153

№ 153
2016年4・5月
題字
さん(絆
会員)
心が動いたら・・・
代表理事
山崎紀恵子
いつも何かと遠慮しがちな 85 歳になる母が、珍しく自分から「犬山まつりに行ってみたい」と言
い出したのが嬉しくて、犬山城まで足を延ばしました。
「下で待っている」という母を、ついもっと
喜ばせようと調子に乗った私です。
「せっかくなら、お城が少しでも見える所まで行ってみよう」と、
車椅子を押して石造りの坂を登り始めました。私にとっても 30 年ぶりの国宝犬山城です。ただ、記
憶では少し登ればお城が見えたはずなのに・・・ガタガタの坂道は延々と続き、どこまで行ってもお
城は臨めそうにありません。一度言い出したら諦めの悪い私の性格を知る母です。ついに「車椅子か
ら降りて歩いてみる」と言い出し、車椅子を押しながらゆっくりと歩き始めました。こんな無謀な冒
険は、決して褒められたものではありません。それでも何とか頂上までたどり着き、久しぶりのお城
と、久しぶりの母の晴れやかな笑顔を見ることができました。
私はつい“心が動く”とすぐに行動したくなる癖があるようです。でも、これは本を正せば“心が
動かないと何もしない”ということでしょう。2 年前までは、上げ膳据え膳・普通のデイサービスだ
った絆が“心を動かすしかけ”を考え、自己選択・自己決定のデイサービスにしただけで、利用者さ
んがご自分の意思で動けるようになり、ますますお元気になられました。いかに心を動かし“意思を
鈍らせない”ことが大切であるかが窺えます。
常設居場所「あんきにきて家」が、スタートしました。居場所ボランテ
ィアとして募集したところ、30~80 代の方たちが快く引き受けてください
ました。いろいろな方から「居場所では何をするの?」と聞かれますが、
まずは覗いてください。得意なことを持ち寄ってくださっても大歓迎です。
子どもから大人まで、対象はどなたでも!!まずは出会いの場と、
“心を動
かすしかけ”をたくさん考えたいと思っています。この会報を読んで「い
赤いベンチが目印です
いな」って少しでも心を動かしてくださった方のために・・・いつでも鍵
を開けてお待ちしています。(利用時間 月~金曜日 12:30~16:30)
平成28年度
総会
日時:5月28日(土) 午後1時 ~ 午後3時半
第1部 総会
第2部 「私の気持ちを聴いて」 竹内 裕 さん
きき手
小菅もと子さん(絆の傾聴講座講師)
59 歳でアルツハイマー病と診断されたときの心情やまわりの反応、その後ポジティブ思考へ
のターニングポイントを経て、活動的に生きていらっしゃる毎日のエピソードを、小菅さんと
の対談でお聴きします。お楽しみに!!当事者さんならではお話がうかがえると思います。