「人権侵犯事件」の状況について(概要) - 法務局

平成27年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)
法務省の人権擁護機関は,人権侵犯事件調査処理規程(平成16年法務省訓令
第2号)に基づき,人権侵害を受けた者からの申告等を端緒に人権侵害による被
害の救済に努めている。
○ 新規救済手続開始件数 177件 (対前年比 6.8%減少)
○ 処理件数
174件 (対前年比17.1%減少)
【新規救済手続開始件数からみた特徴】
① 暴行・虐待に関する人権侵犯事件の減少
52件(対前年比 40.9%減少)
② プライバシーに関する人権侵犯事件の増加
26件(対前年比271.4%増加)
③ 労働関係の人権侵犯事件の増加
20件(対前年比 81.8%増加)
④ 社会福祉施設に関する人権侵犯事件の増加
10件(対前年比400.0%増加)
⑤ 学校におけるいじめに関する人権侵犯事件の増加
9件(対前年比 80.0%増加)
青森地方法務局の平成27年(暦年)における人権侵犯事件に対する取組状況
は,以下のとおりである。
1 平成27年中に取り扱った人権侵犯事件数の動向
(1)開始件数
平成27年中に,新規に救済手続を開始した人権侵犯事件数は177件で
あり,対前年比で13件(6.8%)減少した。
◆ 私人間によるものが155件(対前年比14件(8.3%)減少)
◆ 公務員・教育職員等によるものが22件(対前年比で1件(4.8%)
増加)
(2)処理件数
平成27年中に処理した人権侵犯事件数は174件であり,対前年比で3
6件(17.1%)減少した。
◆ 私人間によるものが155件(対前年比で20件(11.4%)減少)
◆ 公務員・教職員等によるものが19件(対前年比16件(45.7%)
減少)
- 1 -
処理内訳別にみると,「援助」が165件(全処理件数の94.8%)で
最も多く,「要請」が3件(1.7%),「侵犯事実不明確」が6件(3.5
%)となっている。
また,救済措置としては,「説示」,「勧告」,「調整」等があるが,当局管
内では,当該処理を行った事案はなかった。
「援助」
被害者等に対し,関係行政機関又は関係ある公私の団体への紹介,法律扶助に関
するあっせん,法律上の助言その他相当と認める援助を行うこと。
「要請」
人権侵犯による被害の救済又は予防について実効的な対応をとることができる者
に対して必要な措置を執ることを要請すること。
「説示」 相手方又はその者を指導・監督する者に対して,反省を促し,善処を求めるため,
事理を説示すること。
「勧告」
相手方又はその者を指導,監督する者に対して,人権侵犯をやめさせ,又は同様
の人権侵犯を繰り返させないため,文書で,人権侵犯の事実を摘示して必要な勧告
を行うこと。
「調整」
2
被害者等と相手方又はその者を指導・監督する者との関係を調整すること。
救済措置を講じた具体的事例
障害者入所施設における虐待事案
障害者支援施設の職員が,利用者をたたいてけがをさせたとの内容の新聞
報道を端緒に調査を開始した事案である。
当局が本件施設の管理者等に事情を聴取したところ,本件施設の職員が利
用者をたたいてけがをさせた事実が認められた。
そこで,本件施設の施設長に対し,施設職員に対する監督,指導を徹底す
るなど,同種事案の再発防止に向けた適切な措置を講ずるよう要請した。
(措
置:「要請」)
3 添付資料
(1)人権侵犯事件統計資料(資料1-1,1-2)
(2)女性の人権ホットライン統計資料(資料2)
(3)子どもの人権110番統計資料(資料3)
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資料1-1
「人権侵犯事件」統計資料 (平成27年1月から同年12月)
処 理 内 訳
措 侵犯 侵犯
措
置
打
処理件数
未済
情
置 事実 事実
移送
切
報
援助 調整 要請 説示 勧告 通告 告発 猶 不存 不明 り 中止 移送 啓発
在
確
予
手 続 開 始 内 訳
件 名
総数
旧受 新受計
関係
行政
申 告
委員
機関
職員受 委員受 通報 の通
報
総 合 計
181
4
177
56
109
-
-
12
-
174
165
-
3
-
-
-
-
-
-
6
-
-
-
-
7
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
4
公 務 員 等 の 職 務 執 行 に 伴 う 侵 犯 事 件
総 計
23
1
22
10
9
1
8
9
1
2
7
1
6
2
-
-
3
-
19
19
8
9
1
8
9
1
1
1
-
-
特別公務員による侵犯
警察官によるもの
その他特別公務員
教育職員による侵犯
体罰
その他
学校におけるいじめ
刑務職員による侵犯
1
8
10
1
1
1
1
1
その他の公務員による侵犯
国家公務員
地方公務員
2
1
2
1
2
2
1
その他
私 人 間 の 侵 犯 事 件
総 計
158
3
155
46
100
21
1
8
3
5
15
5
1
21
1
8
3
5
14
2
1
2
4
16
1
6
2
3
9
11
1
10
1
1
-
-
9
-
155
146
-
3
-
-
-
-
-
-
6
1
21
1
8
3
5
15
21
1
8
3
5
13
1
1
8
8
2
2
4
-
-
-
-
3
人身売買
売春に伴う侵犯
暴行虐待
家族間におけるもの
夫の妻に対するもの
