16.04.06 外科学特論 腹部救急疾患の診断と治療ハンドアウト 2

Primary survey
PTD(
=
)
!!
(PTD : Preventable Traumatic Death)
Primary survey
•
(
(MIST)
)
•
•
•
(A D B C)
(E)
• Mechanism
• Injury Site
• (Vital) Signs
• Treatment
蘇生用具一式と加温した輸液
モニター類
検査機器
(US X線ポーター(X線技師) 検査技師)
感染対策
(手袋,ガウン,マスク,ゴーグル等)
スタッフ招集
右上腹部
ショック
包丁固定、全脊柱固定
MIST
• ABCDEs
患者情報の入手 = カルテ
妻に刺された
◆(救急隊へ)患者の状態変化がないか尋ねる
◆AとD : 「わかりますか? お名前は?」
◆B : 息づかいを視聴触覚で確認
◆C : 前腕皮膚と脈を触れ,見える範囲の外出血
の有無を確認
A:
;
•
• 吸引
• 異物除去
• 気道確保
- 下顎挙上法(頸部を後屈する気道確保は
• 確実な気道確保
- 挿管
- 外科的気道確保
?
–
OK
–
•
10L/
•
– SpO2
–
–
•
(輪状甲状靱帯切開)
?
B:
B:
;
;
•
•
•
•
•
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
開放性気胸
–
•
緊張性気胸
•
心タンポナーゼ
•
フレイルチェスト
–
–
大量血胸
–
–
–
気道閉塞
B:
;
Tamponade
Airway obstruction
Flail chest
開放性気胸
緊張性気胸
大量血胸
T A F
な
開 緊 血 を診るぞ!!
• 酸素投与
• 補助換気
• 胸腔穿刺・ドレナージ
• 開放創の閉鎖
• 確実な気道確保(挿管、外科的気道確保)
)
C:
C:
外傷性ショックの原因として一番多いのは?
• 出血性ショックの認知
出血性ショック
–皮膚の湿潤、冷感
–脈拍
他に、
–外出血
心タンポナーデ
–意識
と
–CRT(Capillary refilling time)
緊張性気胸
–血圧
も重要
C:
C:
• 血圧に頼らずショックを認知することが重要。
• 収縮期血圧が低下するのは、体循環のおよそ
• 出血性ショックで出血源を検索すべき部位
30%(1,500mL)が失われてからである事に注意!!
出血量
血圧
Class I
Class II
Class III
Class IC
∼750mL
∼1,500mL
∼2,000mL
2,000mL∼
∼15%
∼30%
∼40%
40%∼
収縮期
拡張期
正常
低下
上昇
脈拍数
<100
100∼120
120∼140
>140
呼吸数
14∼20
20∼30
30∼40
>40 or 無呼吸
精神症状
軽度の不安
不安
不安∼不穏
不穏∼無気力
低下
FAST
Focussed Assessment with Sonography for
Trauma
心窩部(心嚢 : 心タンポナーデ)
モリソン窩
左胸腔
脾周囲
膀胱直腸窩
–Abdominal hemorrhage
–Pelvic fracture
• 非出血性ショックは?
正常
右胸腔
–Massive hemothorax
MAPを
探せ!!
FAST(エコー)
–心タンポナーデ
胸部XP
–緊張性気胸
骨盤XP
!
• 静脈路確保(18G以上2ルート),採血
• 初期輸液の開始(39℃)
–細胞外液1∼2L (小児20ml/kg)
–反応は?
•安定する(安定が維持できるか?)
•安定しない
•心嚢穿刺ドレナージ、心膜開窓術
•胸腔穿刺、ドレナージ
入れて、
•輸血
入れて、
•確実な気道確保(挿管)
•止血(圧迫止血、緊急開腹止血術等) 止めろ!!
