Cmax AUC0−24h CLt t1/2※2 (g) (mg/kg) 数 (μ g/mL) (μ g・h/mL)(mL/min/kg) (h) 500−1000 0. 75 >1000 >1000 1. 5 >1000 3 4 1. 31±0. 31 8. 8±1. 4 6 2. 53±0. 92 16. 5±9. 0 2 高齢者11) ! 高齢者1 0例(平均7 1歳、6 6∼7 8歳)及び非高齢者1 0 例(平均2 2歳、2 0∼2 4歳)に本剤5 0mgを1時間かけ て静脈内持続投与すると、血漿中未変化体濃度は高 齢者群、非高齢者群とも同様な推移を示し、両群間 でCmax、AUC0−∞、t1/2及び蛋白結合率に差はみられ なかった。 3 !深在性真菌症患者12)(成人) 深 在 性 真 菌 症 の 患 者6 5例 に 本 剤1 2. 5mg、2 5mg、 5 0mg、7 5mg、1 0 0mg及び1 5 0mgを反復投与したとき、 消失半減期は1 3. 5時間であり、各投与量間で差はみ られなかった。 注 本剤の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:5 ! 0 ∼1 5 0mg(重症又は難治性では3 0 0mgまで) 、カンジダ症: 5 0mg(重症又は難治性では3 0 0mgまで)である。 4 深在性真菌症患者13)(小児) ! 深在性真菌症の8カ月∼1 5歳の小児患者1 9例(のべ 、2mg/kg(9例) 、 3 2 6例)に本剤1mg/kg(7例) mg/kg(9例)及び6mg/kg(1例)を1∼3時間か −5/1 0− 5. 5 8. 0 6 4. 51±1. 34 44. 1±24. 0 0. 64±0. 15※1 7. 8※1 6 9. 28±5. 31 59. 5±29. 0 1. 19±1. 32 ※1:n=5、※2:調和平均値 (h) 1. 32±0. 21 0. 97±0. 82 8. 2 (平均値±S.D.) 6 移植患者15)16)(外国人データ) ! 骨髄移植あるいは末梢血幹細胞移植を受けた成人患 者を対象に、米国では本剤1 2. 5∼2 0 0mgを、また英 3 0∼6 0 0mg)を1日1回、 国では3∼8mg/kg(約2 1時間かけて反復静脈内持続投与した。定常状態 (投与7日目)における未変化体のAUCは投与量に 比例し、消失半減期はいずれの投与量においてもほ ぼ一定した値であった。 定常状態時の薬物動態学的パラメータ 投与量 1 2. 5 2 5 5 0 米国 7 5 (mg) 1 0 0 1 5 0 2 0 0 3 英国 4 (mg/kg) 6 8 例 Cmax AUC0−24h 数 ( μ g/mL) ( μ g・h/mL) 7 3. 9±7. 3 8 4. 8±2. 7 7 6. 4±5. 7 8 8. 3±4. 8 7 2 8. 2±2 2. 9 8 1 7. 6±8. 4 8 2 6. 5±2 0. 7 8 1 0 8 8 2 1. 1±2. 8 2 9. 2±6. 2 3 8. 4±6. 9 6 0. 8±2 6. 9 t1/2 (h) 1 5. 6±1 1. 6 2 4. 4±7. 5 4 9. 0±1 1. 1 6 6 6. 1±2 0. 1 1 0. 0±3 1. 8 1 6 6. 4±4 9. 3 2 0 8. 3±6 5. 5 9. 9±1. 8 1 3. 8±4. 0 1 2. 5±2. 6 1 3. 2±4. 4 1 3. 9±3. 1 1 3. 1±2. 5 1 5. 9±4. 8 2 3 4±3 3. 6 3 3 9±7 2. 2 4 7 9±1 5 7 6 6 3±2 1 2 1 4. 0±1. 4 1 4. 2±3. 2 1 4. 9±2. 6 1 7. 2±2. 3 (平均値±S.D.) 注 本剤の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症:5 ! 0 ∼1 5 0mg(重症又は難治性では3 0 0mgまで) 、カンジダ症: 5 0mg(重症又は難治性では3 0 0mgまで)である。 2. 代謝17)∼20) 代謝物として8種類が同定又は推定された。