1 社会・治安情勢 (1)殺人事件の発生件数は,今年に入っても減少傾向

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社会・治安情勢
(1)殺人事件の発生件数は,今年に入っても減少傾向にある。しかし,各地で犯罪組織
による抗争が発生しており,一度に12人が殺害される事件も発生する等,特に首都圏に
おいて殺戮事件が散発している。テグシガルパ市内には約900の地区が存在するが,そ
の内の10地区において殺人事件の約17%が発生しているとの調査結果もある。
(2)国家警察や軍警察のオペレーションにより,コカインや麻薬精製物質が大量押収さ
れていることから,コカインの中継基地及び精製拠点としての位置づけは変わっていない
と考えられる。また,麻薬密輸用潜水艦がホンジュラス領内のカリブ海を航行していると
の情報もある。
(3)交通機関関係者に対する殺人事件が多発している。多くはみかじめ料の未払いが原
因とされており,運転手や集金人の他,経営者等も多数殺害されている。
(4)ジカウイルス感染者数は疑い患者も含め,全国で18,000名に上っている。そ
のうち,妊婦で感染の疑いがある者は164名,ギランバレー症候群は56名確認されて
いる(3月9日現在)
。
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一般犯罪・凶悪犯罪の傾向及び対策
(1)殺人事件発生件数は減少傾向にあるものの,銃器を使用した強盗事件は首都圏の至
るところで発生しており在留邦人も被害に遭っている。徒歩での移動はリスクが大変高い
ことから,安全な交通手段(ラジオタクシー等)での移動を勧めている。
(2)銀行で大金を下ろした後,その動向を監視され襲撃される事件が発生し,過去には
在留邦人も被害に遭っている。よって,在留邦人に対しては銀行本店の利用はできるだけ
避け,ショッピングモール店内のATMの利用を勧めている。
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邦人及び邦人以外の被害事案
(1)邦人被害
特になし。
(2)邦人以外の被害事案
ア
1月5日,テグシガルパ市内エル・アティージョ地区において,商店を経営する男性
が銃撃されて殺害された。
イ
1月9日,コマヤグエラ地区において,民家において友人らと飲酒していた男性6人
が複数の男に銃撃され,全員死亡した。
ウ
1月14日,バジェ・デ・アンヘレス付近の路上において,米国人ボランティアが乗
車したバスが横転事故を起こし,3名が死亡,15名が負傷した。
エ
2月2日,サンペドロスーラ市のラモン・ビジェダ・モラレス空港内のため池内から
男性の遺体が発見された。
オ
2月11日,テグシガルパ市内において,姉妹3名と男性2名が突如車両に乗車した
犯人から銃撃され,全員死亡した。被害者は全て未成年であった。
カ
2月23日,テグシガルパ市内において,女性歯科医師が車両を自宅車庫に入れよう
としていたところ,オートバイ乗車の複数名の犯人から銃撃を受けて死亡した。
キ
3月5日,コマヤグエラ地区のレストランに複数名の男らが侵入してAK-47等の
銃器を乱射し,店内にいた12名が死亡した。
ク
3月8日,テグシガルパ市内のトンコンティン国際空港付近において,オートバイに
乗車した被害者が強盗に遭遇し,オートバイを渡すよう申し向けられたが拒否したところ,
刃物で刺され死亡した。
ケ
3月11日,コマヤグエラ地区において,車両で移動中の刑務所副所長が銃撃を受け
て死亡した。
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テロ・爆弾事件発生状況
特になし。
5
誘拐・脅迫事案発生状況
日本人に対する被害はなし。
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日本企業の安全対策に対する諸問題
(1)一般的にホンジュラス人の対日感情は大変良好であり,日系企業をターゲットとし
たテロ等の発生可能性は低い。しかし,日本人起業家を対象とした恐喝・強盗等は過去に
も発生しており,一般・凶悪犯罪に対しては十分な注意が必要である。
(2)犯罪被害に遭わないためには危険地域を十分に把握し,そのエリアには近づかない
ことが肝要である。当該地域での業務予定がある場合は,現地治安機関及び日本大使館か
ら十分な治安情報を収集することが重要である。