1 - JICA報告書PDF版(JICA Report PDF)

インドネシア共和国
気象・気候・地球物理庁
科学技術院
インドネシア共和国
広域防災システム整備計画
準備調査報告書
平成 26 年 7 月
( 2014 年)
独立行政法人
国際協力機構(JICA)
株式会社 オリエンタルコンサルタンツ
パシフィックコンサルタンツ株式会社
環境
JR
14 - 129
インドネシア共和国
気象・気候・地球物理庁
科学技術院
インドネシア共和国
広域防災システム整備計画
準備調査報告書
平成 26 年 7 月
( 2014 年)
独立行政法人
国際協力機構(JICA)
株式会社 オリエンタルコンサルタンツ
パシフィックコンサルタンツ株式会社
序
文
独立行政法人国際協力機構は、インドネシア共和国の広域防災システム整備計画にかか
る準備調査を実施することを決定し、同調査を㈱オリエンタルコンサルタンツの川崎正三
氏を業務主任とする、㈱オリエンタルコンサルタンツおよびパシフィックコンサルタンツ
㈱の共同企業体に委託しました。
調査団は、平成 24 年 6 月から平成 26 年 3 月までインドネシア国の政府関係者と協議を
行うとともに、計画対象地域における現地踏査を実施し、帰国後の国内作業を経て、ここ
に本報告書完成の運びとなりました。
この報告書が、本計画の推進に寄与するとともに、両国の友好親善の一層の発展に役立
つことを願うものです。
終わりに、調査にご協力とご支援をいただいた関係各位に対し、心より感謝申し上げます。
平成 26 年 7 月
独立行政法人
国際協力機構
地球環境部
部長
不破
雅実
要
約
要
1.
約
インドネシア国の概要
インドネシア国(以下「イ」国)は赤道をまたいで東西 5,000km に広がる島嶼国である。
ほとんどのエリアが熱帯雨林気候に属し、1 年を通じて高温多湿で、年間平均気温は 27℃、
年間平均湿度は 80%である。緯度±10 度以内に位置するため、熱帯低気圧の影響はないが、
雨季と乾季に分かれ、年間降水量は低平地部で 1,800~3,200mm、山岳地では最大 6,000mm
以上に達する。
環太平洋造山帯に位置し、無数の断層、多くの活火山、世界最多の島々を抱え、地震や火
山の噴火によりこれまで度々、津波により大きな被害を受けてきた。特にプレート間地震が
多発する地帯の海溝がインドネシアの南縁に沿って伸びているため、
地震発生から津波の到
達までの時間が短いという特性を持つ。
被害が世界に及んだ 2004 年のスマトラ島沖地震ではインドネシアで 10 万人以上の死者を
出している。
2.
プロジェクトの背景、経緯および概要
本案件は、2011 年 3 月に発生した東日本大震災によって被災した地域の産業の振興に資
するための法律「東日本大震災に対処するための特別の財政援助および助成に関する法律」
に基づき実施しているもので、特定被災地域の製品の調達を可能な限り含めると共に、我が
国の先端技術を含んだ地震・津波等の防災関連機材を調達することが要求されている。
一方、「イ」国では 2004 年のスマトラ島沖地震を機に「Law of the Republic of Indonesia
Number 24 of 2007 Concerning Disaster Management」(以下、防災法)を定め、中央・地方両
政府を災害管理の責任期間とした。本プロジェクトのカウンターパート(以下、C/P)機関
である気象気候地球物理庁(以下、BMKG)と科学院(以下、LIPI)も、大統領直轄の国レ
ベルの災害管理機関であり、同法律によって、それぞれ災害管理の観測・モニタリング、研
究という役割が定められた。
BMKG は防災法の下、中期的戦略計画(以降 RENSTRA)を作成し、地震観測網の強化
を進めている(強震計サイトを 500 ヶ所にする)。本プロジェクトでは RENSTRA の計画
をサポートするとともに、LIPI に地盤解析技術の向上のため、既存設備の更新、新規観測
所の設置、地盤探査機材の調達が要請された。
3.
調査結果の概要とプロジェクトの内容
本プロジェクトの調査は 2012 年 6 月から開始された。当初 BMKG による 100 ヶ所以上
の候補地点の選定後、ローカルコンサルタントへの再委託による、現場計測・平面図作成と
していたが、工期短縮のため、全候補サイトの確認調査を BMKG スタッフ、ローカルコン
1
サルタント、および調査団合同で実施した。実施にあたっては現地調査を 2 回と補間説明 2
回を、概略設計概要説明前に行った。
以下にその期間と実施内容を示す。
No
調査名
実施期間
主な実施内容
1
第一次現地調査
2012 年 7 月 1 日~7 月 29 日
既存施設確認・要請内容評価・M/D 署名
2
現地事前説明
2013 年 6 月 30 日~7 月 6 日
LIPI 分 DOD 実施確認、
BMKG 分サイト調査の方針説明
3
第二次現地調査
2013 年 7 月 21 日~11 月 19 日
2013 年 12 月 4 日~12 月 14 日
LIPI 分 DOD 説明および M/D 署名。
BMKG 分調達・施工調査、全サイト調査
4
事前 DOD 説明
2014 年 3 月 2 日~3 月 9 日
選定サイトの確認および導入システムの確認
5
DOD 説明
2014 年 5 月 24 日~6 月 1 日
BMKG 分 DOD 説明および M/D 署名
BMKG はこれまで地震観測網の拡充を進めてきており、現在、236 ヶ所の強震計観測所
が設置されている。広帯域地震計のデータは、震源地の特定、マグニチュードの決定、地震
発生機構解析などに用いられており、162 ヶ所の広帯域地震観測所が設置されている。この
うち 110 ヶ所については強震計が併設されている。その中にはドイツによって導入されたイ
ンドネシア津波早期警報システム「Ina-TEWS」、中国が無償供与した「ICDSN」、日本の
防災科学研究所がサポートしている JISNET などが含まれている。JISNET は 1997 年に導入
されたもので、作動不良のものもあり、機材更新の時期に来ている。
LIPI は地盤の振動特性を調査するための機材を有しておらず PS 検層機および微動アレイ
探査等の機材が要請された。
これらの状況と要請内容を勘案し、以下の供与をすることとした。
【BMKG】
項目
JISNET
BMKG 既存
5
BMKG 本部
新設
合計
広帯域地震計
15
広帯域強震計
15
5
-
-
20
強震計
-
-
93
-
93
BMKG 本部機材
-
-
20
-
-
-
1
1
建屋建設
6
-
67
-
73
太陽光発電施設
1
2
6
-
9
15
5
73
-
衛星通信システム
IT 震度計
200
【LIPI】

PS 検層機
1式

微動アレイ探査機
1式

強震計
10 セット
2
4.
プロジェクトの工期および概略事業費
(1)
工期
本プロジェクトは実施機関が 2 機関(BMKG、LIPI)に分かれ、それぞれの機関で調達内
容が異なるため、パッケージを 2 つに分けて入札を実施する。
BMKG 分は地震計設置サイトが「イ」国全土にわたっているため、75 日の入札準備期間
を見込んでいる。実施の段階においては観測建屋の建設に引き続き観測機材の設置が行われ
る。全体工期として 20 か月を見込んでおり、実施開始後の概略の工程は以下の通りである。

実施設計・入札・契約
6.5 か月

機材調達・設置
13.5 か月
LIPI 分については、インストールを伴わない機材供与のみ(強震計については 2 か所で
設置指導を行う)であり、入札準備期間を 30 日間見込んでいる。機材が到着後は速やかに
引き渡しを実施して完了となるため、全体工期としては 13 か月を見込んでいる。実施開始
後の概略の工程は以下の通りである。
(2)

実施設計・入札・契約
4.5 か月

機材調達
8.5 か月
概略事業費
日本国側事業費
「イ」国側事業費
5.
3.34 百万円(382 百万 IDR)
プロジェクトの評価
(1)
1)
(調達業者の契約認証まで非公表)
妥当性
防災・減災への貢献
BMKG に対する協力は、BMKG の中期的戦略計画(RENSTRA)で示されている 500 ヶ
所の強震計設置の早期実現に資するもので、地震観測網が強化され、精度の高いリアルタイ
ム観測、震源解析、震度マップの作成に貢献する。本プロジェクトで整備する観測機材から
得られるデータにより、
人口集中箇所および地震発生の高い場所の観測密度が向上し、
「イ」
国全土の防災・減災能力の向上に直接的な裨益を生むだけでなく、将来の導入が期待される
早期地震予警報システムの基礎として不可欠なデータの収集・蓄積にも貢献する。
また、LIPI に対する協力は、LIPI が実施する地盤に関する科学的調査や研究に資するも
ので、地盤強度の推定や地盤特性の把握、地震波や地震波形の取得、地震特性等の把握を可
能にする。
3
2)
「イ」国の上位計画に資するプロジェクト
「イ」国では、災害管理・対策の基本法として、上述の防災法があり、これを中心に多数
の災害対策関連法令が制定されている。その 1 つに、「National Disaster Management Plan
(2010-14)」(以下、国家防災計画)がある。同計画の一部は、「Mid―term National Diasater
Management Plan(PR JMN)」に反映されており、本プロジェクトは、RP JMN の優先整備
分野の一つである、「自然災害管理」に、地震観測、分析、予測の面から貢献するものである。
3)
我が国の防災分野における技術・東日本大震災で得られた教訓の活用
防災分野における技術については、
東日本大震災で得られた教訓をもとに新たな技術の開
発・改良が進められており、日本国内においても、これらの各観測機材や災害対策機材の導
入・整備が図られている。その代表的な例が、巨大地震に対応できる日本製広帯域強震計の
導入である。「イ」国は、日本列島と同様、スマトラ・ジャワの島弧に沿って海溝が横たわ
り、巨大地震が多発する地域となっていることから、同機材導入の意義は大きく、十分な成
果が期待できる。
4)
我が国および周辺国との防災情報の共有
本プロジェクトにより整備される機材によって得られるデータも日本を含めた周辺国の
地震・津波観測や予警報の精度向上に寄与することが期待されている。
(2)
1)
有効性
定量的効果
本プロジェクトの実施により、地震情報システムが拡充され、揺れの強さの観測、震源地
の特定、マグニチュード計算が迅速に行われる。また震度計の導入により計測震度のネット
ワークが構築される。これらにより期待される効果は以下の通りである。
指標名
基準値(2014 年)
目標値(2019 年)
巨大地震の震源確定時間
5分
3分
津波警報発令までの時間
5分
3分
震度図の作成(シェークマップから
作成)※1
7分
5分
60 分
30 分
70%
90%
等震度線図の公表
※2
地震観測データの収集率
※1:BNPB を通して発表される。
※2:BMKG のウェブサイトにアップロードされる。
2)
定性的効果

地震観測精度の向上

震度の観測により、早期の被害想定が可能となる

マグニチュードの演算精度の向上
4

国家防災庁(以下、BNPB)等の防災機関との地震情報共有による初動対応、災害
応急・復旧能力の向上

将来の早期地震予警報システム導入のためのデータが蓄積・研究される
5
目
序
文
要
約
目
次
次
調査地域位置図
完成予想図
図表リスト
略語集
ページ
1.
プロジェクトの背景・経緯
1-1
当該セクターの現状と課題 ........................................................................................... 1-1
1-1-1 現状と課題................................................................................................................... 1-1
1-1-2 開発計画 ...................................................................................................................... 1-3
1-1-3 社会経済状況............................................................................................................... 1-4
2.
1-2
無償資金協力の背景・経緯および概要 ....................................................................... 1-5
1-3
我が国の援助動向........................................................................................................... 1-7
1-4
他ドナーの援助動向....................................................................................................... 1-8
プロジェクトを取り巻く状況
2-1
プロジェクトの実施体制............................................................................................... 2-1
2-1-1 組織・人員................................................................................................................... 2-1
2-1-2 財政・予算................................................................................................................... 2-8
2-1-3 技術水準 .................................................................................................................... 2-11
2-1-4 既存施設・機材......................................................................................................... 2-11
2-2
プロジェクトサイトおよび周辺の状況 ..................................................................... 2-13
2-2-1 関連インフラの整備状況 ......................................................................................... 2-13
2-2-2 自然条件 .................................................................................................................... 2-13
2-2-3 環境社会配慮............................................................................................................. 2-15
2-3
3.
その他 ............................................................................................................................ 2-16
プロジェクトの内容
3-1
プロジェクトの概要....................................................................................................... 3-1
3-2
協力対象事業の概略設計............................................................................................... 3-3
3-2-1 設計方針 ...................................................................................................................... 3-3
3-2-2 基本計画(機材計画)............................................................................................... 3-6
3-2-3 概略設計図................................................................................................................. 3-21
3-2-4 施工計画/調達計画................................................................................................. 3-24
3-3
相手国側分担事業の概要............................................................................................. 3-38
3-4
プロジェクトの運営・維持管理計画 ......................................................................... 3-41
-i-
3-5
プロジェクトの概略事業費 ......................................................................................... 3-44
3-5-1 協力対象事業の概略事業費 ..................................................................................... 3-44
3-5-2 運営・維持管理費....................................................................................................... 3-46
4.
プロジェクトの評価
4-1
事業実施のための前提条件 ........................................................................................... 4-1
4-2
プロジェクト全体計画達成のために必要な相手方投入(負担)事項 ................... 4-2
4-3
外部条件 .......................................................................................................................... 4-2
4-4
プロジェクトの評価....................................................................................................... 4-2
4-4-1 妥当性 .......................................................................................................................... 4-2
4-4-2 有効性 .......................................................................................................................... 4-4
巻末資料
巻末資料 1 調査団員・氏名
巻末資料 2 調査工程
巻末資料 3 関係者(面会者)リスト
巻末資料 4 討議議事録(M/D)
巻末資料 4-1
2012 年 7 月 6 日署名
巻末資料 4-2
2013 年 7 月 24 日署名
討議議事録
巻末資料 4-3
2014 年 5 月 28 日署名
討議議事録
討議議事録
巻末資料 5 テクニカルノート(T/N)
巻末資料 5-1
2012 年 7 月 18 日署名
テクニカルノート(LIPI)
巻末資料 5-2
2012 年 7 月 26 日署名
テクニカルノート(BMKG)
巻末資料 5-3
2014 年 3 月 5 日署名
巻末資料 5-4
2014 年 5 月 28 日署名
テクニカルノート(BMKG)
テクニカルノート(BMKG)
巻末資料 6 サイト調査結果集計表
巻末資料 7 施設設置計画図
- ii -
(a)
(b)
(d)
(c)
Key Map
(a)
強震計サイト候補地
広帯域地震計サイト候補地
既存 BMKG サイト
プロジェクトサイト位置図(BMKG-Ⅰ)
(b)
(c)
(d)
プロジェクトサイト位置図 (BMKG-Ⅱ)
No
Name
Province
Kabupaten
Latitude
Longitude
System*
Site
Type
1
TEGALBULEUD
West Java
Sukabumi
-7.423360
106.719130
SMS
NEW
2
SAGARANTEN
West Java
Sukabumi
-7.211490
106.883970
SMS
NEW
6
LENGKONG
West Java
Sukabumi
-7.131200
106.692160
SMS
NEW
7
KALAPANUNGGAL
West Java
Sukabumi
-6.831450
106.662150
SMS
NEW
8
KADUDAMPIT
West Java
Sukabumi
-6.846050
106.924340
SMS
NEW
9
JAMPANG KULON
West Java
Sukabxumi
-7.257060
106.625110
SMS
NEW
11
CIRACAP
West Java
Sukabumi
-7.330710
106.519780
SMS
NEW
12A
BOJONG
West Java
Sukabumi
-6.972780
106.824600
SMS
NEW
13
CIEMAS
West Java
Sukabumi
-7.232770
106.518690
SMS
NEW
14
SUKANAGARA
West Java
Cianjur
-7.097800
107.131750
SMS
NEW
16
PT PASIR KELAPA
West Java
Cianjur
-6.906400
107.111070
SMS
NEW
17
PAGELARAN
West Java
Cianjur
-7.210870
107.139960
SMS
NEW
18
CILAKU
West Java
Cianjur
-6.866370
107.162390
SMS
NEW
20
CAMPAKA
West Java
Cianjur
-6.998200
107.142670
SMS
NEW
21
SELUMA
Bengkulu
Seluma
-4.061390
102.581940
SMS
NEW
22
ILIR TALO
Bengkulu
Seluma
-4.227110
102.674570
SMS
NEW
23
NAPAL PUTIH
Bengkulu
North Bengkulu
-3.192270
101.868930
SMS
NEW
24
MUARA SAHUNG
Bengkulu
Kaur
-4.528150
103.360280
SMS
NEW
27
MANNA
Bengkulu
South Bengkulu
-4.440950
102.893830
SMS
NEW
28
KETAHUN
Bengkulu
North Bengkulu
-3.382440
101.820210
SMS
NEW
29
IPUH
Bengkulu
Mukomuko
-3.000910
101.492190
SMS
NEW
30
BENGKULU
Bengkulu
Central Bengkulu
-3.819420
102.299940
SMS
NEW
33
SUMUR
Banten
Pandeglang
-6.659160
105.582790
SMS
NEW
34
CIKEUSIK
Banten
Pandeglang
-6.728590
105.872060
SMS
NEW
35
MALINGPING
Banten
Lebak
-6.778620
106.019510
SMS
NEW
36
BAYAH
Banten
Lebak
-6.933180
106.245670
SMS
NEW
37
BANJARSARI
Banten
Lebak
-6.557640
105.999720
SMS
NEW
38
CIGEMBLONG
Banten
Lebak
-6.735010
106.159180
SMS
NEW
40
LANGI
Aceh
Simeuleu
2.824560
95.747520
SMS
NEW
41
TUHEMBERUA
North Sumatera
North Nias
1.469330
97.441520
SMS
NEW
42
KAMPUNG AIE
Aceh
Simeuleu
2.589410
95.963520
SMS
NEW
43
LEGOK LEMANG
West Java
Bogor
-6.641890
106.680650
SMS
NEW
44
CARINGIN
West Java
Garut
-7.523180
107.489310
SMS
NEW
46
PAMEUNGPEUK
West Java
Garut
-7.645540
107.728420
SMS
NEW
47
PMULIHAN
West Java
Garut
-7.409800
107.691600
SMS
NEW
48
PANGANDARAN
West Java
Ciamis
-7.682090
108.647970
SMS
NEW
49A1
LANGKAPLANCAR
West Java
Ciamis
-7.503910
108.401680
SMS
NEW
50
BANTUL
Yogyakarta
Bantul
-7.899170
110.321900
SMS
NEW
53
GUNUNG KIDUL 2
Yogyakarta
Gunung Kidul
-7.972510
110.579350
SMS
NEW
55
KULON PROGO
Yogyakarta
Kulon Progo
-7.847730
110.168580
SMS
NEW
56
MAGELANG
Central Java
Magelang
-7.610270
110.207500
SMS
NEW
59
KOTA YOGYAKARTA
Yogyakarta
Kota Yogyakarta
-7.799150
110.387260
SMS
NEW
61
SUKOHARJO
Central Java
Sukoharjo
-7.687400
110.845410
SMS
NEW
62
BANYUWANGI
East Java
Banyuwangi
-8.216840
114.361810
SMS
NEW
63
PUGER
East Java
Jember
-8.371460
113.478270
SMS
NEW
65
YOSOWILANGUN
East Java
Lumajang
-8.239510
113.312910
SMS
NEW
66
BINANGUN
East Java
Blitar
-8.233880
112.334440
SMS
NEW
69
BPBD PACITAN
East Java
Pacitan
-8.204570
111.088010
SMS
NEW
No
Name
Province
Kabupaten
Latitude
Longitude
System*
Site
Type
70
BONJOL
West Sumatera
Pasaman
-0.000830
100.221340
SMS
NEW
71
KUMPULAN BANANG
West Sumatera
South Pesisir
-1.907960
100.877430
SMS
NEW
72
LUBUK BASUNG
West Sumatera
Agam
-0.326570
100.029770
SMS
NEW
74
MUARA LABUH
West Sumatera
South Solock
-1.462490
101.029860
SMS
NEW
75A
MUARA SIBERUT
West Sumatera
Mentawai
-1.595900
99.213390
SMS
NEW
76
PAINAN
West Sumatera
South Pesisir
-1.341340
100.586460
SMS
NEW
77
RAO
West Sumatera
Pasaman
79
TALANG BABUNGO
West Sumatera
Soloc
80
UNP-PADANG
West Sumatera
81
PASIGOPPA
West Sumatera
82
ARGO PANCURAN
Lampung
83
BENGKUNAT
Lampung
84
KOTA AGUNG
Lampung
Tanggamus
-5.488600
104.640860
SMS
NEW
86
KRUI
Lampung
West Lampung
-5.210580
103.938790
SMS
NEW
101
LUWI BUDI
Papua
Biak Numfor
-1.162494
136.088560
BBS
JISNET
102
BJI (BANJARNEGARA)
Central Java
Banjarnegara
-7.332933
109.709580
BBS
JISNET
103
BSI (BANDA ACEH)
Aceh
Aceh Besar
5.496420
95.296170
BBS
JISNET
105
KDI (KENDARI)
Southeast Sulawesi
Kendari
-3.957480
122.619220
BBS
JISNET
106
KHK (KAHANG
KAHANG)
Bali
Karang Asem
-8.364460
115.609800
BBS
JISNET
107
KSI (KEPAHYANG)
Bengkulu
Kepahyang
-3.650980
102.592890
BBS
JISNET
109
MNI (MANADO)
North Sulawasi
Manado
1.443680
124.838920
BBS
JISNET
110
PCI (PALU)
Central Sulawesi
Palu city
-0.905540
119.836660
BBS
JISNET
111
PPI (PADANG
PANJANG)
West Sumatera
Padang Panjang
-0.454730
100.396450
BBS
JISNET
113
SWH (SAWAHAN)
East Java
Naganjuk
-7.780810
111.759120
BBS
JISNET
114
TARA (TARAKAN)
East Kalimantan
Tarakan
3.313570
117.582620
BBS
JISNET
116
TLE2 (MALUKU)
Maluku
Southeast Maluku
-5.637410
132.749830
BBS
JISNET
117
TPI (TANJUNG
PANDAN)
Bangka-Belitung
Belitung
-2.756700
107.652490
BBS
JISNET
118
0.561630
100.017720
SMS
NEW
-1.098320
100.880390
SMS
NEW
Padang
-0.894960
100.346440
SMS
NEW
Mentawai
-1.088380
98.852600
SMS
NEW
South Lampung
-5.830280
105.676480
SMS
NEW
West Lampung
-5.524060
104.233890
SMS
NEW
WAMI (WAMENA)
Papua
Jayawijaya
-4.095590
138.950040
BBS
JISNET
WSI (WAINGAPU) 2
East Nusa Tenggara
East Sumba
-9.670580
120.297160
BBS
JISNET
201
CALANG
Aceh
Aceh Jaya
4.628790
95.576680
BBS
BMKG
202
SUBULUSSALAM
Aceh
Subulussalam
2.674920
97.970770
BBS
BMKG
203
TELUK DALAM
North Sumatera
South Nias
0.579220
97.816020
SMS
BMKG
204
SIMPANG EMPAT
West Sumatera
West Pasaman
0.124110
99.875370
BBS
BMKG
205
JAWA TENGAH
Central Java
Banjarnegara
-7.448920
109.632430
BBS
BMKG
206
MOROTAI
North Maluku
North Halmahera
2.198020
128.275850
BBS
BMKG
301
JOGLO
Jakarta
West Jakarta
-6.220670
106.735450
SMS
NEW
306
BADUNG
Bali
Badung
-8.606990
115.177780
SMS
NEW
307
TABANAN
Bali
Tabanan
-8.557010
115.116280
SMS
NEW
309
ANYER
Banten
Serang
-6.063900
105.920930
SMS
NEW
310
GUNUNG SUGIH
Banten
Cilegon
-6.034450
105.942130
SMS
NEW
312
KOBA
Bangka Belitung
Central Bangka
-2.518340
106.422220
SMS
NEW
119A
313
Pinangsori Sibolga
North Sumatera
Central Tapanuli
1.553340
98.896860
SMS
NEW
317
BUMIAYU
Central Java
Brebes
-7.272260
109.016810
SMS
NEW
318
PUNDONG
Yogyakarta
Bantul
-7.955830
110.343330
SMS
NEW
320
PULOGADUNG
Jakarta
East Jakarta
-6.198370
106.904270
SMS
NEW
*
BBS:Broadband Site、SMS: Strongmotion Site
プロジェクトサイト位置図 (LIPI)
完成予想図(フェンス無し)
No.20 CAMPAKA 地震観測所
完成予想図(フェンスあり)
No.70 BONJOL 地震観測所
表リスト
ページ
表 1-1
2000 年以降に発生したスマトラ島沖地震 ·················································· 1-1
表 1-2
BMKG からの要請内容 ·········································································· 1-6
表 1-3
LIPI からの要請内容 ············································································· 1-6
表 1-4
日本の地震災害関連支援 ········································································ 1-7
表 1-5
他ドナーによる地震関連の援助······························································· 1-8
表 2-1
地震・津波防災関係部署の人員配置(役職、人数、専門性、学位/BMKG) ·· 2-4
表 2-2
地震・津波防災関係部署の人員配置(役職、人数、専門性、学位/LIPI) ······ 2-7
表 2-3
BMKG の予算状況 ················································································ 2-9
表 2-4
LIPI、および Research Center for Geotechnology の予算状況 ·························· 2-10
表 2-5
LIPI の津波・地震研究分野における予算状況 ··········································· 2-10
表 2-6
2000 年以降に発生したスマトラ島沖地震 ················································· 2-13
表 3-1
BMKG に対する協力対象計画概要 ··························································· 3-2
表 3-2
LIPI に対する協力対象計画概要 ······························································ 3-2
表 3-3
太陽光発電システム導入サイトの日射量(kWh/m2/d) ································ 3-4
表 3-4
BMKG からの要請内容と協力対象内容 ····················································· 3-7
表 3-5
LIPI からの要請内容と協力対象内容 ························································ 3-8
表 3-6
サイト選定総括表 ················································································ 3-16
表 3-7
JISNET サイトの機材更新方針一覧表 ······················································ 3-18
表 3-8
LIPI 協力対象機材
表 3-9
資機材原産国区分(BMKG) ································································· 3-26
機材計画 ································································ 3-19
表 3-10 資機材原産国区分(LIPI) ···································································· 3-27
表 3-11
日本国と「イ」国の負担事項区分··························································· 3-28
表 3-12 対象資機材調達先一覧(BMKG)··························································· 3-34
表 3-13 対象機材調達先一覧(LIPI) ································································· 3-34
表 3-14 事業実施工程(BMKG) ······································································· 3-37
表 3-15 事業実施工程(LIPI) ·········································································· 3-37
表 3-16 概略事業費 ························································································· 3-44
表 4-1
定量的効果 ·························································································· 4-5
図リスト
ページ
図 2-1
BMKG 組織図 ····················································································· 2-3
図 2-2
地震・津波防災関係部署と人員配置(BMKG/組織名称は仮訳) ················· 2-3
図 2-3
LIPI 組織図·························································································· 2-6
図 2-4
LIPI(Research Center for Geotechnology)組織図 ········································· 2-7
図 2-5
既存広帯域地震計(速度計)観測所分布図··················································· 2-12
図 2-6
既存強震計(加速度計)観測所分布図························································· 2-12
図 2-7
インドネシアの気温 ············································································· 2-14
図 2-8
インドネシアの降水量 ·········································································· 2-14
図 3-1
商用電源による観測所のシステム構成····················································· 3-12
図 3-2
太陽光発電による観測所のシステム構成·················································· 3-13
図 3-3
BMKG のモニタリングシステム構成 ······················································· 3-13
図 3-4
Seiscomp3 と WIN の通信方式 ································································ 3-14
図 3-5
データフロー ······················································································ 3-15
図 3-6
観測所(地震計シェルター)平面図の比較··············································· 3-16
図 3-7
地震観測システムと衛星通信ネットワーク概念図 ····································· 3-21
図 3-8
地震計観測所(シェルター)設計図························································ 3-22
図 3-9
地震計観測所屋根置き太陽光パネル························································ 3-23
図 3-10 地震計観測所地上置き太陽光パネル基礎とパラボラ基礎 ···························· 3-23
図 3-11
事業実施体制 ······················································································ 3-24
略
略語
語
集
英語名
和訳名称
ASTM
American Society of Testing and Materials
米国材料試験協会規格
A/M
Agreed Minutes
合意議事録
BMKG
Meteorological, Climatological and
Geophysical Agency
気象気候地球物理庁
(インドネシア)
BNPB
National Agency for Disaster Management
国家防災庁(インドネシア)
C/P
Counter parts
カウンターパート
E/N
Exchange of Notes
交換公文
G/A
Grant Agreement
贈与契約
IDR
Indonesian Rupiah
インドネシアルピア
IISEE
International Institute of Seismology and
Earthquake Engineering under Building
Research Institute (Japan)
建築研究所国際地震工学
センター(日本)
Ina-TEWS
Indonesia Tsunami Early Warning System
インドネシア津波早期警報
システム
ICG/IOTWS
Intergovernmental Coordination Group for
the Indian Ocean Tsunami Warning and
Mitigation System
インド洋津波警報・減災システム
政府間調整グループ
IOTWS
Indian Ocean Tsunami Warning and
Mitigation System
インド洋津波警報・減災システム
IRIS
Incorporated Research Institutions for
Seismology
アメリカ地震研究所
JASS
Japanese Architectural Standard
Specification
日本建築学会建築工事
標準仕様書
JICA
Japan International Cooperation Agency
独立行政法人国際協力機構
JICS
Japan International Cooperation System
一般財団法人
日本国際協力システム
JIS
Japanese Industrial Standards
日本工業規格
LIPI
Indonesian Institute of Sciences
科学院(インドネシア)
M/D
Minutes of Discussions
討議議事録
MMI
Modified Mercalli Intensity
修正メルカリ震度
NIED
National Research Institute for Earth
Science and Disaster Prevention (Japan)
独立行政法人防災科学技術研究
所(日本)
PERDA
Local Government Regulations
地方行政例(インドネシア)
RP JMN
Mid-term National Disaster Management
Plan
中期的国家防災計画
PRJP
Long-term Development Plan
長期的開発計画
RENSTRA
Medium-Term Strategic Plan
Science and Technology Research
Partnership for Sustainable Development
Standard National Indonesia
Technical Notes
中期的戦略計画
SATREPS
SNI
T/N
地球規模課題対応国際科学技術
協力プログラム
インドネシア工業規格
テクニカルノート
1.
プロジェクトの背景・経緯
1.
1-1
1-1-1
プロジェクトの背景・経緯
当該セクターの現状と課題
現状と課題
インドネシア国(以下、「イ」国)は、日本列島と同様に、海溝に沿って形成された島嶼
国で、海溝型の巨大地震が多発する地域である。下表に 2000 年以降に発生したスマトラ島
沖の巨大地震(M7<)を示した。
表 1-1
発生日
2000 年以降に発生したスマトラ島沖地震
震源地
名称
緯度
マグニチュード
(死者数)
経度
2000 年 06 月 04 日
スマトラ島沖地震 (2000 年)
3°43’21”S
102°4’48”E
7.9 (100)
2004 年 12 月 26 日
スマトラ島沖地震 (2004 年)
3°18’58”N
95°51’14”E
9.1 (220,000)
2005 年 03 月 28 日
2007 年 09 月 12 日
2009 年 09 月 30 日
2010 年 10 月 25 日
2012 年 04 月 11 日
スマトラ島沖地震
スマトラ島沖地震
スマトラ島沖地震
スマトラ島沖地震
スマトラ島沖地震
2°4’26”N
4°31’12”S
0°43’30”S
3°29’2”S
2°18’40”N
97°0’47”E
101°22’26”E
99°51’22”E
100°6’50”E
93°3’47”E
(2005 年)
(2007 年)
(2009 年)
(2010 年 10 月)
(2012 年 4 月)
8.6 (2,000)
8.5 (17)
7.5 (1,100)
7.7 (400)
8.6 (5)
出典:ウィキペディア
中でも 2004 年にスマトラ島北部沖合で発生した大地震は、インドネシアに留まらずイン
ド洋沿岸の国々にも甚大な被害をもたらした。これを契機としてまとめられた「Law of the
Republic of Indonesia Number 24 of 2007 Concerning Disaster Management(以下、防災法)が「イ」
国の災害管理・対策の基本法を成している。同法は、災害管理を中央・地方両政府の責任と
位置付け、国、地方両レベルで災害管理機関を設けることとしている1。この防災法を中心
にその他、Government Regulation Number 21 year 2008 on the Conduct of Disaster Management
等、多数の災害対策関連法令が制定された。本件カウンターパート機関である気象気候地球
物理庁(以下、BMKG)と科学院(以下、LIPI)は、それぞれ Law No. 31 of year 2009 concerned
with Meteorology, Climatology and Geophysics と KEPUTUSAN PRESIDEN REPUBLIK
INDONESIA NOMOR 1 TAHUN 1986 TENTANG LEMBAGAILMU PENGETAHUAN
INDONESIA (The Presidential Decree of the Republic of Indonesia Number 1 of 1986 concerning
Science Institute of Indonesia) に規定された業務所掌に基づき活動している。
2009 年には 、BNPB の 関係省庁間 の調整を通 じて国家防 災計画(National Disaster
Management Plan(2010-14))が策定された。同計画は省庁を超えた取り組みの基礎を成す
点で重要といえる。この国家防災計画の目的は、災害に脆弱でリスクの高い地域を特定し、
そこでの優先活動計画とその実行に必要な予算を策定すること、および災害管理に関わる全
ての省庁と関係者が調整しながら、計画・統合・包括的に減災に取り組む上での基準を提供
すること、とされている。当該計画の内容は政府の開発政策・計画である、Mid-term National
1
この決定に基づき、2008 年 5 月に国家災害調整機関(BAKORNAS PB)の強化を図り、新たに大統領直
轄組織として国家防災庁(以下、BNPB)が設立された。
1-1
Disaster Management Plan(RP JMN)に一部、反映されている。この他、長期的な開発計画
としては Long-term Development Plan(RPJP)2005-2025 が存在する。
「イ」国における地震・津波防災およびインド洋津波防災システムは、現在 Ina-TEWS(イ
ンドネシア津波早期警報システム)が基幹を成している。これは、2007 年に BMKG が中心
となって導入されたものであり、当該システムを通じて地震・津波情報が発信されている。
この他、IOTWS(インド洋津波警報・減災システム)が 2011 年から「イ」国、オーストラ
リア、インドの 3 カ国によって開発、運用されている。IOTWS はこれら 3 カ国がインド洋
沿岸全域における津波情報提供者となり、24 の参加国へ津波発生予想や到達予想時刻等を、
電話や FAX、メール等の手段で伝達するシステムである。
2004 年のスマトラ沖大地震とインド洋大津波の後、被害の大きかった国々は防災能力の
向上に努め、地震計測や地震情報の発信等を行っているが、観測網は十分とは言えず、地震
や津波の正確な情報の分析や伝達システムにも改善の余地がある。
BMKG によれば、
「イ」国は現在、236 台の強震計、162 台の広帯域地震計を保有するが、
同国の地勢学的特性と、発生が想定される地震の規模や頻度、その際に想定される被害の大
きさに鑑みると決して十分とは言えない。
(1)
BMKG
a.
広帯域地震計
現在、BMKG には 162 の広帯域地震計が設置され、長周期の揺れの観測を行うととも
に、計測データはオンラインで送信され、地震発生メカニズムの解明、震源地の特定、
マグニチュードの演算に用いられている。また、この際に得られた演算結果等は津波予
警報発報等の意思決定にも利用されている。
162 の広帯域地震計のうち 15 の広帯域地震計は JISNET と呼ばれ、1997 年から我が国
の支援の下で設置された。現在、運営については、BMKG に移管されており、防災科学
技術研究所支援のもと、BMKG によって運営されている。しかし、JISNET の機材は設
置から 15 年以上経過しており、ノイズが多い機材や、一部機能していない機材もあり更
新時期を迎えている。
b.
広帯域強震計
a.の広帯域地震計は、東日本大震災の時のように巨大地震が近地で発生した場合には
振り切れてしまってマグニチュード演算に利用できなくなることが課題として挙げられ
ており、我が国においても巨大地震に対応できる広帯域強震計の整備が急がれている。
広帯域強震計は日本独自の地震計であり、「イ」国における導入実績はまだない。
1-2
c.
強震計
「イ」国では 2014 年までに全土に 500 か所の強震計を設置する計画2があり、これま
でに 236 か所が設置されている。このうち、104 か所については広帯域地震計と併設さ
れ、通信設備や電源設備を共有する等、管理運用面の合理化が図られている。
d.
衛星通信システム
既に BMKG は広帯域地震計、強震計のデータを衛星通信によりジャカルタの本部へ
リアルタイム送信するシステムを有している。現在津波の予警報を出すシステムである
Ina-TEWS はこれにより運用されている。JISNET の観測所もテレメータ用の衛星通信シ
ステムが整備されているが、BMKG が主に利用している VSAT とは異なっており、維持
管理作業の負担増大の要因となっている。また、通信コストも他の方法より高いことか
ら、既存の衛星通信システムと統一することが望まれる。
(2)
LIPI
LIPI は前述したように地震被害の想定、今後起こりうる地震の予測に係る研究がその活
動にあり、これらの研究においては、地盤の物理特性の研究が不可欠である。しかし、現状
においては地盤の強度や振動特性を直接探査する機材を所有していない。
PS 検層機材は、ボーリング孔を利用して地盤内を伝播する弾性波(P 波・S 波)の深さ方
向の速度分布を直接的、かつ高精度で測定するとともに、地表に地震計を並べて人工的に起
こした振動が地盤を伝わる速さから地盤の弾性波伝搬速度の二次元断面を解析する機材で
あり、基礎地盤の動的特性解析に欠かすことができないものである。
また、微動アレイ探査機材は自然に存在する微動信号に含まれる表面波を利用し、地表に
群列配置した複数の地震計で微動信号を同時に記録し、データ解析により地下構造(S 波速
度構造モデル)を求める探査手法である。これらの機材は地震被害の想定等、地震による様々
な現象の分析に不可欠な情報を提供できる機材である。
1-1-2
開発計画
BMKG は特定の省庁に所属しない大統領直轄の組織として、気象・気候・地球物理(地
震、津波)に対し脆弱な地域のモニタリングを行う役割を果たしており、その活動は同機関
が作成した「中期戦略計画(以下、RENSTRA)2010~2014」に基づいている。RENSTRA
には BMKG のビジョンやミッション、政策目標等の他、2010~2014 の間に設置する地震
情報の観測基地数、BMKG の全体予算に占める津波・地震早期警戒関連費用の割合、警報
発令までに要する時間、津波波高計設置数、地震の強さを表示することのできるサイトの数
等の具体的な目標値が時期(年)と共に示されている。
2
BMKG が作成した中期的戦略計画である RENSTRA(RENCANASTRATEGIS)2010-2014 では、「地震
の強さを表示することのできるサイト(BMKG へのヒアリングによれば、強震計の他、地震計、広帯域
地震計等も含まれる)」を 600 か所にするという目標が示されているが、BMKG へのヒアリングによ
れば、最新の計画では強震計を 500 か所に設置することを目指している。
1-3
一方、LIPI も BMKG 同様、特定の省庁に属さない大統領直轄の組織であり、地震・津波
を含む災害管理全般に係る科学的調査、研究を行う役割を持つ。このうち、地震分野に関し
ては地震による被害想定や副次的被害、地震に対する物理的、社会的な脆弱性、コミュニティ
防災に係る研究活動を行っている。本事業を通じて提供される地震観測等機材により、こう
した研究成果の質向上が期待できる。
1-1-3
社会経済状況
「イ」国は人口約 2.4 億人(2012 年インドネシア政府統計)を超え世界第四位であり、そ
のおよそ 9 割がイスラム教徒で世界最大のイスラム教国である。基本的には農業国で約 40%
の人口が農業従事者であるが、その割合は年々減少し続けている。国民一人あたりの総所得
(GNI)は 2010 年の WHO 世界保健統計によれば 88 位、4,200 ドルで世界平均の約 36%に
とどまっているが、GDP は世界 16 位であり、経済成長が続いている。
本プロジェクトサイトのほとんどはスマトラ島とジャワ島に位置(73 サイト)するもの
の、対象サイトは全国に分布し、移動には航空路線を使用することが多い。サイト調査実施
時にも遭遇したが、火山の噴火により、航空路線が欠航し、現地に入れないケースが想定さ
れる。サイト調査時に遭遇した噴火は幸い長期継続するものではなかったため、3日程度の
欠航で済んだが、ある程度継続するような事態となった場合には、建設順序の見直しなどで
対応することが必要となるケースも想定される。
政治面では 2014 年 4 月 9 日に実施された国会議員選挙で、最大野党の闘争民主党が勝利
し、ユドヨノ大統領の最大与党民主党は得票率を大きく落としている。2014 年 7 月 9 日に
は大統領選挙が実施されるが、憲法上大統領の 3 選は無く、新大統領となるうえ、野党に政
権交代する可能性もある。BMKG・LIPI は大統領直轄の災害管理機関であり、大統領の交
代により、その方針が大きく変わる場合の影響が懸念される。
一方、
「イ」国の経済成長率は年 6%を維持しており、インフレ率も年 6%を超えている。
積算時点と建設が実際に開始される時期は、1 年以上の期間があるため、現地建設費の増大
が入札金額に影響することが懸念される。
1-4
1-2
無償資金協力の背景・経緯および概要
「イ」国は、東南アジアにおいて自然災害が最も多い国の一つである。災害は、地震、地
すべり・斜面崩壊、火山噴火、洪水、森林火災、暴風および高波・高潮といった多分野に及
んでいる。その国土は環太平洋造山帯における島嶼国であり、無数の断層、世界有数とされ
る 5 万km以上の長い海岸線を有し、地震と火山噴火および太平洋沿岸の大地震による大津
波の来襲等の災害に度々見舞われてきた。特に、プレート型地震が多発する地帯であり、海
溝が近海にあるため地震発生から津波到達までの時間が短いという特性がある。
2004 年に発生したスマトラ島沖地震を契機として、「イ」国で防災法が制定される中、
我が国では 2011 年 3 月に発生した東日本大震災において甚大な被害を受け、「東日本大震
災に対処するための特別の財政援助および助成に関する法律」が制定された。これに基づき
「イ」国に対し、地震・津波関連防災機材を調達する「調達代理型防災・災害復興支援無償
資金協力」が実施されることとなった。
本プロジェクトに先立ち、2011 年 10 月に「地震・津波の観測システム等に関する基礎情
報収集・確認調査(インドネシア)」が実施され、「イ」国の地震・津波防災に対する現状
とニーズが把握され、要請内容がまとめられた。
なお、本プロジェクトは、東日本大震災で定められた「特定被災区域」の産業の新興に資
するような製品(被災地産品)の調達を可能な限り計画に含めること、および、我が国の先
端技術を含む地震・津波等への対策としての防災関連機材の調達が求められることから、調
達する機材は原則日本タイドとなっている。
本プロジェクトは、機材の調達、システムの構築を通じて(a) BMKG の地震の監視能力が
向上し、精度の高い地震情報が防災関係機関に活用されること、および、(b) LIPI の地震災
害管理に係る科学調査、研究の質が向上することに資する協力を行い、「イ」国における地
震に関連した観測、警報等の災害対策機材が整備されることをプロジェクト目標とし、上位
目標の「イ」国の地震に関する防災能力の向上に資するものである。
要請内容とその優先度について、本プロジェクトの責任機関である BMKG および LIPI
との協議を行い、討議議事録(M/D)で確認した内容を以下に示す。
1-5
表 1-2
BMKG からの要請内容
要請内容
項目
数量
優先度
a. 広帯域地震計
15
A
b. 広帯域強震計
15
A
c. 強震計
15
A
d. 衛星通信システム
15
A
a. 広帯域地震計
5
A
b. 広帯域強震計
5
A
c. 強震計
5
A
d. 衛星通信システム
5
A
a. 広帯域地震計
10
B
b. 広帯域強震計
10
B
c. 強震計
10
B
d. 衛星通信システム
10
B
c. 強震計
85
A
d. 衛星通信システム
85
A
85
B
1. 防災科学技術研究所により設置された観測所機材の更新 (機材供与、設置)
2-1. インドネシア政府により設置された観測所への機材供与、設置
2-2. インドネシア政府により設置された観測所への機材供与
3. 新規観測所への機材供与、土木工事を含む設置
4. 新規観測所への機材供与
c. 強震計
d. 衛星通信システム
85
B
200
A
1 Lot
A
15
B
数量
優先度
1式
A
2. 微動アレイ探査機材の供与
1式
A
3. 強震計の供与、設置
10 台
A
5. IT 震度計の供与
6. 地震情報システムの構築
7. デジタイザの供与
【優先度】
A:高、B:中
表 1-3
LIPI からの要請内容
要請内容
項目
1. PS 検層機材の供与
【優先度】
A:高、B:中
1-6
1-3
我が国の援助動向
「イ」国の状況を踏まえ、我が国はこれまでに以下に示す地震災害管理、復興に係る支援
を提供している。
表 1-4
協力内容
日本の地震災害関連支援
実施年度
案件名/その他
概要
技術協力
2011~2015
国家防災庁および地方防災局の
災害対応能力強化プロジェクト
地方防災局の災害対応能力の向上を
図る
有償資金協力
2007
災害復興・管理セクター・プロ
グラムローン
2007年「イ」国で発生した自然災害
からの復旧・復興の支援と、「イ」
国政府による災害予防・軽減および
災害復旧・復興に係る政策・制度改
善の取組を支援
2007~2009
アチェ復興事業
スマトラ島沖地震による被災の復
旧・復興事業
2009~2010
ニアス島橋梁復旧計画
スマトラ島沖地震による被災した橋
梁の架け替え
2009
西スマトラ州パダン沖地震被災
地復興支援(学校再建)プロジェ
クト
2009年パダン沖地震の被災地におい
て、災害時に避難できる安全な学校
の整備を支援
地震による被害軽減に資する地
震調査研究の推進
インドネシア広帯域地震観測網
(JISNET)として運用
無償資金協力
防災科学技術
2001~現在
研究所(NIED)
1-7
1-4
他ドナーの援助動向
以下に、災害管理に係る他ドナーによる取り組みの名称と概要を示す。
表 1-5
実施年度
実施中
機関名 /
ドナー国名
国連開発計画
(UNDP)
他ドナーによる地震関連の援助
案件名
金額
Million USD
概要
12.55
法制度整備や専門家派遣、災害データ
ベースシステムの構築、地域防災計画
の策定支援(国・州レベル)、リスク
マップの作成支援(州)、赤十字を通
じたコミュニティ支援
Safer Community
through Disaster
Risk Reduction
(SC-DRR)
2009~
2014
オーストラリア
(AusAID)
Australia Indonesia
Facility for
Disaster Reduction
(AIFDR)
州レベルでのハザードマップの作成、
研修教材の作成と研修の実施、防災研
究、他ドナーを含めたパートナーシッ
プの構築支援
2011~
2014
ドイツ
(GIZ)
Project for
Training,
Education and
Support for
Tsunami Early
warning System
(PROTECTS)
21サイトに設置済みの広帯域地震計、
強震計、通信施設の運用、これらを通
じた地震・津波情報の送受信と警報の
発令等に係る一連のシステム全体を対
象にした技術移転と人材育成。この他、
BMKG と 共 同 で Ina-TEWS の 導 入 も
支援している。
9.72
(7.2 euros)
2010年~
現在
中国
Indonesia-China
Digital
Seismograph
Network (ICDSN)
2006~2010年に無償資金協力を通じて
供与された広帯域地震計および強震計
(10セット)の整備、およびこの運用
に係る技術移転
実施中
国連教育科学文
化機関
(UNESCO)
インドネシア、オーストラリア、イン
ドの3カ国によって開発されたIOTWS
の主導。
実施中
包括的核実験禁
止条約機関
(CTBTO)
BMKGのレンバン有人観測所等6か所
にCTBTOの機材が設置されており、イ
ンターネットを経由して、CTBTO本部
にデータが伝送されている。
1 USD = 1.35 EURO
1-8
2.
プロジェクトを取り巻く状況
2.
プロジェクトを取り巻く状況
2-1
プロジェクトの実施体制
2-1-1
組織・人員
(1)
BMKG
1)
運営体制
「イ」国における地震・津波観測を担う BMKG の業務所掌等は UNDANG-UNDANG
REPUBLIK
INDONESIA
NOMOR
31
TAHUN
2009
TENTANG
METEOROLOGI,
KLIMATOLOGI, DAN GEOFISIKA に規定されている。当該法令に規定された、BMKG の
目標とこれを実現するための活動内容を以下に示す(仮訳)。
【BMKG の目標】(第 3 条)

