Business Foresight 顧 客 体 験 デ ザ イ ン で 製 品 ・ サ ー ビ ス を ブ ラ

顧客体験デザインで製品・サービスを
ブランディングする
ている状態で、極上のサービスが提供さ
これは、感動を創る極意の一つ
れる ――
と呼ば
で、
﹃プレジャー ペ-イン・ギャップ﹄
れるものです。
各部門が、それぞれ努力
を続けて全ての価値を最大化しようと
する、これまでの日本企業のあり方はこ
れに逆行しているといえます﹂︵江本氏︶
時代、
一連の顧客体験を見据えたブラ
満足があるためだという。
これからの
品 等のアフターサービスに 高い顧 客
そして性能を継続して担保する消耗
高級感、求められる基本性能の高さ、
空気清浄機が売れ筋だ。その理由は、
面で優れた日本製ではなく、欧州製の
富裕層の間では、機能・品質・価格
PM2・5問題が深刻な中国において、
これがブラン
りの価 値﹄とするか ――
ディングのカギであり、経営資源の最適
何も印象に残りません。何を﹃こだわ
いレベルという八方美人なサービスでは、
店内の雰囲気といった価値が、一様に高
﹁味・香り、価格、待ち時間、接客、
違った企業努力を払いがちだ。
と、 時 間 短 縮にばかり 目 を 向 け、 間
があるわけだが、私たちはややもする
すぎては不満となる。価格相応の時間
たみがない。かといって、時間がかかり
出るまでの時間が早すぎては、ありが
客体験とし、ブランドを確立する ――
今こそ、国家百年の計といえる事業観
す。日本の製 品・サービスを 極 上の顧
で、大 き な 差 がつく 時 代 だ といえ ま
顧客体験のデザインという発想の有無
施 策が打てるようになってき ました。
な顧 客 接 点 を 包 括 的に捉 え、多 くの
﹁オムニチャネルにより、企 業は様々
インすべきとの考え方だ。
イシューとして、顧客の体験全体をデザ
ねられていた顧客への価値提供を、経営
時代は
﹁モノからサービスへ﹂。感動はいかに創るか
ンド戦 略が、ま す ま す 重 要になろう
ては一歩 も二歩 も 遅れているのが現 状
な配分をめぐる経営イシューなのです﹂
部門イシューとして改善・改良が重
としている。
ではないだろうか。
クニエはNTTデータグループのビジネスコンサ
ルティング会 社です。様々な変 革に挑 戦される
お客様のパートナーとして、高度な専門性と経
験 を 有 するプロフェッショナルが幅 広いソリュー
ションを提 供し、お客 様の変 革の実 現をグロー
バルベースで推進致します。
外 資 E R Pベンダー、 外 資 監 査 法 人 系コン
サルティングファームを 経て 現 職 。サービス
ビジネスへの事 業モデル変 革やオムニチャネ
ルを 活 用した顧 客サービス戦 略 立 案 、顧 客
体 験デザインな どの分 野で、 業 務 ・システ
ムの両 面から、お客 様の企 業 文 化に即した
コンサルティングに強みを 持つ。
株式会社 クニエ ディレクター
江本 和徳
の転換期です﹂︵江本氏︶
NTTデータグループのコンサルティ
製品の機能は体験を生む手段
顧客はサービスを買っている
ングカンパニー・クニエのディレクター
ジャーニーマップで
顧客体験をデザインする
のは、認知、選択、注文、提供、利用、
アフ
江本和徳氏は、
﹁現代においては、製品
する際の私的な空間を買っているわけ
ターサービスという顧客の一連の体験を
国 内 市 場 は 人 口 減 少によって 縮 小
強化すべきは、高付加価値を売りにし
です。しかし、多くの日本企業は、高品
ジャーニーマップに落とし込み、﹁こだわり
は体験を生む手段。クルマなら、モノと
たミドル、
ハイエンド市場だ。
質・多 機 能な製 品を低 価 格で提 供 す
の価値﹂を際立たせる﹁顧客体験のデザ
し、海外市場は新興国の低価格品に席
そこで重要となるのが、製品・サー
るという、従来の製品中心の発想に捉
イン﹂
を行うことだと、江本氏は言う。
今、製品・サービスに求められている
ビスのブランディング。しかし、日 本 企
われています﹂
と、警鐘を鳴らす。
﹁適度に待たされ、ストレスが溜まっ
してのクルマではなくモビリティ、移動
業は欧米企業と比べて、顧客のサービ
例えば外食サービスの場合、料理が
捲されるこれからの時 代。
日 本 企 業が
ス体 験 を 通 じたブランディングに関 し
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http://www.qunie.com/
vol.9
Business Foresight