GCS (3∼15点)
D : Dysfunction of CNS
生命を脅かす中枢神経障害の評価
切迫する
• 意識レベル GCS 8点以下
D
• GCS2点以上の意識レベルの急速な低下
1
:
4
)
t
bm
• 瞳孔所見(瞳孔不同、対光反射の消失)
m
• 片麻痺の出現
eo
(
)
wnw
&
po
o
(
)
o
e
• Cushing現象(高血圧、徐脈、呼吸数低下)
b
(
&
a
o
E:
• 衣類を取る,切る
すでに脱衣が済んでいればよし
残りがあれば全て脱衣を行う
4
• 体温測定
• 被覆による保温
Secondary survey
臓器損傷など、放置すると死に至る解剖学的な異常
に対する評価と処置。
AMPLE(病歴)の聴取はSecondary surveyの重要な
要素である。
PTD(
=
)
!!
(PTD : Preventable Traumatic Death)
頭のてっぺんからつま先、前面から背面までを系統的
に観察し、根本的な治療の必要性について評価する。
切迫するDがあれば、Secondary surveyの最初に頭
部CTを撮像する。
&
Secondary survey
• ABC(Primary survey)を安定させることが
Secondafy surveyよりも優先される。
• Secondafy survey中に何か異常を認めた場合、
移動の前後、体位の変更の前後には必ずバイタ
頭部外傷
• 骨折の有無
–陥没、動揺、軋み
–バトルサイン、パンダ目徴候
• 穴の観察(鼻出血、鼻漏、耳出血、耳漏)
–double ring sign
–鼓膜下血腫
ルサイン(血圧等)を測定、異常を認めた場合は
必ずABC(Primary survey)に戻り、安定させ
る。
頭部外傷
• 脳損傷
–脳挫傷
–急性硬膜外血腫
–急性硬膜下血腫
–軽症脳震盪
–びまん性軸索損傷
頸部外傷
• 気道緊急
伴いやすい
• 制御困難な外出血
顔面外傷
• 気道緊急
• 制御困難な外出血
• 頭蓋底骨折、頭蓋内損傷
• 頚椎・頸髄損傷
などを伴いやすい
頸部外傷の治療
• 喉頭・気管損傷
–迅速な気管挿管が必要となる
–外科的気道確保を躊躇しない
Zone III
造影CT、内視鏡による損傷検索
手術によるアプローチが困難
Zone II
手術による損傷検索
Zone I
angio CTによる損傷検索
• 頸動脈損傷
–血管修復術が治療の原則
• 頚静脈損傷
–やむを得ず結紮する場合もある
• 食道損傷
–デブリードマンを行った上で、層々吻合
鈍的胸部外傷
• 直達外力
–肺挫傷
–肋骨骨折
通性胸部外傷
• The box of death
- 心・大血管損傷を起こしやすい穿通部位
• 急激な内圧上昇
–気胸、肺破裂
–心破裂
• 加速度による剪断力
–左鎖骨下動脈分岐部直下の胸部大動脈損傷
–大動脈起始部での損傷
–気管分岐部より2cm以内の気管支損傷
通性胸部外傷
• 出血による気道閉塞
–分離肺換気
• フレイルチェスト
–挿管による陽圧換気による内固定
–観血的肋骨修復固定術
• 開放性気胸
–胸腔ドレーンの留置、閉創
• 緊張性気胸
–胸腔穿刺・ドレナージ
通性胸部外傷
• 大量血胸
–初回ドレナージで1,000mL以上の血液が回収されれば、
開胸手術を決断
• 胸部大動脈損傷
–85%が現場で死亡
–一期的修復術、経皮的ステントグラフト術
• 気管・気管支損傷
–1/3周を超えない損傷は保存的治療が可能
• 肺挫傷
–低酸素血症が明らかなら、挿管して人工呼吸管理
• 横隔膜損傷
–経胸的もしくは経腹的修復
腹部外傷
• 腹腔内出血
腹部外傷
• 肝損傷
–腹腔内出血によるショックで初期輸液療法に反応
–腹腔内出血
しない場合、開腹止血を躊躇しない。
–開腹により腹腔内圧が低下し、心停止する場合が
–肝内胆管損傷による胆道出血、胆汁漏、胆汁性腹
あるため、下行大動脈遮断や大動脈遮断バルーン
の使用を考慮する。
–循環が安定しなければ、ガーゼパッキング等によ
るダメージコントロール手術をまず行い、循環が
安定してから根本治療を行う。
–術後ACS(Acute compartment syndrome)の発
症に注意が必要
膜炎
–肝膿瘍
–被膜下血腫等軽度のものは保存的に治療できるも
のもある。
–循環が安定しなければ、まずDCSを行い、後に根
本治療を行う。
腹部外傷
腹部外傷
• 脾損傷
• 腎損傷
–循環が安定していれば保存的に治療。
