翫 一一冷評i…し 、 住宅地におけるコミュニティの領域形成を 考えると、住戸群のユニットをどう扱うかと いう課題に直面する。故宮脇町氏は1980年 代後半よりクルドサック道路注2により住戸ク ラスター注3を構成する住宅地を手がけ、優れ た作品をいくつか残されている。 劉 ’ 翫胃, ,’ 、 、簡闘隔■■_■■■一■一, 灘雛麟静 クルドサック道路には通過交通がないため 住環境や安全性が確保され易く、道路の終端 部のコモンを中心に比較的容易に住戸グルー ピングが可能であるというメリットがある。 その反面やや利便性に欠け迂回路がないなど の欠点もあり、緊急車両の往来の不便さなど 防災面から移管を拒む行政も少なくない。こ の行政との協議の壁はかなり高く、乗り越え るために膨大な時間とエネルギーとを要する 場合が多い。このような欠点を補うために終 注1 コモンの本来的な原義 は共有地を指すが、本稿 では所有形態に関わらず 共同利用のできる広場的 空間をコモンと呼ぶこと とする。 注2 一端が行き止まりにな っている袋路であるが、 自動車の方向転換が可能 になっている道路。 注3 群・集団の形態を示す 用語。もともと葡萄など の房や房状の花を意味す るが、計画概念としては 例えば1本の道路や歩行 者路に房状に取りついた ダイワハウスの宅地開発は1962年の大阪 端部同士を道路でつなぐ案もあるが、道路率 府羽曳野ネオポリス(3,180区画)にはじまり、 が高く(宅地化率が低く)なってしまい事業採 現在までに全国で53ヶ所(約10万区画以上) 算面において新たな問題が生じることとなる。 の大規模住宅団地の造成から販売までを行な 私達の提案はループ道路注4を基本としてい ってきた。また、戸建分譲住宅の建設概数は る。ループ道路はクルドサック道路と同様に 平成12年度で約3,000戸の実績がある。 外部からの通過交通がないため、住環境や安 日本の住宅地において美しい街並が少ない 全性は確保される利点をもつ。しかし、ルー のは、宅地の造成をディベロッパーが行ない、 プ道路だけでは求心性をもつコミュニティ単 与えられた宅地の上にハウスメーカーが住宅 位の形成が困難である。そこで私達はL字路、 を計画・施工するという分業体制にも起因し T字路のコーナー部にコモンを設け、これを ている。私が所属している街並設計グループ コミュニティ単位の核として位置づけている。 は造成から住宅、外構・造園に到るまでトー つまりコモンを中心に住戸群のユニットをま タルな企画設計で分譲住宅事業をサポートす とめると共に、街の景観拠点としても整備す る部署である。当社でインフラ部分の設計・ ることにしているのである。 施工を担当する都市開発部や土木部と連携し、 宅地造成の基本設計を行なっている。プロジ ェクトによっては環境共生のための材料研究 誼’ 鵬…鉱:驚, に取り組む環境技術部、そして新たなライフ スタイルの提案を目指して研究活動を続けて 従来の住宅地におけるオープンスペースは ある秩序でまとまった空 いる生活研究所とタイアップして分譲企画を 主として提供公園として集約・計画され、そ 間単位の一群を指す。 展開する場合もあり、コンクリート廃材の路 の効用を受ける住宅地は近隣宅地に限られて、 盤への再利用やペット共生住宅の提案などい 全体としての平等性に欠ける場合が多かった くつかの成果が生まれつつある。 (図LA)。そこで私達は提供公園に加えコモン ・一団の住戸などのように、 注4 迂回路をもつ道路。 一口「 注5 本事業は公社による「街 この数年間、私達は「分散型コモン注1によ を住宅地全体に分散させ、コミュニティ単位 づくりコンペユの開催には るオープンスペースの計画」と「ヒエラルキ 毎に段階的に配置する計画を行っている。 じまる。当社グループの 提案が最優秀賞を受賞、 ーをもった道路計画」を基本コンセプトに据 分かり易く話を進めるために、提供公園と え、住宅地の設計に集中的に取り組んできた。 