泌乳最盛期の乳牛に発生する 「ナックル」や起立不能

泌乳最盛期の乳牛に発生する
釧 路 東 部 事 業 センター 厚 岸 家 畜 診 療 所 獣 医 師 が分解されていたこと、筋肉を保護
し強度を補うコラーゲンも減ってい
たことが推測されました。
以上をまとめると、牛群内で泌乳
能力の高い牛が、慢性的な栄養不足
のために筋肉を分解して泌乳のため
のエネルギーを確保し、過度に筋肉
シスで観察される所見がいくつか読
や起立不能が起こったと思われまし
が弱くなってしまった結果ナックル
い高泌乳牛に多いこと、食欲はある
斎 藤 昭 ナックルや起立不能と聞いてまず
た。一方、病気になった牛では足の
神経組織に異常が見られたという報
み取れました。しかし、通常の診療
で行っている検査だけでは、ナック
発 症 し た 牛 に 対 す る 治 療 方 法 は、
告もありますので、本疾患に関して
そこで、健康牛と病気になってし
ケトーシスの治療に加えてアミノ酸
ルや起立不能の原因が特定できませ
まった牛の血液中アミノ
の補給をするのが良いだろうと言わ
は更に研究が必要です。
酸濃度を測定して比べて
れています。しかし、まだまだ不明
んでした。
のに痩せていることなどがあります
この病気になってしまった牛の血
)。
うか。しかし今回紹介するのは、分
液検査結果からは、代謝障害、エネ
難産による神経麻痺ではないでしょ (図
娩から時間が経過している乳牛が発
み ま し た。 す る と 病 気 の
な点が多い病気ですから、泌乳最盛
ボディコンディションスコアは 2.25 程度であり、
泌乳最盛期でも痩せ過ぎていると判定される
症する病気のことです。そういえば、 ルギー不足、肝障害といった、ケトー
そんな牛がいたような気がすると感
じた方はいらっしゃいませんか。
こ の 病 気 は『 ケ ト ー シ ス 続 発 性
種類
牛 で は、 測 定 し た
期に向かう牛をよく観察し、他の牛
より痩せている牛がいるようならば
種類のアミノ酸
が健康牛より低いことが
食べているから大丈夫・・・と考
飼料設計の見直しが必要かもしれま
したエネルギーが泌乳に
えるのは危険ですので、ご注意くだ
わ か り ま し た。 こ の こ と
よる消費エネルギーに追
さい。
こ と、 筋 肉 の タ ン パ ク 質
よりも長期間続いていた
いつかない状態が他の牛
せん。
のうち
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か ら 病 気 の 牛 で は、 摂 取
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ナックル』や『ケトナックル』と呼
ばれる事があります。名前から想像
するに、ケトーシスの牛に見られる
病気のようですよね。ケトーシスな
らば食欲不振となって気がつくこと
が多いですが、この病気は多くの場
合、 突 然 の ナ ッ ク ル や 起 立 不 能 に
よって発見されます。また、発症す
る牛の特徴として、泌乳最盛期であ
ること、その農場の中でも能力が高
図 1 泌乳最盛期に突然ナックルになった高泌乳牛
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連想される病気は、分娩後の乳熱や
「ナックル」や起立不能
運動器部会から
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