–循環が安定しなければ、DCS(脾摘)を行う。
–腎縫合術、部分切除術、血行再建術。
–循環が安定しなければ、DCS(腎摘)を行う。
• 膵損傷
• 消化管損傷
–被膜下損傷なら保存的に治療。
–損傷部の修復、腹腔内洗浄、ドレナージ。
–汚染が高度で腹膜炎が進行していれば、人工肛門造設。
–循環動態が悪ければ、DCS(損傷部閉鎖もしくは切除、
–主膵管の損傷がなければ、膵縫合術とドレナージ。
–主膵管の損傷があれば、膵切除術。
–循環動態が悪ければ、DCS(止血、ドレナージ)
腹部外傷
腹部外傷
• 腹部大血管損傷
• 腹部大血管損傷
–後腹膜を3つのZoneに分類し受傷機転から損傷血
管の予測と治療方針を決定する。
IVC Ao
右
Zone II Zone I
ドレナージ)
–後腹膜を3つのZoneに分類し受傷機転から損傷血
管の予測と治療方針を決定する。
IVC Ao
左
Zone II
右
Zone II Zone I
左
Zone II
右
Zone II
Cattel and Braasch法
Zone I
Mattox法
左側腸管、左腎、膵臓、脾臓を
左
Zone II
Zone III
Zone III
Zone III
腹部外傷
管の予測と治療方針を決定する。
左
Zone II
右
Zone II
Cattel and Braasch法
Zone I
Mattox法
左側腸管、左腎、膵臓、脾臓を
左
Zone II
Zone III
Zone III
を露出する
鈍的外傷時はTAE(頸動脈的塞栓
術)で止血、動脈損傷及び鋭的外
傷時は修復
• X線写真で診断
–後腹膜を3つのZoneに分類し受傷機転から損傷血
右
Zone II Zone I
脱転、血腫を開放し腹部大動脈
骨盤外傷
• 腹部大血管損傷
IVC Ao
右側腸管を脱転、血腫を開放し
下大静脈を露出する
右側腸管を脱転、血腫を開放し
下大静脈を露出する
脱転、血腫を開放し腹部大動脈
を露出する
鈍的外傷時はTAE(頸動脈的塞栓
術)で止血、動脈損傷及び鋭的外
傷時は修復
–90%は前後方向のX線写真で診断可能
• ショックの原因となっていれば、蘇生として
の止血術を施行
–整復固定法……シーツラッピング、サムスリング
–骨盤ガーゼパッキング
–創外固定法
–TAE(経カテーテル動脈塞栓術)
四肢外傷
四肢外傷
• 主要血管損傷によるショック
• 骨折自体の出血によるショック
• 主要血管損傷
–開放骨折による出血
–四肢多発骨折
–修復可能であれば修復。
–修復不能の場合、阻血部位の切除を要することも
ある。
上腕骨300mL、脛骨500mL、大腿骨1000mL
• コンパートメント症候群
• 脂肪塞栓症候群
• 圧挫症候群
四肢外傷
四肢外傷
• 骨折自体の出血によるショック
• コンパートメント症候群
–開放骨折による出血
–筋区画内圧の上昇で筋への組織灌流が悪化し、組
–四肢多発骨折
織が阻血にいたる状態。
–筋区画内圧(正常10mmHg以下)が30mmHg以上
上腕骨300mL、脛骨500mL、大腿骨1000mL
骨折の整復(必要に応じ固定)を行う
開放骨折では受傷後6時間以内に徹底的な洗浄、
の場合等、著しい痛み、知覚障害の出現はコンパー
トメント症候群を疑い、筋膜切開を考慮する。
デブリードマンを行う
四肢外傷
四肢外傷
• 脂肪塞栓症候群
• 圧挫症候群
–長管骨骨折で起こりやすい
–骨折部から静脈血流に脂肪滴が流入し、肺水腫や
肺動脈塞栓を引き起こす
–治療は呼吸管理などの対症療法
–外力が長時間にわたり骨格筋を圧迫することで筋
細胞が崩壊し、圧迫解除で再開した血流により流
出した骨格筋細胞内容物と組織細管流障害が、急
激な高カリウム血症と代謝性アシドーシス、急性
腎不全を引き起こす。
–大量輸液、持続血液透析を行う。
–不整脈発生による心停止時の蘇生は困難なことが
多い。
腹部外傷における
出血以外の致死的病態
資料1. 外因性腹部救急疾患
- 総論 -
臓器損傷
腸管損傷
細菌性腹膜炎+化学的刺激
胆道損傷
胆汁漏→化学的刺激+細菌感染
肝損傷
膵損傷
腎損傷
尿管損傷
膀胱損傷
死に至る病態
出血性ショック
炎症によるDIC、MOF
感染
死の三徴(deadly triad)
化学物質
代謝性アシドーシス
低体温
凝固異常
ダメージコントロール手術(DCS)の3つの要素
開腹は
① 出血のコントロール
② 損傷部位の同定
③ 汚染のコントロール
検査手段の
1つである!!
