- 57 - 事 項 りんご「ふじ」のわい化密植栽培における樹の生育と収量の

事
項
ね
本県のりんごわい化密植栽培における樹の生育や収量の経年変化について、これまで具
い 体的に検討された事例はない。そこで、「ふじ」/M.9Aを供試し、栽植から30年間の経
年変化を明らかにしたので参考に供する。
ら
りんご「ふじ」のわい化密植栽培における樹の生育と収量の経年変化
1
黒ボク土壌において、「ふじ」/M.9Aを4m×2mで栽植し、最上位側枝高3m、
樹幅2mで、りんご生産指導要項に記載されている細がた紡錘形を目標樹形として密植
を維持した場合、以下の生育、収量となる。
指
導
参
(1) 目標樹形に達するのは8年生頃で、17年生以降樹勢は強勢となり、21年生以降になる
と樹形を維持するための剪定量が多くなる。
(2) 10a当たり収量を4t以上確保できるのは11~26年生までであり、27年生以降は小玉
傾向となって4tを下回る。
考
2
内
以上から、10a当たり収量は26年生まで4t以上確保できるものの、果実品質(小玉
化や着色不良の増加)も含め、比較的容易に目標樹形を維持できるのは10~20年生頃で
ある。
容
期待される
効
果
わい化密植栽培の生産指導上の参考となる。
利用上の
本内容は、栽植された樹が全て健全で欠木がない条件を前提としたものである。また、
注 意 事 項 土壌条件や使用台木、栽植距離、樹勢、剪定方法などで異なる場合がある。
問い合わせ先
(電話番号)
発表文献等
りんご研究所
栽培部(0172-52-2331)
対 象 地 域 県下全域
平成12~26年度 試験研究成績概要集(りんご)(りんご研究所)
東北農業研究 第68号
- 57 -
【根拠となった主要な試験結果】
3
5
地上高(m)
樹幅(m)
4
3
2
2
1
樹高
1
側枝高
0
0
1
図1
5
10
15
20
樹齢
樹高及び側枝高(平成26年
25
30
2
青森りんご研)
図2
5
15
20
樹齢
樹幅(平成26年
25
30
青森りんご研)
7
4
冬季
冬季剪定
6
剪枝重量(㎏/樹)
樹勢指数
3
2
夏季
夏季剪定
5
4
3
2
※樹勢指数
1:著しく弱い、2:弱い、
3:中(適正)、4:強い、
5:著しく強い
1
0
1
2
図3
10
5
10
15
20
樹齢
樹勢指数(平成26年
25
1
30
5
10
15
20
25
30
樹齢
青森りんご研)
図4
剪定枝重量(平成26年
青森りんご研)
400
8
7
台風19号
(H3)
350
一果重(g)
a当たり収量(t)
10 6
5
4
300
3
累積収量
kg/樹 t/10a
939 117.3
2
1
250
台風19号
(H3)
0
5
10
15
20
25
30
200
5
樹齢
図5
10a当たり収量(平成26年
青森りんご研)
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図6
10
15
樹齢
一果重(平成26年
20
25
30
青森りんご研)