国民の生命とその財産の安全性確保への寄与

国家の安全保障、弾力性の確保

気象・気候・地球物理学における中立的、かつ高度な科学技術の習得とこれの社会への適応

社会福祉の実現に向けた、国の開発政策の支援

広く、早く、理解しやすく、正確な情報の提供

環境分野における持続的可能性の実現

国際協力を通じた国家間の関係強化
【BMKG の活動内容】(第 8 条)

観測

データ管理

サービス

研究、エンジニアリング、開発

国際協力
BMKG のホームページからは、同機関が主に気象・気候・地球物理に係る以下の役割を
主に担っていることが分かる。

国家・公共政策、技術的な政策の策定

政策、計画、プログラムの調整

観測・制御、およびこれに係る訓練と、データ・情報の処理、提供

国民向けの早期警報の発令

国際協力の実践

研究、評価、開発
2-1

観測機器、通信ネットワークの制御、キャリブレーション

マネジメントに係る専門教育、訓練の実施

データ管理

BMKG 内の管理業務に係る指導と調整
前述の中期的戦略計画(RENSTRA)では、地震・津波防災に係る優先整備項目として、
インド洋津波早期警戒システムの開発・改良、および地震工学(強震動解析)の進展が挙げ
られており、このために、次の活動を行うとされている(3.4 節

C 項)(仮訳)。
津波警報に係る標準作業手順書の作成、確立を通じた国内向け警報および環インド洋諸国
向け警報の確実な運用への寄与

データ伝送システムと地方部に向けた情報サービスの充実化

余震の観測、および被災地の行政当局や地域社会への情報提供を通じた混乱の防止
これらの業務を実施するため、BMKG の職員には高度な専門知識が要求される。本件の
担当部署は地球物理担当次長(Deputy for Geophysics, Deputi Bidang Geofisika)の下に位置す
る地震津波部(Earthquake and Tsunami Department, Pusat Gempa Bumi dan Tsunami)および地
震技術・ジオポテンシャル・刻時信号部(Seismological Technique, Geophysical Potential and
Time Signal Department, Pusat Seismologi Teknik, Geofisika Potensial dan Tanda Waktu)である
が、所属職員の多くは自国、あるいは日本を含む海外の大学で専門の教育を受けており、な
かには博士号を取得している職員もいる。
この他、つくば市にある建築研究所国際地震工学センター(IISEE)で 2 か月から 1 年間
の研修を受講した者も多い。高い技術力を有する職員が、BMKG 本部や地震観測所に配置
されており、業務を運営するための体制は十分である。
2-2
図 2-1
BMKG 組織図
長官
地球物理担当次長
地震津波部
地震津波早期情報課 (51人)
地震津波減災課 (10人)
地震津波管理課 (12人)
地震技術・ジオポテンシャル・
刻時信号部
地震技術課 (11人)
ジオポテンシャル・刻時信号課
(担当者は0人)
地震技術・ジオポテンシャル・
刻時信号管理課 (7人)
図 2-2
地震・津波防災関係部署と人員配置(BMKG/組織名称は仮訳)
2-3
表 2-1
地震・津波防災関係部署の人員配置(役職、人数、専門性、学位/BMKG)
役
職
人
数
Director General
1
Deputy for Geophysics
1
Director of Department
2
Head of Division
5
Other Staff
Seismology, Earth Science,
Geophysics, Physics,
Disaster Mitigation,
Information Technology,
Civil Engineering, etc.
学
位
PhD, Master, Bachelor,
Diploma, and
High School
86
合
2)
専門技術
計
95
維持管理能力の現状
前述の通り、BMKG に所属する職員は地震・津波に関する科学的見識が深く、観測機材
やデータ通信システムについても十分に理解している。彼らの持つ技術力と計画策定能力の
高さは、前述の RENSTRA を同機関が策定していることからも窺い知ることができる。国
全体に散在する地震計、強震計等の保有機材についても、その配置先や機材種別、データ通
信システムの状況や各種の課題を把握しており、維持管理能力は高い。
3)
本案件の運営・維持管理
本案件では、地震観測機材、および付帯する機材、施設を調達する予定である。既存観測
所への機材の追加・更新の場合は、既存の運営体制、維持管理能力、維持管理予算の中で対
応できる。また、新設であっても BMKG の中期的戦略計画である RENSTRA に沿った内容
であり、同計画で予定された既存の運営体制、維持管理能力、維持管理予算強化計画の中で
対応できるものと期待できる。地震情報システムに組み込む地震計に関しては、一部にこれ
まで BMKG が保有していない観測機材を据え付け、観測網を構築することとなるものの、
BMKG の運営体制および職員の能力の高さから、適切な維持管理は期待できる。メンテナン
スは半年に 1 回程度であることから、このための追加の人員配置は不要である。なお、観測
データは衛星通信によってリアルタイムに伝送するため、機材に問題が発生した場合には
BMKG 本部でこれを把握することが可能であり、必要に応じて保守契約を締結した業者を
現地派遣する方法で対応する。
(2)
1)
LIPI
運営体制
LIPI も BMKG 同様、特定の省庁に属さない大統領直轄の研究機関であり、その業務所掌
は KEPUTUSAN PRESIDEN REPUBLIK INDONESIA NOMOR 1 TAHUN 1986 TENTANG
LEMBAGA ILMU PENGETAHUAN INDONESIA(The Presidential Decree of the Republic of
Indonesia Number 1 of 1986 concerning Science Institute of Indonesia)に以下の役割を果たすこ
とと規定されている(仮訳)。
2-4
【LIPI の役割】(第 3 条)

科学技術に係る研究開発

国民の科学的理解の進展、拡大への寄与

科学者の能力強化

法制度に則った形での他国、国際的な研究組織との協力体制の構築・強化

科学技術分野の国家政策策定に係る政府への助言
地震・津波観測分野においては、以下の具体的な活動を行っている。
【地震・津波観測に係る LIPI の活動内容】

地震被害の想定、今後起こりうる地震の予測に係る研究

地震に対する物理的・社会的脆弱性に係る研究

地震による二次的被害に係る研究

コミュニティ防災能力の構築
この他、HP では目標、使命、義務を以下のように定めている。
【目標】

科学と技術に基づく、公正、啓発・創造・統合的でダイナミックな社会を形成する
こと
【使命】

科学と技術の習得を通じて国家の団結と競争力の強化に向けた不断の努力を行う
こと

単一の国民共同体の形成に寄与すること
【義務】

学習に対する責任

社会に対する責任

利害関係者に対する責任
LIPI の組織図と人員配置を以下に示す3。本案件の関係部局は、地球科学担当次長(Deputy
of Earth Sciences)の下に位置する、地質工学研究センター(Research Center for Geotechnology)
である。このうち、地震、津波災害の管理に係る研究を担っている部署は、応用地質と地球
環境保全局(Engineering Geology and Earth Conservation Division)と地震力学と地質災害局
(Earth Dynamics and Geological Hazards Division)である。
3
以下、本文中の LIPI 組織名称は仮訳。
2-5
本案件を通じて調達される機材のうち、PS 検層機材と微動アレイ探査機材(いずれも地
下数百 m 程度より浅い場所の構造を調べる機器)についてはバンドンに位置する LIPI 本部
に配置され、強震計については候補地の配置を LIPI が検討し、日本側に伝える。
LIPI では、現在、地震・津波災害軽減に係る以下の研究が進行中である。