肝壊死→細菌感染
膵液瘻→化学的刺激 膵壊死→細菌感染
}
尿瘻→尿の再吸収→尿毒症
(細菌感染)
外傷手術の4つの要素
① 出血のコントロール
② 損傷部位の同定
③ 汚染のコントロール
④ 再建 (バイタルが安定していれば)
開けることを躊躇しない!!
循環が安定しないというのは、崖っぷちを目隠しで歩い
ているようなものです。すぐに引き戻さなければ、あっ
という間に崖から落ちます。
体腔内の広範な化学的刺激は、最初緩やかな斜面ですが、
数時間でDIC、MOF、そして死亡に至る急斜面に突入
します。ここまで来るとなかなか引き返せません。
感染による汎発性腹膜炎も、最初緩やかな斜面ですが、
およそ5∼6時間で敗血症、DIC、MOF、そして死亡
に至る急坂となります。やはりなかなか戻れません。
資料2. 外因性腹部救急疾患
脾臓損傷
- 各論 -
脾臓損傷
脾臓損傷
概要
診断
循環の安定しないFAST(+)症例では、開腹にて診断
全腹部外傷の12∼30%に合併
初回治療としての手術療法の頻度は23-27%、
NOM(非手術治療)の成功率は92∼95%との報告
脾温存療率が増加している
保存療法の85-95%
される
循環が安定している症例では、FAST(+)(特に左上腹
部の貯溜、時に脾臓の裂創や離断)、造影CT、血
管造影などで診断される
循環が安定している症例で保存的治療か侵襲的治療
かの選択は、主に造影CT所見により行われる
緊急手術の40%
脾摘後重症感染症(OPSI)に注意
保存的治療を選択する場合は、繰り返しFASTを行う
脾臓損傷
分類と治療
Ⅰ型、Ⅱ型は保存的治療
が多い
Ⅲ型は手術またはTAE
横隔膜損傷
造影剤の血管外漏出像、
仮性動脈瘤が認められ
た場合は、TAE
経時的な出血増量、中等
度から高度の外傷性脳
損傷の合併は、手術
日本外傷学会臓器損傷分類2008より引用
横隔膜損傷
横隔膜損傷
診断
概要
身体所見
鈍的外傷の1∼7%、穿通性外傷の10∼15%、全胸部外
傷の3∼10%に合併
左横隔膜に多い(65∼80%)
左横隔膜では77%に腹腔内臓器損傷を合併
鈍的外傷では50%にショックを合併
検査
呼吸音の減弱
開腹
下肺野より上部で
聴取される腸音
腹腔鏡
X線撮影
3∼15%は急性期以降に診断される
胸腔鏡
胸部X線
穿通性外傷では損傷部位を元に存在を推測、鈍的外傷
では全ての高エネルギー事故で可能性を考える
CT
横隔膜損傷
治療
分類
診断が確定された時点
で緊急手術の適応
肝損傷
開腹・腹腔鏡・胸腔鏡
非吸収糸による縫合
人工物によるパッチ
胸腔ドレーンの留置
日本外傷学会臓器損傷分類2008より引用
肝損傷
肝損傷
概要
診断
胆管、門脈、肝動脈、肝静脈の4つの脈管が絡む血
流豊富な臓器であり、定期手術の定型的肝切除に
おいても手術難易度は高い
死亡率は10∼15%程度
全腹部外傷の5∼20%に合併
治療の基本はNOM
手術とIVRの組み合わせが有効なこともある
循環の安定しないFAST(+)症例では、開腹にて診断
される
循環が安定している症例では、FAST(+)(特に右上腹
部の貯溜や肝の裂創)、造影CT、血管造影などで
診断される
循環が安定している症例で保存的治療か侵襲的治療
かの選択は、主に造影CT所見により行われる
