章末問題解答 第4章 章末問題の解答 第4章 1) a) ア) H Cl イ) Br Br ウ) H O+ H H F エ) F B - F F オ) H C カ) O N O キ) O N O ク) O C O + N - - O b) ウ) 三角錐形 エ) 四面体形 オ) 直線形 カ) 直線形 キ) 折れ線形 ク) 平面三角形 1 2) a) Li2 σ*2s 2s 2s σ2s σ*1s 1s 1s σ1s Liの原子軌道 Li2 の分子軌道 Liの原子軌道 結合次数 1 二原子分子を生成する Be2 σ*2s 2s 2s σ2s σ*1s 1s 1s σ1s B eの原子軌道 B e 2 の分子軌道 B eの原子軌道 結合次数 0 二原子分子を生成しない b) B2 σ*2p π*2p 2p 2p σ2p π2p σ*2s 2s σ2s 2s σ*1s 1s 1s σ1s B の原子軌道 B 2 の分子軌道 結合次数 1 2 B の原子軌道 章末問題解答 第4章 C2 σ*2p π*2p 2p 2p σ2p π2p σ*2s 2s 2s σ2s σ*1s 1s 1s σ1s C の原子軌道 C 2の分子軌道 C の原子軌道 結合次数 2 c) F2 の電子配置は図 4-23(a)に示すようになり,結合次数は 1 である。 これに対し F2− では,反結合性の σ2p* に電子が 1 個加わるため,結合 次数が 0.5 になる。一方 F2+ では,F2 の電子配置から π2p* の電子が 1 個 取り除かれるために,結合次数は 1.5 となる。以上より,結合次数は, F2−,F2,F2 + の順に高くなり,それに対応して結合解離エネルギーも大 きくなる。 3) a) A 非結合性 B 結合性 C 反結合性 b) C 2s 1s B A 1s Liの原子軌道 LiHの分子軌道 Hの原子軌道 結合次数 1 3 c) –30 5.88 ×(3.336 × 10 –9 0.160 × 10 ) = 1.23 × 10–19 C Li 原子 1.23 × 10–19 C H 原子 – 1.23 × 10–19 C 4) a) シアン酸 H O C N C O イソシアン酸 H N b) シアン酸 ∠ HOC 109.4° ∠ OCN 180° イソシアン酸 ∠ HNC 120° ∠ NCO 180° c) シアン酸 酸素原子 sp3 混成軌道 炭素原子 sp 混成軌道 イソシアン酸 窒素原子 sp2 混成軌道 炭素原子 sp 混成軌道 5) a) ア) F O F イ) F Kr F F ウ) F 4 Cl F 章末問題解答 第4章 エ) N F F F オ) S F F カ) F F F F Xe F F F キ) C F F F ク) F F Br F F F ケ) As F F コ) F F F F F F Se F F F 5 b) イ),ウ),オ),カ),ク),ケ),コ) c) ア)折れ線形 イ)直線形 ウ)T 字形 エ)三方錐形 オ)シーソー形 カ)平面四角形 キ)四面体形 ク)四方錐形 ケ)三方両錐形 コ)八面体形 d) ア),ウ),エ),オ),ク) 6) a) 不対電子 第 3 章で学んだように,原子軌道には電子が 2 個まで入る。原子 軌道に電子が 2 個入るとき,これが電子対をなす。原子軌道に 1 個 しか電子が入っていない場合,この電子は対をつくらない。これを不 対電子という。分子軌道の場合も同様に,軌道に 1 個しか電子が入っ ていない場合,これを不対電子という。 b) 非共有電子対 共有結合は,2 個の原子が不対電子を出し合って,電子対(結合電 子対)を形成することでつくられる。共有結合で結びつけられている 原子は,共有結合に関わらない電子対をもともと持っている場合があ る。このような電子対を非共有電子対という。 c) 結合性分子軌道,反結合性分子軌道 分子軌道法では,一般的に,分子を構成する原子の原子軌道をもと にして分子軌道を構築する。元の原子軌道に比べエネルギーの低く なった分子軌道を結合性分子軌道,高くなった分子軌道を反結合性分 子軌道という。 d) 永久双極子モーメント 分子を構成している原子の電気陰性度に差がある場合,分子内の電 荷分布に偏りが生じる。その結果,分子に双極子モーメントが生じる 場合がある。この双極子モーメントは,分子の立体構造や電荷の偏り 方に依存した,その分子固有の量であり,永久双極子モーメントとい う。 6 章末問題解答 第4章 e) σ結合,π結合 原子価結合法では,不対電子の入った 2 つの原子軌道の重なりに よって共有結合が形成されると考える。軌道の重なりが結合軸上にあ り,結合軸に対して対称的となっている結合をσ結合という。一方, 結合軸と垂直方向を向いた p 軌道同士の重なりのように,軌道の重 なりが結合軸に対して対称的でないような結合をπ結合という。 f) 昇 位 ベリリウム,ホウ素,炭素原子の原子価はそれぞれ 2,3,4 であ るのに対し,これらの原子は基底状態でそれぞれ 0 個,1 個,2 個の 不対電子しか持たない。この違いを解消するために,これらの原子で は,分子をつくるときに,基底状態とは別の原子価状態に移っている と考える。この原子価状態は,基底状態で電子対をつくっている電子 の 1 個が,よりエネルギーの高い軌道に移ることで,基底状態に比 べ 2 個多い不対電子をもつ。このように原子が基底状態から原子価 状態に移ることを昇位という。 g) 共 鳴 分子軌道法によれば,多原子分子の結合に関わる電子は分子を構成 する 3 個以上の原子にわたって非局在化する。しかし原子価論やそ れに立脚した原子価結合法では,2 個の原子間で共有結合が形成する, という前提をおいているために,実際の結合を正しく表現できない場 合がある。このような場合,原子価に基づいて描いた複数の構造式(極 限構造式)を用いて表現する。これを共鳴という。実際の構造は,こ れら極限構造式を平均したものであると考えられる。 h) 分散力 無極性分子は永久双極子モーメントを持たないが,原子核と電子の 位置の違いに起因して一時的な双極子が生じている。この一時的な双 極子によって隣接する無極性分子に双極子が誘起される。その結果, 無極性分子の間にも,一時的な双極子とそれにより誘起される双極子 の間で弱いながら引力がはたらく。この引力を分散力という。 7
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