地震発生の可能性評価と今後起こりうる地震の予測

活断層調査に基づく古代の地震活動

津波堆積物と海岸の地質調査に基づく古代の津波

GPS を用いた地殻変動の観測

海底活断層

液状化被害を軽減する技術の開発

地震リスクの高い沿岸にある土地の地球物理的・地質工学的特性の評価

地球物理的・地質工学的調査による液状化の可能性評価
Deputy of
Earth Sciences
Research
Center for
Geotechnology
図 2-3
LIPI 組織図
2-6
Head of
RC for Geotechnology
Indonesian Institute of Science
Administration
Unit
Sub-unit of
Personnel
Affairs
Earth Information
Systems and Spatial
Development Division
Earth Resources and
Mineral Engineering
Division
FUNCTIONAL
WORKING
FUNCTIONAL
WORKING
Engineering Geology
and Earth
Conservation
Earth Dynamics and
Geological Hazards
Division
FUNCTIONAL
WORKING
Sub-unit of
General Affair
Sub-unit of
Finance
Sub-unit of
Service and
Information
Research Facilities Division
Earth Information System
and Spatial Arrangement
Sub-division
Earth Resources and
Mineral Engineering
S b di i i
FUNCTIONAL
WORKING
Engineering Geology and
Earth Conservation
Sub-division
Earth Dynamics and
Geological Hazards
Sub-division
図 2-4
表 2-2
LIPI(Research Center for Geotechnology)組織図
地震・津波防災関係部署の人員配置(役職、人数、専門性、学位/LIPI)
役
職
人
数
Director
1
Deputy Director for Earth Dynamics
and Geological Disaster
1
Scientists
専門技術
学
Geodynamics
PhD
Paleotsunami
PhD
2
Seismology
PhD
1
Earthquake Geology
PhD
1
Peleotsunami
PhD
1
Marine Geophysics
PhD
1
Marine Geology
PhD Candidate/France
Earthquake Geology
PhD Candidate/GREAT
ITB-LIPI
Geotechnical Engineering
PhD
1
Deputy Director for Engineering
Geology and Earth Conservation
1
Scientists
1
Risk assessment
PhD
1
Geotechnical Engineering
M.Eng
2
Engineering Geology
M.Sc
3
Hydrogeology
PhD
合
計
位
1
Groundwater Engineering
PhD
5
Environmental Geology
M.Sc
1
Hydrogeology
M.Eng
24
※ 2012 年 7 月時点
2-7
2)
維持管理能力の現状
上表の通り、研究機関である LIPI の職員の多くは地震・津波災害管理もしくはその関連
分野における博士号を取得する等、非常に高い科学的知見を有する。LIPI は過去に本供与
機材を使用、管理した経験はない。ただし、本調査では、中国や欧州(オランダやイタリア)
から供与された計測・検層機器を LIPI が適切に保管・管理し、また、長期間に亘って継続
的に使用している状況について確認している。また、機材を有効に活用したいという同機関
職員の意識も強く感じられることから初期動作指導を適切に行うことでこれらの懸念材料
は解消できるものと考えられる。
3)
本案件の運営・維持管理
LIPI 職員の地震・津波防災に係る専門的知見は高く、機材を有効に活用したいとの強い
意識も感じられる。こうした状況、および現有機材の保管状況に鑑みて本調達機材は適切に
運営・維持管理されるものと考えられる。ただし、2007、2008、2012 年に運営維持管理費
が確保できておらず、この点は留意すべきであるが、LIPI 外部の要因であり、予算全体と
しては順調に拡大している。また、上記 3 年以外の時期には十分な維持管理費が確保できて
いることや、
本件調達機材の管理のために新たな人員配置が必要になるわけではないことか
ら、機材の運営・維持管理上の問題は小さいと考える。
本調達機材を過去に使用した経験がないことから、LIPI に対する初期操作説明は研修を
通じて十分に行う必要がある。維持管理に関わる職員が広く参加できるよう、研修はジャカ
ルタではなく、バンドンに位置する LIPI 本部で実施する。なお、当該研修への参加に要す
る費用が発生する場合は、LIPI 側で負担することを確認している。
2-1-2
(1)
財政・予算
BMKG
2007 年以降の BMKG の財務状況を下表に示す。予算は、①職員の人件費と既存建物の
維持管理費を合わせた費用(MENGIKAT)と、②機材、設備の新設費とこれらの維持管理費
を合算した費用(TIDAK MENGIKAT)とに大別される。BMKG 担当者によれば、②には
ドナー・案件の実施に伴い発生する、BMKG 側の負担費用の他、当該案件の事業費そのも
のも含まれる。
下表からは、①、②ともほぼ毎年増加し、2012 年には 2007 年以降で最も多くの予算が確
保できている状況が見てとれる。BMKG 担当者に対するヒアリングによれば、BMKG の予
算額は 2010~2014 年の 5 年間で約 IDR 5.7 兆と定められており、予算はこれに沿って執行
されている。2010~2012 年の予算額は約 1.0~1.3 兆円で推移しており、2 年間で残された予
算額を考えると、2013 年、2014 年の予算は共に IDR1.1 兆程度になるものと想定できる。
2-8
表 2-3
BMKG の予算状況
(単位:Million Indonesia Rupiah)
Past Record
項目
2007
2008
2009
2010
人件費/維持管理費
233,581
292,193
328,020
設備、施設の新設費/
維持管理費※2
429,885
443,791
663,466
735,985
※1
合計
Future
2011
2012
2013
351,386
353,185
413,097
(413,097)
649,155
595,892
964,155
928,096
(928,096)
977,175
947,279
1,317,341
1,341,193
(1,341,193)
※1 既存建物の維持管理費
※2 維持管理費には、ドナープロジェクト費用、およびこれらを通じて調達した機材の維持管理費が含
まれる。
BMKG は近年、組織の再編を繰り返しており、現在の気象、気候、地球物理の 3 技術部
門体制は 2009 年(予算に反映されたのは 2010 年)になってから構築された。このため、正
確で比較可能な形で機材の維持、管理、更新に係る予算額を把握することは難しい。ただ、
RENSTRA には地震、津波に係る正確な情報の迅速、幅広い提供を目指す姿勢が明確に示
されており、このために確保されるべき予算(割合)の目標値も掲げられているため、機材
の運営維持管理費は一定程度確保されることが期待できる。また、予算の内訳に係る BMKG
担当者へのヒアリングからも、下記の通り多くの費用が機材、施設の運営維持管理に充てら
れていることが想像できる。
BMKG 職員の人件費(給与、謝金):
50%
機材、施設の運営・維持管理費:
45%
国民向けデータの提供、およびこのためのデータ収集・分析に係る費用: 5%
(2)
LIPI
2007 年以降の LIPI 全体、地質工学研究センター(Research Center for Geotechnology)、お
よび津波・地震分野の研究を行っている部署応用地質と地球環境保全局(Engineering
Geology and Earth Conservation Division と地震力学と地質災害局(Earth Dynamics and
Geological Hazards Division)の予算状況をそれぞれ下表に示す。
いずれの組織も 2009 年に予算額の落ち込みが見られるが、
LIPI へのヒアリングによれば、
これは、むしろ 2007 から 2008 年に BAPPENAS 主導の下、大型のコミュニティ開発プロジェ
クトが実施され、この間、LIPI の予算が大幅に増えたことに起因する。当該プロジェクト
は、LIPI が過去に実施した研究成果を広く住民に知らせることを目的に実施され、この中
で全国各地において住民説明会を行っている。2009 年以降の予算額は 2013 年の予測値を含
め、全ての組織で概ね順調に伸びている。
2-9
表 2-4
LIPI、および Research Center for Geotechnology の予算状況
(単位:Million Indonesia Rupiah)
Past Record
LIPI
Future
2007
2008
2009
2010
707,839
580,428
494,159
20,209
21,496
17,333
RC for Geotechnology
表 2-5
2011
2012
2013
512,629
771,005
769,276
891,082
17,390
18,535
24,672
29,281
LIPI の津波・地震研究分野における予算状況
(単位:Million Indonesia Rupiah)
Future
Plan
Past Record
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
Revenue
1. Government Fund
1.1 Central Government
15,000
10,000
1,000
1,500
2,000
3,500
3,000
15,000
10,000
1,000
1,500
2,000
3,500
3,000
1.2 Provincial Government
1.3 Municipal Government
2. Foreign Donors
3. Other Income
Total
Expenditure
1. Staff Salaries & Welfare
3,000
2,000
200
300
300
500
600
1,500
1,000
100
150
150
250
300
1,500
1,000
100
150
150
250
300
50
50
50
2. Administration Cost
(1) Office Requisites
(2) Operation Cost (Communication charge)
(3) Operation Cost (Electricity charge)
(4) Operation Cost (Others)
(5) Maintenance Cost (Building)
(6) Maintenance Cost (Equipment)
3. New Purchases Cost (Equipment)
600
100
200
300
200
4. Renovation / Major Repairing (Building)
5. Replacement of Equipment
6. Other Expenditure
Total
9,000
5,400
550
850
1,150
2,200
1,500
15,000
10,000
1,000
1,500
2,000
3,500
3,000
津波・地震研究分野における予算状況(表 2-5)を見ると、2007、2008、2012 年を除き、
全体の 2.5~5%程度の予算「(6) Maintenance Cost (Equipment)」が機材の維持管理のための交
換部品等の購入費用に充てられていることが分かる。上記 3 年間の費用が計上されていない
理由について現地で確認したところ、2007、2008 年については、上述のコミュニティ開発
プロジェクトが LIPI の地震、津波災害管理に活動の中核を占めており、それ以上の予算確
保が困難であったためであり、2012 年については「イ」国政府による予算削減の指示の影
響を受けたためであることが判明した。
2-10
2-1-3
(1)
技術水準
BMKG
人員で示した通り、高い技術力を有する職員たちにより、高いレベルの既存地震観測シス
テムを運用・維持管理している。修士、博士号を取得している職員も多く、日本の大学で学
んだり、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)の本邦研修を受けた職員も多い。また、
すでに同様の観測所を多く運営しており、本案件で整備する地震・津波観測システムを運
用・維持管理する能力を有している。
(2)
LIPI
LIPI は純粋な研究機関であり、ほとんどの職員が修士あるいは博士号を取得しており、
高度の専門知識を有し、技術力や調査能力は非常に高い。本案件で整備する地震関連機器で
取得したデータを十分活用する能力を有している。
2-1-4
(1)
既存施設・機材
BMKG
現在、「イ」国には 162 観測所に広帯域地震計が設置され、236 観測所に強震計が設置さ
れている。このうち 104 か所については広帯域地震計と強震計が併設されている。これらの
観測点のデータは衛星通信システムによってリアルタイムで BMKG の本部へ送られてきて
おり、この観測データを用いて地震の震源決定や津波の予警報の発令が行われている
(Indonesia Tsunami Early Warning System:Ina-TEWS)。
BMKG が利用している通信方式は VSAT(テレコム社(PT.TELKOM)、インドサット社
(PT. Indosat Tbk))であるが、JISNET 観測所のみ、前記と異なる通信会社が提供する VSAT
(CSM 社。重量料金制)が導入されており、今回のプロジェクトで、同様の方式に統一す
ることが望まれている。現在 BMKG で利用している VSAT はその通信帯域に限界が来てお
り拡張ができないため、本プロジェクトではインドサット社が新たに打ち上げた衛星
(Palapa-D)により通信帯域を確保することが計画されている。
BMKG 本部ではこれらのリアルタイムで送られてきたデータを各プロジェクトで設置し
たサーバーに一度受け取った後、BMKG のメインサーバーである Seiscomp3 へ送られる(図
3-5 BMKG のモニタリングシステム構成 参照)。データには SEED フォーマットが用いら
れ、Seedlink 形式でやり取りが行われているが、日本で導入した JISNET においては WIN
フォーマットが用いられており、WIN/SEED 変換をソフトで行っているが、これも本プロ
ジェクトで統一することが望まれている。
2-11
出典:BMKG 2012 年
図 2-5
既存広帯域地震計(速度計)観測所分布図
BMKG(191)
JISNET(15)
CEA(10)
GFZ(21)
出典:BMKG 2012 年
図 2-6
(2)
既存強震計(加速度計)観測所分布図
LIPI
LIPI については今回要請に上がっている PS 検層機、微動アレイ探査機など、地盤の弾性
波速度を求める機材は所有していない。強震計については、
速度構造を把握した地盤条件で、
実際に地震波がどのように地表で再現されるかを研究するため 10 セットの要請が上がって
いる。
2-12
2-2
プロジェクトサイトおよび周辺の状況
2-2-1
(1)
関連インフラの整備状況
電力
「イ」国の電力は国家電力公社(PLN)が 70%以上の電力供給を担っており、その 9 割
近くが火力発電所(石炭火力が中心であるが、天然ガスや石油も用いられている)で、その
他は水力発電所、地熱発電所、ディーゼル発電所などにより賄われている。ジャワ、スマト
ラ、カリマンタン、スラヴェシ、パプアなどは 24 時間給電が行われているが、離島におい
てはディーゼル発電所により電力供給がなされており、半日あるいは 1 日 6 時間の時間給電
が行われているケースが多い。2010 年の電化率は 66.5%で離島が多い地域で低くなってい
る。プロジェクトの候補地で、時間給電が行われている島は以下に示すとおりである。
表 2-6
2000 年以降に発生したスマトラ島沖地震
地域
州
島名
1
スマトラ
アチェ
シムウルエ
2
スマトラ
北スマトラ
ニアス
3
スマトラ
西スマトラ
シベルト
4
スマトラ
ベンクル
エンガノ
5
スマトラ
ランプン
クラカタウ
6
マルク
北マルク
モロタイ
(2)
備考
無人島、電気なし
衛星通信
本プロジェクトでは、観測所で取得したデータを衛星通信によりリアルタイムで BMKG
HQ へ伝送することが求められている。
「イ」国 14,000 にも及ぶ大小さまざまな島々からなっているという地理的条件から、東
南アジアにおける衛星利用の先駆者的存在となっている。インドネシアの衛星システムは
1975 年にインド政府が米ボーイング社と 2 機の人工衛星(Palapa-A1、A2)打ち上げの契約
を交わしたことに始まり、パラパシステムと呼ばれている。Palapa-A の運用はすでに終了し
ているが、その後 Palapa-B、C と続き、2009 年には Palapa-D 打ち上げられた。パラパ衛星
システムを利用した衛星通信事業は現在、テレコム(PT.TELKOM)、インドサット(PT.
Indosat Tbk)、サテルインド(PT.SATELINDO)の 3 社を中心に展開されている。既存の通
信衛星の帯域は飽和状態に近く、Palapa-D の運用に期待がかかっている。
2-2-2
自然条件
「イ」国は赤道をまたいで東西 5,000km に広がる島嶼国で、世界有数とされる 5 万 km 以
上の海岸線を有している。国土のほとんどは熱帯雨林気候帯に属し、一年を通じて高温多湿
である。気温は、地域によって多少異なるが、年間平均気温は 27℃、年間平均最高気温は
30~34℃、年間平均最低気温は、22~24℃であり、季節による影響はほとんどない。また、
2-13
4
年平均湿度は、80%以上と日本と比べても非常に高い 。緯度は±10°以内に位置し、熱帯低
気圧の影響は受けないが雨季と乾季に分かれ、7 月~9 月が乾季である。スマトラやジャワ
島西部では、季節による雨量の差はあまりないが、Denpasar、Makassar、Surabaya では 7 月
~9 月に、明瞭な乾期がある。低平地の年間降水量は平均 1,800~3,200mm で、山岳地帯で
は最大 6,000mm 以上に達する場所もある。インドネシア各地の気温・降水量を図 2-7、2-8
に示す。
出典:http://www2m.biglobe.ne.jp/~ZenTech/world/infomation/kion/indonesia.htm
図 2-7
インドネシアの気温
出典:http://www2m.biglobe.ne.jp/~ZenTech/world/infomation/kion/indonesia.htm
図 2-8
4
インドネシアの降水量
温度および湿度にかかるデータは 2010 年のもので、Statistik Indonesia 2012(Statistical Yearbook of Indonesia
2012)による。
2-14
「イ」国は環太平洋造山帯に沿って形成されており、南岸に沿ってジャワ海溝(スンダ海
溝)が 2,600km にわたり分布している。そのため、活火山が多く連なり、無数の活断層が
国土を縦断し、地震・地滑り・斜面崩壊・火山噴火・森林火災などの自然災害が最も多い国
の一つとなっている。また、規模の大きい海溝型(プレート間)地震が頻発し、近海で発生
した巨大地震により発生した津波は到達までの時間が短く、沿岸地域にしばしば甚大な被害
を及ぼしている。
2-2-3
環境社会配慮
BMKG への協力では、一部土木工事を伴うが、工事規模は極めて小規模である。したがっ
て、本プロジェクトにおいて自然環境の大幅な改変や住民移転を行う必要はない。計画に際
しては、現地の建築基準、通信関連法規など関連法規を遵守する計画とする。
LIPI への協力では、LIPI 側負担により、一部、強震計を設置するためのコンクリート基
礎工事を伴う。しかし、工事規模は極めて小規模であり、本プロジェクトによる自然・社会
環境への深刻な影響はなく、特別な配慮を行う必要はない。
2-15
2-3
その他
「イ」国はユネスコの政府間海洋学委員会でインド洋津波警報・減災システム政府間調整グ
5
ループ(ICG/IOTWS)の副議長 (BMKG の地球物理担当次長の Prih Harjadi 氏)や第 3 ワー
キンググループの議長(LIPI 海洋学研究センターの Irina Rafliana 氏)を務めており、自国
のみならず、
オーストラリアやインドとともに環インド洋沿岸全域に対する津波警報と津波
減災に責任を持っている。この「イ」国の責任のうち、津波警報については BMKG が担っ
ており、その精度の向上につながる。さらに、本案件を通じて強化されたネットワークから
得られたデータは「イ」国の「災害予防とリスク軽減」に資するだけでなく、世界気象機構
を通じて近隣諸国にも配信されることにより、
地球規模の津波災害軽減等にも寄与すること
となる。
5
議長はオーストラリアから、もう一人の副議長はインドから選出されている。
2-16
3.
プロジェクトの内容
3.
3-1
プロジェクトの内容
プロジェクトの概要
本プロジェクトは、「イ」国の地震観測および研究機関である BMKG および LIPI に対し
地震観測機材の供与を行うことにより、地震や津波の解析能力を強化すると共に、震源解
析・震度解析の精度が高まることが期待され、それにより、「イ」国の防災能力の向上につ
なげてゆくものである。以下にプロジェクトの概要を示す。
(1)
BMKG
「イ」国における地震・津波観測を行う BMKG の、主に地震観測能力、および情報分析
精度向上のため、地震観測網の拡充・更新に資するハードウェア、および関連するソフトウ
エアの整備を行う。
BMKG は、特定の省庁に所属しない大統領直轄の組織として、気象、気候、地球物理(地
震、津波を含む)に関する観測・情報収集・研究を行っている。特に脆弱な地域のモニタリ
ングを行う役割を果たしており、2004 年のスマトラ沖地震の経験も踏まえ、防災技術の能
力向上に努めている。しかしながら、
一部の地震観測機材が更新時期を迎えており、
また「イ」
国全土に 500 か所の強震計を設置するという「イ」国の計画も、実施途中段階にある。こうし
た現状をかんがみて、また 2011 年の東日本大震災の課題や教訓を踏まえ、本件無償では、
BMKG の地震観測網の拡充および地震観測網の構築を図る。具体的には、広帯域地震計、
広帯域強震計、強震計、IT 震度計の調達を行うと共に、地震情報の即時伝送、および、BMKG
の既設地震情報システム(本部の地震解析・監視システム)との接続に必要な機材・ソフト
ウェアの調達を行う。機材の調達については、機器設置や一部土木工事を伴う。
本プロジェクトにおいては、震源解析、マグニチュード算出および全国的な震度マッピン
グの精度の向上が期待される。
「イ」国は日本列島と同様、スマトラ・ジャワの島弧に沿って海溝が横たわり、巨大地震
が多発する地域となっている。現在日本で運用されている緊急地震速報をインドネシアで実
現することにより地震による被害の低減が期待される。そのため、緊急地震速報のコア技術
である多機能型強震計の導入が現地調査において追加要請された。しかし、多機能型強震計
を導入することにより緊急地震速報を発出できるわけではなく、速報の受信者となる一般市
民を含む「イ」国民に対する震度概念の啓蒙、震度観測データの蓄積・解析による地域ごと
の推定震度の精度向上、緊急速報を発出できる制度とシステムの構築、関連省庁との調整な
ど、BMKG による精力的な能力強化や活動が必要である。現時点の「イ」国の状況では多
機能型強震計を導入しても緊急地震速報が発令できるわけではないため、本プロジェクトで
の導入は見送ることとした。
BMKG に対する協力対象コンポーネントを以下に示す。
3-1
表 3-1
BMKG に対する協力対象計画概要
項目
期待される成果
a. 防災科学研究所により
設置された観測所機材
の更新(機材供与、設
置)(以下、JISNET サ
イト):15 か所
更新時期を迎えている JISNET
サイトの機材が更新され、地
震・震度情報の分析精度が向上
する。
 広帯域地震計:15 セット
 広帯域強震計:15 セット
 強震計:15 セット
(太陽光発電システム:1 セット)
(観測所建設:6 か所)
b. インドネシア政府によ
り設置された観測所へ
の機材供与、設置(以
下 、 BMKG 既 存 サ イ
ト):5 か所
BMKG 既存サイトに機材が設置
され、地震・震度情報の信頼性
および分析精度が向上する。
 広帯域地震計:5 セット
 広帯域強震計:5 セット
 強震計:5 セット
(太陽光発電システム:2 セット)
c. 新規観測所への機材供
与、設置(以下強震計
サイト)73 か所
「イ」国全土に 500 か所の強震  強震計:73 か所
計を設置するという「イ」国の
(太陽光発電システム:6 セット)
計画の早期実現に貢献するとと
(観測所建設:67 か所)
もに、今後スマトラ島沖で発生
が予測されている大規模な地震
発生時の迅速な対応に寄与する。
d. 衛星通信設備の新規構
築(各サイトから
BMKG 本部へ送る)
各地震計設置サイトの観測デー
タを本部でリアルタイムに取得
できる。
 衛星通信設備 93 か所(全対象サイト)
e. IT 震度計の供与
震度観測の精度が向上する。
 IT 震度計:200 台
f. BMKG 本部機材(震度
情報表示サーバ・地震
波形情報収集サーバ)
震度情報が集積され、将来の緊
急地震速報に向けた情報の集
積・分析が可能となる。
 震度情報表示サーバ:1 式
 地震波形情報収集サーバ:2 式
(2)
投入計画
LIPI
LIPI は、特定の省庁に属さない大統領直轄の組織であり、地震・津波を含む災害管理全
般に係る科学的調査、研究を行う役割を持つ。しかしながら、LIPI が所有する機材が十分
であるとは言い難く、PS 検層機材等、防災対策調査には非常に有効である機材も持ち合わ
せていない。
本プロジェクトでは、LIPI が実施する地震に係る研究活動の向上を目的として以下の地
震観測機材等を供与する。
表 3-2
項目
LIPI に対する協力対象計画概要
期待される成果
投入計画
1. PS 検層機材の供与
PS 検層により井戸掘削地点の地質と S
波速度の関係が把握され、弾性波探査
および微動探査による S 波速度構造か
ら地質構造を推定出来るようになる。
 PS 検層機材:1 式(弾性波探
査用受信機含む)
2. 微動アレイ探査機材の
広域な地盤の S 波構造が把握され、任
意の場所の地盤の振動特性が解析でき
るようになる。
 微動アレイ探査機材:1 式
3. 強震計の供与、設置
一定期間の観測により地盤の共振特性
(周波数特性)を把握することが出来
るようになる。
 強震計:10 台
供与
3-2
3-2
協力対象事業の概略設計
3-2-1
設計方針
3-2-1-1
基本方針
(1)
基本方針
JICA は将来の協力計画の基礎資料とするために 2011 年 9 月下旬から 11 月中旬にかけて
地震や津波の被害リスクが高いと思われるアジア・環太平洋諸国を中心に、基礎情報収集・
確認調査を実施した。外務省は、その結果などを参考にして、平成 23 年度第 3 次補正予算
により実施する無償資金協力案件の形成を目的として、
「東日本大震災からの復興の基本方
針(平成 23 年 7 月 29 日
東日本大震災復興対策本部)」に基づき「広域防災システム整備
計画協力準備調査」を行うよう調査指示を行った。これを受け、本調査(以下、本プロジェ
クトと称する)は実施されたものである。
本プロジェクトの実施に当たっては、原則、日本調達または現地調達とし、「東日本大震
災からの復興の基本方針」に沿って検討を行い、調達条件を設定する方針とする。
(2)
協力対象範囲
現地調査においては、要請された機材の要請理由や優先度にかかる協議を行うと共に、各
実施機関が現有する機材についての調査を行い、要請の背景と内容を確認した。国内解析作
業では、現地調査結果を踏まえ、上記の基本方針に従い機材の仕様、数量等を検討した。本
プロジェクトでは、既に交換公文(Exchange of Notes:E/N)が締結されていることから、
E/N で定められた供与限度額内に納まる計画内容となるよう、協力対象範囲の検討を行う必
要がある。
各実施機関との協議、現地調査および国内解析の結果として決定された協力対象内容につ
いては、「3-2-2 基本計画(機材計画)」にて詳述する。
3-2-1-2
自然環境条件に対する方針
「イ」国のほとんどは熱帯雨林気候帯に属し、一年を通じて高温多湿であることを観測所
の計画に考慮する。
離島では、時間給電を実施していたり、電圧が不安定だったりするため、太陽光発電シス
テムを設置し、独立して電力を確保することとし、また、電力供給が安定しているジャワ島
内に位置しているサイトにおいても、既存の電力グリッドから遠く離れている場合は、同様
に太陽光発電システムを採用する。
インドネシアは降雨日数が多く、年間を通して平均 6 割以上の降雨日数が記録されている。
しかし、一日日照が無い日数は多くなく、太陽光発電システムが十分機能すると考えられる。
太陽光発電システムを導入する予定サイト周辺の日射量を表 3-3 に示す。
3-3
表 3-3
40
Site No.
太陽光発電システム導入サイトの日射量(kWh/m2/d)
41
42
75A
81
113
203
Kampung Muara
SWH
Teluk
Langi Tuhembrua
Pasigoppa
Aie
Siberut
(Sawahan) Dalam
205
206
Java
Tenga
Morotai
Latitude°N
2.825
1.469
2.589
-1.596
-1.088
-7.781
0.579
-7.449
2.198
Longitude°E
95.748
97.442
95.964
99.213
98.853
111.759
97.816
109.632
128.276
January
4.85
5.05
4.85
4.77
4.79
4.81
4.90
4.33
5.40
February
5.21
5.27
5.21
5.21
5.28
4.85
5.25
4.52
5.65
March
4.93
5.07
4.93
5.10
5.05
5.04
4.97
4.58
5.96
April
4.66
4.77
4.66
4.97
4.97
5.12
4.78
4.65
6.19
May
4.86
4.95
4.86
4.97
5.04
5.04
4.98
4.61
5.75
June
4.73
4.83
4.73
4.82
4.84
4.82
4.87
4.43
5.34
July
4.46
4.61
4.46
4.69
4.64
5.17
4.56
4.65
5.52
August
4.51
4.60
4.51
4.75
4.59
5.68
4.54
4.94
5.97
September
4.46
4.58
4.46
4.77
4.52
6.07
4.51
5.19
6.25
October
4.31
4.48
4.31
4.69
4.59
6.02
4.51
4.96
5.99
November
4.16
4.32
4.16
4.36
4.24
5.46
4.26
4.46
5.70
December
4.66
4.68
4.66
4.54
4.50
5.09
4.57
4.60
5.40
Minimum
Radiation
4.16
4.32
4.16
4.36
4.24
4.81
4.26
4.33
5.34
出典:https://eosweb.larc.nasa.gov/cgi-bin/sse/grid.cgi?email=na
本プロジェクトの対象サイトは「イ」国全土に点在するため、高温多湿、多雨、落雷など
熱帯雨林特有の気候や、
プレート型地震多発地帯である等の諸条件に配慮した仕様として設
計を行った。
3-2-1-3
社会経済条件に対する方針
各実施機関(BMKG、LIPI)の財政負担を出来るだけ軽減するため、運営・維持管理費が
極力最少となる機材計画とした。また、機材の盗難防止に配慮したサイト選定、施設計画と
した。
3-2-1-4
調達事情もしくは業界の特殊事情/商習慣に対する方針
本プロジェクトで整備予定の機材のうち、地震観測機材(センサー)および通信用機材に
は、本邦の外国為替および外国貿易法に定める規制対象貨物(または技術)に該当する製品
が含まれることから、本邦から輸出する際には、同法に基づく輸出許可の手続きが必要とな
る。上記機材の調達に関しては、許認可を受けることにより問題は生じないが、工程計画の
策定に当たっては、上述した輸出手続き等の必要期間を考慮した。
3-2-1-5
現地業者(建設会社、コンサルタント)の活用に係る方針
本プロジェクトにより整備する機材は原則日本タイドであるが、地震観測機材・通信機材
等の据付のためのコンクリート基礎工事、新規観測所(シェルター)建設工事、盗難防止用
3-4
フェンス、電気設備工事等は現地調達とする。なお、全ての機材の開梱・搬入・組立・据付
は日本企業の技術者の指導のもと、現地作業員にて行う計画とする。
3-2-1-6
運営・維持管理に対する対応方針
各実施機関(BMKG、LIPI)は、これまでにも本プロジェクトで整備予定の機材やシステ
ムに類似する地震計測機材やシステム等を運用してきており、高い技術力と豊富な知見を有
する職員による維持管理体制も十分に確立されている。また、各実施機関の財政面について
も特に問題は無く、本プロジェクトにより整備される機材の運用・維持管理能力を十分有し
ていると判断した。
前述の中期的戦略計画(RENSTRA)では、地震・津波防災に係る優先整備項目として、
インド洋津波早期警戒システムの開発・改良、および地震工学(強震動解析)の進展が挙げ
られており、このために、次の活動を行うとされている