ミカファン ギンは主に肝で代謝を受けると考えられるが、ヒトの尿 及び糞中にミカファンギンの側鎖の水酸化体(M5)が 主代謝物として投与量の3. 7%排泄された。M5はチト クロームP4 5 0のCYP1A2、2B6、2C及び3Aにより生成 し、その他、カテコール体(M1)はミカファンギンか らサルファターゼにより、メトキシ体(M2)はM1から COMT(catechol O‐methyltransferase)により、 開環体 (M3)はミカファンギンから水溶液中で非酵素的に生 成すると考えられた。 3. 排泄17)21)(外国人データ) ミカファンギンは主に糞中に排泄され、外国人の健康 8. 3mg 成人6例に14C標識ミカファンギンナトリウム2 を1時間かけて静脈内持続投与したとき、投与後7日 までの尿及び糞中放射能の排泄率はそれぞれ投与放射 能の7. 3 6%及び4 3. 8 0%であった。尿中及び糞中には 未変化体がそれぞれ投与放射能の0. 7 0%、1 1. 7 1%排 泄され、他は代謝物であった。 なお、血漿中放射能濃度の推移は投与終了時で2. 2 9μg 4時間で0. 8 4μg eq./mL、投与後7日で eq./mL、投与後2 2∼5 1日では、投与後 0. 1 9μg eq./mLとなった。投与後4 0 2 3μ g eq./mLまで減少した。 7日の約1/8である0. [参考] 乳汁中移行22) 哺育中ラットに14C標識ミカファンギンナトリウムを 1mg/kg静脈内投与したとき、乳汁中放射能濃度は投 与後6時間で最高濃度となり、その濃度は血漿中放射 能濃度と同程度であった。また、投与後2 4時間以後は 1. 4日の半減期で血漿中放射能濃度と並行して消失し た。 2) 製造販売後調査(使用成績調査) 疾患別臨床効果 アスペル ギルス症 1 50 (5 0 ‐3 0 0) 2 2. 5 92/1 30 7 0. 8 (4 ‐ 13 2) カンジダ症 1 00 (1 0 ‐3 0 0) 1 3. 0 39 0/4 52 86. 3 (2 ‐ 12 8) 注 本剤の承認された成人の1日用量はアスペルギルス症: ! 5 0∼1 5 0mg(重症又は難治性では3 0 0mgまで) 、カンジダ 症:5 0mg(重症又は難治性では3 0 0mgまで)である。 2 小児 ! 1) 臨床試験 疾患別臨床効果 菌種 カンジダ属 アスペル ギルス属 6 0. 0 慢性壊死性肺ア 5 6 1 ‐ 5 7) スペルギルス症 (1 6/8 ― 小 計 3 9. 5 (8 ‐ 5 7) カンジダ血症 1 7 (1 4 ‐ 2 8) 3/3 ― 8 (7 ‐ 2 9) 5/5 ― 1 5. 5 (7 ‐ 2 9) 8/8 ― 2 8. 5 (7 ‐ 5 7) 侵襲性肺アスペル ギルス症(疑)※1 3 6 1/1 ― 小 計 3 5 (2 0 ‐3 6) 3/3 ― カンジダ血症 3 7 (1 8 ‐5 6) 1/2 ― カンジダ血症 (疑)※2 1 1 (9 ‐ 56) 4/5 ― 肺カンジダ症 (疑)※3 2 0 (8 ‐ 21) 2/3 ― 1 6 (8 ‐ 56) 7/1 0 70. 0 2 0 (8 ‐ 56) 10/1 3 7 6. 9 小 計 計 れたもの。 2) 製造販売後調査(小児特定使用成績調査) 疾患別臨床効果 疾患名 肺アスペルギロ 3 9. 5 1 0/1 6 6 2. 5 ーマ (1 8 ‐ 5 6) 計 ― ※3:血清診断( β‐D‐グルカン陽性あるいは抗原検査陽性) 、 臨床症状及び画像所見から肺カンジダ症が強く疑わ 有効率 (%) 6/1 0 小 計 合 投与期間(日) 有効例/ 中央値 症例数 (最小‐最大) 2 6 (8 ‐ 5 6) カンジダ属 食道カンジダ症 2/2 ※1:臨床症状及び画像所見から侵襲性肺アスペルギルス 症が強く疑われたもの。 ※2:血清診断( β‐D‐グルカン陽性)及び臨床症状からカ ンジダ血症が強く疑われたもの。 疾患別臨床効果 侵襲性肺アスペ ルギルス症 投与期間(日) 有効例/ 有効率 中央値 症例数 (%) (最小‐最大) 2 7. 5 侵襲性肺アスペル (2 0‐ 3 5) ギルス症 合 1. 