保存的治療を選択する場合は、繰り返しFASTを行う
肝損傷
肝損傷
分類
治療
循環動態が安定しているが、造影CTで造影剤漏出像や仮性
動脈瘤を認めるものは、TAE
循環動態が安定している上記以外のものは、保存的治療
循環動態が安定しないもの、TAE無効例、他の腹腔内臓器
損傷が疑われるもの、IVRで対処できない胆汁性腹膜炎
や肝膿瘍は手術
日本外傷学会臓器損傷分類2008より引用
静脈・門脈系の出血はガーゼパッキング等で止血し、動脈
性出血はTAEで止血するなど手術とIVRを組み合わせた
治療も有用である
膵損傷
概要
腹部外傷の2∼16%を占める
膵臓の損傷
単独損傷では最初症状が軽な事もあり、膵液漏の顕
在化により徐々に腹膜刺激症状が出現する
80∼90%程度に他臓器損傷を伴う
死亡率は膵損傷全体で10∼30%
膵液漏に伴う感染性合併症は40%に及ぶ
膵損傷
膵損傷
診断
分類
循環の安定しないFAST(+)症例では、開腹にて診断
される
循環が安定している症例では、造影CT、ERP(逆行
性膵管造影)で診断される
が
く
MRCPは一部有用とする報告がある
lT
x
d
&
&
膵頭部損傷では術前ERPの実施が望ましい
膵体尾部損傷では術前ERPを実施する利はない
g
o
&
T
dr
o
Twgr
T
o
日本外傷学会臓器損傷分類2008
膵損傷
膵損傷
分類と治療
AAST分類と治療
が
日本外傷学会臓器損傷分類2008
}
※同一臓器に複数の損傷があれば1グレード上げる
2
o
o
基本的に保存的治療
術中発見の場合は、外科的止血術と
ドレナージ術
o
o
o
o
jg
o
ー
h
緊急手術の適応。手術のタイミングを逸す
ると、外傷性膵炎の進行で手術困難となる
う
う
wgr
•
}
基本的に保存的治療
術中発見の場合は、
外科的止血術とドレ
ナージ術
(脾温存)膵体尾部切除
(脾温存)拡大膵体尾部切除
(二期的)膵頭十二指腸切除
The AmericanAssociation for the Surgery of Trauma :
Injury Scoring Scale
腎損傷
腎損傷
概要
腹部外傷の8∼10%に合併
鈍的外傷が90∼95%
多くは手術による治療が不要
腎損傷
腎損傷
診断
分類
血尿の存在が腎損傷を疑う1つのサインである(血尿がない
ことで否定されるわけではない)
循環の安定しないFAST(+)症例では、開腹にて診断される
こともある(他臓器の損傷によるショックの場合が多い)
循環が安定している症例では、造影CT(遅延相(15分後)で
尿路の溢流の有無も確認する)での診断が最も有用
①対側に及ぶ血腫と中心性尿瘻、②腎全体が造影されない
腎茎部損傷、③遅延相での尿瘻の描出、が重要な所見
日本外傷学会臓器損傷分類2008
腎損傷
治療
GradeⅢが手術適応である
循環動態が安定しない場合でショックの原因が損傷腎である場合は、
DCSとして腎摘を施行する
TAEも止血の有効な手段であるが、早期に手術した方が腎の温存率は
高い
鋭的損傷は手術適応である
可能な限り、Georta筋膜の切開前に腎門部における一時的血流遮断
(PPVC)を行う
PPVC未施行あるいは無効な場合は、腎門一括遮断を行う
循環が安定していれば、区域切除も行われる
)
(