津波警報に係る標準作業手順書の作成、確立を通じた国内向け警報および環イン
ド洋諸国向け警報の確実な運用への寄与

データ伝送システムと地方部に向けた情報サービスの充実化

余震等の観測、および被災地の行政当局や地域社会への情報提供を通じた混乱の
防止
これらの業務を実施するため、BMKG の職員には高度な専門知識が要求される。本プロ
ジェクトの担当部署は地球物理担当次長(Deputy for Geophysics, Deputi Bidang Geofisika)の
下に位置する地震津波部(Earthquake and Tsunami Department, Pusat Gempa Bumi dan Tsunami)
および地震技術・ジオポテンシャル・刻時信号部(Seismological Technique, Geophysical
Potential and Time Signal Department, Pusat Seismologi Teknik, Geofisika Potensial dan Tanda
Waktu)であるが、所属職員の多くは自国、あるいは日本を含む海外の大学で専門の教育を
受けており、なかには博士号を取得している職員もいる。この他、つくば市にある建築研究
所国際地震工学センター(IISEE)で 2 か月~1 年間の研修を受講した者も多い。高い技術
力を有する職員が BMKG 本部や地震観測所に配置されており、業務を運営するための体制
は十分に整っている。
BMKG については、本プロジェクトで調達する機材の設置後、操作方法、運用方法、保
守・点検方法について、メーカー技術者による初期操作指導を行う計画とする。設置を必要
としない IT 震度計については、供与時に初期操作指導を行う。なお、ソフトコンポーネン
トによる各種訓練については、高い技術力を有する BMKG 職員達が、本プロジェクトで導
入予定の機材と同様の既存地震観測機材を的確に運用・維持管理している実績から不要であ
ると判断する。
LIPI については、機材の整備後に初期操作指導を行う計画とする。本プロジェクトで調
達する機材のうち、PS 検層機および微動アレイ探査機材については、新規に導入する機材
であるが、これまでの LIPI の活動実績をかんがみると、LIPI 職員は、本プロジェクトで整
3-5
備する機材を活用し、地震関連調査を実施する十分な技術力や調査能力を有していると考え
られる。よって、本プロジェクトで整備する機材に関する技術協力、またはソフトコンポー
ネントは不要であると判断した。
3-2-1-7
機材のグレードの設定に係る方針
調達機材のグレードは、我が国又は国際規格に準拠した機材とし、かつ、東日本大震災で
得られた教訓や技術、防災分野における我が国の先端技術を含む地震等の防災関連機材を調
達する方針とした。
3-2-1-8
調達方法、工期に係る方針
本プロジェクトは、調達代理機関(一般財団法人日本国際協力システム(JICS))により
機材調達案件の一般競争入札方式にて実施される。実施機関が 2 機関(BMKG、LIPI)にわ
たること、および、BMKG 用機材と LIPI 用機材の内容や必要工期が大きく異なることから、
入札ロットを BMKG 機材と LIPI 機材の 2 つに分ける方針とした。
なお、本プロジェクトは、防災・減災を目的とした緊急性の高い案件であり、可能な限り
早期に調達を実施し、「イ」国の防災・減災に寄与することが求められている。工期の設定
に当たっては、上記方針に基づき、経済性を損なわない範囲内で、効率的な工期を設定した。
3-2-2
基本計画(機材計画)
3-2-2-1
全体計画
本プロジェクトでは、機材の調達を通じて、(a) BMKG の地震の監視能力が向上し、精度
の高い地震情報が防災関係機関に活用されること、および、(b) LIPI の地震災害管理全般に
係る科学調査、研究の質が向上することに資する協力を行い、「イ」国における地震に関連
した調査・観測機材等の災害対策機材が整備されることをプロジェクト目標としている。
上記プロジェクト目標達成のために適切な機材計画となるよう、各実施機関との協議、現
地調査、国内解析を行い、協力対象範囲の検討を行った。本プロジェクトでは、既に E/N
が締結されていることから、E/N で定められた供与限度額内に納まる計画内容となるよう、
協力対象範囲の検討を行った。
次表に、討議議事録(M/D)で確認された要請内容と、各実施機関との協議、現地調査、
国内解析の結果として決定された協力対象内容の比較を示す。
3-6
表 3-4
BMKG からの要請内容と協力対象内容
項目
数量
数量
項目
協力対象内容
優先度
要請内容
変更理由
1. 防災科学技術研究所により設置された
観測所機材の更新 (機材供与、設置)
1. 防災科学技術研究所(JISENT サ
イト)により設置された観測所機
材の更新 (機材供与、設置)
a. 広帯域地震計
15
A
a. 広帯域地震計
15
変更なし
b. 広帯域強震計
15
A
b. 広帯域強震計
15
変更なし
c. 強震計
15
A
c. 強震計
15
変更なし
d. 衛星通信システム
15
A
d. 衛星通信システム
15
変更なし
2-1.
インドネシア政府により設置さ
れた観測所への機材供与、設置
2-1. インドネシア政府により設置
された観測所(BMKG 既存サイ
ト)への機材供与、設置
a. 広帯域地震計
5
A
a. 広帯域地震計
5
変更なし
b. 広帯域強震計
5
A
b. 広帯域強震計
5
変更なし
c. 強震計
5
A
c. 強震計
5
変更なし
d. 衛星通信システム
5
A
d. 衛星通信システム
5
変更なし
2-2. インドネシア政府により設置された観
測所への機材供与
a. 広帯域地震計
10
B
b. 広帯域強震計
10
B
c. 強震計
10
B
d. 衛星通信システム
10
B
設置を含む機材供
与の方が優先度が
高いと判断された
ため
3. 新規観測所への機材供与、土木工事を含
む設置
3. 新規観測所(強震計サイト)への
機材供与、土木工事を含む設置
c. 強震計
85
A
c. 強震計
73
d. 衛星通信システム
85
A
d. 衛星通信システム
73
c. 強震計
85
B
d. 衛星通信システム
85
B
4. 新規観測所への機材供与
5. IT 震度計の供与
6. 地震情報システムの構築
7. デジタイザの供与
【優先度】
強震計設置のため
の条件を満たす設
置場所の数に限り
があったため
強震計サイト数に
合わせて変更
設置を含む機材供
与の方が優先度が
高いと判断された
ため
200
A
5. IT 震度計の供与
1 Lot
A
6. 地震情報システムの構築
15
B
200
変更なし
1 Lot
変更なし
地震観測機材の調
達や、それに関す
るシステムの構築
の方が優先度が高
いと判断されたた
め
A:高、B:中
3-7
表 3-5
LIPI からの要請内容と協力対象内容
項目
数量
数量
項目
協力対象内容
優先度
要請内容
変更理由
1. PS 検層機材の供与
1式
A
1. PS 検層機の供与
1式
変更なし
2. 微動アレイ探査機材の供与
1式
A
2. 微動アレイ探査機材の供与
1式
変更なし
3. 強震計の供与、設置
10 台
A
3-1. 強震計の供与、設置
2台
3-2. 強震計の供与
8台
LIPI 側に強震計
設置の十分な能
力があるため
【優先度】
A:高、B:中
本プロジェクトは、前述の通り、原則、日本調達および現地調達とし、「東日本大震災か
らの基本方針」に沿って検討を行い、調達条件を設定することを基本方針とする。これを受
け、当該基本方針を踏まえた技術的検証を行い、本プロジェクトの計画が決定された。
要請内容からの主な変更点は、以下の通りである。
(1)
BMKG:インドネシア政府により設置された観測所への機材供与
「イ」国政府により設置された観測所(BMKG 既存サイト)への設置を含む機材供与(5
か所)に加え、「イ」国政府により設置された他の観測所(10 か所)について、広帯域地
震計、広帯域強震計、強震計および衛星通信システムの供与が要請されていた。しかし、設
置を含む機材供与(5 か所)に比して優先度は劣ると判断された。
本プロジェクトは緊急性の高い案件であり、可能な限り早期に調達を実施することが求め
られている。これに対する「イ」国側の受け入れ体制および日本側の調達体制を考慮し、優
先度が高いと判断されたものについてのみ、実施する計画とする。よって本プロジェクトに
当該機材は含めないこととし、現地協議を通じ 2012 年 7 月 6 日の M/D においてこれを確認
した。
(2)
BMKG:新規観測所(強震計サイト)への機材供与、土木工事を含む設置
当初要請は 85 か所であったが、調査団員、BMKG 職員、および現地再委託により実施し
たサイト状況調査により、設置スペースが確保できないサイトや交通量の多い道路などノイ
ズとなる振動源が近接している場所などを除外し 78 か所を選定し、その中から比較的優先
度の低い 5 か所を予備候補とし、73 か所をプロジェクト対象サイトとして最終選定した。
なお、新規観測所に対する衛星通信システムのセット数も併せて変更した。
(3)
BMKG:新規観測所への機材供与
BMKG が将来建設する新規観測所のための機材として強震計および衛星通信システム 85
セットが要請されていた。しかし、設置を含む機材供与に比して優先度は劣るため、本プロ
ジェクトには含めないこととし、現地協議を通じ上述の M/D においてこれを確認した。
3-8
(4)
BMKG:デジタイザの供与
強震計の交換部品としてデジタイザの供与を要請してきたものである。しかし強震計の耐
用年数は約 10 年とされており、その間特に部品の交換は必要としないことから、地震観測
機材の調達や、システムの構築を優先し、当該機材は本プロジェクトに含めないこととした。
(5)
LIPI:強震計の供与
強震計は、設置箇所で観測データを数年間収集したのち、別の場所に移動・設置して、計
測を行う機材である。当初要請は、据付け工事を含む強震計 10 か所の供与であったが、LIPI
職員は地震計の設置のための十分な能力を持っていると判断されるため、供与機材のうち、
バンドンの 2 か所への設置を LIPI 職員立会いのもと日本側により実施すると共に、LIPI 職
員には設置の方法について確認をしてもらい、
残りの 8 か所については、機材供与のみとし、
LIPI 職員によって設置が行われるものとした。
3-2-2-2
機材計画
本プロジェクトで調達する機材について、BMKG、LIPI それぞれの機材計画を以下に述
べる。
(1)
BMKG 協力対象機材に係る機材計画
現在、BMKG の地震観測所は全国に 200 余り設置されていて、強震計と広帯域地震計が
導入されている。BMKG の 2010-2014 の中期的戦略計画(RENCTRA)では地震観測所を
600 か所(BMKG へのヒアリングによると 500 か所)とすることを目指している。本プロ
ジェクトは、BMKG の有する地震観測ネットワークを強化し、観測所を増やすことによっ
て観測密度を向上させ、
震源、地震規模や地震発生メカニズムの解析精度の向上に貢献する。
1)
協力対象機材
協力対象機材は、以下の理由から広帯域地震計、広帯域強震計、強震計、IT 震度計、BMKG
本部機材、衛星通信システムおよびそれに伴う付属機材とし、据え付けおよびそれに伴う土
木工事を含むこととした(但し、IT 震度計については、据え付けを行わず、機材供与のみ
とする)。
a.
広帯域地震計
広帯域地震計は長周期の揺れの観測を行い、地震の発生メカニズムの解明、震源地の
特定、マグニチュードの演算などに用いられ、得られた解析結果は津波予警報等の意思
決定にも利用されるものである。広帯域地震計の観測所である JISNET サイトに設置さ
れた地震観測機材は老朽化が進み、一部機材は正常に稼働していない状況となっている。
この状況を改善するため、機材の更新を行う。BMKG 既存サイトについても、JISNET
サイトと同様に広帯域地震計を整備する。
3-9
b.
広帯域強震計
東日本大震災では、震央に近い観測点で広帯域地震計の振り切れが発生し、マグニ
チュード等の正確な演算を行うことができなかった。この経験を踏まえ、我が国では、
広帯域地震計よりも強震域を観測することができる広帯域強震計の全国展開を進め、巨
大地震に備えている。「イ」国も我が国同様、海溝型の巨大地震が間近で発生する頻度
の高い国であり、広帯域強震計の導入は有効と考えられることから、広帯域地震計の設
置が要請された JISNET サイトと BMKG 既存サイトの合計 20 か所に広帯域強震計を導
入する。なお、本機材は日本が独自に開発した地震計であり、無償資金協力事業での供
与機材としてもふさわしい機材である。
c.
強震計
強震計の観測網の強化は先に述べた中期的戦略計画(RENCTRA)にも示されている
「イ」国の国家戦略に則っているものである。本プロジェクトの実施は、これまでに 236
か所の設置が行われている強震計観測所を 300 か所以上に引き上げ「イ」国における観
測所設置目標の早期達成に貢献するもので、本プロジェクトの趣旨に合致する。
今回計画されている強震計は、震度演算機能が付加されており、「イ」国において初
めて全国規模での震度観測網の構築が行われることになる。将来的に緊急地震速報を発
出するにあたって必要となるデータの蓄積および分析・検討が、今後行われるようにな
ることが期待されるもので、導入の意義は大きい。
現在 BMKG が採用している震度階は、アメリカで使われている地震の強さを 12 段階
に区分した修正メルカリ(MMI)震度である。強震計の計測震度の算出には、BMKG か
ら提示された演算式を登録する。「イ」国において、震度の概念はまだ一般には普及し
ておらず、今後「イ」国の建造物等の被害の実態と適合する様に修正していく必要があ
るため、演算式のパラメータを書き換えられる機能をもたせることとする。
なお、後述する IT 震度計にも同様の演算式を組み込み、パラメータの書き換えを行え
る仕様とした。
d.
衛星通信システム
既に JISNET の観測所にはテレメーター用の衛星通信システムが整備されているが、
BMKG が主に利用している衛星システムとは異なり、通信コストも高いため、維持管理
の負担増大の要因となっている。これを踏まえ、本プロジェクトでは既存の衛星通信シ
ステムを採用することとする。なお、現在 BMKG は 2 系統の衛星通信を利用しているが、
それぞれすでに拡張の余地が残されていない。BMKG はすでに新規の衛星通信領域の拡
張のため予算の準備を始めており、本プロジェクトでは新たに BMKG によって契約され
る衛星通信網を利用する。
なお、当該通信網にかかる機材のうち、BMKG 本部の機材について、一部機材(衛星
ハブ用のラインカード)を除き既存機材を活用することとし、各サイトの機材(衛星ルー
3-10
ター、衛星アンテナ等)については当該プロジェクトで供与する。供与に際し、BMKG
では i-Direct 社の機材による衛星通信網が整備されていることから、本プロジェクトにお
いても、BMKG が整備している衛星通信システムとの接続性を考慮し、i-Direct 社の製品
を銘柄指定(第三国製品)する。
利用衛星
:Palapa D
衛星位置
:東経 113 度
プロバイダー :Indosat 社
衛星機材
e.
:i-Direct 社
電源装置
BMKG 観測所の場合は施設内の電源を使用するが、新設サイトでは、原則として新規
の電気接続契約を BMKG が結ぶこととし、商用電源を利用する。しかし、既存の商用ネッ
トワークから遠くに位置する場合や、離島で商用電源が安定供給されていない場所にお
いては、太陽光発電システムを本プロジェクトで導入し、独立電源を確保することとし
た。
太陽光発電システムでは、日照が無い日が続くことを考慮し、システムを 5 日間稼働
させることができる容量の蓄電池を導入する。なお、商用電源の観測所の場合において
も停電があった場合に備えて蓄電池は必需品であり、本プロジェクトでは 2 日間システ
ムを稼働させることのできる容量の蓄電池を整備することとした(2012 年 7 月 6 日テク
ニカルノート(T/N)で確認済み)。
なお、商用電源タイプの衛星ルーターは多くの電力を必要とし、太陽光発電利用サイ
トにおいて必要な電力を確保するためには相当量の太陽光パネル等が必要となることか
ら、太陽光発電等向けの省電力タイプの衛星ルーターを採用することとした。
f.
無線通信設備(119A: Waingapu 観測所)
本プロジェクトでは地震観測データを BMKG 本部へ衛星通信機材で直接伝送するシ
ステムを採用するが、BMKG の地震観測のオペレーションセンターがあるローカルオ
フィスにおいては、BMKG 本部と同時にオペレーションセンターでも地震観測データを
確認できるシステムとなっている。Waingapu 観測所において、既存の地震計は事務所の
敷地内に設置されていた。しかし、沖積地盤であるとともに、空港へ続く主要道路に面
しており、ノイズが多かったため、本プロジェクトでは新規に丘の上(離れ約 120m)に
観測所を移すこととし、衛星通信システムとは別に BMKG ローカルオフィスへデータを
転送するための無線通信設備を設置することとした。
g.
IT 震度計
本プロジェクトで選定されたサイトには震度演算機能を持つ強震計が導入されるが、
広大な「イ」国全土をカバーできるものではない。そのため、震度観測の精度を高める
ことを目的に、IT 震度計 200 機が要請された。
3-11
IT 震度計は、東京大学地震研究所を中心に複数の民間企業や研究機関等による産学連
携共同研究を実施する「IT 強震計コンソーシアム」により研究開発された日本製の簡易
型震度計である。簡易型であるため、計測データの精度は高くは無いが、1 基あたりの
値段が、強震計等他の地震計測機器に比べて遥かに安価である。設置に関しても簡単な
設置基準はあるものの、コンクリート床・柱などにボルトで留めるだけであり設置、調
整に特別な技術を必要としない。BMKG 職員によって手軽に設置することができるため、
震度観測網を拡大し補完的に地震計測データを収集する上で大いに貢献することが期待
できる。本プロジェクトにおいては、要請に従い 200 台の IT 震度計の調達を行うことと
した。
本機材により算出された震度はインターネット回線を通じて BMKG 本部に設置され
る震度情報表示サーバ(後述)へ伝送される。なお、本機材は DHCP クライアント 機
能を有しているため、DHCP サーバが導入されたインターネット回線であれば、 ケーブ
ルを接続するだけで、自動的に IP アドレスが設定され、震度情報表示サーバへの測定デー
タ伝送を自動的に開始する仕様としているため、機材の設定は不要である。
h.
観測機材と BMKG 本部機材(地震情報システム)
地震の観測所における機材のコンポーネントは、地震計、デジタイザ、GPS(測時)、
UPS、電位差調整器/充電制御器、サテライトモデム、衛星アンテナにより構成される。
これらは、地震のデータを取得し BMKG 本部に送信するために必要・十分なシステムで
ある。システムの系統図を図 3-1、図 3-2 に示す。商用電源サイトと太陽光発電サイトで
電源システムは図に示す 2 タイプに分けられる。
Power outlet
Satellite
Antenna
UPS
Coaxial cable
Satellite
Modem
AVR
Digitizer
GPS
Power Cable
AVR
Seismograph
図 3-1
Automatic Voltage
Regulator
商用電源による観測所のシステム構成
3-12
Solar Power
System
Satellite
Antenna
Satellite
Modem
Charge
Controller
Digitizer
Coaxial cable
GPS
Seismograph
Power Cable
Deep Cycle Battery
図 3-2
太陽光発電による観測所のシステム構成
本プロジェクトでは BMKG 本部の既存システムへ波形データを伝送することが求め
られている。
既存の BMKG システムはドイツが供与した Seiscomp3 を中心に構成されており、地震
波形のフォーマットとして SEED 形式(アメリカ地震研究所(IRIS)が制定)、伝送方
式として Seedlink を採用している。
図 3-3
BMKG のモニタリングシステム構成
3-13
一方、日本製機材は、東京大学が開発し気象庁や防災科学技術研究所等で用いられて
いる WIN 方式に対応したものがほとんどであり、上記の SEED フォーマットや Seedlink
形式に対応した機材は非常に少ないのが実情である。そのため、JISNET サイトで導入さ
れた機材からのデータは WIN 形式で一旦収集され、WIN/SEED の変換プログラム等を用
いて対応を行なってきた。
上記の現状を踏まえて以下の方式の検討を行った。
① Seedlink に対応した第三国製デジタイザと日本製地震計を接続する方法
② Seedlink に対応した日本製地震計を採用する方法
③ WIN 形式の日本製地震計を採用し、Seiscomp3 側の WIN/SEED 変換プログラム
で WIN 形式のデータを SEED フォーマットに変換する方法(現在の既存
JISNET はこの方式を採用している)
①の方式においては、Seedlink に対応したデジタイザは広く利用されているが、日本
製の地震計との接続実績は余りないことから、確実に接続ができ、データ伝送が可能か
どうかについての検証が必要になる。
②の方式においては、すでに日本の地震計メーカーも世界をターゲットに動いており、
Seedlink に対応する機材の存在が確認されている。
③の方式においては、Seiscomp3 がプル型のデータ収集(Seiscomp3 側からデータの取
得要求に対しデータを送信する形式)が基本であるのに対し、WIN システムでは UDP
という非同期通信で、プッシュ型のデータ送信を行う仕組み(いわゆる送りっぱなし)
であり、双方を組み合わせた際、データ欠測時の再送処理がうまく行えず、データの欠
測に対応できていない。(WIN 方式の標準機能として直前の 1 回分のみ再送するという
機能はあるが、これだけでは不十分)
Pull Type
Seedlink
対応機器
WIN
対応機器
・Seiscomp3 側から要請
・取得できるまで再送要求が行われる
Seiscomp3
Push Type
・WIN 対応機器側から非同期で送信
・1 回分のみ再送可能
図 3-4
WIN Server
Seiscomp3 と WIN の通信方式
これらの検討結果から、②の方式(Seedlink に対応した地震計を導入)を採用し、BMKG
本部には、他ドナーのプロジェクと同様に、本プロジェクで収集するデータを蓄積する
ための地震波型情報収集サーバ(速度用、加速度用の計 2 式)を導入し、これらのサー
バを通して Seiscomp3 へデータを伝送する計画とした。
3-14
一方強震計および IT 震度計(前述)で取得される震度情報については、これまでの
BMKG のシステムとは異なり、新たな震度のモニタリングシステムの導入が必要である。
本プロジェクトでは震度情報の蓄積・地図上への観測地点の震度情報表示などを行える
震度情報表示サーバを導入する。
システムのデータの流れを図 3-5 に示す。
図 3-5
i.
データフロー
観測所の建設
JISNET サイトおよび BMKG 既存サイトは、BMKG の観測所であるため、基本的に観
測設備を設置する場所が確保されている。しかし、新設する観測所においては機材を設
置するための施設が無い。そのため、機材を設置するためのシェルターが必要になる。
これまで BMKG が設置してきている観測所の多くは 10m×10m の用地を確保し、用地
をメッシュフェンスで囲い、その中に 4m×4m(BMKG の標準仕様)のシェルターを建
設している。しかし、今回の新設観測所は、ほとんどが地方政府の庁舎敷地の一部を利
用するもので、BMKG の標準タイプを設置できる十分なスペースはほとんどの場合確保
できない(「2) サイト選定」参照)。このため、本プロジェクトでは 2.5m×2.5m のシェ
ルターを設計し、これを採用することとした。
BMKG の標準タイプとの差は、図 3-6 に示すように二重構造である。二重構造の利点
としては、外気温の変化の影響を受けにくいことにあり、温度変化に敏感な広帯域地震
3-15
計を設置するシェルターには必要な機能である。しかし、本邦の専門家に確認したとこ
ろ、断熱カバーで地震計を覆う、あるいは断熱材等で広帯域地震計のピットを埋めるこ
とで、温度変化の影響を受けないようにできるということが確認されたため、二重構造
ではないシェルターでも問題ないと判断した。
(a) BMKG スタンダード
図 3-6
2)
(b) 採用シェルター
観測所(地震計シェルター)平面図の比較
サイト選定
対象サイトとして BMKG から提示された 130 サイトに対して、コンサルタントと BMKG
が共同で現地調査を実施し、対象サイトの選定を行った。なお、日本が導入し、現在独立行
政法人防災科学技術研究所(NIED)と BMKG とで共同管理している JISNET サイト(広帯
域地震計と、強震計(全箇所ではない)が設置されている)は、設置から 15 年以上が経過
しており、機材の更新時期にあるため最優先とし、BMKG により観測所の建設がすでに終
わっている BMKG 既存サイトについても優先的に採用した。サイト選定総括表を表 3-6 に
示す。なお、強震計サイト(新設サイト)は民間地や公共施設を利用する場合も一部あるが、
ほとんどは地方政府庁舎の敷地の一角を利用するものである。
表 3-6
対象サイト区分
①
サイト選定総括表
調査サイト数
JISNET サイト
17
②
BMKG 既存サイト
6
③
新規観測所(強震計サイト)
合計
107
対象サイト
機材タイプ
サイト数
※1
広帯域
15
広帯域
5
強震計
※2
強震計
130
1
72
93
※1 機材タイプの広帯域は広帯域地震計・広帯域強震計・強震計を含んでいる。
※2 BMKG 既存サイト候補地のうち、1 か所は新規観測所(強震計サイト)対象サイトと
して採用した。
3-16
サイト選定は以下の条件で行った。
a.
敷地状況

屋外の場合 4m×4m の敷地が最低確保されていること

屋内の場合 2.7m×2.5m のスペースが提供してもらえること

急斜面上や崖地の傍に位置していないこと

施設の撤去や大幅改修の必要が無いこと
b. 自然条件

火山の影響が懸念されないこと

軟弱地盤上にないこと
c.
ノイズ状況

交通量の多い道路に面していないこと(離れ 30m以上)

そのほか振動源になるような事象が無いこと
d. 類似プロジェクトとの重複が無いこと
サイト調査結果集計表を巻末資料 6 に示す。また対象地点位置図を巻頭の観測所位置図に
示す。
3)
観測所機材設置計画
本プロジェクトのシステムは大きく広帯域地震計観測所(広帯域地震計、広帯域強震計、
強震計の 3 地震計を設置)と強震計観測所(強震計を設置)の 2 タイプに分けられ、それぞ
れ商用電源を使用する場合と太陽光発電システムを使用する場合に分けられる。
広帯域地震計観測所は JISNET サイトおよび BMKG 既存サイトであり、基本的には既存
のシェルターがある。JISNET サイトでは既存のシステムの入れ替えを基本とし、BMKG 既
存サイトではシステムの新規設置になる。
強震計観測所は地方政府の敷地内がほとんど(一部民有地、その他公共機関もある)で、
地震計設置用のシェルターの建設が必要である(既存の建物の一室を提供されるケースも
ある)。
強震計サイト、および BMKG 既存サイトの広帯域地震計観測所の場合は、本プロジェク
トで建設する新設観測所(シェルター)、あるいは BMKG の設置した観測所(シェルター)
に観測機材通信機材のすべてを設置することができる。また、既存施設の一室を提供される
場合についても、サイト選定条件を設けているため、観測機材通信機材をすべて設置するこ
とが出来る。しかし、JISNET サイトでは、現状で様々な施設が存在し、サイト毎に設置方
法が異なるため、現状と設置方針の概要を表 3-7 にまとめた。なお、JISNET サイトには衛
星通信アンテナが、設置されているが、JISNET 以外のデータを送るためにも利用されてお
り交換はできない。従って、衛星通信アンテナは全観測所で新たなスペースに設置する。
3-17
表 3-7
観測所
番号
観測所名
JISNET サイトの機材更新方針一覧表
現在のシステム
設置場所
設置機材
交換システム
設置場所
設置機材
101
BAKI
(Luwi Budi)
室内
BS & CS
102
BJI
(Banjar Negara)
バンカー
BB
室内
CS
同室内
CS
103
BSI
(Banda Aceh)
ピット
BB
同ピット
BB
新設シェルター
BS, SM
室内
SM, CS
同室内
CS
105
KDI
(Kendari)
シェルター
BB
同シェルター
BB, BS, SM
室内
CS
同室内
CS
106
KHK
(Kahang)
シェルター
BB
同シェルター
BB, BS, SM
室内
CS
同室内
CS
107
KSI
(Kepahiang)
ピット
BB
MNI
(Manado)
ピット
室内
PCI
(Palu)
ピット
室内
CS
同室内
CS
PPI
(Lubuk Mata
Kucing)
ピット 1
BB
同ピット 1
BB
同ピット 2
BS, SM
室内
CS
同室内
CS
SWH
(Sawahan)
ピット 1
BB
同ピット 1
BB
ピット 2
CS
同ピット 2
BS,SM
ユニットボックス
CS
新設シェルター
All System
同ピット
BB, BS
109
110
111
113
114
116
117
118
119A
TEL2
(Maluku)
ピット
新設シェルター
All system
同バンカー
BB, BS, SM
新設シェルター
All System
BB
同ピット
BB, BS, SM
CS
同室内
CS
BB
同ピット
BB
同バンカー
BS, SM
ピット 2
ノイズ多く廃止
商用電源
商用電源
商用電源
商用電源
商用電源
商用電源
バンカー
TARA
(Tarakan)
電源・
その他
商用電源
商用電源
商用電源
太陽光発
電
商用電源
BB
同シェルター
SM
室内
CS
同室内
CS
TPI
(Tanjung
Pandan)
バンカー
BB
同バンカー
BB, BS, SM
室内
CS
同室内
CS
WAMI
(Wamena)
シェルター
BB, SM
同シェルター
BB, BS, SM
室内
CS
同室内
CS
WSI
(Waingapu)
バンカー
BB
室内
CS
シェルター
商用電源
商用電源
商用電源
商用電源
新設シェルター
BB:Broadband Seismograph (velocity meter)
BS:Broadband Strong Motion Seismograph (velocity meter)
SM:Strong Motion Seismograph (accelerometer)
CS:Communication System (Digitizer, Modem, UPS, GPS)
3-18
All system
(2)
LIPI 協力対象機材に係る機材計画
LIPI は、地震・津波を含む災害管理全般に係る科学的調査、研究を行う役割を持つ。こ
のうち、地震分野に関しては地震による被害想定や副次的被害、地震に対する物理的、社会
的な脆弱性、コミュニティ防災に係る研究活動を行っている。本プロジェクトを通じて提供
される地震観測等機材により、こうした研究成果の質の向上が期待できる。
LIPI 協力対象機材に係る、機材計画と計画策定方針を以下に詳述する。
表 3-8
機材名・項目
主要仕様・内容
機材計画
使用目的
設置場所
1 PS 検層機材の供
与(1 式)
PS 検層器
受震器
解析用ソフトウェア
地盤強度の推定、動的弾
性係数の設定等の地盤特
性を把握する
LIPI 本部
2 微動アレイ探査機
材の供与(1 式)
微動アレイ
解析用ソフトウェア
常時微動の把握、S 波速
度構造の推定に活用する
LIPI 本部
3-1 強震計の供与、
設置(2 か所)
強震計(10 台)
デジタイザ(10 台)
電源設備(10 台)
表示用ソフトウェア(1 式)
地震波形の取得と表面最
大加速度(Peak Ground
Acceleration:PGA)の算
定により地震動の強さ、
地震の特性等を把握する
バンドン:2 か所
(日本側で設置)
3-2 強震計の供与
(8 か所分)
1)
LIPI 協力対象機材
パダン:5 か所
リワ:1 か所
バンダアチェ:1 か所
スカブミ:1 か所
PS 検層機材
PS 検層機材は地盤の弾性波速度を測定するもので、PS 検層や弾性波探査を実施すること
ができる。
PS 検層(弾性波速度検層)機材は、ボーリング孔を利用して地盤内を伝播する弾性波(P
波/縦浪・S 波/横波)の深さ方向の速度分布を直接的に、かつ高精度で測定するものである。
弾性波探査は、地表付近で人工的に発生させた弾性波の伝搬速度が異なる地層を伝播し地
表に設置したセンサーで観測されるまでの時間から、地下の速度構造を求める探査方で、断
面状の地下構造の解明に用いられる。
地盤の弾性波速度構造は地盤の動的解析に欠かせないものである。しかしながら、現在
LIPI は PS 検層機材を所有していない。
地震による被害想定や副次的被害等研究活動を実施する LIPI が本機材を所有することに
より、PS 検層や弾性波探査を各地域で実施することが可能となり、地盤強度の推定、耐震
設計等にも活用される地盤の特性を把握することが可能となる。これらのデータは液状化判
定、工学的基盤面の設定、軟弱な堆積層の把握(地震増幅率の推定)、地震のマイクロゾー
ニング等に活用され、将来の大規模地震発生時における減災効果が期待される。
以上より、本プロジェクトで PS 検層機材 1 台を調達する計画とした。
3-19
2)
微動アレイ探査機材
微動アレイ探査機材は人工震源を必要とせず、
自然に存在する微動信号に含まれる表面波
を利用する地盤の物理探査手法である。特に地盤を掘削せず、地表に複数の微動アレイ探査
機材を群列設置して、微動信号を同時に記録し、データ解析により地盤構造(S 波速度構造
モデル)を推定できる探査手法である。当該機材で観測したデータから推定された S 波速
度構造は、地震波の伝搬特性の推定等に活用することができる。
微動アレイ探査機材は、
ノイズが大きい都市部でも適用できるという特徴があることから、
特にジャカルタ、バンドン等の都市部における地盤構造調査に有効であると考えられる。し
かし、現在 LIPI は同探査機材を有していないため、本プロジェクトにおいて、微動アレイ
探査機材 1 セット(微動アレイ探査機材 4 台)を調達する計画とする。
3)
強震計
LIPI からの要請は 10 か所(10 台)の強震計である。その内訳はバンドン 2 か所、パダン
5 か所、リワ、バンダアチェとスカブミ各 1 か所である。
強震計は、比較的大きな地震に対象を絞り、地震発生時における地震波形情報の計測・蓄
積を行う機材である。また、当該波形データからは、表面最大加速度(Peak Ground
Acceleration:PGA)の算定を行うことで、地震計設置地点での地震動の強さを把握するこ
とが可能である。
本機材の設置については、設置および調整にかかる技術を要するものの、LIPI のこれま
での活動実績より、LIPI 職員には設置を行う十分な技術力があると判断できる。よって、
機材の導入メーカーによる機材の設置は、バンドン 2 か所(2 台)のみとし、8 台の機材に
関しては、LIPI 側の責任により対象サイトへの輸送・設置されるものとし、バンドンでの
機材設置に立ち会った LIPI 担当者により実施する計画である。
以上より、LIPI に強震計 10 台を供与する計画とする。
3-20
3-2-3
概略設計図
システムの概念図と新設観測所の設計図を以下に示す。
JISNET サイト (15 サイト)
広帯域地震計
デジタイザ
広帯域強震計
強震計
衛星
モデム
衛星
アンテナ
処理装置
(デジタイザ)
通信衛星
(Indosat Palapa D)
商用電源からの
電源供給(14 サイト)
BMKG 本部
太陽光発電システムから
の電源供給(1 サイト)
衛星ハブ(既存)
BMKG サイト (5 サイト)
ラインカード
(追加)
広帯域地震
デジタイザ
広帯域強震
衛星
モデム
衛星
アンテナ
(既存)
衛星
アンテナ
処理装置
(デジタイ
強震計
震度情報表示サーバ
F/W(既存)
商用電源からの
電源供給(3 サイト)
地震波形情報収集サーバ
(加速度波形)
太陽光発電システムから
の電源供給(2 サイト)
「イ」国機材の
計測データ
強震計サイト (73 サイト)
BMKG 既存サーバ
(SC-OPEN / Seiscomp3)
インター
ネット
強震計
処理装置
(デジタイザ)
衛星
モデム
地震波形情報収集サーバ
(速度波形)
ドイツ支援機材
の計測データ
衛星
アンテナ
中国支援機材の
計測データ
速度波形データ(Seedlink)
加速度波形データ(Seedlink)
商用電源からの
太陽光発電システムか
電源供給(67 サイト) らの電源供給(6 サイト)
震度データ
IT 震度計
図 3-7
IT 震度計
IT 震度計
地震観測システムと衛星通信ネットワーク概念図
3-21
図 3-8
地震計観測所(シェルター)設計図
3-22
図 3-9
地震計観測所屋根置き太陽光パネル
図 3-10 地震計観測所地上置き太陽光パネル基礎とパラボラ基礎
3-23
3-2-4
施工計画/調達計画
3-2-4-1
施工方針/調達方針
(1)
1)
基本事項
実施体制
本プロジェクト実施に当たっては、「図 3-11
事業実施体制」に示す通り、実施機関が
BMKG と LIPI の 2 つの機関に渡ることから、実施機関間の調整を図るため、BMKG が責任
機関として位置づけられた。また、本プロジェクトの実施時には「政府間協議会」を設置す
ること、同協議会の「イ」国側窓口は BMKG とすることを確認した。
(日本国政府)
(インドネシア国政府)
交換公文(E/N)
外務省
外務省
贈与契約(G/A)
JICA
BMKG
大使館
LIPI
JICA 事務所
調達代理契約
(A/A)
政府間協議会
(Consultative Committee)
調達代理機関(JICS)
契約
契約
本邦コンサルタント
監理
機材調達業者
図 3-11 事業実施体制
2)
交換公文(E/N)
調達代理型防災・災害復興支援無償資金協力の内容は、両国政府が交換した公文に基づい
て決定される。交換公文には、プロジェクトの目的、実施時期、条件、無償資金の供与額等
が記載される。なお、本プロジェクトの交換公文は 2013 年 3 月 26 日に締結済みである。
3)
贈与契約(G/A)および調達ガイドライン
調達代理型防災・災害復興支援無償資金協力による調達やサービスの具体的手順は、贈与
契約(G/A)署名の際に両国政府の所管機関の間で合意の上決定される。なお、本プロジェ
クトの贈与契約は 2013 年 11 月 29 日に締結した。
主な合意事項の概要は以下の通りである。

