都屋地区(PDF:3337KB)

【整理番号21】
事後評価書(完了後の評価)
都道府県名
沖縄県
関係市町村
事業名
水産物供給基盤整備事業
地区名
都屋
読谷村
(
ト ヤ
地域水産物供給基盤整備事業
事業主体
)
沖縄県
Ⅰ 基本事項
1.地区概要
漁港名(種別)
都屋漁港(第1種)
漁場名
75.0 百万円
陸揚量
138.4 トン
利用漁船隻数
87 隻
陸揚金額
登録漁船隻数
主な漁業種類
78 隻
定置網、刺し網、いか釣り
漁業経営体数
51 経営体
主な魚種
組合員数
共同漁業権第13号
まぐろ類、あじ類、いか
172 人
読谷村は、沖縄本島の中部に位置し、村内の大部分を米軍基地が
占め、社会資本整備を進める上で大きな障害となっている。その中
にあって都屋漁港は、古くから漁業の盛んな村で唯一の漁港であり
県内最大規模を誇る定置網を中心に曳網、イカ釣業の水揚げ基地と
しての性格が強い。
地区の特徴
近年、リゾートホテルの進出に伴い、活魚や鮮魚の消費需要があ
る。また、ダイビング、体験漁業といった観光関連の支援港とし
ても期待されている。
当漁港では定置網、刺し網、いか釣りを主とした漁業が営まれて
いる。平成25年度の港勢は、登録漁船78隻(3t未満53隻、3t以上
25隻)であり、陸揚量は138.4t、陸揚陸揚額は75百万円となっ
いる。
2.事業概要
港内静穏度が確保されておらず、陸揚準備時の係留に支障をきた
しているため、外郭施設、係留施設を整備する。また、就労環境の
改善及び漁業者の高齢化対策のため、浮桟橋や防暑施設を設置する
事業目的
ことや、漁具保管補修時の網の破損を防ぐため、防塵対策として背
後用地の舗装を行う。
第2沖防波堤 75m、北護岸(改良) 95m、西護岸(改良) 121m、
第3波除堤 24m、浮桟橋(2) 25m、船揚場(1)(改良)1式、
主要工事計画 -3.0m岸壁 35m、水域保全施設 6基、道路 163m、
道路護岸(1) 81m、道路護岸(2) 10m、用地(3) 1495㎡、
用地(4) 1074㎡、用地(6) 984㎡、用地護岸(4) 50m
事業費
2,440 百万円
事業期間
平成14年度~平成21年度
【整理番号21】
Ⅱ 点検項目
1.費用対効果分析の算定基礎となった要因の変化
本事業では、平成19年に事業評価を実施し、経済効果の妥当性について評価を
行った。その際の分析の算定基礎となった労務単価については変更している。
2.事業効果の発現状況
事業実施以前は、外郭施設、係留施設等が不十分であったため、施設としての有
効利用や就労環境の悪化といった問題があったが、本事業による防波堤、波除堤、
船揚場、用地施設等の整備により、施設の有効活用、就労環境の向上等の改善等が
図られた。また、現時点での費用対効果分析の結果は1.0を上回っており、一定
の効果発現が見られる。
3.事業により整備された施設の管理状況
本事業により整備された漁港施設は、漁港管理者である沖縄県が漁港漁場整備法
第26条の規定に基づき漁港管理規定を定め、これに従い、適正に漁港の保全、維
持管理を行っている。
4.事業実施による環境の変化
防波堤や波除堤の施設の整備に伴う港内静穏度の確保により、安全な漁業活動が
行われるようになった。また浮桟橋や船揚場(改良)及び防暑施設の整備により、
漁業従事者の就労環境が改善されている。
5.社会経済情勢の変化
読谷村の人口は、昭和25年の国勢調査から増加傾向にあり、平成12年 36,115人、
平成17年 37,306人、平成27年9月現在40,699人となっており、今後も人口の増加傾
向は続くものと推察される。
6.今後の課題
漁協組合員の半数以上が60歳以上であるため、高齢化対策として浮桟橋の増設を
行い、就労環境を改善・利便性の向上を図る必要がある。また、高齢化対策の一環
として魅力ある漁業の啓発に努め、後継者の育成を図る必要がある。
7.事業の投資効果が十分見込まれたか
平成18年評価時の
費用便益比B/C
1.22
現時点の
B/C
1.01
※別紙「費用対効果分析
集計表」のとおり
Ⅲ 総合評価
と や
都屋漁港は、古くから漁業集落が形成され、水産業が読谷村の重要な産業とされてき
た。本事業では、安全・安心な漁業活動の確保と効率的な陸揚げ、就労環境の改善によ
る利便性の向上を図るために、外郭施設、係留施設等の整備を行った。
また、貨幣化が可能な効果について、費用対効果分析を行ったところ、1.0 を超えて
おり、経済効果についても確認されている。
さらに、事業効果で貨幣化が困難な効果についても、安全・安心して施設を利用でき
る効果が認められると考えられた。
以上の結果から、本事業は当該地区において漁業経営の安定及び地域経済の振興へ寄
与したものとなっており、想定した事業効果の発現が認められた。