製品安全データシート

製品安全データシート
合成ルチル
1. 製品及び会社情報
製品情報
製品名
ケイペル合成ルチル上級
ケイペル合成ルチル標準
ナーングル合成ルチル SREP 級
ナーングル合成ルチル標準
別名
UGI (アップグレードイルメナイト)
推奨される用途
塩素法による二酸化チタン色素製造の原材料。合成ルチル製造の原材料。
会社情報
会社名
住所
イルーカリソーシズ社
オーストラリア事業者番号 34 008 675 018
Level 23, 140 St Georges Terrace, Perth, Western Australia 6000
GPO Box U1988, Perth, Western Australia 6845
電話番号
ファックス番号
オーストラリア国内 : 08 9360 4700
オーストラリア国内 : 08 9360 4777
国外 +61 8 9360 4700
国外 +61 8 9360 4777
緊急時 (24 時間)
オーストラリア国内 08 9360 4700
国外 +61 8 9360 4700
2. 危険有害性情報
合成ルチルは労働安全オーストラリアの基準では危険有害性があると分類されていない。 本製
品には少量の二酸化硫黄を放出する等級もあり、換気の悪い場所に集まる場合もある。二酸化硫
黄は、短時間暴露限界値(STEL)が 5 ppm でぜんそく反応の誘因ともなる刺激性ガスに分類され
ている。
危険物質
分類および従属的な危険性
危険化学物質コード
毒物一覧表
該当無し
該当無し
該当無し
健康への影響
急性
飲み込んだ場合
毒性無し。通常の取り扱い時に少量の合成ルチルを誤って飲み込んだことによる
危険は報告されていない。大量に摂取した場合、主に摩損により、また本製品の
弱酸性的な性質により、消化系器官の炎症が生じることがある。
目に入った場合
主に摩損性により、また本製品の弱酸性的な性質により、固形物および粉塵が炎
症を引き起こす場合もある。
皮膚に付着した場合
低度の危険性
発行日:2006 年 11 月
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吸入した場合 通常は一般的な有害粉塵であるが、高濃度の場合、炎症を起こす場合もある。咳
やくしゃみなどの症状を引き起こすこともある。本製品には少量の二酸化硫黄を
放出する等級もあり、換気の悪い場所に集まる場合もある。また、粉塵が発生す
るバルク材の取り扱い時には二酸化硫黄が発生することもある。二酸化硫黄は刺
激性ガスで人体の湿り気のある部位との接触により弱酸を生成することもある。
5 ppm を上回る濃度の時に、鼻および喉に焼け付くような感覚を引き起こす場合
がある。100 ppm を上回る濃度の時には、窒息に至る咽頭の反射けいれんを引き
起こすこともある。二酸化硫黄は人体に蓄積せず、清浄な空気のある場所で症状
は次第に緩和される。
慢性
一般的な影響 合成ルチルの粉塵への暴露による急性あるいは慢性的な影響は報告されていない
が、密閉された場所での長時間の暴露は呼吸器官の炎症を引き起こす場合がある。
高密度の二酸化硫黄に慢性的に暴露した場合、鼻血が出たり、胃腸障害や結膜炎
をもたらしたりする場合もある。
放射線
多数の鉱物と同様に、合成ルチルは低レベルの自然発生的なウランおよびトリウ
ム系列の放射性元素を含有している。合成ルチルのバルクあるいは袋詰め備蓄品
からの低レベルガンマ放射線が、通常時をやや上回るガンマレベルをもたらすこ
ともある。
一般
主に粉塵の吸入により、人体に侵入する。
3. 組成、成分情報
化学名
TiO2
Fe (金属)
V2O5
Nb2O5
Al2O3
P2O5
SiO2
ZrO2
S
U
Th
CAS 番号
13463-67-7
比率
88 – 95.5%
7439-89-6
1344-28-1
1314-56-3
14808-60-7
14940-68-2
7707-34-9
7440-61-1
7440-29-1
1 – 5.7%
0.22 – 0.6%
0.22 – 0.4%
0.7 -1.9%
0.01 – 0.12%
0.5 – 2.3%
最大 0.4%
0.02 – 0.6%
約 10 ppm
80 – 450 ppm
4. 応急措置
飲み込んだ場合
応急措置は必要ないと思われるが、必要に応じて水で口をすすぐこと。すすいだ
水は飲み込まないようにする。不快感のある場合、万一のため病院で診察を受け
ること。
目に入った場合
まぶたを開き、十分な量の清浄水で洗い流す。最低 15 分間または砂流が除去され
るまで継続する。痛みや炎症が続く場合は病院で診察を受けること。
皮膚に付着した場合
応急措置は必要ないと思われる。粉塵を立てないよう注意しながら汚れた衣服を
脱ぐ。石鹸を使い皮膚を洗浄する。炎症や痛みがある場合、病院で診察を受ける
こと。衣服を再度着用する前に洗濯すること。
発行日:2006 年 11 月
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吸入した場合 応急措置は必要ないと思われる。必要な場合、暴露した場所から新鮮な空気のあ
る場所に移動する。鼻腔から粒子を除去するため鼻をかむ。何らかの有害な症状