JICA はプロジェクトの実施を管理する。
3-24

製品やサービスは、JICA の調達ガイドライン「The Procurement Guidelines of Japan’s
Grant Aid for Disaster Prevention and Reconstruction(Type I-D)」に基づいて調達さ
れる。

被援助国は、調達代理機関と契約を結ぶ。

調達代理機関は、調達先機関へのすべての資金移動について、被援助国の代理人
として機能する。
4)
調達代理機関
調達代理機関は、被援助国に代わって調達代理型防災・災害復興支援無償資金協力に関わ
る製品およびサービス(資金管理、入札準備、契約を含む)の調達サービスに係る業務契約
条項に則りサービスを提供する公平かつ専門性の高い機関である。また、調達代理機関は、
日本国政府より被援助国政府に推薦され、両国政府の所管機関の間で交わされる合意議事録
(A/M)において合意される。
5)
本邦コンサルタントの設計監理業務
本邦コンサルタントが設計監理業務を実施するにあたっては、JICA 発行「無償資金協力
事業におけるコンサルタント業務の手引」に基づいて、本プロジェクトが円滑に実施され協
力の目的が達成されるよう、その役割を果たす。そのために必要な全ての業務を行うものと
し、特に本邦契約者に対する公正性、中立性などにも留意し、調達代理機関および「イ」国
側実施機関の信頼が得られるように努める。
(2)
現地業者の活用分野
BMKG の地震計観測所 93 か所はインドネシア全土に分散している。観測所(シェルター)
建設とそれに続く機材の据え付けは、全土にわたる複数のサイトで同時に進められるため、
日本人スタッフだけで管理をするのは困難である。そのため、ローカルコンサルタント等を
活用し、現場作業の監理を行う。
LIPI 機材のうち強震計の据付については、設置および調整にかかる技術を要するものの、
適切な技術指導を実施することにより、LIPI 職員による据付が可能であると判断できる。
よって、バンドンでの据付(2 か所)は本邦元請企業の日本技術者が LIPI 職員に据付業者
を指導する体制とし、その他の機材据付(8 か所)にあたっては、LIPI 職員が直接据付を行
なう体制となり、現地業者の活用は無い。
3-25
3-2-4-2
(1)
1)
施工上/調達上の留意事項
調達上の留意事項
「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づく調達
本プロジェクトでの機材調達は、
「東日本大震災に対処するための特別の財政援助および
助成に関する法律」における「特定被災区域」(以下、被災地とする)の産業の振興に資す
るような製品の調達を可能な限り計画に含めるよう留意することが求められている。これを
踏まえ、調達する機材は、可能な限り被災地で生産される①完成品、または、②主要な部品
が組み込まれている製品を含めることとする。
2)
第三国製品
本プロジェクトの調達は日本タイドを原則とするが、以下の機材については第三国製品で
対応する。
衛星通信システムについては、BMKG が整備する衛星通信網を利用することになってい
る。BMKG の衛星通信網は i-Direct 社の機材で構成されており、既存衛星機材との接続性を
考慮し、調達する衛星通信システム(衛星モデム(ルーター)と衛星アンテナ)は i-Direct
社製で銘柄指定(第三国製品)する。
また、広帯域地震計については、要求仕様を満たす製品が日本では製作されていないため
第三国製品とする。
生産国の区分および被災地産品(部品生産も含む)での対応となる機材を表 3-9、表 3-10
に示す。
表 3-9
資機材原産国区分(BMKG)
原産国
資機材名
日本
被災地
①
広帯域地震計
②
広帯域強震計
●
③
強震計(加速度計)
●
④
衛星通信
システム
UPS /バッテリー
太陽光発電システム
⑥
IT 震度計
⑧
地震情報
システム
土木資材
●
●
●
中継サーバ
●
震度サーバ
●
PC
●
モニター
●
キャビネット
●
シェルター、フェンス
●
電気設備
●
3-26
第三国
現地
モデム/パラボラ
⑤
⑦
その他
原産国
●
米、英、カナダ、スイス
●
米、シンガポール
表 3-10 資機材原産国区分(LIPI)
原産国
資機材名
日本
被災地
その他
①
PS 検層機材
●
②
微動アレイ探査機材
●
③
(2)
強震計
強震計
デジタイザ・ソフト
(加速度計)
UPS、AVR
現地
第三国
原産国
●
●
●
施工上の留意事項
BMKG 機材については、調達先が複数箇所に亘るため、海上輸送時には機材毎の梱包と
なることを想定している。機材は其々出荷前に工場検査が行われ、通関後は日本調達、第三
国調達機材のそれぞれについて、開梱、員数検査を行うと共に、調達業者の技術者とコンサ
ルタント技術者の立会いのもと、システム動作確認を行い、その後、各サイト向けの再梱包
を行う。
本プロジェクトでは、複数種類の機材を、「イ」国全土に点在する 93 か所のサイトに輸
送しなくてはならないことから、据付の工程計画とリンクした効率的な輸送計画を立てるこ
とが肝要である。ジャカルタ、ジョグジャカルタ、スラバヤ、バンドン、パダン、バンダー
ルランプン、メダンの合計 8 か所にベースキャンプを設け、ベースキャンプごとに再梱包さ
れた機材を一括して各ベースキャンプまで航空輸送し、ベースキャンプごとに機材を保管す
る。機材の据付が行われる各サイトまでは、ベースキャンプから、航空輸送、陸路輸送(ト
ラック)および海上輸送(フェリー等)により機材輸送を行う。
特殊かつ精密な機材を含むため、輸送、据付、調整にあたって、必要な専門知識を有する
技術者を派遣する。
LIPI 機材のうち強震計(10 台)については、適切な技術指導を実施することにより、LIPI
職員による据付が可能であると判断できる。よって、バンドンに設置する 2 台の強震計を日
本側の責任において据え付けを実施し、これを通じて本邦元請企業の日本人技術者が LIPI
職員に対して、据付、調整に係る指導および機材輸送に係る留意点について指導を行う。残
りの 8 台の強震計については、指導を受けた LIPI 職員が独自で機材輸送、設置、調整等を
行うこととする。
また、PS 検層機材、微動アレイ探査機材については、計測のための設置・調整に係る技
術を要するものの、初期操作指導の実施により、LIPI 職員による対応が可能であると判断
できる。
LIPI 機材(10 台の強震計、PS 検層機材、微動アレイ探査機材)はすべて、LIPI および
BMKG 立ち合いのもと、ジャカルタの保税倉庫にて、開梱、員数検査が行われ、BMKG に
引き渡される。LIPI には、BMKG より引き渡される計画とする。なお各サイト向けの再梱
3-27
包、輸送、設置等については、LIPI の責任において実施されるものとし、日本側が据付を
担当する強震計 2 台についても、ジャカルタから機材設置場所までの機材輸送は LIPI の責
任において実施される。
3-2-4-3
施工区分/調達・据付区分
本プロジェクトが日本国政府の無償資金協力として実施された場合、日本国および「イ」
国の施工区分の概要は下表の通りである。
表 3-11 日本国と「イ」国の負担事項区分
負担事項
日本国負担
1.
必要な土地、スペースの確保
2.
(必要に応じて)施設の建設(観測所建屋、フェンスなど)
3.
(必要に応じて)協力対象サイトの既存障害物の撤去
4.
プロジェクト実施に必要な許認可の取得
5.
1) 海上(航空)輸送費
「イ」国負担
●
●
●
●
●
2) 通関のための免税措置、通関手数料
●
3) 内陸輸送費
●
(●)
LIPI 機材
6.
免税措置
●
7.
日本人/第三国人の滞在許可
●
8.
調達機材の運用維持管理
●
9.
プロジェクト実施に係る無償資金協力以外の必要な支出
●
10. 銀行取極(B/A)手数料
●
11. 環境社会配慮
●
12. 通信設備の周波数帯の確保
●
13. 調達機材への電力供給
(●)
太陽光
(●)
商用電源
実施機関ごとの「イ」国負担事項についての詳細を以下に述べる。
(1)
BMKG
BMKG の主な負担事項は、以下の通りである。

必要な土地、スペースの確保(特に、日本側が新規観測所の建設および/または
供与機材設置を行う観測所に関して)

プロジェクト実施に必要な許認可の取得

太陽光発電システム使用サイト以外のサイトの電源確保(新規契約含む)

税金負担、および最終荷揚港における関税支払、通関手続き

供与される機材/システムに係る維持管理費用の確保

通信設備の周波数帯の確保および追加費用の負担

供与される機材/システムの検査立会や機器操作指導に係る準備および「イ」側
対象者の費用負担
3-28
(2)
LIPI
機材の引渡しは基本的にジャカルタの保税倉庫にて行う。
日本側からは本プロジェクトの
インドネシア側調整機関である BMKG に対して機材の引き渡しを行い、BMKG から LIPI
に機材が引き渡される。税金負担、および、最終荷揚港における関税支払、通関手続き、等
の必要な手続きは、BMKG が行う。
LIPI の主な負担事項は、以下の通りである。

ジャカルタ保税倉庫からの輸送

8 か所の強震計の設置

供与される機材に係る維持管理
3-2-4-4
(1)
施工監理計画/調達監理計画
BMKG
コンサルタントは常駐調達監理技術者を配置し、複数の工事グループにより実施される据
え付け工事(土木工事を含む)を総合的に監理する。
本プロジェクトの対象サイトはインドネシア全土にわたる。観測所(シェルター)の建設
工事が終了したサイトから、順次機材の据付工事、試運転および初期操作指導が実施される。
複数のサイトにおける建設工事および機材据え付けが並行して行われるため、各施工班に一
人の現地人技術者を配し、逐次現地の作業進捗を把握できるようにする。また、日本人建築
技師を土木・据え付け監理のために 2 名配し、常駐調達管理技術者と 3 名体制でそれぞれの
地区の工事工程・品質の監理を行うこととする。
また、検査技術者を 2 名配し、各サイトでの検収・引き渡しに立ち会う計画とする。
コンサルタントが実施する施工監理/調達監理業務は以下の通りである。

機材製作図書および施工図(基礎工事等の建築工事を含む)の確認および承認

現地での事前打合せ

国内におけるメーカーによる機器結合試験(各観測所に設置される機材の接続・
稼働試験)の試験成績証明書の確認

国内におけるメーカーによる総合試験(各観測所で測定されたデータが BMKG 本
部に設置予定のシステムに正常に伝送、登録、表示されるかを確認する試験)の
試験成績証明書の確認

国内における製品検査(工事)/出荷前検査等の立合い

船積前機材照合検査の調整

現地における各サイト向け再梱包の立会い

調達業者の工程管理・安全管理に対する監理
3-29

据付、調整、試運転時の立会い

受入れ検査手順書、検査実施計画書の承認

受入れ検査(最終検査)の監理および検査完了証明書の発行

初期操作指導の監理

関係機関への進捗報告、完了時報告
(2)
LIPI
調達監理技術者を配置し、受入検査、調達業者による初期操作・運用指導の立会、竣工証
明書の発行、引渡し手続き業務、最終業務報告書等の作成を行う。また、検収・引渡時には、
業務主任を派遣し、完了検査および初期操作指導等に立ち会う。コンサルタントが実施する
調達監理業務は以下の通りである。

機材製作図書の確認および承認

現地での事前打合せ

国内における工場出荷前検査/船積前機材照合検査等の立会い

調達業者の工程管理・安全管理に対する監理

初期操作指導の立会い

現地での検収、引渡しの立会い

関係機関への進捗報告、完了時報告
3-2-4-5
(1)
1)
品質管理計画
検査・検収等実施計画(機材)
基本方針
機材の製作期間中においては、調達業者より提出される製作図、施工図等が契約書、仕様
書に適合しているかを審査し承認を与えると共に、適宜必要な品質検査を実施する。また、
機材の据付工事期間中においては、調達業者より提出される工事施工計画書(実施体制表を
含む)、工程表、据付手順等が適切であるかを審査し承認を与える。
2)
品質検査
機材の品質検査に関しては、下記の検査・検収等を実施する。

機器結合試験、総合試験(BMKG 機材のみ)
メーカーによる機器結合試験、総合試験の実施を求め、メーカー発行の試験成
績書をコンサルタントが確認する。なお、調達先が異なる機材(デジタイザと衛
星通信機材)についてはジャカルタで別途実施する。
3-30

製品(工場)検査(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
製品出荷前に、各機器単体の仕様適合および性能試験を主要機材、システムに
ついて国内で実施する。

船積前機材照合検査(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
主要機材については、製品(工場)検査立ち会いと同時に員数を確認する。ま
た、船積前機材照合検査における主要機材を含む全ての機材の員数については、
第三者機関により確認される。検査場所は横浜港とする。

各サイト向け再梱包(BMKG 機材のみ)
日本調達機材、現地調達機材、第三国調達機材は、ジャカルタにて、開梱、員
数検査を行うと共に、コンサルタント立会いのもと各サイト向けの再梱包を行う。

稼働試験、疎通試験(BMKG 機材のみ)
各サイトでの機材据付後、直ちに稼働試験、疎通試験を行う。特に、各観測サ
イトに設置する機材については、BMKG 本部に設置した既存地震情報システム、
および地震情報システム機材とのデータ伝送の確認を行う。試験は、可能な限り
コンサルタント立会いの下で実施する。なお、各サイトに設置する機材は、各サ
イトにおける機材据付に先立ち、仕様および員数の確認を行う。ただし、IT 震度
計については、この限りではない。

システム動作試験(BMKG 機材のみ)
全ての機材の据付完了後、BMKG 本部において、コンサルタント立会いのもと、
システムの動作試験を行う。試験実施後、調達業者は試験成績証明書を発行し、
コンサルタントはこれを確認する。

検収・引渡し(BMKG 機材のみ)
BMKG、コンサルタントおよび調達業者の立会いのもと、調達機材が技術仕様
内容と適合しているか検査を行い、検収結果の確認を BMKG、コンサルタント、
調達業者間で行った後、BMKG に引き渡す。

検収・引渡し(LIPI 機材のみ)
LIPI、BMKG コンサルタントおよび調達業者の立会いのもと、調達機材が技術
仕様内容と適合しているか検査を行い、検収結果の確認を LIPI、BMKG、コンサ
ルタント、調達業者間で行った後、BMKG に引き渡す。その後、BMKG より LIPI
に LIPI 分機材が引き渡される。
3-31
(2)
1)
品質管理計画(BMKG 機材のための建築工事)
基本方針
入札図書(案)の作成にあたっては、「イ」国の建設事情およびメンテナンスコストを考
慮した設計図を作成する。また、仕様書については、工事の高品質を確保するため、「イ」
国の建築法規(Indonesia Building Code)、同国構造基準(National Structural Code of Indonesia)、
同国地方行政例(Local Government Regulation: PERDA)、日本建築学会建築工事標準仕様書
(JASS)、および、材料の日本工業規格(JIS)、インドネシア工業規格(SNI)、米国材
料試験協会規格(ASTM)等に準じて作成する。
建築工事期間中においては、調達業者より提出される工事施工計画書(実施体制表を含む)、
工程表、施工図が契約書、仕様書に適合しているかを審査し承認を与える。
2)
品質検査
現場において、建設材料および施工の品質が仕様書に適合しているか、各種工事着手前に
調達業者より提出される施工計画書、材料サンプルを審査した上で承認を与える。また、各
種工事着手後は、施工計画書に基づき、適宜検査を実施し承認を与える。施工計画書に基づ
き、重点管理項目を定めて、チェックシートを用いるなどして適宜検査を行う。本プロジェ
クトにおいては、全てが現地調達可能な建設資材であるが、メーカー保証書の確認の他に、
適宜、抜き打ち検査等を実施し、品質を確保する。
なお、本プロジェクトの建築工事は、極めて小規模な機材基礎、新規観測所(シェルター)
およびフェンス工事に限定されるため、コンサルタント、調達業者とも、現地技術者による
管理を行う。

土工事
適切な掘削工事、掘削面の養生、埋戻し、転圧工事、コンクリート打設等を考
慮した工程計画を策定する。

鉄筋工事
調達業者より提出されるミルシートを確認すると共に、品質を確保するため、
適宜、抜き打ち検査による引っ張り試験等を行う。また、躯体配筋施工図(一部
鉄筋加工図を含む)を審査すると共に、継手、定着、本数、被り厚について、各
部位ごとに配筋検査を実施する。

コンクリート工事
本プロジェクトのサイトは「イ」国全土に渡り、各サイトのサイト条件は多岐
に渡る。したがって、基本的に現場練コンクリートとなる。コンクリート工事の
主な管理方法(管理項目、検査方法等)を以下に示す。下記に示す検査は、コン
サルタント立会いのもと、調達業者が実施するものとする。
3-32
(a) コンクリート材料
材料
管理項目
セメント
検査方法
水和熱など
溶解熱方法
粒度分布
ふるい分け
砂・砂利・砕石
絶乾比重
比重および吸水率試験
アルカリ反応性
アルカリ反応性試験
水
塩分・有機不純物など
水質試験
(b) 試験練り検査管理項目
材料
検査方法
躯体コンクリートの推定圧縮強度
圧縮試験機
スランプ
スランプコーン
コンクリート温度
温度計
空気量
圧力計
塩化物量
カンタブ
(c) コンクリート打設前検査管理項目
材料
検査方法
練り混ぜから打設終了までの時間
練り混ぜ完了時刻照合
スランプ
スランプコーン
コンクリート温度
温度計
空気量
圧力計
塩化物量
カンタブ
(d) 工程内検査の管理項目(コンクリート打ち上がり精度検査)
材料
躯体コンクリートの推定圧縮強度
圧縮試験機
仕上がり精度(建て入れ)
スケール
仕上がり精度(スラブ水平度)
レベル・スケール
仕上がり状態
目視
3-2-4-6
(1)
検査方法
資機材等調達計画
資機材の調達先
上述の通り、本プロジェクトで調達する機材は、本プロジェクトの趣旨を踏まえ、原則日
本タイドである。
ただし、地震観測機材・通信機材等のための基礎工事、新規観測所(シェルター)工事、
盗難防止用フェンス工事および電気設備工事等は現地調達とするほか、衛星通信設備につい
ては、「イ」国内の商用衛星通信業者のサービスを利用する計画であるため、現地の既存シ
ステム規格に適合する第三国製品(銘柄指定製品)を現地調達および第三国調達する。また、
3-33
既存観測システムとの接続のために必要不可欠な一部の機材およびソフトウェアについて
は第三国調達の銘柄指定製品を調達する。
以下に、本プロジェクトで調達する主要機材および建設資機材の調達先の一覧を示す。
表 3-12 対象資機材調達先一覧(BMKG)
調達先
資機材名
①
広帯域地震計
②
広帯域強震計
③
強震計(加速度計)
④
衛星通信
システム
日本
UPS /バッテリー
●
IT 震度計
●
土木資材
米国、英国、カナダ、
スイス
●
シンガポール
●
太陽光発電システム
⑧
●
●
モデム/パラボラ
⑥
地震情報
システム
第三国
●
⑤
⑦
現地
地震波形情報収集
サーバ
●
震度情報表示サーバ
●
PC
●
モニター
●
キャビネット
●
シェルター、フェンス
●
電気設備
●
表 3-13 対象機材調達先一覧(LIPI)
資機材名
調達先
日本
①
PS 検層機材
②
微動アレイ探査機材
●
地震計
●
③
(2)
1)
現地
第三国
●
強震計
デジタイザ・ソフト
(加速度計)
UPS /AVR
●
●
輸送計画
日本調達資機材
日本調達機材は、横浜にて船積み、「イ」国ジャカルタに位置するジャカルタ港にて陸揚
げする。横浜港からジャカルタ港までは、約 20 日間を要する。また、通関には最大 10 日程
度見込まれる。
BMKG 機材は通関後、全ての機材が開梱され、員数検査、および、システム動作確認の
後、各サイト用に梱包し直される。
3-34
本プロジェクトでは、複数種類の機材を、インドネシア全土に点在する 93 か所のサイト
に輸送しなくてはならないことから、据付の工程計画とリンクした効率的な輸送計画を立て
ることが肝要である。ジャカルタから各サイトへは、航空輸送、陸路輸送(トラック)を基
本とし、離島については、海上輸送(フェリー等)も使用する。
LIPI 機材は、通関後 BMKG を通じて LIPI に引き渡され、LIPI の責任によりバンドンに位
置する LIPI 本部に搬入される。
2)
第三国調達資機材(BMKG 機材のみ)
既存地震観測システムとの接続のための一部の機材・ソフトウェアおよび一部の衛星通信
機材については、既存システムと同社製の製品を導入することが不可欠であることから、第
三国調達の銘柄指定製品を調達する計画である。衛星通信機材については、シンガポールに
て船積みし、それ以外については、スイス、米国、カナダ、英国の何れかを調達地とする。
調達地の港にて船積みされたこれらの機材は、ジャカルタ港に荷揚げされ、通関後、日本調
達機材と同様に開梱され、員数検査、および、システム動作確認の後、各サイトへ搬送さ
れる。
3)
現地調達資機材
一部機材(通信設備機材・UPS・AVR 等電源機材)および一般建設資材(機材基礎、新
規観測所(シェルター)、盗難防止用フェンスのための建設資材、および電気設備資材)を
現地調達する予定である。
機材の現地調達分は、ジャカルタにて調達される。ジャカルタ市内の中央倉庫に仮搬入さ
れ、日本調達分と合わせて各サイト用に梱包し直し、各サイトへ搬送する。
一方、一般建設資材については、サイト近隣の都市での調達を基本とするが、建設資材が
ほとんど流通していない離島地域については、
周辺の比較的大きな島にある都市にて調達し、
カーフェリーおよび陸路輸送(トラック)にて輸送する計画とする。
3-2-4-7
(1)
初期操作指導・運用指導等計画
BMKG 機材
BMKG 機材のうち、IT 震度計を除く機材については、据付工事チームに帯同する技術者
により、各サイトにて簡易的な取扱説明を行うこととする。全サイトにおける機材の設置完
了後、BMKG 本部職員を対象にして、ジャカルタ(またはジャカルタ近郊)の観測所およ
び BMKG 本部にて導入した地震観測システムと、地震情報システムに関する 3 日間程度の
初期操作指導を実施する計画とする。なお、各サイトでの取扱説明、ジャカルタでの初期操
作指導は、一連の機材の据付工事と併せて実施する。また、PC クラスタの調整・試運転に
ついても同様に、一連の機材の据付工事と併せて実施する。
3-35
(2)
LIPI 機材
機材の引渡に先立ち、メーカーの日本人技術者により本調達機材にかかる初期操作指導を
行う。初期操作指導の実施場所は、PS 検層機材および微動アレイ探査機材に関しては、LIPI
本部敷地内または周辺にて初期操作指導を行う。強震計にかかる初期操作指導は日本側で機
材設置を行うバンドン近郊の地震計サイトにて行う。
3-2-4-8
ソフトコンポーネント計画
BMKG は、本プロジェクトで整備予定の機材やシステムに類似する地震計測機材やシス
テム等を運用しており、維持管理体制も十分確立されている。また財政面についても特に問
題は無く、本プロジェクトにより整備される機材の運用・維持管理能力を十分有していると
判断できる。
他方、LIPI は、本プロジェクトで調達する機材のうち特に PS 検層機材および微動アレイ
機材に関して、過去にこれらの機材を所有したことがない。両機材を取り扱う可能性が高い
LIPI の技術責任者が、初期操作指導に参加できるよう考慮して、実施スケジュールを決定
する必要がある。LIPI 職員の技術力や調査能力は高く、維持管理体制も十分に確立されて
いる。また、財政面についても特に問題はなく、本プロジェクトで整備する地震関連調査機
材を運用する能力を有している。
以上より、本プロジェクトで整備する機材に関するソフトコンポーネントは不要であると
判断する。
3-2-4-9
実施工程
本プロジェクトは、調達代理機関(JICS)により機材調達案件の一般競争入札方式にて実
施される。実施機関が 2 機関(BMKG、LIPI)にわたること、および調達機材の内容や発注
のための準備状況(サイト確認状況)によって必要工期が大きく異なることから、入札を 2
つのパッケージに分ける方針とする。
なお、本プロジェクトは、防災・減災を目的とした案件であり、可能な限り早期に調達を
実施し、「イ」国の防災・減災に寄与することが求められている。よって、発注条件となる
サイトの最終確認(最終計画図を敷地責任者に確認してもらいサインをもらう)を要する
BMKG 機材の調達を待たず、まず、LIPI 機材の調達を先行して実施する場合も考えられ、
工程計画は BMKG 機材と LIPI 機材で分けて作成した(表 3-14、表 3-15)。
工期の設定に当たっては、上記方針に基づき、経済性を損なわない範囲内で、効率的な工
期を設定した。
3-36
表 3-14 事業実施工程(BMKG)
月
入
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
(入札図書作成)
(入札図書承認)
(入札)
札
(入札評価、契約交渉)
(機材製作)
(工場検査、船積前検査)
調
(海上輸送)
達
(国内輸送)
(基礎工事等建設工事)
(据付・調整・初期操作指導、検収・引き渡し)
表 3-15 事業実施工程(LIPI)
月
入
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
(入札図書作成)
(入札図書承認)
札
調
達
(入札)
(入札評価、契約交渉)
(機材製作)
(工場検査、船積前検査)
(海上輸送)
(初期操作指導、検収・引き渡し)
BMKG 機材パッケージの事業実施期間は、入札関連業務約 6.5 か月、調達期間約 13.5 か
月、合計 20 か月であり、LIPI 機材パッケージは、入札関連業務約 4.5 か月、調達期間約 8.5
か月、合計 13 か月となる。
3-37
3-3
相手国側分担事業の概要
(1)
用地等取得(BMKG 機材)
1)
JISNET サイトにおける地震計設置場所の確保
当該観測所は、原則として BMKG の地方事務所に置かれている地震観測システムの入れ
替えであり、用地の取得に関しては大きな問題はないといえる。しかし既存システムでは広
帯域地震計 1 機材が運用されているのに対し、入れ替え時には広帯域強震計・強震計の 2
機材がさらに増えるため追加で場所の確保が必要である。
新たに用地を取得する必要は無い
が、BMKG 敷地内に観測所(シェルター)を新設するか、あるいは同敷地内の既存施設内
に新規機材設置のためのスペースを確保する(設置予定場所については巻末資料 3 施設設
置計画図参照)。
2)
新規観測所における用地の確保
新規観測所は地方政府事務所を中心とし、学校、民間地などが候補地であるため、用地の
使用許可を受ける必要がある。必要最低限の広さとして、室内であれば 2.5m×2.7m、屋外
であれば観測所(シェルター)建設のため 4m×4m 以上が必要であり、また屋外でセキュ
リティーが低い場合はさらに観測所(シェルター)の周囲をフェンスで囲う必要があり、用
地の確保が必要である。なお、太陽光発電システムを採用する場合は、シェルターの屋根上
にソーラーパネルを敷くこととしているため追加用地の確保は必要としない。
3)
IT 震度計の設置場所確保
IT 震度計については、地方自治体庁舎等に設置されることが想定されている。BMKG の
技術者は設置に関し十分な能力があると判断されるため、本プロジェクトでは、IT 震度計
の設置に関するサポートは行わない。BMKG が独自に設置箇所の選定を行い、各施設の管
理者から使用許可を取得して設置する。
4)
地震情報システムの設置場所確保
地震情報システムは、BMKG 本部施設内に設置されるため、新規用地の取得は不要であ
るが、施設内に機材設置のためのスペースを確保する必要がある(Ina-TEWS オペレーショ
ンセンタビル 2F および 3F を予定している)。
(2)
用地等取得(LIPI 機材)
PS 検層機材、微動アレイ探査機材は、いずれも可搬型機材であり、LIPI 本部施設内に機
材保管のためのスペースを確保する。
一方、強震計については、国立大学や、地方自治体の所有建屋内に設置されることが想定
されている。LIPI が設置箇所の選定を行い、各施設の管理者から必要なスペースの使用許
可を取得し、これを確保する。必要に応じて、LIPI は強震計設置のための土木工事を実施
する。その他、必要となる電源を確保する。
3-38
(3)
通関のための免税措置、通関手数料(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
本プロジェクトに必要な日本または第三国から輸入される資機材に関して、通関のための
日本側免税措置を講じ、通関手数料を負担する。また、迅速な通関手続きに対して必要な便
宜供与を行う。
(4)
免税措置(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
本プロジェクトの調達契約に基づく資機材の調達および業務遂行のために「イ」国に入国
する日本人に対する輸入税、国内税、その他の課徴金等の日本側免税措置を講じる。
(5)
日本人/第三国人の滞在許可(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
本プロジェクトに従事する日本人および第三国人が業務を遂行するために必要な「イ」国
への入国、滞在に必要な便宜供与を行う。
(6)
調達機材の運用維持管理(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
本プロジェクトで調達される機材を適切に維持管理し、かつ、有効に使用する。
プロジェクトの実施に係る無償資金協力以外の必要な支出。
無償資金協力で負担されない、必要な経費を負担する。
1)
IT 震度計の輸送、設置・調整(BMKG 機材)
BMKG 本部で引き渡される IT 震度計の各サイトへの運搬、設置・調整を行う。設置・調
整は、日本側から提供される設置基準および設置デモンストレーションに基づき実施する。
2)
必要な許認可取得手続き(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
本プロジェクトに係る全ての許認可手続きにかかる費用を負担し、遅滞なく手続きを完了
する。
3)
初期操作指導に参加する職員の旅費等(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
本プロジェクトで調達する機材のための初期操作指導は、
機材設置時に各サイトで簡単な
指導を行うほか、ジャカルタまたはバンドンで実施するため、各機材の配置先である各実施
機関の地方事務所所属職員が当該初期操作指導に参加する場合は、その旅費・日当・宿泊費
等を負担する。
4)
通信回線(BMKG 機材)
衛星回線の周波数帯を確保する。その後の運用を続けるために必要となる、衛星通信費用
を負担する。
3-39
5)
観測に係る電気代
電力の供給は BMKG の地方事務所内に位置する場合は事務所内のコンセントから直接電
源を取ることができるが、地方政府や民地などの場合、本観測所のため新規の電気契約が必
要である。この契約手数料およびその後の運営に係る月々の電気料金の支払いが必要である。
6)
IT 震度計の設置場所選定・用地確保・機材設置費など
IT 震度計の設置場所を選定し、用地使用の許可を受け、地震計の設置を行う業務は BMKG
が独自に行う必要がある。また、運営維持管理費として、電気代、インターネット使用費用
などが必要である。
(7)
銀行取極(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
日本国内の銀行に「イ」国名義の勘定を開設し、銀行取極に基づき、手数料の支払いにつ
いて責任を持って実行する。
(8)
環境社会配慮
本プロジェクトに関わる全ての環境社会配慮に必要な手続きおよび費用を負担する。
3-40
3-4
(1)
1)
プロジェクトの運営・維持管理計画
BMKG の運営・維持管理計画
運営体制
BMKG は特定の省庁に所属しない大統領直轄の組織であり、国レベルでの災害管理機関
として、気象、気候物理(地震、津波)に対して災害管理の観測とモニタリングを行う役割
を果たしている。本プロジェクトの担当部署は地球物理担当次長(Deputy for Geophysics,
Deputi Bidang Geofiska)の下に位置する地震津波部(Earthquake and Tsunami Department, Pusat
Gempa Bumi dan Tsunami)(計 73 人)および地震技術・ジオポテンシャル・刻字信号部
(Seismological Technique, Geophysical Potential and Time Signal Department, Pusat Seismologi
Teknik, Geofiska Potential dan Tanda Waktu)(計 18 人)である。
BMKG 職員には高度な専門知識が必要とされており、本プロジェクト担当部署職員の多
くは、自国又は日本を含む海外の大学で専門の教育を受けており、中には博士号取得者もい
る。つくば市にある建築研究所国際地震工学センター(IISEE)で 2 か月から 1 年間の研修
を受講した者も多い。各職員は地震・津波に関する科学的見識が深く、観測機材やデータ通
信システムに関する知識も豊富である。高い技術力を有する職員は、BMKG の本部だけで
はなく、地震観測所にも配置されており、業務を運営するために十分な体制が確立されて
いる。
2)
運営・維持管理計画
本プロジェクトにより導入された機材による観測データは、既存観測所の運用と同様、衛
星通信またはインターネットを介してリアルタイムに BMKG 本部へ伝送され、常時モニタ
リングが行われる。今回導入する機材には、広帯域強震計・強震計(震度演算機能付き)・
IT 震度計など BMKG としてこれまで取り扱った経験の少ない機材が導入されるが、データ
の収集システムについては従来通りであり、現在の運営体制、維持管理能力および維持管理
予算の中で十分に対応が可能である。
技術上のトラブル(周辺機材の故障、データ伝送上のトラブル等)が発生した場合には
BMKG 本部でこれを即座に把握することが可能である。BMKG は、毎年入札により業者を
選定し保守契約を締結しており、必要に応じて業者を現地に派遣し、トラブルに対応して
いる。
IT 震度計については、全国の地方自治体庁舎等に設置されることになる。BMKG が、独
自に機材設置を行い、その際に各施設の管理者に対して IT 震度計の管理方法に関するガイ
ダンスを実施する。また、当該機材は、インターネットを通じて BMKG 本部にリアルタイ
ムでデータ伝送が行われ、そのデータは、強震計の震度情報と合わせて BMKG 本部に設置
される震度表示サーバーに集積される。稼働状態については BMKG が常時モニタリングを
行うことになる。故障等の不具合が生じたときは、BMKG 本部から施設管理者に対して操
3-41
作・点検指示を行うほか、BMKG 本部または最も近い有人観測所から BMKG の職員を派遣
する。
取得した震度情報については、インドネシアの震度階との比較検討を行い、震度演算式の
更新を行い、震度計の情報精度の向上に努める。震度演算式のパラメータ更新に関しては、
BMKG 本部からインターネット経由で遠隔更新する方式を採用する。
3)
運営・維持管理費
JISNET 観測所の機材更新については従来からの運用の延長であり、これまで通りの運用
の継続が見込まれる。新規観測所への強震計の供与については、新設ではあるものの BMKG
が作成した中期戦略計画である RENSTRA に沿った内容であり、同計画で予定された既存
の運営体制、維持管理能力、維持管理予算強化計画の中で対応できるものと期待できる。
(2)
1)
LIPI の運営・維持管理計画
運営体制
本プロジェクトにおける LIPI 内の関係部局は、地球科学担当副長官(Deputy of Earth
Sciences)の管理下にある地球工学研究所(Research Center for Geotechnology)である。この
うち、地震、津波災害の管理に係る研究を担っている部署は、地質工学および地球環境保全
部門(Engineering Geology and Earth Coservation Division)と地球力学および地質ハザード部
門(Earth Dynamics and Geological Hazards Division)である(計 24 人)。このうち、過半数は
博士号を取得している。
LIPI 職員の地震・津波防災に係る専門的知見は高く、機材を有効に活用したいとの強い
意識も感じられる。こうした状況および現有機材の保管状況にかんがみて、本プロジェクト
で調達する機材の適切な維持管理は十分に実施可能である。
2)
運営・維持管理計画
本プロジェクトを通じて調達される機材のうち、PS 検層機材と微動アレイ探査機材につ
いては、バンドンに位置する LIPI 本部に保管され、必要に応じて調査地に持ち運ばれ使用
される。強震計に関しては、対象地区の公共施設などに配置され、LIPI が運用・維持管理
する。
PS 検層機材および微動アレイ探査機材を過去に所有した経験がないことから、LIPI に対
する初期動作指導は研修を通じて十分に行う必要がある。
維持管理に関わる職員が広く参加
できるよう、研修はジャカルタではなく、バンドンに位置する LIPI 本部で実施する。なお、
当該研修への参加に要する費用については、LIPI 側で負担することを確認している。
3)
運営・維持管理費
2007、2008、2012 年に運営維持管理費(特に機材維持管理費)が十分に確保できていな
かった点は留意すべきであるが、これは LIPI 外部の要因による。2007、2008 年については、
3-42
この間国家開発企画庁(BAPPENAS)主導のもと実施された大型のコミュニティ開発プロ
ジェクトに起因する。同開発おいて、LIPI は地震、津波災害管理に活動の中核を置くこと
とされており、それ以外の予算を確保することが困難であった。また、2012 年については、
「イ」国政府による予算削減措置の影響による。
上記 3 年以外の時期には十分な維持管理費が確保できている。本プロジェクト調達機材の
管理について、新たに人員を配置する必要はなく、そのための予算を確保する必要もない。
管理費の問題を含め、機材の運営・維持管理は支障なく実施可能であると考える。
3-43
3-5
プロジェクトの概略事業費
3-5-1
協力対象事業の概略事業費
本協力対象事業を実施する場合に必要となる事業費総額は、xxxx 円となり、先に述べた
日本と「イ」国との負担区分に基づく双方の経費内訳は、下記(3)に示す積算条件によれ
ば、次のとおりと見積られる。
(1)
日本側負担経費
概略総事業費
(調達業者の契約認証まで非公表)
表 3-16 概略事業費
費
概略事業費
(百万円)
目
機材費
BMKG
機材費
輸送梱包費
据付工事費等
調達管理費
一般管理費
機材費
LIPI
機材費
輸送梱包費
据付工事費
(調達業者の契約認証まで非公表)
調達管理費
一般管理費
調達代理機関費
設計監理費
BMKG
LIPI
BMKG
LIPI
計
(2)
1)
382 百万 IDR(約 3.34 百万円)
「イ」国側負担経費
BMKG
① 銀行取極めに係る手数料
151 百万 IDR(約 1.30 百万円)
② PLN(電力公社)との電気使用契約
商用電源を利用するサイトの内 BMKG のオフィス以外に観測所を作る場合、
BMKG は PLN と契約を結び電源の準備をしなければならない。消費電力量は 250W
程度であり、最小単位の契約 900W で十分である。地方政府がオフィスで敷いてい
る電気使用を許可してくれる可能性もあるが、現時点ではすべての商用電源利用サ
イトで BMKG が新規契約をするものとする。PLN との契約が必要なサイトは 67 か
所である。一か所の契約につき 1,000,000 IDR として、初期契約費用を計上する。
67 百万 IDR(約 0.58 百万円)
3-44
③ 衛星通信回線契約料
本プロジェクトで導入する 93 システムは全て衛星通信でデータを本部に伝送する。
ただし、通信回線は現行契約に対し、通信帯域の拡張で対応することから、初期契
約料等は不要である。
④ 据え付け工事・検査立ち会い費
本プロジェクトにおいて機材の据え付けが終わった状況において BMKG の立ち会
い検査を実施する。立ち会いは中央からではなく、全国に設置されている BMKG の
事務所から派遣されるものとし、交通費(車両消耗費と燃料代)と日当宿泊費を見
込む。1 か所平均 1,000,000 IDR とし、93 か所分を計上した。
93 百万 IDR(約 0.80 百万円)
⑤ IT 震度計の機材輸送・据付・調整費用
簡易機材であるため特別な据付・調整費用は発生しない。機材輸送については特
別な輸送を必要としないため通常の配達サービスにより各地の BMKG オフィスに送
られ、各所員が地域ごとに設置場所の選択・設置をする。設置場所の選定・および
据え付け作業については通常の業務の中で実施するものとし、送料のみを計上する。
IT 震度計は全国に設置することを想定し、JISNET サイトへの送料の平均値(175,000
IDR/site)として 200 か所分を計上した。
35 百万 IDR (約 0.30 百万円)
2)
LIPI
① 銀行取極めに係る手数料
12 百万 IDR (約 0.12 百万円)
② 国内輸送費
本プロジェクトで調達する機材は、全てジャカルタの保税倉庫で、BMKG を通じ
て LIPI に引き渡される。その後、バンドンに位置する LIPI 本部または機材の設置場
所まで陸路および航空輸送が必要となる。陸路については、LIPI 職員による自走と
して、LIPI の通常業務費に含まれるものとした。航空輸送については、機材の据え
付けを担当する LIPI 職員が持ち運ぶ計画とし、LIPI 職員の航空運賃として、バンド
ンから最も遠いバンダアチェまでの往復航空運賃を約 0.07 百万円、パダンまでを約
0.04 百万円、リワまでを約 0.03 百万円を計上した。
14.0 百万 IDR (約 0.14 百万円)
③ 据付工事費等
強震計を設置するためには、地上レベル以下に、厚さ約 50cm のコンクリート基礎
が必要である。コンクリート基礎工事と機材保護柵等の据付工事費を、1 か所あたり
約1百万 IDR として、10 か所分を計上した。
10.0 百万 IDR(約 0.1 百万円)
3-45
④ 初期操作指導に関わる費用(受講生の交通費、日当等)
初期捜査指導は、LIPI バンドン内で行うため、本案件による初期捜査指導に関わ
る費用(受講生の交通費、日当等)は発生しない。
(3)
1)
積算条件
BMKG
① 積算時点
: 平成 26 年 3 月
② 為替変換レート : 1US$ = 104.18 円、1IDR= 0.0086 円、
③ 施工・調達期間 : 入札、機材調達の期間は、施工工程に示した通り。
④ その他
: 積算は、日本国政府の無償資金協力の制度を踏まえて行うことと
する。
2)
LIPI
① 積算時点
: 平成 25 年 6 月
② 為替変換レート : 1US$ = 98.92 円、1IDR= 0.010 円、
③ 施工・調達期間 : 入札、機材調達の期間は、施工工程に示した通り。
④ その他
: 積算は、日本国政府の無償資金協力の制度を踏まえて行うことと
する。
3-5-2
運営・維持管理費
(1)
BMKG
本案件で調達する機材の運営維持管理費用は以下の通りである。

