日本基準トピックス 「国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の 開示例」の公表(金融庁) 2016年4月8日 第303号 ■主旨 2016年3月31日、金融庁は「国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の開示例」 を公表しました。 主に、以下の2点に関して、2009年12月に公表された「国際会計基準に基づく連結 財務諸表の開示例」を改訂するものです。 (1) IFRS第9号「金融商品」など、2016年3月期までのIFRSの最新の改訂を反映して います。 (2) 企業がIFRSに基づく開示を検討する際の理解が深まるよう、表形式による開示例 と根拠となるIFRSの規定とを結びつける説明を充実させています。 ・原文については、金融庁のウェブサイトをご覧ください。 http://www.fsa.go.jp/news/27/sonota/20160331-5.html ------------------------------------------------------------------------- 1.経緯 2010 年 3 月期から IFRS の任意適用が開始される際、企業が IFRS に基づく連結財務諸表 を作成するにあたっての実務の参考として、2009 年 12 月に金融庁から「国際会計基準に 基づく連結財務諸表の開示例」が公表されました。 その後、2015 年 6 月 30 日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂 2015」において、「引き 続き IFRS の任意適用企業の拡大促進に努める」とされた上で、「IFRS 適用企業や IFRS への 移行を検討している企業等の実務を円滑化し、IFRS の任意適用企業の拡大促進に資する との観点から、IFRS 適用企業の実際の開示例や最近の IFRS の改訂も踏まえ、IFRS に基づく 財務諸表等を作成する上で参考となる様式の充実・改訂を行う」こととされました。 当該閣議決定を受けて、金融庁は、公益財団法人財務会計基準機構の協力を得て、2009 年 12 月に公表した開示例の充実および改訂を行い、今般「国際会計基準(IFRS)に基づく連結 財務諸表の開示例」(以下、「本開示例」)の公表に至ったものです。 【参考】 首相官邸日本経済再生本部ウェブサイトより 「『日本再興戦略』改訂 2015」 (2015 年 6 月 30 日閣議決定) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/dai2_3jp.pdf 1 2.概要 本開示例の特徴としては、以下のとおりです。 (1) 最新の IFRS に対応 2009 年 12 月に公表された開示例は、2010 年 3 月期の IFRS 任意適用開始時点 において強制適用される IFRS に基づくものでした。 本開示例は、原則として、2016 年 3 月期において強制適用される IFRS に基づい て作成されています。 ただし、我が国の IFRS 任意適用企業においては、IFRS 第 9 号「金融商品」(2010 年または 2013 年)を早期適用している事例が多く見られること、また現行の IAS 第 39 号「金融商品:認識及び測定」はヘッジ会計を除いて 2018 年 1 月 1 日以後 開始する事業年度から廃止されることを踏まえ、本開示例では IFRS 第 9 号(2013 年)のすべての規定を早期適用することを前提として作成されています。 (2) IFRS の規定に基づく説明の充実 2009 年 12 月に公表された開示例は、表形式による開示例と、その根拠となる IFRS の規定を記載していました。 本開示例では、企業が IFRS に基づく開示を検討する際の理解が深まるよう、 表形式による開示例と根拠となる IFRS の規定とを結びつける説明を充実してい ます。 本開示例の作成にあたっては、2015 年 12 月末までに、IFRS に基づく連結財務諸表を有価 証券報告書において公表した 63 社の実際の開示が参考とされています。 本開示例は、IFRS に基づく連結財務諸表の作成にあたり、IFRS 任意適用企業や IFRS へ の移行を検討している企業の実務の参考となるものを示すもので、今後、より適切な開示を 検討していく際の出発点として、広く関係者に提供するものです。本開示例はあくまでも例 示であって、IFRS に基づく連結財務諸表の様式および内容を拘束するものではありません。 また、本開示例では表形式を例示するにとどめられており、重要な会計方針等の注記にお ける記載文章の例示については、定型文言化されることを避けるために示されていません。 実際の開示に際しては、IFRS を参照のうえ、財務諸表利用者の適切な判断に資するよう、 個々の企業の実態に応じて適切な開示の検討が望まれます。 PwCあらた監査法人 東京都中央区銀座8丁目21番1号 住友不動産汐留浜離宮ビル (〒104-0061) お問い合わせ: [email protected] 本資料は概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。個別にプロフェッショナル からのアドバイスを受けることなく、本資料の情報を基に判断し行動されないようお願いします。本資料に含まれる情報は正確性または完全性を、 (明示的にも暗示的にも)表明あるいは保証するものではありません。また、本資料に含まれる情報に基づき、意思決定し何らかの行動を起こされたり、 起こされなかったことによって発生した結果について、PwC あらた監査法人、およびメンバーファーム、職員、代理人は、法律によって認められる範囲 においていかなる賠償責任、責任、義務も負いません。 © 2016 PricewaterhouseCoopers Aarata. All rights reserved. PwC refers to the PwC Network member firms in Japan and/or their specified subsidiaries, and may sometimes refer to the PwC Network. Each member firm is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details. This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors. 2
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