が見られる場合、特に二酸化硫黄の発生があった際は病院で診察を受けること。
応急措置設備 洗眼用設備
医師へのアドバイス
症状に応じた治療を行なう。
5. 消防措置
引火点
可燃限界
一般的な危険性
消化剤
該当無し
該当無し
本製品は可燃性でなく、燃焼を引き起こすものでもない。
燃焼している物質に適した消化剤を使用すること。
6. 漏出時の措置
流出および除去
通常の取り扱い時には安全装置を装着のこと。粉塵を立てないようにする。可能
なら掃除機をかける。あるいは掃き掃除をし再利用する。流出した製品が再利用
に適さない場合、湿らせ、収集し、可能なら再処理のために製造業者へ返却する
こと。または、認可を受けた埋立処分地にて廃棄し、清浄な充填物により埋立て
る。
7. 取り扱いおよび保管上の注意
取り扱い
粉塵を吸入しないよう注意する。取り扱い後は十分な洗浄を行なう。
保管
低濃度の二酸化硫黄が、換気の悪い保管場所に充満することがある。こうした場
所は立ち入り前にガス集結の点検を行ない、必要に応じて二酸化硫黄用の適切な
酸性ガス呼吸保護装置を装着すべきである。
8. 暴露防止および保護措置
暴露基準
粉塵 TWA – 10 mg/m3 (吸入可能一般有害粉塵)
二酸化硫黄ガス TWA – 2 ppm
二酸化硫黄ガス STEL – 5 ppm
放射線(アルファおよびガンマを含めた)被爆は合理的に達成可能な限り低減す
べきで(ALARA、合理意的な範囲で可能な限り低減する)、連続した 5 年間の間
に合計 100 milli-seiverts を超えないようにする。
工学的防御
通気に関する要件は取り扱い方法および取扱量によるが、粉塵レベルを暴露制限
未満に維持する上で十分なものでなくてはならない。コンベヤーやホッパー排出
などの屋内の粉塵発生地点には換気/粉塵排出システムが設置されなければなら
ない。
同製品が換気の悪い場所で保管されたり運搬されたりする場合、二酸化硫黄ガス
の集結を起こさないため、何らかの換気システムが必要である。
保護措置
安全眼鏡あるいはゴーグル型眼鏡。粉塵を吸入する危険性がある場合は少なくと
も P1 呼吸マスク(使い捨てあるいはカートリッジ型)を装着すること。二酸化硫
黄(SO2)の集結の可能性がある場所は、適切な SO2 監視装置で検査しなくてはなら
ない。SO2 の発生がある場合は、酸性ガスタイプのカートリッジが付いたハーフ型
またはフルフェイス型の P2 または P3 呼吸マスクを装着しなければならない。そ
の濃度が 50 ppm (10 X STEL)を越える時は送気呼吸装置を用いなければならない。
発行日:2006 年 11 月
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9. 物理的および化学的性質
外観(形状)
通常は黒色で乾いた自由継続型の砂。顕微鏡下で不透明。やや酸臭があ
る。
融点
>1000 度
蒸気圧
該当無し
蒸発速度
該当無し
比重
4.0 - 4.4
水溶性
不溶性
pH
3.5 – 4.5
かさ密度
1500 - 1750 kg/m3
粒子のサイズ
AFS No 65 – 85、粒子の平均サイズ 0.1 – 0.2 mm.
10. 安定性および反応性
反応性
不活性
化学安定性
安定
不適合性
通常あるいは予想される使用においては無し。
分解
分解することは無い。
11. 有害性情報
本製品は毒性が無い。2.危険有害性情報を参照のこと。
12. 環境影響情報
本物質を認可を受けた方法で取り扱い、使用し、廃棄した場合、環境破壊をもたらす可能性は無
い。非水溶性のため、水路や食物連鎖を汚染する可能性が無い。
13. 廃棄上の注意
連邦政府、州、および地方自治体の規制に基づき廃棄されなければならない。許可を得た場合、
認可を受けた埋立地へ移送することができる。
14. 輸送上の注意
本製品は通常輸送上危険物であると見なされていないが、輸送が規制される国もある。粉塵の発
生を防ぐため、乾燥したバルク製品を輸送するトラックには覆いをかけなければならない。保管
場所は換気を良くし、取り扱い時の粉塵の発生を最低限に留めなければならない。
15. 適用法令
記載事項無し。
16. その他の情報
本製品安全データシートは、イルーカリソーシズ社、安全衛生環境部門により作成された。
発行日
差替日
2006 年 11 月
2003 年 10 月
本製品安全データシートは発行日より 5 年間有効であるが、本情報が最新のものであることを確
認するため、イルーカリソーシズ社のウェブサイト(www.iluka.com)を参照のこと。労働安全手
引き NOHSC 3017 のとおり、各使用者は対象とする用途における特定の状況において同情報を参
照すべきである。
発行日:2006 年 11 月
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略語
mg/m3
NOHSC
ppm
1 立方メートルあたりのミリグラム
全国労働安全衛生委員会
100 万分の 1
SO2
二酸化硫黄
短時間暴露限界値
STEL
TLV
TWA
限界値
時間加重平均
以上
発行日:2006 年 11 月
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