の関係で見た住宅地開発の類型を2つに大別 本稿ではまず、その基本的な考え方を説明し、 してみる。1つは単独開発の場合で、コミュニ 次に「双葉・響が丘」の具体的事例を通して ティの最小単位に対応するコモンを1次コモ 私達の住宅地設計手法の一端を解説していき ン、1次コモンのグループ単位に対応する提供 る。 たい。 公園を2次コモンと規定している(図1−B)。 74 家とまちなみ45 2002.3 造成工事と第1次販売分 54戸の住宅建設と販売委 託を受けることとなった。 本稿では、この第1次販 売分の宅地造成を具体的 事例として取り上げてい 9 当社の事例では「吉備ネオポリス」がこれに 該当する。2つ目はいくつかの開発区域をま A とめた広域エリアの中で公園を確保する連続 開発、つまり計画地外に既に公園が確保され ているケースである(図2−A)。1次、2次コ モンを新たに計画し、提供公園を3次コモン と規定している(図2−B)。ポエムノールひら かた北山「なごみの街」、「双葉・響が丘」、 「もみの樹台」、「ロイヤルシティ新富谷」、「ロ イヤルシティ大谷地」がこのケースである。. このように、コモンを集約するのではなく 分散させることにより生活者にとってより身 近な広場を提供し、住まう人同士の交流を活 性化させることが大きなねらいである。 \あ∫」\1> lO口 、 公園(3.0%以上) 」一一・…一一… L曽幽一」L一一… 〈A.従来型〉 〈B.提案型〉 @ 公園(2次コモン) 。 図1単独開発 1 公園(3次コモン) 卦園(3,0%以上) 〈A,従来型〉 ’. 臨11﹂ 1 Z 詫γ〆 璽 曽 O⋮ 1次コモン 2次コモン 一隔 r ⇒ 回1互1 じ ニじロゴ /h 、/’M ノド トニマ ゴで ノ Il 、 ノ ・ここ》 〈B.提案型〉 図2連続開発 …融麟羅1病難: /r マ ノノヤ 1 1 、 、︾惇!繰戸臨 錯「⇒疑酬次。モ. つぼコみヴ 図3−11次コミュニティのグルーピング 図3−22次コミュニティのグルーピング 「双葉・響が丘」は甲府市近郊、北巨摩郡双 葉町にて当社グループ(清水建設・国際建 設・大和ハウス工業)と山梨県住宅供給公社 が共同でつくりあげた住宅地で、「自然と自然、 自然と人、人と人を“つなぐ”」をテーマに 様々な工夫を凝らした街づくりとして高い評 価を受けている注5。 本計画ではコミュニティの最小単位を15戸』 程度とした。その住戸群を1次、2次、3次に グルーピングし、段階に応じたコモンを配置 した(図3−1∼3−3)。 (1)みち広場一1次コモン(10∼15戸程度 のコミュニティの最小単位ことに配置) 10∼15戸の住戸数はゴミ出しのグルーピン ) 図3−33次コミュニティのグルーピング グとも対応している。最も身近なコミュニテ ィの核となる、生活に定着した広場を「みち 広場」と設定した。豊かな花と緑に囲まれた 木陰にある木製ベンチやゴミステーションを 家とまちなみ45−2002.3 75 、 図5こども広場一2次コモン 奥には砂場とサークルベンチ。広場の周囲には、安全に配 慮して低い柵を設けた。各広場には衛生面と美観を考慮し た、ステンレス製のゴミ置場を設置。 図4みち広場一1次コモン 広場の舗装は、道路の擬似歩道と一体的にデザインした。広場に対して住宅群の心づくりを行っ たが、布団干しなど景観面での問題点も生じている。 設置し、日常の挨拶や立ち話など日々の暮ら 従来の住宅地の道路は、いかに効率よく宅 しの中での人と人とのつながりを育む(図4)。 地を確保するかという観点からグリッド型の (2)こども広場一2次コモン(40∼50戸程度 道路線形が多用されてきた。また、道路管理 のグループ単位ごとに配置) 者にとって維持管理し易いという理由からア 公園までは連れて行きにくい幼児を遊ばせ スファルト舗装が用いられている。その結果、 ることを目的とした広場。