国内における成績 1 成人 ! 1) 臨床試験 疾患名 疾患名 アスペル ギルス属 【臨 床 成 績】 菌種 1日平均投与量(mg)投与期間(日) 有効例/ 有効率 中央値 中央値 症例数 (%) (最小‐最大) (最小‐最大) 疾患名 1日平均投与量(mg/kg) 投与期間(日) 有効例/ 有効率 中央値 中央値 症例数 (%) (最小‐最大) (最小‐最大) アスペル ギルス症 4. 4 (1. 4 ‐6. 0) 2 8. 5 (5 ‐ 91) 9/1 2 75. 0 カンジダ症 3. 0 (0. 9 ‐7. 2) 1 2. 5 (5 ‐ 85) 3 0/3 4 88. 2 2 2/3 4 6 4. 7 注 本剤の承認された小児の1日用量はアスペルギルス症: ! 1∼3mg/kg(重症又は難治性では6mg/kgまで) 、カン ジダ症:1mg/kg(重症又は難治性では6mg/kgまで)で ある。 3 0/4 2 7 1. 4 −6/1 0− 3 予防投与 ! 1) 製造販売後調査(予防投与特定使用成績調査) 菌種 疾患名 全身性真菌感染症予防成功率 投与期間(日) 予防成功例数※1/ 中央値 症例数 (最小‐最大) ※2 全例 移 同種移植 植 の 自家・同系 型 移植 成功率 (%) 2 3. 0 (5 ‐ 8 2) 1 7 2/2 2 5 2 7. 5 (5 ‐ 8 2) 1 0 2/1 3 8 7 3. 9 1 7. 0 (7 ‐ 6 8) 7 0/8 7 8 0. 5 47489SgU アスペル ギルス属 86. 7 食道カンジダ症 1 7 (7 ‐ 42) 8 5/9 2 92. 4 1 5 (5 ‐ 22) 2/3 ― 1 2 1/1 ― 小 計 投与期間(日) 有効例/ 中央値 症例数 (最小‐最大) 侵襲性肺アスペ ルギルス症 3 4 (7 ‐ 1 2 6) 3 2/3 9 副鼻腔アスペル ギルス症 1 7 (1 4 ‐ 2 9) 1/3 アスペルギルス 血症 1 7 1/1 小 計 3 3 (7 ‐ 1 2 6) 1 7 19 4/2 22 87. 4 (5 ‐ 12 6) 計 疾患別臨床効果 菌種 疾患名 有効率 (%) 有効率 (%) 12 (7‐27) 1/3 ― アスペルギルス 血症 30 (28‐32) 2/2 ― 小 計 27 (7‐32) 3/5 ― 24 (7‐56) 8/12 66. 7 32. 5 (17‐42) 4/4 ― 25 (7‐56) 12/16 75. 0 27 (7‐56) 15/21 71. 4 カンジダ血症 82. 1 ― 小 計 ― 合 投与期間(日) 有効例/ 中央値 症例数 (最小‐最大) 侵襲性肺アスペ ルギルス症 カンジダ属 食道カンジダ症 3 4/4 3 1 7 16 0/1 79 89. 4 (5 ‐ 56) 2 小児 ! アスペル ギルス属 疾患別臨床効果 疾患名 7 2/8 3 口腔咽頭カンジ ダ症 2. 海外における成績 1 成人 ! 菌種 1 5 (5 ‐ 56) カンジダ属 肺カンジダ症 合 有効率 (%) カンジダ血症 7 6. 4 ※1:予防成功例数:本剤投与終了時までに全身性真菌感 染症の確定診断(Proven) 、強い疑い(Probable) 、あ るいは疑い(Suspected)が認められず、かつ本剤投与 終了後4週間まで に 全 身 性 真 菌 感 染 症 の 確 定 診 断 (Proven) 、あるいは強い疑い(Probable)が認められ なかった症例 ※2:本調査における成人(1 4 3例)及び小児(8 2例)の1日 平均投与量の中央値(最小−最大)は、それぞれ、5 0 7 ‐ 6. 0)であった。 mg(4 0 ‐ 1 5 0) 、1. 1mg/kg(0. 注 本剤の承認された予防投与の1日用量は成人:5 0mg、小 ! 児:1mg/kgである。 投与期間(日) 有効例/ 中央値 症例数 (最小‐最大) 計 79. 1 3 予防投与 ! 全身性真菌感染症予防成功率(Full Analysis Set) 予防成功率の差 ミカファ フルコナ (ミカファンギ ンギン群 ゾール群 ン群‐フルコナ ゾール群) 全例 3 40/4 25 3 36/4 57 (8 0. 