人件費
本プロジェクトの対象サイトは合計で 93 サイトあり、このうち 16 サイトは
BMKG の観測所や宿舎の敷地内あるいは非常に近接した場所に位置し、他の 77 サ
イトは地方政府の敷地を主として設置される。観測所は全て自動で観測データを
本部に転送するものであり、定期的な保守点検以外に運用のために必要な活動は
ない。したがって、設置した機材の確認は通常の業務の中で実施される。また、
BMKG 本部における業務は、現在実施している観測業務の一環として行われる。
よって、新規導入機材のために特に人員を追加する必要はなく、人件費の増加は
ない。

電力料金
本案件機材稼働のための電力料金は、商用電源を新規契約する観測所 67 か所に
ついて 1 契約当たり 200,000 IDR/月として見積もった。
160.8 百万 IDR/年(約 1.38 百万円/年)
3-46
BMKG 観測所に設置される施設の電源は、オフィス内から取る。使用電力はわ
ずかであり、料金としては、オフィス電気代に包含されるため、特に計上しない。
また、太陽光発電システムを採用する 9 サイトについても電力料金は発生しない。

衛星通信費
衛星通信回線の使用料が必要となる。衛星通信費用は、商用電源を利用した観
測所(84 観測所)と太陽光発電システムを利用した観測所(9 観測所)で異なる。
太陽光発電システムを利用するサイトでは、発電量の制限から省電力ルーターを
使用しているため、商用電源観測所と同等のデータ量を送るために広い周波数帯
の確保が必要であり、使用料が割高となっている。
現行 BMKG が負担する衛星通信費用から算定した衛星通信費用の単価(約 456
百万 IDR/1MHz/年)と、今回追加する機材に必要となる周波数帯域(商用電源
観測所:2.5MHz(84 サイト分)+太陽光発電観測所:0.8MHz(9 サイト分)+本
部からのメンテナンス用周波数帯域:0.5MHz=合計 3.8MHz)から、供与機材の運
用に必要となる通信コストを算定する。
約 1,732.8 百万 IDR/年 (約 14.9 百万円/年)
なお、IT 震度計についてはインターネットを通じでデータを転送する仕組みと
なっているが、設置される施設は未定であり、施設の設備状況が不明であるため、
ここでは計上しない。

消耗品費
本案件による追加の消耗品は発生しない。
(2)
LIPI
本プロジェクトで調達する機材の運営維持管理費用は以下の通りである。

人件費
地震観測用機材の設置サイトは合計で 10 サイトある。いずれにも観測用の常駐
職員は置かず、定期的に LIPI 職員が見て回りデータを収集する。また、PS 検層機
材および微動アレイ探査機材を活用しての調査業務は、LIPI が現在実施している、
調査・研究の一環として行われる。よって、新規導入機材のために特に人員を追
加する必要はなく、人件費の増加はない。また、データ収集のために必要となる
交通費等は、LIPI の通常業務費に含まれる。

電力料金・土地および施設利用料金
10 か所に配置する強震計用に電力が必要になる。ただし、強震計を稼働させる
ために必要な電力量はおおよそ 10 から 20Wh であると考えられるため、電気料金
への影響は少ない。また、LIPI は、強震計を設置する予定である大学や地方機関
3-47
と、電力および設置場所に関する使用料は発生しないとの合意を結んでいる。し
たがって、電力、土地および施設利用料金は発生しない

消耗品費
本案件による追加の消耗品は発生しない。
3-48
4.
プロジェクトの評価
4.
プロジェクトの評価
4-1
事業実施のための前提条件
事業実施のための前提となる事項は以下の通りである。

用地取得(BMKG 機材)
各機材を設置するために必要な用地またはスペースの確保(土地の取得または
使用許可の取得)が遅滞なく完了される。

日本側免税措置(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
本協力対象事業に従事する日本企業が、調達期間中にプロジェクト実施のため
の機材を日本および第三国から輸入により調達する場合に課せられる関税等、あ
るいは、「イ」国国内で調達する場合に課せられる消費税等の国内税等について、
各実施機関が遅滞なく負担し、日本側免税措置が確実に適用される。

便宜供与(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
本協力対象事業に必要な日本および第三国から輸入される機材に関して、迅速
な陸揚げ、通関および内陸輸送手続きに対して、必要な便宜供与が提供される。
また、本協力対象事業に従事する日本人および第三国人が業務を遂行するために
不可欠である「イ」国への入国、滞在に必要な便宜供与が提供される。

運営・維持管理費予算の確保(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
調達される機材が適切に維持管理され、有効に使用されるための運営・維持管
理費が確保される。

プロジェクトの実施に係る無償資金協力以外の必要な支出の負担
無償資金協力で負担されない必要な経費を負担し、以下の項目が遅滞なく実施
される。

PS 検層機材および微動アレイ探査機材の輸送(LIPI 機材)

強震計の輸送・設置・調整(LIPI 機材)

IT 震度計の輸送・設置・調整(BMKG 機材)

必要な許認可取得手続き(BMKG 機材、LIPI 機材共通)

初期操作指導に参加する職員の旅費等(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
4-1
4-2
プロジェクト全体計画達成のために必要な相手方投入(負担)事項
プロジェクトの効果を発現・持続するために必要な「イ」国の投入(負担)事項は以下の
とおりである。

機材運用のための電気使用契約の締結(BMKG 機材)
商用電源を利用するサイトのうち、BMKG のオフィス以外に観測所を作る場合
において、BMKG と PLN(電力公社)との間で、電気使用契約を締結する。

データ伝送のための通信費の確保(BMKG 機材)
本プロジェクトで調達される地震観測機材で計測されたデータの伝送にかかる
衛星通信、インターネット等の通信費を確保する。

地震観測機材の維持管理体制の構築(BMKG 機材)
既設の BMKG 地震観測所の運用・維持管理において既に確立している管理体制
と同様の維持管理体制を構築する。また、衛星通信等によりリアルタイム観測を
行うため、BMKG 本部にて常時モニタリングを行う体制とする。

地震観測機材等の維持管理体制の構築(LIPI 機材)
LIPI がこれまで現有検査機材および地震観測機材の運用・維持管理において既
に確立している管理体制と同様の維持管理体制を構築する。特に物理探査機材は、
持ち運び式であるため、機材の特性に応じた運搬方法および LIPI 本部での機材保
管管理体制を確立する。

引渡し後の運営維持管理(BMKG 機材、LIPI 機材共通)
本プロジェクトで調達される機材が、適正かつ効果的な運営および維持管理が
なされる。
4-3
外部条件
プロジェクトの効果を発現・持続するための外部条件は以下のとおりである。

「イ」国の防災セクターに関する政策が変更されない。

テロ等の突発事態が発生しない。
4-4
4-4-1
プロジェクトの評価
妥当性
(1) 防災・減災への貢献
「イ」国は、東南アジアにおいて自然災害が最も多い国の一つであり、地震と火山噴火お
よび太平洋沿岸の大地震による大津波の来襲等の災害に度々見舞われてきた。また、2004
年のスマトラ沖地震による被害は甚大である。本プロジェクトは、機材の調達、システムの
4-2
構築を通じて、
「イ」国における地震災害管理能力の向上と管理体制の強化に資するもので、
「イ」国の防災・減災に貢献する。
本プロジェクトのうち、BMKG に対する協力は、防災能力の向上に努めている BMKG が
中期的戦略計画(RENSTRA)の中で掲げている「イ」国全土に 500 か所の強震計を設置す
るという計画の早期実現に資する。また、BMKG の地震観測網が強化されることにより、
精度の高いリアルタイムの地震情報の収集を可能とし、BMKG の震源解析(震源地の確定、
マグニチュード算出)および全国的な震度マッピングの精度の向上を図るものである。地震
観測ネットワークは広帯域地震計、広帯域強震計、強震計、IT 震度計の設置・更新からな
り、これらを既存の Ina-TEWS と協調させることで、さらなるリアルタイム観測網の強化、
データの収集、分析精度の向上につなげることができる。本プロジェクトで整備する観測機
材から得られるデータにより、人口集中箇所および地震発生の高い場所の観測密度が向上し、
「イ」国全土の防災・減災能力の向上に直接的な裨益を生むだけでなく、将来的に開発が期
待される緊急地震速報システムの基礎として不可欠なデータの収集・蓄積にも貢献する。
また、LIPI に対する協力は、LIPI が実施する地盤に関する科学的調査や研究に資するも
ので、地盤強度の推定や地盤特性の把握、地震波や地震波形の取得、地震特性等の把握を可
能にする。地震の被害想定や副次的被害、地震に対する脆弱性等に関する研究を担う機関へ
の協力として妥当である。
(2) 「イ」国の上位計画に資するプロジェクト
「イ」国では、災害管理・対策の基本法として、「Law of the Republic of Indonesia Number
24 of 2007 Concerning Disaster Management」(以下、防災法)があり、これを中心に多数の
災害対策関連法令が制定されている。その 1 つに、「National Disaster Management Plan
(2010-14)」(以下、国家防災計画)がある。同計画の一部は、「Mid―term National Diasater
Management Plan (RP JMN)」に反映されており、本プロジェクトは、RP JMN の優先整備分
野の一つである、
「自然災害管理」に、地震観測、分析の面から貢献するものである。また、
本プロジェクトの実施機関である BMKG と LIPI は、「イ」国の防災法に基づく国レベルの
災害管理機関であり、本プロジェクトは、
「イ」国の防災計画の実施に貢献するものであり、
これら上位計画の枠組みに合致している。
(3) 我が国の防災分野における技術・東日本大震災で得られた教訓の活用
我が国は、1960 年代から 50 年以上に渡って「イ」国の防災分野における協力を実施して
きており、同分野における技術、ノウハウ、幅広いネットワークを有している。その中で、
地震災害管理、復興に係る支援も実施している。本プロジェクトは、「イ」国に対する一連
の防災分野の協力に位置づけられ、我が国の強みであるこれら技術、ノウハウやネットワー
クを十分に生かせる。
特に防災分野における技術については、東日本大震災で得られた教訓をもとに新たな技術
の開発・改良が進められており、日本国内においても、これらの各観測機材や災害対策機材
の導入・整備が図られている。その代表的な例が、巨大地震に対応できる日本製広帯域強震
4-3
計の導入である。「イ」国は、日本列島と同様、スマトラ・ジャワの島弧に沿って海溝が横
たわり、巨大地震が多発する地域となっていることから、同機材導入の意義は大きく、十分
な成果が期待できる。
(4) 我が国および周辺国との防災情報の共有
観測された各種地震・津波観測データは、
「イ」国のみならず、下記の外部機関に対しデー
タ伝送されており、本プロジェクトにより整備される機材によって得られるデータも日本を
含めた周辺国の地震・津波観測や予警報の精度向上に寄与することが期待されている。

GEOFON:公的研究機関である GFZ(ドイツ地球科学研究センター)地震モニタ
リングの世界規模のネットワーク。

独立行政法人防災科学研究所(防災科研:NIED)
:無人地震観測所のうち、SATREPS
で設置した広帯域地震計と強震計を有する 15 か所のデータをインターネット経由
で日本へ転送。防災科研が開発した震源解析システム(SWIFT)を日本、インド
ネシア双方で稼働させ、震源メカニズムの解析や、震度判定・津波予測を行って
いる。

その他
包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)、東京大学地震研究所、独立行政法人海
洋研究開発機構(JAMSTEC)」など。
以上の内容により本プロジェクトの妥当性は高いものと判断される。
4-4-2
有効性
本協力対象事業の実施により期待される成果は以下のとおりであり、
本プロジェクトの有
効性が見込まれる。
(1)
定量的効果

地震情報システムの拡充
15 か所の JISNET サイトおよび 5 か所の BMKG 既存サイトへの広帯域強震計、
広帯域地震計、強震計の設置、73 か所の新規観測所への強震計の設置により、地
震情報システムが拡充され、揺れの強さの観測、震源地の特定、マグニチュード
計算が迅速に行われる。また、本プロジェクトで設置する 93 か所の強震計と、本
プロジェクトにて供与する 200 台の IT 震度計により、計測震度ネットワークを構
築する。
4-4
表 4-1
定量的効果
指標名
基準値(2014 年)
目標値(2019 年)
5分
3分
津波警報発令までの時間
5分
3分
震度図の作成(シェークマップから作成)※1
7分
5分
等震度線図の公表
60 分
30 分
地震観測データの収集率
70%
90%
巨大地震の震源確定時間
※2
※1:BNPB を通して発表される。
※2:BMKG のウェブサイトにアップロードされる。
(2)
定性的効果

「イ」国の地震情報システムの強化、震度観測ネットワークの構築が図られ、観
測の精度と分析精度が向上する。

震度確定のための震度情報が、強震計および IT 震度計から直接 BMKG 本部に伝送
されることにより、早期段階でおおよその被害想定が可能となる。

計測データが収集・蓄積され、震源・マグニチュード演算の精度が向上する。

上記の情報、データを BNPB 等の防災関連機関と共有することにより、初動対応
の迅速化および被害状況を踏まえた効果的な災害応急・復旧対策等、対応能力の
向上に寄与できる。