妻の夫に対するもの
親の子に対するもの
子の親に対するもの
その他
その他
私的制裁
医療に関する侵犯
人身の自由関係
精神保健法関係
その他
社会福祉施設関係
施設職員によるもの
その他
村八分
差別待遇
女性に関するもの
高齢者に関するもの
障害者に関するもの
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
14
7
5
14
7
5
2
7
5
14
7
5
14
7
5
1
11
1
20
1
19
4
4
2
4
4
4
1
4
4
4
4
1
4
4
8
9
9
1
1
1
1
1
2
2
3
10
1
1
2
2
3
10
同和問題に関するもの
アイヌの人々に関するもの
外国人に関するもの
HIV感染者等に関するもの
刑を終えた人々に関するもの
その他
参政権に関する侵犯
プライバシーに関する侵犯
報道機関等
インターネット等によるもの
相隣間に関するもの
その他
12
集会,結社および表現の自由
信教の自由に対する侵犯
教育を受ける権利への侵犯
労働権に対する侵犯
不当労働行為
労働基準法違反
その他
1
20
1
1
19
8
住居・生活の安全に関する侵犯
自力執行
相隣間におけるもの
小公害
その他
公害
不動産
その他
4
4
1
4
4
4
4
1
4
4
9
9
1
1
2
2
3
10
1
1
2
2
3
10
1
2
強制強要
家族間におけるもの
夫の妻に対するもの
1
妻の夫に対するもの
親の子に対するもの
子の親に対するもの
その他
セクシュアルハラスメント
ストーカー
その他
1
2
4
3
6
組織または多衆の威力による侵犯
交通事故
犯罪被害者
その他
- 3 -
1
3
資料1-2 平成27年中に新規救済手続を開始した人権侵犯事件
平成27年中に,新規に救済手続を開始した人権侵犯事件数は177件で
あり,対前年比で13件(6.8%)減少した。
○ 人権侵犯事件新規開始件数(前年比較)
平成26年
88件
29件
7件
11件
22件
2件
14件
5件
2件
10件
190件
暴行虐待
強制強要
プライバシー関係
労働権関係
住居生活の安全関係
社会福祉施設関係
教職員関係
学校におけるいじめ
公務員関係
その他の侵犯
合計
平成27年
52件
28件
26件
20件
17件
10件
9件
9件
4件
2件
177件
対前年比
59.1%
96.6%
371.4%
181.8%
77.3%
500.0%
64.3%
180.0%
200.0%
20.0%
93.2%
平成27年人権侵犯事件新規開始件数
学校における
いじめ 9件 5.1%
公務員関係
4件 2.3%
その他の侵犯
2件 1.1%
暴行虐待
52件 29.4%
教職員関係
9件 5.1%
社会福祉施設
関係 10件 5.6%
強制強要
28件 15.8%
住居生活の安全
関係 17件 9.6%
労働権関係
20件 11.3%
プライバシー関係
26件 14.7%
合計 177件
- 4 -
資料2
「女性の人権ホットライン」(平成27年1月~同年12月)
○ 設置目的
男女共同参画社会基本法の制定を踏まえ,性差別に起因する人権侵害の被
害者の救済を推進するため,全国50の法務局・地方法務局の本局に,専用
相談電話「女性の人権ホットライン」を設置し,夫やパートナーからの暴
力,職場等におけるセクシュアル・ハラスメント,ストーカー行為等様々な
女性の人権問題をめぐる相談を専門的に受ける体制を整備したもの。
平成27年は,11月16日(月)から同月22日(日)まで,全国一斉
「女性の人権ホットライン強化週間」を実施した。
○ 女性の人権ホットライン相談件数(前年比較)
平成26年
平成27年
対前年比
暴行虐待
36件
15件
41.7%
強制強要(セクハラ・ストーカー除く)
19件
13件
68.4%
セクハラ
3件
3件
100.0%
ストーカー
2件
0件
0.0%
98件
87件
88.8%
158件
118件
74.7%
その他
合計
平成27年 女性の人権ホットライン相談件数
暴行虐待
15件 12.7%
強制強要(セクハ
ラ・ストーカー除
く) 13件 11.0%
セクハラ
3件 2.5%
ストーカー
0件 0.0%
その他
87件 73.7%
合計 118件
- 5 -
資料3
「子どもの人権110番」(平成27年1月~同年12月)
○ 設置目的
子どもをめぐる人権問題は,周囲の目につきにくいところで起こっている
ことが多く,被害者である子ども自身も,身近な人に話しにくいといった状
況があることから,子どもが発する信号をいち早くキャッチし,その解決に
導くため,全国50の法務局・地方法務局に専用相談電話「子どもの人権1
10番」を設置し,いじめ,体罰,児童虐待等をはじめとした子どもの人権
問題をめぐる相談を専門的に受ける体制を整備したもの。
平成27年は,6月22日(月)から同月28日(日)までを,「子ども
の人権110番強化週間」として実施した。
○ 子どもの人権110番相談件数(前年比較)
平成26年
平成27年
対前年比
体罰・その他
21件
23件
109.5%
いじめ
17件
18件
105.9%
暴行虐待
25件
5件
20.0%
その他
72件
53件
73.6%
135件
99件
73.3%
合計
平成27年 子どもの人権110番相談件数
体罰・その他
23件 23.2%
いじめ
18件 18.2%
その他
53件 53.5%
暴行虐待
5件 5.1%
- 6 -
合計 99件