0) (7 3. 5) 1 57/2 20 1 75/2 56 移 同種移植 (7 1. 4) (6 8. 4) 植 自家・同系 1 81/2 03 1 61/2 01 の 移植 (8 9. 2) (8 0. 1) 型 移植なし 2/2 ― 95%CI +6. 5% (0. 9%、 12. 0%) +3. 0% ― +9. 1% ― ― ― ※ 予防成功例数 /症例数(%) −7/1 0− 【主要文献及び文献請求先】 ※:予防成功例数:治療薬投与終了時までに全身性真菌感染 症の確定診断(Proven) 、強い疑い(Probable) 、あるい は疑い(Suspected)が認められず、かつ試験終了時(治験 薬投与終了後4週間)までに全身性真菌感染症の確定診 断(Proven)あるいは強い疑い(Probable)が認められな かった症例 【薬 効 薬 理】 1. 抗真菌作用 深在性真菌症の主要起因菌であるカンジダ属及びアス ペルギルス属に対して幅広い抗真菌スペクトルを有 し、フルコナゾール及びイトラコナゾール耐性のカン ジダ属に対しても強力なin vitro活性を示す23)∼25)。カン ジダ属に対する作用は殺菌的であり、アスペルギルス 属に対しては発芽抑制及び菌糸の伸長抑制作用を示 す25)26)。 マウスの播種性カンジダ症、口腔・食道カンジダ症、 播種性アスペルギルス症及び肺アスペルギルス症に おいて高い防御又は治療効果を示す27)∼32)。 2. 作用機序 真 菌 細 胞 壁 の 主 要 構 成 成 分 である1, 3‐β‐D‐glucan の生合成を非競合的に阻害する26)。 【有効成分に関する理化学的知見】 一般名:ミカファンギンナトリウム (Micafungin Sodium) 略号:MCFG 化学名:Sodium5 ‐ [ (1S, 2S) ‐ 2 ‐ [ (3S, 6S, 9S, 1 1R, 1 5S, 1 8S, 2 0R , 2 1R , 2 4S , 2 5S , 2 6S ) ‐ 3 ‐ [ (R ) ‐2‐carbamoyl‐ 1‐hydroxyethyl] ‐1 1, 2 0, 2 1, 2 5‐tetrahydroxy‐1 5‐ [(R ) ‐1‐hydroxyethyl] ‐2 6‐methyl‐2, 5, 8, 1 4, 1 7, 2 3‐hexaoxo‐1 8‐ [4‐ [5‐ (4‐pentyloxyphenyl) isoxazol‐3‐yl]benzoylamino] ‐1, 4, 7, 1 3, 1 6, 2 2‐ heptacos‐ 6 ‐yl] ‐1, 2‐ hexaazatricyclo[2 2. 3. 0. 09,13] dihydroxyethyl] ‐ 2 ‐hydroxyphenyl sulfate 構造式: H O H2N H N H H3C H HO H HO H3C O O OH H HO OH H H N H O O NH O O H NH H O H HN H O H OH H NH N OH H N O SO3Na OH CH3 OH O 分子式:C56H70N9NaO23S 分子量:1 2 9 2. 2 6 融 点:明確な融点を認めない。 分配係数:0. 3 9(pH7、1 ‐オクタノール/水系) 性 状:ミカファンギンナトリウムは白色の粉末である。 水及びN, N‐ジメチルホルムアミドに溶けやす く、メタノールに溶けにくく、アセトニトリル、 エタノール(9 5)及びジエチルエーテルにほと んど溶けない。吸湿性である。 【包 点滴用2 5mg:1 0バイアル 0バイアル 点滴用5 0mg:1 0バイアル 点滴用7 5mg:1 装】 1. 