本プロジェクトの実施は「イ」国全土の防災・減災能力の向上に直接的な裨益を
生むだけでなく、将来的に導入が期待される緊急地震速報システムの検討・分析
対象となるデータの収集・蓄積が行われる。
4-5
巻 末 資 料
巻末資料 1
調査団員・氏名
巻末資料1 調査団員・氏名
調査団員名簿(第一次現地調査)
官団員
宮坂 実
団 長
独立行政法人国際協力機構
地球環境部
長谷川 庄司
計画管理/防災・災害復興支援無償
独立行政法人国際協力機構
地球環境部 水資源・防災グループ
工藤 俊一
無償資金協力/調達代理
一般財団法人日本国際協力システム
コンサルタント
川崎
正三
業務主任/運営・維持管理計画
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
高橋
道夫
地震・津波予警報システム/
情報システム計画
パシフィックコンサルタンツ株式会社
川城
研吾
地震・津波観測機器/据付計画
パシフィックコンサルタンツ株式会社
本間
浩徳
調達計画/積算
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
山内
寛人
業務調整(自社負担)
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
上村
雄介
業務調整(自社負担)
パシフィックコンサルタンツ株式会社
調査団員名簿(現地事前説明)
コンサルタント
川崎
正三
業務主任/運営・維持管理計画
寄立
徹
副業務主任/運営・維持管理計画(2) 株式会社オリエンタルコンサルタンツ
資料1-1
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
調査団員名簿(第二次現地調査)
官団員
中曽根 士郎
総 括
独立行政法人国際協力機構
地球環境部
勝間田 幸太
計画管理/防災・災害復興支援無償
独立行政法人国際協力機構
地球環境部 水資源・防災グループ
川崎 正三
業務主任/運営・維持管理計画
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
寄立
副業務主任/運営・維持管理計画(2) 株式会社オリエンタルコンサルタンツ
コンサルタント
徹
高橋 道夫
地震・津波予警報システム/
情報システム計画
パシフィックコンサルタンツ株式会社
川城 研吾
地震・津波観測機器/据付計画
パシフィックコンサルタンツ株式会社
佐野 哲也
調達計画/積算
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
中村 守
施工計画/積算(1)
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
乙黒 佳子
施工計画/積算(2)
サイト調査
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
木全 邦雄
施工計画/積算(3)
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
荒木 元世
サイト調査(2)
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
調査団員名簿(DOD事前説明)
官団員
勝間田 幸太
計画管理/防災・災害復興支援無償
独立行政法人国際協力機構
地球環境部 水資源・防災グループ
川崎 正三
業務主任/運営・維持管理計画
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
寄立
副業務主任/運営・維持管理計画(2) 株式会社オリエンタルコンサルタンツ
コンサルタント
徹
川城 研吾
地震・津波観測機器/据付計画
パシフィックコンサルタンツ株式会社
乙黒 佳子
施工計画/積算(2)(自社負担)
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
資料1-2
調査団員名簿(DOD説明)
官団員
菊入 香以
総 括
独立行政法人国際協力機構
地球環境部 水資源・防災グループ
川崎 正三
業務主任/運営・維持管理計画
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
寄立
副業務主任/運営・維持管理計画(2) 株式会社オリエンタルコンサルタンツ
コンサルタント
徹
川城 研吾
地震・津波観測機器/据付計画
パシフィックコンサルタンツ株式会社
乙黒 佳子
施工計画/積算(2)(自社負担)
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
資料1-3
巻末資料 2
調査工程
巻末資料2 調査工程
広域防災システム整備計画準備調査(インドネシア) 第1次現地調査スケジュール
通
算
月日
(2012年)
官団員(計画管理/防
官団員(無償資金協
災・災害復興支援無
力/ 調達代理)
償)
官団員(団長)
宮坂 実
長谷川 庄司
イスタンブールジャカルタ(TK066
00:40-18:20)
工藤 俊一
業務主任
/運営・維持管理計
画
地震・津波予警報
システム/情報通信
システム計画
地震・津波観測機器
/据付計画
調達計画/積算
業務調整
(自社負担)
技術業務サポート
(自社負担)
川崎 正三
高橋 道夫
川城 研吾
本間 浩徳
山内 寛人
上村 雄介
0
6月30日 土
1
7月1日
日
2
7月2日
月
大使館表敬、JICA事務所表敬、
実施機関表敬・関係機関全体協議(国家開発企画庁/BAPPENAS、気象気候地球物理庁/BMKG、科学院/LIPI)
3
7月3日
火
BMKGとの個別協議
4
7月4日
水
成田-ジャカルタ
(JAL725 10:5016:35)
成田-ジャカルタ (JAL725 10:50-16:35)
現地調査の準備
NIED井上氏との個別協議
LIPIとの個別協議
LIPIとの個別協議
MD協議(BMKG、LIPI)
5
7月5日
木
6
7月6日
金
7
7月7日
土
8
7月8日
日
9
7月9日
月
BMKG担当者との個別協議、機材計画調査・検討
BMKG担当者との個別協議、調達事情
調査
10
7月10日 火
BMKG担当者との個別協議、機材計画調査・検討
BMKG担当者との個別協議、調達事情
調査
11
7月11日 水
BMKG担当者との個別協議、機材計画調査・検討
BMKG担当者との個別協議、調達事情
調査
12
7月12日 木
BMKG担当者との個別協議、機材計画調査・検討
BMKG担当者との個別協議、調達事情
調査
13
7月13日 金
BMKG担当者との個別協議、機材計画調査・検討
BMKG担当者との個別協議、調達事情
調査
14
7月14日 土
15
7月15日 日
16
7月16日 月
17
7月17日 火
18
7月18日 水
19
7月19日 木
運営・維持管理計
画調査
20
7月20日 金
運営・維持管理計
画調査
21
7月21日 土
22
7月22日 日
23
7月23日 月
24
7月24日 火
25
7月25日 水
26
7月26日 木
27
7月27日 金
財務省との協議
MD協議、MD署名、大使館報告、JICA事務所報告
MD協議、MD署名
ジャカルタ(JAL726 21:55-)
資料収集・整理
-成田 (-07:25)
資料収集・整理
成田-ジャカルタ
(JAL725 10:5016:35)
資料収集・整理
資料収集・整理
BMKG担当者との個別協議、機材計画調査・検討
LIPI用Technical
Notes(案)の作成
BMKG担当者との個別協議、
機材計画調査・検討
BMKG担当者との個
BMKG担当者との個別協議、調達事情
別協議、機材計画調
調査
査・検討
BMKG担当者との個
BMKG担当者との
バンドンでの協議、
別協議、機材計画調
個別協議、調達事
現地踏査の準備
査・検討
情調査
バンドンでの現地調査(BMKG(Lembang)観測所の現況確認、及びLIPI 本部とのTechnical Notes協議・署名)
BMKG担当者との 機材計画調査・検討
個別協議、機材計
画調査・検討
機材計画調査
調達事情調査
機材計画調査・検討
バンダ アチェでの現地調査準備
機材計画調査・検討
調達事情調査
機材計画調査・検討
バンダ アチェでの現地調査準備
ジャカルタ-バンダ アチェ(GA142/6:45-10:40)
資料整理
バンダ アチェでの現地調査(BMKG観測所の現況確認等)
バンダ アチェでの現地調査(早期警報発令・指令施設の確認等)
資料整理
バンダ アチェ-ジャカルタ(GA147/16:55-21:00)
ローカルコンとの施 BMKG担当者との BMKG担当者との個
工・調達単価見積 個別協議、調達事 別協議、機材計画調
BMKG担当者との個別協議、機材計画調査・検討
情調査
査・検討
協議
BMKG担当者との個
BMKG用Technical BMKG担当者との個別協議、機材計画調 BMKG担当者との個別協議、調達事情
別協議、機材計画調
査・検討
調査
Notes(案)の作成
査・検討
ローカルコンとの施 BMKG担当者との BMKG担当者との個
BMKG用Technical BMKG担当者との個別協議、機材計画調
工・調達単価見積 個別協議、調達事 別協議、機材計画調
査・検討
Notes(案)の作成
査・検討
協議
情調査
BMKG用Technical Notes(案)の作成
BMKGとのTechnical Notes協議・署名
JICAイ国事務所報告
帰国報告会準備(現地調査結果概要作成)
収集資料の整理
28
7月28日 土
29
7月29日 日
ジャカルタ (JAL726 21:55-)
収集資料の整理
ジャカルタ (JAL726
21:55-)
-成田 (-07:25)
収集資料の整理
-成田 (-07:25)
資料2-1
広域防災システム整備計画準備調査(インドネシア) 現地事前説明
業務主任/運営・維持管理計画
副業務主任/運営・維持管理計画
(2)
寄立 徹
OC
通
算
月日
(2013)
1
6月30日 日
2
7月1日
月
JICAジャカルタ事務所表敬
実施機関(BMKG)と協議
4
7月2日
火
実施機関(BMKG)との協議
ジャカルタ⇒バンドン(移動)
6
7月3日
水
実施機関(LIPI)と協議
7
7月4日
木
バンドン⇒ジャカルタ(移動)
実施機関(BMKG・LIPI)と協議
8
7月5日
金
川崎 正三
OC
成田-ジャカルタ
資料整理
ジャカルタ発
資料2-2
広域防災システム整備計画準備調査(インドネシア) 第二次現地調査
通
算
1
総括
月日
(2013)
中曽根 士郎
JICA
計画管理/
地震・津波予警報
業務主任/運営・ 副業務主任/運営・ 地震・津波観測機
防災・災害復興無
システム/情報通
維持管理計画
維持管理計画(2)
器/据付計画
償
信システム計画
勝間田 幸太
川崎 正三
寄立 徹
川城 研吾
高橋 道夫
JICA
OC
OC
PCKK
PCKK
調達計画/積算
佐野 哲也
OC
施工計画/積算(1) 施工計画/積算(3)
中村 守
OC
木全 邦雄
OC
成田-ジャカルタ
7月21日 日
施工計画/積算(2)
/サイト調査
サイト調査(2)
乙黒 佳子
OC
荒木 元世
OC
成田-ジャカルタ
団内会議
団内会議
2
7月22日 月
BMKG・LIPIとの協議
BMKG・LIPIとの協
議
3
7月23日 火
BMKG・LIPIとの協議
BMKG・LIPIとの協
議
4
7月24日 水
M/D署名
BMKGとの協議
M/D署名
BMKGとの協議
5
7月25日 木
6
7月26日 金
大使館報告、JICA事務所報告
BMKG協議
ジャカルタ発
BMKGとの協議
成田
BMKGとの協議
BMKGとの協議
現地調査
成田-ジャカルタ
7
7月27日 土
8
7月28日 日
資料整理
団内会議
資料整理
9
7月29日 月
BMKGとの協議
施工計画・積算調
査
10
7月30日 火
BMKGとの協議
施工計画・積算調
査
11
7月31日 水
BMKGとの協議
施工計画・積算調
査
12
8月1日
木
BMKGとの協議
資料整理
13
8月2日
金
14
8月3日
土
15
8月4日
日
16
8月5日
月
|
|
22
|
34
|
団内会議
団内会議
団内会議
ジャカルタ
BMKG協議
Jakarta
成田
団内協議
Narita
資料整理
資料整理
ジャカルタ
BMKG協議
BMKG協議
ジャカルタ
BMKG協議
成田
成田
現地調査
8月11日 日
|
BMKG協議
再委託準備
8月23日 金
|
成田-ジャカルタ
成田-ジャカルタ
団内会議
団内会議
再委託準備
サイト調査
調達計画調査
サイト調査
再委託入札
サイト調査
調達計画調査
サイト調査
8月30日 金
サイト調査
調達計画調査
サイト調査
42
8月31日 土
サイト調査
資料整理
サイト調査
サイト調査
資料整理
サイト調査
|
48
9月6日
金
49
9月7日
土
|
|
63
|
9月21日 土
|
70
9月28日 土
71
9月29日 日
|
団内会議
施工計画調査
サイト調査
再委託入札
サイト調査再委託入札
41
|
成田-ジャカルタ
BMKG協議
サイト調査
ジャカルタ
サイト調査
成田
ジャカルタ
成田
サイト調査
サイト調査
サイト調査
サイト調査
サイト調査
サイト調査
BMKG協議
ジャカルタ
サイト調査
施工計画調査
サイト調査
サイト調査
サイト調査
施工計画調査
成田
成田-ジャカルタ
団内会議
サイト調査
サイト調査
サイト調査
|
サイト調査
サイト調査
82 10月10日 木
サイト調査
サイト調査
|
|
サイト調査
サイト調査
98 10月26日 土
サイト調査
サイト調査
99 10月27日 日
サイト調査
サイト調査
|
|
サイト調査
サイト調査
114 11月11日 月
サイト調査
115 11月12日 火
サイト調査
|
サイト調査
|
121 11月18日 月
122 11月19日 火
団内会議
再委託成果品管理
再委託成果品管理
ジャカルタ
成田
サイト調査
ジャカルタ
成田
サイト調査
ジャカルタ
成田
成田-ジャカルタ
123 12月4日 水
|
成田-ジャカルタ
再委託成果品管理
|
再委託成果品管理
再委託成果品管理
132 12月13日 金
ジャカルタ
133 12月14日 土
成田
資料2-3
広域防災システム整備計画準備調査(インドネシア) 事前DOD説明
通
算
計画管理/
防災・災害復興無償
勝間田 幸太
JICA
月日
(2013)
1
3月2日
日
2
3月3日
月
3
3月4日
火
4
3月5日
水
5
3月6日
木
6
3月7日
金
7
3月8日
土
8
3月9日
日
業務主任/運営・維持 副業務主任/運営・維 地震・津波観測機器/
管理計画
持管理計画(2)
据付計画
川崎 正三
寄立 徹
川城 研吾
OC
OC
PCKK
成田-ジャカルタ
施工計画/積算(2)
乙黒 佳子
OC
団内会議
実施機関(BMKG)との協議
成田-ジャカルタ
実施機関(BMKG)との協議/団内打ち合わせ
団内会議
実施機関(BMKG)との協議、T/N署名
実施機関(BMKG)との協議
実施機関(BMKG)との
ジャカルタ
協議
サイト調査
実施機関(BMKG)のと協議
実施機関(BMKG)のと
協議
サイト調査
実施機関(BMKG)のと協議
成田
資料整理
ジャカルタ発
成田
広域防災システム整備計画準備調査(インドネシア) DOD説明
総括
通
算
月日
(2013)
1
5月24日 土
2
5月25日 日
3
5月26日 月
4
5月27日 火
5
5月28日 水
6
5月29日 木
7
5月30日 金
8
5月31日 土
9
6月1日
業務主任/運営・維持 副業務主任/運営・維 地震・津波観測機器/
管理計画
持管理計画(2)
据付計画
施工計画/積算(2)
菊入香以
川崎 正三
寄立 徹
川城 研吾
乙黒 佳子
JICA
OC
OC
PCKK
OC
成田-ジャカルタ
団内会議
団内会議・実施機関(BMKG)との協議
成田
ジャカルタ
日本大使館表敬
実施機関(BMKG)との協議
実施機関(BMKG)との協議
実施機関(BMKG)との協議
実施機関(BMKG)との協議
ジャカルタ
実施機関(BMKG)との協議・M/D署名
実施機関(BMKG)との協議
実施機関(BMKG)のと協議
成田
JICA表敬
実施機関(BMKG)のと協議
資料整理
ジャカルタ発
成田
日
資料2-4
巻末資料 3
関係者(面会者)リスト
巻末資料3 関係者(面会者)リスト
1. 在インドネシア日本大使館
古本 一司
: 一等書記官
2. JICAインドネシア事務所
多田 知幸
: 次長
Ms. Dinur Krismasari
: Senior Representative
片山 英城
: 企画調査員
3. 国家開発企画庁(BAPPENAS)
Mr. Firdo Favzan
: Planner
4. 気象気候地球物理庁(BMKG)
Dr. Prih Harjadi
: Deputy Director-General of Geophysics (Former)
Dr. Masturyono M. Sc.
: Deputy Director-General of Geophysics
Mr. Suhardjono
: Director of Earthquake and Tsunami Center (Former)
Mr. Mochammad Riyadi
: Director of Earthquake and Tsunami Center
Dr. Jaya Murjaya
: Director of Engineering Seismology, Potential Geophysics and
Time Signal Center
Mr. Budi Waluyo
: Director of Engineering Seismology, Potential Geophysics and
Time Signal Center Time Signal (Former)
Mr. Edward Trihadi
: Director of Networking Communication Center
Mr. JC Bambang K
: Head of Earth Magnetism and Air Electricity Sub Division
Dr. Wandono
: Head of Earthquake Information and Tsunami Warning
Division
Mr. Taufik Gunawan
: Head of Earthquake Information and Tsunami Warning
Operational Management Division
Mr. I Nyoman Sukanta
: Head of Earthquake and Tsunami Mitigation Division
Dr. Sugeng Pribadi
: Staff, Earthquake and Tsunami Information Division
Mr, Fadly Yusuf
: Staff, Earthquake and Tsunami Information Division
Mr. Rinto Madijono
: Head of Engineering Seismology Division
Mr. Bambang S. Prayitno
: Head of Engineering Seismology Division (Former)
Mr, Bambang Sulistyo
: Staff, Engineering Seismology Operational Management Sub
Division
Mr, Budiarta
: Head of Engineering Seismology Operational Management Sub
Division (Former)
Mr. Karyono
: Head of Earthquake Operational Management Sub Division
Mr. Muchlis
: Staff, Engineering Seismology Sub Division (Former)
資料3-1
Mr. Sigit Pramono
: Head of Engineering Seismology Information Sub Division
Dr. Muzli
: Staff, Engineering Seismology Information Sub Division
Ms. Isabella Nindya.
: Staff, Engineering Seismology Information Sub Division
Mr. Rahmat Triyono
: Head of Engineering Seismology and Potential Geophysics
Operational Management Division
Ms. Istiyanati
: Head of Engineering Seismology Operational Management Sub
Division
Mr. Rakhindro Pandhu
: Head of Engineering Seismology Data Sub Division
Ms. Nur Hidayati Oktavia
: Staff, Engineering Seismology Data Sub Division
Ms. Istofiyah
: Staff, Engineering Seismology Data Sub Division
Mr. Edy Santoso
: Staff, Engineering Seismology Data Sub Division
Mr. Wijayanto
: Head of Earthquake Mitigation Sub Division
Mr. Urip Setiyono
: Staff, Earthquake Mitigation Sub Division
Dr. Iman Suardi
: Staff, Earthquake Information Sub Division
Mr. Hanif Andi
: Head of Network & Internet Infrastructure Division
Mr. Arief Karyadi P
: Staff, Infrastructure of Network Sub Division
Mr. Faisal Adnan
: Staff, Program & Planning Division
Mr. Eka Edi Susanta
: Staff, Program & Planning Division
Mr. Jumadi
: Head of Bandung observation Station in Bandung (Former)
Mr. Syachnan
: Head of Banda Aceh Observation Station in Aceh (Former)
Mr. Muhaimin Albaar
: Administrative Staff, Banda Aceh Observation Station
Mr. Satrio Happrobo
: Observation Staff, Banda Aceh Observation Station
Mr. Abdi Jihad
: Observation Staff, Banda Aceh Observation Station
Ms. Weniza
: Head of Tsunami Mitigation Sub Division
Mr, Sujabar
: Head of Tsunami Operational Management Sub Division
Mr, Anton Sugihart
: Staff, Operational Tsunami Development Sub Division
Mr. Yohanes Tasar
: Head of Instrumentation, Engineering and Calibration
Geophysical Equipment Division
Mr. Ahmad Kadarisman
: Head of Instrumentation and Geophysical Calibration Sub
Division
Mr. Dibyo Susanto
: Head of Instrumental Calibration Sub Division at Regional II
Mr. Mahmud Yusuf
: Staff, Geophysical Instrumentation Sub Division
Mr. FachriZal
: Head of Geophysics Research and Development Division
Mr. Yudha Mardyansyah
: Staff, Engineer
Mr. Hamdani
: Head of Network Communication Sub Division
Mr. Aripin
: Staff, Geomagnetic
資料3-2
5. 科学院(LIPI)
Dr. Akmadi ABBAS
: Head of Bureau
Mr. Iskandar ZULKARNAIN : Deputy Chairman for Earth Science
Dr. Haryadi PERMANA
: Director, Research Center for Geotechnology
Dr. Adrin TOHARI
: Senior Engineer/Head, Engineering Geology Division
Ms. Diffi FORTUNA.H.
: Head. Planning Sub Division
6. 国家防災庁(BNPB)
Dr. Akmadi ABBAS
: Head of Bureau
7. 「イ」国財務省
Mr. HIDAYANA S.
: Head, DGOM Section
8. アチェ消防庁(BPBA)
Mr. ISKANDAR
: Staff, Prevention and Preparedness Division
資料3-3
巻末資料 4
討議議事録(M/D)
巻末資料 4-1
2012 年 7 月 6 日署名
討議議事録
巻末資料4-1 2012年7月6日署名 討議議事録
資料 4-1-1
資料 4-1-2
資料 4-1-3
資料 4-1-4
資料 4-1-5
資料 4-1-6
資料 4-1-7
資料 4-1-8
資料 4-1-9
資料 4-1-10
資料 4-1-11
資料 4-1-12
資料 4-1-13
資料 4-1-14
資料 4-1-15
資料 4-1-16
資料 4-1-17
資料 4-1-18
資料 4-1-19
資料 4-1-20
資料 4-1-21
資料 4-1-22
資料 4-1-23
資料 4-1-24
巻末資料 4-2
2013 年 7 月 24 日署名
討議議事録
巻末資料4-2 2013年7月24日署名 討議議事録
資料 4-2-1
資料 4-2-2
資料 4-2-3
資料 4-2-4
資料 4-2-5
資料 4-2-6
This part is closed due to the
confidentiality
資料 4-2-7
資料 4-2-8
巻末資料 4-3
2014 年 5 月 28 日署名
討議議事録
巻末資料4-3 2014年5月28日署名 討議議事録
資料 4-3-1
資料 4-3-2
資料 4-3-3
資料 4-3-4
資料 4-3-5
資料 4-3-6
資料 4-3-7
This part is closed due to the
confidentiality
資料 4-3-8
資料 4-3-9
資料4-3-10
巻末資料 5
テクニカルノート(T/N)
巻末資料 5-1
2012 年 7 月 18 日署名
テクニカルノート(LIPI)
巻末資料5-1 2012年7月18日署名 テクニカルノート (LIPI)
資料 5-1-1
資料 5-1-2
資料 5-1-3
資料 5-1-4
資料 5-1-5
資料 5-1-6
資料 5-1-7
資料 5-1-8
資料 5-1-9
資料 5-1-10
巻末資料 5-2
2012 年 7 月 26 日署名
テクニカルノート(BMKG)
巻末資料5-2 2012年7月26日署名 テクニカルノート (BMKG)
資料 5-2-1
資料 5-2-2
資料 5-2-3
資料 5-2-4
資料 5-2-5
資料 5-2-6
資料 5-2-7
資料 5-2-8
資料 5-2-9
資料 5-2-10
資料 5-2-11
資料 5-2-12
資料 5-2-13
資料 5-2-14
資料 5-2-15
資料 5-2-16
資料 5-2-17
資料 5-2-18
資料 5-2-19
資料 5-2-20
資料 5-2-21
資料 5-2-22
資料 5-2-23
資料 5-2-24
巻末資料 5-3
2014 年 3 月 5 日署名
テクニカルノート(BMKG)
巻末資料5-3 2014年3月5日署名 テクニカルノート (BMKG)
資料 5-3-1
資料 5-3-2
資料 5-3-3
資料 5-3-4
資料 5-3-5
資料 5-3-6
資料 5-3-7
巻末資料 5-4
2014 年 5 月 28 日署名
テクニカルノート(BMKG)
巻末資料5-4 2014年5月28日署名 テクニカルノート (BMKG)
資料 5-4-1
資料 5-4-2
資料 5-4-3
巻末資料 6
サイト調査結果集計表
サイト調査結果表 (1/8) No
1
2
Name
TEGAL BULEUT
SUB DISTRICT CISOLOK
Location
WEST JAVA
WEST JAVA
土地
管轄機関
地方政府
地方政府
設置予定機材区分
A
B
広帯域地震
強震計
広帯域強震
強震計
設置可能スペースの状況
屋内外区分
パラボラ
屋内
屋外 確保された 設置場所
庁舎等 既存観
スペース
新設
候補
屋内 測施設
✓
✓
✓
砂質シルト
✓
10x10m
フェンス内 ローム
✓
屋内:
3.9×2.35m
屋外:
10×10m
屋内を使
用する場
合は建物
の前面、屋 崩積土塊
外の場合
10x10mの
用地内。
仮設・その他
ソーラーパネルの必
要性
問題となりそう
フェンスの必 必要有無 敷地有無
搬入路状況
な近接構造物
要性
有:○
無し:-
高架水槽
(H=3m)
車両搬入可
-
高架水槽(3m)
、アンテナタ
車両搬入可 必要
ワー(20m)、井
戸。
-
屋外の場
合、取り付け
道路から
屋外の場合
20m程度斜 必要
面人肩搬
入。
その他の問題点
一次判定
採用:○
検討:△
不採用:×
-
-
樹木の伐採が必要。
○
-
-
アンテナタワーのアンカーが候補スペース脇にく
る。敷地は緩やかに東側に低くなっている。
○
-
大雨時に滑動する地すべり塊を有する。屋外の
候補スペースは地すべり履歴を考慮して、その
上部に設定。屋内に確保したスペースは建屋そ
のものがは動く土塊に乗っている可能性有り。
Ina-TEWSサイト。
×
確保できるスペースがなく没(No.3のBMKGのサ
イトとして近接しており、どちらかを選定予定だっ
たので、No. 3BMKGサイトを選択する)。
×
-
資料 6-1
3
BMKG PALABUHAN RATU
WEST JAVA
BMKG
✓
4
PALABUHAN RATU
WEST JAVA
地方政府
✓
5
NYALINDUNG
WEST JAVA
地方政府
✓
4x4m
タワー北側 ローム
既存施設のガ
レージがある 車両搬入可
が、撤去可能
-
-
-
40mアンテナまで6m。20m程度のところにH=60m
のTelecomタワーあり。
△
6
LENGKONG
WEST JAVA
地方政府
✓
4x4m
屋根上→
地上
既存建物の屋
敷地内人力
根
-
-
-
切土10m3程度必要。既存施設の屋根の雨水が
本施設に注ぐ様な形式となる。敷地内にアンテナ
塔H=20mあり、離れは10m程度のみ。
○
7
SUB DISTRICT
KALAPANUNGGAL
WEST JAVA
地方政府
✓
-
-
キャサバ畑で使用中。交通量の多いメイン通り
(離れ50m)がある。
○
○
8
SUB DISTRICT
KADUDAMPIT
WEST JAVA
地方政府
✓
✓
5.05x5.56 確保ス
ペースの
m
北側(手
地盤状況
(推定)
無し
✓
ローム
フェンスの
内側また ローム
は屋根上
近隣建物
(5.0, 4.3)
前面芝生 ローム
x12m
上
8x8m
9
SUB DISTRICT JAMPANG
KULON
WEST JAVA
地方政府
✓
5.5x8.0m
10
SUB DISTRICT CISOLOK
WEST JAVA
地方政府
✓
2.5×5.8m 屋根上
屋根上
ローム
砂質シルト
SUB DISTRICT CIRACAP
WEST JAVA
地方政府
✓
3.6x5.7m
12
SUB DISTRICT CIKEMBAR
WEST JAVA
地方政府
✓
1.8x4.0m
タワー脇
12A DESA BOJONG
砂質シルト
-
-
-
建物群の背後(北側)に10mx10mの取れる敷地
があるが、大木が林立しており伐採が困難であ
るため、既存建屋脇のスペースを選択した。
敷地内人力
-
-
-
敷地前面の建屋を将来3m拡張する予定。敷地
が狭いため、フェンスを作るゆとりなし。建設する
建屋のサイズを小さくし、フェンスを作るという方
法もありか。
○
建物の中を
通る
-
-
-
確保できたスペースが狭いため、BMKG標準建
屋は建設できない。建屋の設計が必要。
×
敷地内15m
を人力搬入
-
-
-
BMKG標準建屋は入らないため小さいシェルター
の適用が必要。
○
敷地内人力
-
-
-
JISNETの様なピット以外での対応は困難。
高架水槽は撤去可。
×
-
-
切土、整地が必要。土砂量5m3程度。
○
-
-
木の伐採が必要。
既存TVアンテナの移設および樹木の伐採可。
車庫が隣接する。
○
-
-
-
セプテックタンク(芝に埋まっていて確認できず)
の形状要確認。
○
-
-
-
砂地盤と想定される。建物は地震で生じたクラッ
クが目立つが、液状化した履歴は無い。
△
隣接建屋ひさ
敷地内人力
し
H=40m(離れ
15m)のアンテ
ナあり。候補
地の端にアン
カーあり。
H=40m(離れ
15m)アンテナ
ある。
井戸及び井戸
ポンプが隣接
建屋内にあ
る。
アンテナ
(H=30m、離
れ10m)
WEST JAVA
地方政府
✓
4x4m
屋根上もし
くは建設
ローム
シェルター
の東横
無し
現在庁舎建
築中のため
前面道路まで
フェンスの無
20m、交通量 車両搬入可
い敷地だ
多くない
が、実施時
にはフェンス
が建設され
✓
4mx4m
建設予定
シェルター
北側に既 砂質シルト
存パラボラ
と並べて設
TVアンテナが
必要
有り、移設が 車両搬入可 6×6
必要
13
SUB DISTRICT CIEMAS
WEST JAVA
地方政府
14
SUB DISTRICT
SUKANEGARA
WEST JAVA
地方政府
✓
✓
(7, 7.5)×
6.7m
15
SUB DISTRICT SINDANG
BARANG
WEST JAVA
地方政府
✓
✓
8.7x7.1m
BMKGの
確保したス
ローム(強風 Rainfall
ペースの
車両搬入可
化土)
stationの測定
北角
に影響しない
候補敷地と
TVパラボラア
隣接建屋 砂質土
車両搬入可
ンテナ
の間
巻末資料6 サイト調査結果集計表
11
建設予定
シェルター
ローム
の東側ス
ペース
H=35m程度
(30mの離れ) 敷地内人力 必要
のアンテナあ
サイト調査結果表 (2/8) No
Name
Location
土地
管轄機関
16
PT PASIR KELAPA
WEST JAVA
民間地
17
SUB DISTRICT
PAGELARAN
WEST JAVA
地方政府
18
SUB DISTRICT CLIAKU
WEST JAVA
地方政府
設置予定機材区分
A
B
広帯域地震
強震計
広帯域強震
強震計
設置可能スペースの状況
屋内外区分
パラボラ
屋内
屋外 確保された 設置場所