主要文献 1)西村信雄:社内報告書(ラット・毒性試験) (DIR02 0 07 1) 2)志賀敦史:社内報告書(ラット・毒性試験) (DIR02 0 07 3) 3)西村信雄:社内報告書(ラット・毒性試験) (DIR02 0 07 5) 4)志賀敦史:社内報告書(ラット・毒性試験) (DIR02 0 07 7) 5)志賀敦史:社内報告書(ラット・毒性試験) (DIR06 0 21 5) 6)志賀敦史:社内報告書(ラット・毒性試験) (DIR06 0 21 4) 7)長島吉和:社内報告書(ビーグル犬・毒性試験) (DIR02 0 07 9) 8)勝亦芳裕:社内報告書(ラット・毒性試験) (DIR02 0 08 1) 9)二木芳人 他:日本化学療法学会雑誌 50(S‐ 1) : 58,2 00 2[FUN‐0 01 2 1] 1 0)東 純一 他:日本化学療法学会雑誌 5 0(S‐1) : 15 5,2 0 0 2[FUN‐ 0 01 29] 1 1)東 純一 他:日本化学療法学会雑誌 5 0(S‐1) : 14 8,2 0 0 2[FUN‐ 0 01 28] 1 2)山野勝弘 他:社内報告書(深在性真菌症患者・ 薬物動態) (DIR02 0 06 2) 1 3)片島正貴 他:社内報告書(深在性真菌症小児患者・ 薬物動態) (DIR06 0 00 1) 1 4)Keirns, J. et al.:社内報告書(深在性真菌症低出生体重 児患者・薬物動態) (DIR06 00 0 2) 1 5)寺川雅人 他:社内報告書(移植患者・薬物動態) (DIR02 0 06 3) 1 6)寺川雅人 他:社内報告書(移植患者・薬物動態) (DIR02 0 06 4) 1 7)藤原友一 他:社内報告書(健康成人・薬物動態) (DIR02 0 06 5) 1 8)白神歳文 他:社内報告書(ヒト肝ミクロソーム・ 代謝) (DIR0 2 00 66) 1 9)白神歳文 他:社内報告書(ラット及びヒト・代謝) (DIR02 0 06 7) 2 0)石井育子 他:社内報告書(in vitro・代謝) (DIR0 2 00 68) 21)寺川雅人 他:社内報告書(健康成人・薬物動態) (DIR0 2 00 69) 22)白神歳文 他:社内報告書(ラット・薬物動態) (DIR0 2 00 70) 23)Tawara, S. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 44 (1) :5 7,2 0 00[FUN‐ 00 0 03] 24)Uchida, K. et al.:J. Antibiotics 5 3(1 0) :1 1 75,2 000 [FUN‐0 00 0 9] 25)池田文昭 他:日本化学療法学会雑誌 5 0(S‐1) : 8,2 0 02[FUN‐ 00 1 14] 2 6)山口英世 他:日本化学療法学会雑誌 5 0(S‐ 1) : 2 0,2 0 02[FUN‐ 00 11 5] 27)Ikeda, F. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 44(3): 61 4,2 0 0 0[FUN‐ 0 00 04] 2 8)松本 哲 他:日本化学療法学会雑誌 50(S‐ 1) : 3 0,2 0 02[FUN‐ 00 11 6] 29)Maesaki, S. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 44 (6) :1 72 8,2 0 0 0[FUN‐ 0 00 06] 30)中井 徹 他:日本化学療法学会雑誌 5 0(S‐ 1) : 4 8,2 0 02[FUN‐ 00 1 19] 31)Matsumoto, S. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 44 (3) :6 1 9,2 0 00[FUN‐ 00 0 05] 3 2)松本 哲 他:日本化学療法学会雑誌 5 0(S‐1) : 37,20 02[FUN‐ 00 11 7] −8/1 0− **2.文献請求先・製品情報お問い合わせ先 主要文献に記載の社内報告書につきましても下記にご請求 下さい。 アステラス製薬株式会社 DIセンター 〒103 ‐8 411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号 ! 0120‐189‐371 −9/1 0− 製造販売 * 47489SgU FUN31617Z01 5 1 −1 0/1 0−
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