庁舎等 既存観
新設
スペース
候補
屋内 測施設
✓
✓
地盤状況
(推定)
✓
10x10m
✓
12x18.5m フェンス内 砂質シルト
✓
フェンス内 ローム
5.4x6m
敷地内芝
生上。井戸 ローム
の北東側。
仮設・その他
ソーラーパネルの必
要性
問題となりそう
フェンスの必 必要有無 敷地有無
搬入路状況
な近接構造物
要性
有:○
無し:-
その他の問題点
一次判定
採用:○
検討:△
不採用:×
車両搬入可 必要
-
-
給水用のPVCパイプが端かすめているが使用し
ていないため撤去OK。オーナーからの最終確認
を取る必要がある。
○
樹木H=20m、
Fish Pond離 敷地内人力 必要
れ12m
-
-
樹木の伐採が必要。
○
車両搬入可 不要
-
-
30度程の斜面。切土が必要。
○
一弾下の駐
車場から敷 設置するス
地内人力運 ペース無
搬
-
-
候補地点の谷側はほぼ直に切り取られているた
め、シェルターの建設ばよとしては好ましくない。
△
-
○
-
-
資料 6-2
19
SUB DISTRICT CAMPAKA
MULYA
WEST JAVA
地方政府
✓
✓
候補1:
8.8x6m
候補2:
3.9x6m
竹製のベンチ
や木は撤去。
強風化岩(粘
オフィス前
候補2を使用
土化仕掛け
面南東角
する場合、山
ている)
を一部カットす
る必要有り
20
SUB DISTRICT CAMPAKA
WEST JAVA
地方政府
✓
✓
5x13m
候補敷地
の北の部
分
ローム強風 切土面の保護 敷地内を人 設置するス
化岩
工
力搬入
ペースな
-
-
21
SELMA
BENGKULU
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
シルト質
-
車両搬入可 必要
-
-
○
22
ULUTALO
BENGKULU
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
シルト質
-
車両搬入可 必要
-
-
○
23
NAPAL PUTIH
BENGKULU
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
ラテライト
-
車両搬入可 必要
-
-
○
24
MUARA SAHUNG
BENGKULU
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
ラテライト
-
車両搬入可 必要
-
-
○
-
-
2mの軟弱層あり。要ボーリング。
×
○
○
商用電源無し。Ina-TEWSサイト。
×
-
-
25
MUKOMUKO
BENGKULU
地方政府
✓
✓
10x11m
地上
有機軟性土
-
必要、杭基
礎(径
車両搬入可 20cm、深さ
3m)
26
BARHAU
BENGKULU
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
シルト質
-
車両搬入可
27
MANNA
BENGKULU
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
シルト質
-
車両搬入可 必要
-
28
KETAHUN
BENGKULU
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
シルト質
-
車両搬入可 必要
-
-
29
IPUH
BENGKULU
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
シルト質
-
車両搬入可 必要
-
-
10x10m
地上
シルト質
-
車両搬入可
-
-
-
✓
8x8m
地上
砂質シルト
-
車両搬入可
-
-
-
隣接して貯水タンク有り。使用していないが、90
㎝ほど水がたまっている。樹木の伐採が必要。
△
2.5x4.1m
庁舎前面
敷地
コンクリート
-
敷地内人力
-
-
-
現在使用されていない建物だが改修する予定。
改修後も同室を利用できる。
×
✓
4X4m
屋根上
砂質シルト
-
車両搬入可
-
-
-
設置スペースは庁舎前面の敷地なのでフェンス
は不要。
○
地方政府
✓
4X4m
庁舎前面
敷地
砂質シルト
-
車両搬入可
必要
6×6
-
-
設置スペースは庁舎前面の敷地なのでフェンス
は不要。
○
地方政府
✓
メインオフィ
スの裏
建屋脇
4x4m
砂質粘土
-
車両搬入可
-
-
-
エアコン(離れ8m)、セプテクタンク(5m)あり。
○
-
道路に隣接。但しバイクのみで交通量は少ない。
(調査中昼1時間3台)
バイクの駐車場がすぐ脇にある。
○
BENGKULU
地方政府
31
PANIMBANG
BANTEN
地方政府
32
WARINGINJAYA
BANTEN
地方政府
33
SUMUR
BANTEN
地方政府
34
CIKEUSIK
BANTEN
35
MALINGPING
BANTEN
BANTEN
○
✓
BENGKULU
BAYAH
○
設置スペースは庁舎前面の敷地なのでフェンス
は不要。
30
36
○
地下水位-0.5m 隣地にパームオイルの木があ
るので、パラポラのみフェンスの外に設置する。
地方政府
✓
✓
✓
7x7m
屋上
砂地盤
GWL-2m
-
車両搬入可 有り、7x7m
-
○
サイト調査結果表 (3/8) No
Name
37
BANJARARSARI
BANTEN
地方政府
38
KAMPUNG PARIGI
Cigemblongに変更
BANTEN
地方政府
39
40
BONJONG MANIK
LANGI
Location
土地
管轄機関
BANTEN
ACEH
地方政府
地方政府
設置予定機材区分
A
B
広帯域地震
強震計
広帯域強震
強震計
設置可能スペースの状況
屋内外区分
パラボラ
屋内
屋外 確保された 設置場所
庁舎等 既存観
新設
スペース
候補
屋内 測施設
✓
✓
仮設・その他
ソーラーパネルの必
要性
問題となりそう
フェンスの必 必要有無 敷地有無
搬入路状況
な近接構造物
要性
有:○
無し:-
✓
4X4m
建屋脇
砂質粘土
GWL-2m
-
車両搬入可
✓
10x10m
地上
風化岩
-
砂質粘土
GWL-2m
-
✓
✓
地盤状況
(推定)
✓
10x5~8m 地上
10x10m
その他の問題点
一次判定
採用:○
検討:△
不採用:×
-
-
厚さ30cm煉瓦コンクリート、斫りが必要。
アンテナは幼稚園フェンス沿いに設置可能。
○
敷地内から
必要
人力運搬
-
-
敷地には緩やかな傾斜が有り、若干の整地が必
要。
○
車両搬入可 必要
-
-
水田を埋めて作った土地で、水田に面している。
×
-
-
-
○
-
敷地内から
フェンス内 砂質シルト
-
必要
人力運搬
トラックOK、
テレコムのタ
ただし敷地
屋根上ま ローム~風 ワー、村落給
内は不陸が 必要
たは平置き 化岩
水の貯水槽と
有りきり盛が
排水ホース
必要
資料 6-3
-
-
フェンスのすぐ脇を村落給水のホース(φ15mm
程度)が通っているので工事の時には破損させ
ないように注意が必要。電気は新規契約が必
要。
11m程度の木
敷地内50m
必要
が敷地境界沿 人力搬入
いに有り
-
-
砂質地盤(地下水位1.2m)地震時に液状化した
履歴はない。海岸砂ではなく火山灰質と想定され
る。パラボラ設置時に、敷地境界付近の木を切る
必要有り。浸水防止でかさ上げが必要。
○
-
道路から人
必要
力搬入
-
-
電源を100m程度敷く必要有り。
○
砂質シルト
-
アクセス有
不要
-
-
敷地内
砂質シルト
-
敷地内20m
必要
人力
-
-
排水溜めになっており、場内排水の切り替えが
必要。現状は水が溜まっている。
△
裏に小川があるが、3m離れている。
○
41
TUHEMBERUA
NORTH
SUMATERA
地方政府
✓
✓
10x10m
42
KAMPUNG AIE
ACEH
地方政府
✓
✓
10x10m
フェンス内 砂
43
LEGOK LEMANG
WEST JAVA
民間地
✓
✓
10x10m
フェンス内 砂質シルト
✓
✓
4x4m
敷地内
✓
5x10m
-
○
44 CARINGIN
WEST JAVA 2 地方政府
45 CIKALONG
WEST JAVA 2 地方政府
46 PAMEUNGPEUK
WEST JAVA 2 地方政府
✓
✓
6x6m
屋根上
砂質シルト
-
車両搬入可 必要
-
-
47 PAMULIHAN
WEST JAVA 2 地方政府
✓
✓
6x6m
敷地内
砂質シルト
-
車両搬入可 必要
-
-
48 PANGANDARAN
WEST JAVA 2 地方政府
✓
✓
4.7x10m
フェンス内
シルト質土
砂
-
車両搬入可 必要
-
-
駐車場が隣接
○
-
車両搬入可 必要
-
-
外部道路から6mと近い
x
-
車両搬入可 必要
-
-
49の代替地、BMKGからの正式依頼が必要
○
-
○
○
WEST JAVA 2 地方政府
✓
✓
5x5m
屋根上又
は別フェン 砂質シルト
ス内
49A LANGKAPLANCAR
WEST JAVA 2 地方政府
✓
✓
6X8M
敷地内
50
BANTUL
YOGYAKARTA BPBD
✓
✓
4x4m
玄関脇水
槽上
ケーブル延
長約30m
-
車両搬入可
-
-
-
現在倉庫、隣室は事務室。
○
51
BPBD CILACAP
CENTRAL
JAVA
✓
✓
2.3x2.3m
中庭、ケー
ブル延長
約70m
-
車両搬入可
-
-
-
部屋入口にジェネレーター有。要移設。隣室は倉
庫。
△
52
GUNUNG KIDUL 1
YOGYAKARTA
✓
53
GUNUNG KIDUL 2
YOGYAKARTA BPBD
✓
10x10m
建屋脇
-
車両搬入可
-
-
商用電源なし、10m引き込み必要
○
×
○
49 SALOPA
BPBD
✓
砂質シルト
石灰岩
54
KEBUMEN
CENTRAL
JAVA
BPBD
✓
✓
4x4m
建屋脇
砂質粘土
GWL-1m
55
KULON PROGO
YOGYAKARTA BPBD
✓
✓
4x4m
建屋脇
砂礫
GWL-5 m
-
バナナ抜根
有り、
10x10m
車両搬入可
-
-
-
現在は水田(湿地ではない)。将来1m程度の盛
土造成予定。
土地に余裕があるが、水田は地震計設置場所と
して適していない。
敷地内人力
10m
-
-
-
セプティックタンク(離れ6m)あり。
バイク用駐車場が隣接しているが、現在使用さ
れていない。
サイト調査結果表 (4/8) No
Name
Location
土地
管轄機関
設置予定機材区分
A
B
広帯域地震
強震計
広帯域強震
強震計
56
MAGELANG
CENTRAL
JAVA
BKPB遺跡管
理事務所(公
共)
✓
57
PURWOREJO
CENTRAL
JAVA
BPBD
✓
58
SLEMAN
YOGYAKARTA BMKG
✓
59
KOTA YOGYAKARTA
60
WONOGIRI
61
SUKOHARJO
YOGYAKARTA 地方政府
✓
設置可能スペースの状況
屋内外区分
パラボラ
屋内
屋外 確保された 設置場所
庁舎等 既存観
新設
スペース
候補
屋内 測施設
✓
✓
✓
✓
3x3m
建屋脇
5.0x1.9m
事務所入
口、ケーブ
ル延長約
50m、足継
ぎ5m
4x4m
建屋脇
3.5x3.5m
BPBD屋
上、ケーブ
ル延長約
100m
CENTRAL
JAVA
CENTRAL
JAVA
地方政府
✓
✓
4x4m
建屋脇
BPBD
✓
✓
4x4m
建屋脇
4.2x3.1m
前庭 ケー
ブル延長
約5m →
標準内
粘土質砂
GWL-2m
表土下0.5m
石灰岩
資料 6-4
BANYUWANGI SITE
EAST JAVA
BPBD
✓
63
PUGER SITE
EAST JAVA
地方政府
✓
✓
4x4m
建屋脇
粘土質砂
GWL-4m
64
KEPANJEN
EAST JAVA
BPBD
✓
✓
4x4m
建屋脇
砂質粘土
GWL-1m
65
YOSOWILANGUN SITE
EAST JAVA
地方政府
✓
4.8x1.8m
67
BINANGUN SITE
KALIDAWIR SITE
EAST JAVA
地方政府
✓
✓
✓
仮設・その他
ソーラーパネルの必
要性
問題となりそう
フェンスの必 必要有無 敷地有無
搬入路状況
な近接構造物
要性
有:○
無し:-
-
-
-
所有者は景観を気にしており最小限の構造物を
要求している。また、停電がしばしばあるため
ソーラーを要望している。
○
-
車両搬入可
-
-
-
現在倉庫。隣室は事務室。
△
-
敷地内人力
10m
-
-
-
設置スペースは、職員宿舎裏。
但し、人通りはほとんどない。Ina-TEWSサイト
×
-
車両搬入可
-
-
-
隣室ハ防災展示室。
○
-
-
-
-
△
—
-
-
-
○
車両搬入可
-
-
-
建屋に既設建
敷地内人力
屋の屋根
20m
2x4m要撤去
-
-
-
-
-
-
候補地脇は水田(湿地ではない)で地耐力要確
認。0.5m程度の盛土or嵩上げ必要。
×
裏庭 ケー
ブル延長
約20m
-
車両搬入可
-
-
-
隣室は事務室。
○
3x1.8m
予定部屋
の南側の
庭(ケーブ
ル延長約
10m)→標
準内
-
車両搬入可
-
-
-
隣室は事務室。
○
1.8x1.8m
部屋脇空
地 ケーブ
ル延長約
5m →標準
×
再調査しても、予定事務所には計器を設置できる部屋、敷地がなく当初予定地以外
地方政府
✓
69
BPBD PACITAN
EAST JAVA
BPBD
✓
✓
4x4m
屋根上
粘土質砂
要伐採(2本)
GWL-1.0m
WEST
SUMATRA
WEST
SUMATRA
WEST
SUMATRA
WEST
SUMATRA
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
シルト質土
砂
-
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
砂質シルト
-
地方政府
✓
✓
4x4m
地上
砂質シルト
-
車両搬入可
BMKG
✓
WEST
SUMATRA
地方政府
✓
✓
4x4m
地上
ラテライト
既設のアンテ
ナ、パラポラを 車両搬入可
移設
WEST
SUMATRA
地方政府
✓
✓
4x4m
地上
シルト質土
砂
71
72
LUBUK BASUNG
73
LUBUK MATA KUCING
111 JISNET と同じ場所
74
MUARA LABUH
75A MUARA SIBERUT
○
-
EAST JAVA
BONJOR
-
○
アクセス有
WATULIMO
KUMPULAN BANANG/
LINGGAU (CAMAT)
ワーニングシステム部屋と共有。書棚などの移
動が必要。隣室は事務室。
-
68
70
一次判定
採用:○
検討:△
不採用:×
車両搬入可
✓
EAST JAVA
その他の問題点
-
粘土混じり
4x4×H0.2mコ
砂
車両搬入可
ンクリート斫り
GWL-3m
粘土質砂
敷地内人力
-
20m
GWL-5.0m
62
66
✓
地盤状況
(推定)
✓
-
-
車両搬入可
-
-
-
PDAM事務所。隣室倉庫。
△
車両搬入可
-
-
-
20cmの盛土or嵩上げ必要
○
車両搬入可 必要
-
-
-
○
車両搬入可 必要
-
-
大雨時に水が溜まるとのこと。盛土またはベース
を嵩上げする。
○
-
-
-
-
○
-
-
-
敷地の境界フェンスに隣接して、シェルターを建
てる。
○
-
○
○
フェリーへの資材積み込みが全て人力。
電気は24時間供給されているが、ディーゼル発
電による。
○
車両搬入可
サイト調査結果表 (5/8) No
Name
Location
土地
管轄機関
設置予定機材区分
A
B
広帯域地震
強震計
広帯域強震
強震計
設置可能スペースの状況
屋内外区分
パラボラ
屋内
屋外 確保された 設置場所
庁舎等 既存観
新設
スペース
候補
屋内 測施設
地盤状況
(推定)
仮設・その他
ソーラーパネルの必
要性
問題となりそう
フェンスの必 必要有無 敷地有無
搬入路状況
な近接構造物
要性
有:○
無し:-
76
PAINAN
WEST
SUMATRA
地方政府
✓
✓
10x9m
地上
ラテライト
-
車両搬入可 必要
-
-
77
RAO
WEST
SUMATRA
地方役所
✓
✓
5.5x7m
地上
シルト質土
砂
-
車両搬入可 必要
-
-
✓
78
その他の問題点
一次判定
採用:○
検討:△
不採用:×
パラポラ方向に椰子の木が4本あるが、伐採可
能。
役所倉庫の駐車エリア横だが、コンクリート舗装
しており、あまり使われていない。
○
-
○
204のBMKGサイトとダブっているため削除
79
TALANG BABUNGO
WEST
SUMATRA
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
80
UNP- PADANG
WEST
SUMATRA
州立大学
(公共)
✓
✓
4x4m
地上
2002年に良
質材で盛土
(10m)
シルト質土
砂
-
車両搬入可 必要
-
車両搬入可
-
-
-
-
-
-
○
-
○
資料 6-5
○
○
フェリーへの資材積み込みが全て人力。
村に電気の供給はあるが、ディーゼル発電で
17:00-7:00の間のみ(電気供給が半日しかな
い)。
車両搬入可 必要
-
-
敷地の許可は本部でないとできない.
○
-
-
表層50cmはがれきで埋められている可能性有
り。凹地が有り5m3程度の埋立て必要。
バナナの木の伐採必要。
△
-
-
-
81
PASIGOPPA
WEST
SUMATRA
地方役所
✓
✓
4x4m
地上
シルト質土
砂
-
車両搬入可
82
ARGO PANCURAN SITE
LAMPUNG
火山局
(公共)
✓
✓
6x6m
地上
風化岩
-
マンゴの木要
車両搬入可 必要
伐採
-
82A1 KALIANDA
LAMPUNG
BNPB
✓
✓
10x10m
地上
高架水槽
(H=5m)とそ
砂質粘土
れに水を送る 車両搬入可 必要
周囲は水田 ポンプ(規模
小)あり、常時
は止まってい
82A2 KATAPANG
LAMPUNG
地方政府
✓
✓
6x6m
地上
砂質粘土
道路脇だが交通量小。マンゴの木、2本伐採必
要。
○
△
一部凹地にかかり、埋め立てが必要(5m3未
満)。
○
バナナの木(まだ小さい)、10本ほど伐採必要。
○
83
BENGKUNAT SITE
LAMPUNG
地方政府
✓
✓
10x10m
地上
砂質粘土
-
車両搬入可 必要
-
84
KOTA AGUNG SITE
LAMPUNG
地方政府、イ
スラミックセ
ンター内
✓
✓
10x10m
地上
砂質粘土
-
敷地内から
必要
人力搬入
-
-
○
海岸。
ソーラー
設置予
定ヶ所の
日照時間
は午後2
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1.2x1.2mのピット。ピットはBMKGのオフィスから
80mほど離れた斜面中腹に設置されている。ス
テージの拡大が必要。
○
-
-
現在JISNETサイトに設置されている台は1.30×
1.35m。
○
85
KRAKATAU SITE
LAMPUNG
森林保全局
✓
✓
6x6m
海岸(ソー
火山灰
ラーの横)
-
-
86
KRUI SITE
LAMPUNG
新設空港
(公共)
✓
✓
10x10m
地上
シルト質砂
-
-
87
LIWA SITE
LAMPUNG
BMKG
✓
✓
10x10m
地上
砂質粘土
-
-
10x10m
地上
砂質粘土
-
岩盤
-
岩盤
-
岩盤(石灰
岩)
-
JISNET
BAKI(既存施設は空港に隣接
101 するBMKG内。環境が悪いた Papua
め、Luwi Budi へi移設。
BMKG
✓
✓
102 BJI
Central Java
BMKG
✓
✓
既存ピット
内 ステー
地上
ジ1.5m×
0.6m
103 BSI
Aceh (Nanggro
BMKG
Aceh
Darusalam)
✓
✓
既存ピット
Southeast
Sulawesi
✓
✓
3.8×1.98
既存シェル 庭先
ター
✓
104
105 KDI
庭先また
は屋根上
敷地内人力
BMKG
-
必要
パラボラの設置位置が、サイトから80m程度離れ
る。保護地区のため成長した木伐採は許可され
ない。フェンスは2箇所に設置する。チャーター
ボートで渡る。海岸からサイトまでは30m程度。人
力搬入要。
特に無線の必要性について現場での提案はな
BMKGは横に20x20mの気象観測所も将来設置
する計画である。
一部がキャベツ畑となっている。また、凹凸が有
り整地要。Ina-TEWSサイト。
電気は敷地内のレーダータワーから敷く。
-
×
○
×
○
○
-
敷地内人力
-
サイト調査結果表 (6/8) No
Name
Location
土地
管轄機関
設置予定機材区分
A
B
広帯域地震
強震計
広帯域強震
強震計
設置可能スペースの状況
屋内外区分
パラボラ
屋内
屋外 確保された 設置場所
庁舎等 既存観
新設
スペース
候補
屋内 測施設
4x5m 既存
シェルター 地上
内
106 Kahang Kahang
Bali
BMKG
✓
106A Kahang Kahang
Bali
BMKG
✓
✓
4x4m
107 KSI
Bengkulu
BMKG
✓
✓
10x10m
108 LSI
West Jawa
109 MNI
✓
地盤状況
(推定)
仮設・その他
ソーラーパネルの必
要性
問題となりそう
フェンスの必 必要有無 敷地有無
搬入路状況
な近接構造物
要性
有:○
無し:-
North Sulawesi BMKG
✓
✓
-
200m人力
既設
-
-
JISNETのシェルターはBMKGのオフィスから
150mほど離れた山の中腹にある。
○
地上
砂質シルト
-
車両搬入可 既設
-
-
気象観測施設内。道路のノイズありとして採用さ
れなかった場所
△
地上
砂質シルト
-
車両搬入可
-
-
既存ピットにはすでに新たな機材が設置されてい
るため、シェルターの新設が必要。
○
-
庭先(現在
ジェネレーター
のもののリ 岩盤(溶岩)
敷地内人力
(移設予定)
プレース
-
-
-
庭先倉庫
屋根(既存
のリプレー
岩盤
ス)か、敷
地内直置
き。
資料 6-6
-
-
-
新しいピットの追加建設が必要?4x4mのシェル
ターを作る敷地は確保できる。但し、既存JISNET
シェルターの撤去が必要。
○
ラテライト
-
道路から人
肩(再確認
要)
-
-
-
現在運用中。広帯域地震計はすでに新しい機材
となっているが、今回のプロジェクトで、再度新し
い機材に変更する。
○
建屋脇
軟弱地盤
GWL-0.5m
-
敷地内人力
-
-
-
50mは人力搬入。他の建物はφ100mm、4mの木
杭を打っている。排水対策が必要。確保されたス
ペースは、BMKG測候所敷地内。
×
既設施設
脇
岩盤露頭
-
300m(標高
差70m)尾 必要
根人力搬入
-
-
現在計器は鉄板の蓋で覆われており、天井はな
い。
○
砂地盤
GWL-1.0m
-
敷地内20m
は人力搬入
-
-
-
既存サイトは空港増設で取り壊される。
○
新築シェル
無線アンテナ
ターの屋根
及びサポート 敷地内人力
または敷 風化火山岩 ワイヤー、表
搬入
地全面の
道路まで30m
芝生
-
-
-
JISNETの地震計設置台は38x38cmなので作り直
しが必要。新築で使われていないシェルターを使
うのもひとつの選択肢としてあるが、前面道路か
ら15m程度。
○
-
-
-
確保されたスペースは、BMKG測候所敷地内の
既存シェルター内。
既存地震計設置台サイズは1.0x2.0m×0.5(H)
○
-
-
-
既存地震計設置台サイズは0.7x1.0m
○
○
○
道路からのノイズの問題あり。
×
○
TDS設置済み。データは無線で事務所まで200m
飛ばす。
○
BMKG
✓
111 PPI (Lubuk Mata Kucing)
West Sumatra BMKG
✓
✓
既存ピット 地上
112 PTK (新規に建設する)
West
Kalimantan
BMKG
✓
✓
10×10m
113 SWH
East Jawa
BMKG
✓
6x8m
114 TARA (新規に建設する)
East
Kalimantan
地方政府(土
地)
BMKG (建
✓
✓
○
敷地内人力
Central
Sulawesi
✓
BMKGが既に観測機材を変更済みであったた
め、削除
室内はJISNETが当初設置してあった部屋と現在
建設中の建物の1室が候補。屋外バンカーは
2009年頃にJISNET機材を移した地下施設だが、
2012年に新しいBB機材に入れ替えられた。ス
テージの大きさは70×70cm。なのでステージの
拡大が必要?
-
110 PCI
✓
一次判定
採用:○
検討:△
不採用:×
岩盤
✓
屋内:
3x3m以上
の部屋2
箇所
屋外:地下
バンカー
既存ピット
1.2x1.2m。
地震計設
置台は
0.5x0.5m
その他の問題点
10×10m
115
116 TLE2
Maluku
BMKG
✓
✓
屋外:既
存ピット
屋内:既
存強震計
のリプ
レース
117 TPI
Bangka
Belitung
BMKG
✓
✓
ケーブル
2x6m 地下 延長約
室
50m
118 WAMI
Papua
BMKG
✓
✓
2.3x2.3m
119 WAINGAPU
Nusa Tenggara BMKG
✓
✓
119A WAINGAPU
BMKG Existing
Nusa Tenggara BMKG
✓
敷地北角
芝生上
既存ピット 事務所前
✓
既存シェル
事務所前
ター内
花崗岩露頭
-
砂質シルト
-
岩
-
岩
-
車両搬入可
車両搬入可 無し
車両搬入可 既設
○
サイト調査結果表 (7/8) No
Name
201 CALANG
202 SUBULUSSALAM
Location
Aceh
Aceh
土地
管轄機関
BMKG
BMKG
設置予定機材区分
A
B
広帯域地震
強震計
広帯域強震
強震計
設置可能スペースの状況
屋内外区分
パラボラ
屋内
屋外 確保された 設置場所
庁舎等 既存観
新設
スペース
候補
屋内 測施設
✓
✓
✓
North Sumatra BMKG
✓
✓
204 Simpat Empat
WEST
SUMATRA
地方政府
✓
✓
205 Banjarnegara Jawa Tengah
Central Java
BMKG
✓
10x10m
(BMKG所
有地サイ
建物の横
ズ、フェン
スはない)
✓
資料 6-7
✓
パラボラの
下をくぐっ
て建物に
安山岩溶岩
入る形であ
れば、地上
設置可能
10x7m
(フェンスに 柵内
囲まれた
敷地)
✓
203 Teluk Dalam
206 Morotai
7.5x7.5m
(フェンスに
囲まれた
敷地)
✓
地盤状況
(推定)
砂質シルト
岩盤(石灰
岩)
仮設・その他
ソーラーパネルの必
要性
問題となりそう
フェンスの必 必要有無 敷地有無
搬入路状況
な近接構造物
要性
有:○
無し:-
-
-
前面道路か
無し
ら人力搬入
(既にある)
(10m)
車両搬入可
-
その他の問題点
一次判定
採用:○
検討:△
不採用:×
-
フェンスに扉がなく、侵入容易。建家の鍵は紛失
している。新規電気の契約必要。
○
○
無し
(既にある)
-
-
既存フェンスの入口ドアの蝶つがいの溶接が切
れている。内部のドアがない。既存地震計設置
台はタイル張りで作ってあるが、ピットはレンガを
積んでいる途中。完成させる必要あり。
天井の四隅には水のしみがある。(屋根等雨漏り
の状況等確認することが望ましい)
躯体に亀裂あり。(地震の影響か?)基礎まで亀
裂が入っているわけではなく、強度的には問題な
いと思われるが、補修の必要性について要検
-
-
-
サイトから130mに商用電源が来ているのでそこ
からの引き込み新規契約が必要。地震の影響
か、建家にヒビが見られるが、基礎に問題は認
められないので問題なさそう。
○
木が多い。
道路から
人力の採石場
50m は人力
(離れ60m)が
運搬
ある
10x10m
(フェンスあ 建物の横
り)
シルト質土
砂
-
車両搬入可
無し
(既にある)
-
-
建設後、7年。使用されていない。鍵を取り替える
必要あり。
○
1012m
(フェンスあ 建屋脇
り)
安山岩露頭
-
アクセス有も 無し
300m山道 (既にある)
〇
〇
現地BMKGは商用電源の引き込み(電柱8本、
電線300m)を要望している。
○
11×11m
(フェンスに 柵内建物
囲まれた 横
敷地)
前面道路沿い Main道路か
強風化凝灰
に採石場拡張 ら約100m 無し
岩(ローム
はしないとの 車両通行不 (既にある)
質)
事
可
-
-
シェルター内のピットに1x0.7mの地震計設置台が
できているが、すべての予定機器を載せるには
狭い。シェルター内で別の場所に強震計などの
設置を検討する必要有り。フェンスの入口に扉が
ないため、取り付けが必要。電気をメイン道路か
ら約100m引き込む必要有り。現状は一日6時間
○
North Maluku
BMKG
301 Kelurahan Joglo Jakbar
West Jakarta
地方政府
✓
✓
4x4m or
3x3m
建屋上ま
たは前面
道路手前
シルト
沖積地盤
前面道路から
敷地内人力 無し
70m
-
-
場所についてはまだ了解は取れていない。図面
作成の後確認が必要。
○
302 Kelurahan Cilandak Barat
South Jakarta
地方政府
✓
✓
3×8m
屋根上
シルト
100~200mの
間に高層ビル
敷地内人力 不要
20~30階建が
4棟林立する
-
-
敷地の使用に関して最終確認必要
△
Museum Purna Bakti Pertiwi
303 TMII サイト変更
Kelurahan Dukuh
East Jakarta 1 地方政府
✓
✓
4.5×3.7m
敷地北東
角付近
砂質シルト
池。撤去可。
車両搬入可 不要
-
-
密集した地域で、パラボラの設置場所が限られ
る。
×
304 Kelurahan Duren Sawit
East Jakarta 2 地方政府
✓
✓
3×3m
屋根上
シルト
敷地内人力 不要
-
-
給水塔H12mが離れ12m程度に立っている。
×
Kelurahan Kapuk Muara
305 サイト変更
Kelurahan Penjaringan
North Jakarta 1 地方政府
✓
✓
7×9m
シェルター
シルト
の東横
-
-
非常に交通量の多い道路から20m程度。
×
-
-
BMKGからの申請書必要
○
Additional Sites
Bali
地方政府
✓
✓
6X6m
敷地内
シルト質土
砂
307 TABANAN
Bali
地方政府、農
業支援セン
ター内
✓
✓
4x4m+パ
敷地内
ラボラ用地
シルト質土
砂
Krakatau Steel
308 サイト変更
Kecamatan Citangkil
Cilegon 1
地方政府
✓
✓
5×7m
306 KABUPATEN BADUNG
フェンス内 ローム
-
通りを隔てて
敷地内人力
ガソリンスタン
不要
(15m)
ド。
敷地内
-
あり
(20m)人力
-
敷地内
なし
(20m)人力
-
-
地下水位2m
○
-
車両搬入可 必要
-
-
コンクリートブロック敷きの駐車場の一角。
△
サイト調査結果表 (8/8) No
Name
309 Kelurahan Gunung Sugih
Location
土地
管轄機関
設置予定機材区分
A
B
広帯域地震
強震計
広帯域強震
強震計
設置可能スペースの状況
屋内外区分
パラボラ
屋内
屋外 確保された 設置場所
庁舎等 既存観
新設
スペース
候補
屋内 測施設
仮設・その他
地盤状況
(推定)
Selat Sunda
地方政府
Bridge 1 Anyer
✓
✓
5×5m
屋根上
ローム
地方政府
✓
✓
3×3m
屋根上
砂質シルト
資料 6-8
PLN UPJ Anyer
310 サイト場所変更
Kelurahan Anyer
311 Kelurahan Bakauheni
Bangka Belitung 3 thermal
312 power stationサイト変更、
BMKAG KOBA
再調査確認中
Selat Sunda Bridge
2 Lampung
Province
Kab.BangkaTe
Bangka
nga
Belitung
Kelurahan Sibolga ilir
313 サイト場所変更
Pinangsori Sibolga
Sibolga
Sumatera
Utara
BMKG
✓
✓
10x10m
柵内
砂混じりシ
ルト
314 Cikubang
West Java 2
地方政府
✓
✓
6X10m
柵内
土砂
PLTA Peusangan
サイト変更
Remble Airport
Aceh Tengah
SFZ
BMKG
✓
✓
3.88×
3.27m
建物前面
316
Desa Talang Leak, embong
panjang, Lebong
Sesar Sumatra
BMKG
dekat Bengkulu
✓
✓
既設
317
Kelurahan/Desa Kalisumur,
Bumiayu-Brebes
Bumiayu Fault
地方政府
Central Java
✓
✓
318
Kelurahan Giriasih, Pundong
YOGYAKARTA 地方政府
Bantul
✓
✓
315
Cilegon 2
ソーラーパネルの必
要性
問題となりそう
フェンスの必 必要有無 敷地有無
その他の問題点
搬入路状況
な近接構造物
要性
有:○
無し:-
候補地は木が
樹木の伐採はどこまで必要か。
林立(H10~
若干北西方向に傾斜している(5m×5m内の差は
敷地内人力 有り
-
-
15m)。鉄塔の
Max1m)ため、切土が必要。
アンカー。
送電線・鉄塔・変電所が近いが、衛星テレビなど
送電鉄塔、変
敷地内人力 無し
-
-
にノイズが乗ることは無い。スンダ大橋の起点に
電所
近く、重要施設もあり、観測点として重要とのこと
一次判定
採用:○
検討:△
不採用:×
○
○
場所を見つけられなかった。
✓
✓
-
-
敷地近くに浸食箇所あり。埋め戻す必要あり(客
土不要)。確保されたスペースはBMKG測候所敷
地内。
○
無線アンテナ
(H=15m)、空
港滑走路
BMKG駐車
必要
250m、発電機 場から人力
50m、空港駐
車場20m
-
-
豪雨時に水が貯まることがある。現排水路の上
面まで設計レベルを上げる(現地盤から25cm)必
要あり。
○
-
敷地内30m
必要
人力
-
-
斜面の切土が必要。
△
シルト岩
-
パラボラ設
車両搬入可 置場所に必
要
-
-
未使用で植木屋が苗木を敷き詰めている。扉が
多く外されていて改修が必要。BMKGで実施する
べきか。日本側の設置工事で含めるのは困難。
床面がタイル敷きなので、地震計設置台はタイ
ルをはがして打ち直しが必要か。
×
既設を流
用可?
一部盛土上
-
100m人力
無し
(既にある)
○
建屋脇
砂礫
-
車両搬入可 必要7x7m
-
-
5本程度細い木の伐採が必要。
○
4x4m
建屋脇
砂
GWL-2.5 m
-
車両搬入可
-
-
予定地右わき(東側)に事務所新築予定あり。小
さな事務所で、また敷地そばに大きなモスクがあ
るため、安全上面からみれば、フェンスの設置は
必要はない。
○
-
車両の横付
け可(フェン 必要
ス越し)
-
-
-
-
10x10m
7x7m
建物脇
粗砂
319 Kelurahan Palmerah
West Jakarta
地方政府
✓
✓
5.4×6m
屋根上or
シェルター 砂質シルト
脇
320 Kecamatan Palogadung
East Jakarta
地方政府
✓
✓
5×5m
シェルター
砂質シルト
脇
-
アクセス有
テレコム鉄塔 敷地内人力
(45m)間で30m (15m)
必要
10x10m
-
-
既設シェ
Ina-TEWSサイト
ルター上
道路に面した入口は無く、事務所の入口からで
なければ入れないが、目が届きにくいためフェン
スはあるのが望ましい。
消火栓の一つが敷地の角にあり、そこへのアク
セス路の確保と、法的に必要な離れの確認が必
要。
×
△
○