砂場を囲む木製の 以下のような問題点が指摘できる。 サークルベンチ、四季を彩る中高木、道路境 ●道路線形が直線的であり画一的な道路景観 界部はベビーフェンスで囲い安全面にも配慮 で、街並も単調になる。 した(図5)。 ●車のスピードが速くなりがちで、安全性に (3)ふれあい広場一3次コモン(ブロック全 欠ける。 ’ 体95戸のために配置) ●道路幅員も均一化しており、メリハリがない。 ブロック全体のコミュニティの核として、 このように、これまでの住宅地における道 集会所を設置。既存樹木の移植や再利用、造 路は車の交通機能に大きく特化され、横丁や 成現場で採取した石の活用を試みた。 路地といった生活空間としての機能は失われ (4)広場と住宅との一体的計画 てしまったといっても過言ではない。私達は、 広場を利用する人と住宅で暮らす人との適 生活者にとってアメニティのある道路景観や 度なコミュニケーションを誘発する仕掛けと コミュニケーション空間を創出するためにヒ して、次のような点に留意した。 エラルキーに応じた道路のネットワーク化に ●玄関、バルコニー、居室の大きな開口部を 取り組んでいる。これは、そうすることで分 広場に向け、アクティビティ(賑わい)を かりやすい街の空間構成を容易にする骨格が 与える。 形成され、画一的でなく変化のある道路景観 ●出窓、フラワーボックスなど演出効果のあ が形成し易いという考えに基づいている。 る外装部材を広場に対して設ける。 ●広場と宅内外構の素材の統一、植栽の連続 灘.・.覇 性をもたせた処理を行なう。 反省点としては、広場と宅地との一体的計 76 画に配慮したのだが「広場からリビングへの 「双葉・響が丘」では4つのヒエラルキーに 視線が気になる」という入居者の声があった。 応じた道路を提案した(図6)。各道路は良好 プライバシーの確保を十分に考慮しオープン な住環境を実現する役割も兼ね備えている。 性とクローズ性を適所に使い分けていくこと 以下に、その特徴と効果を述べる。 が、日本の生活様式では大切であると再認識 (1)集散道路(幅員7.5m、内フォルト幅1.2 した。また、バルコニーの布団干しや物置な m) ど美観を損なう点も見受けられており、今後 都市計画道路と準幹線道路を結ぶ団地内の 技術面、設計面、ソフト面において良好にコ メイン道路で、フォルト(植栽桝)を千鳥状 ントロールしていく必要がある。 に設けた。これにより車のスピード抑制効果 家とまちなみ45 20023 o ぐ改 ・ /・ 、 調整池 「双葉・響が丘」 こ蚕\、 島ヂドド心}駄、 ヨ もち 誉謙\ /騰熊. 1◎:灘 野ド響1: b.噸 〆 4/, 藪、 、攣 ミ 図7集散道路のフォルト 7.5m幅員道路にはフォルト(植栽桝)を設け、緑豊かな道 路景観をつくる。ここでは路地の入口の両側に、ゲート性 を配慮して2ヶ所設置。 鵡螺幽 宏亀.1〕し 賦 ご.一立 巽羅耗,難 ﹁哩 / \ ド.・ .渉 み ・,亡〆 \ 騨.、/ ,\ l\ 、: \、ノ// 輪\ ︶ ︹ 所 s こ 麺﹂ / \尺 卜\\\ ‘‘ \ .講 、樺 ! ジ.ミ眠\・\ \ 、 鞭 縢灘 ノ 璃麟ゐ 畑慰 _\\\ @、 {1 藤...。・ / 帆.、鰯撰 旛陶 【 .ヤ ち 広 場I−一 P 欝、1・誓1 ,’ 誉・ 〆 / 舟ち広田 \メ / /−’\く、 冊一.・一恥睡轟.一\一 \ 、 トへ モ ノ ⊥ 路 重 地... 四 纏.. 一甲ゴ・ り ∠〆 みち広場_.ユ. \ \ ち広場 場 、 I I l l ’・ … 1 _.=.・・.・ 舜、、﹁! 、 l l E ・ 、醸 ・広 .蜘鱒、. も 、ち 一 一 [ 麟 鷹ン乗 .箏:糊賦 一 ド 慮 解醗二熱意詰篭 rL、 驕 /メ\ り 〆・3!﹁ ∵γ編 〆:二 〃智騨 7∵』 ▽逸 ( 図6 「双葉・響が丘」土地利用計画図 o が期待できると共に、緑豊かな道路景観を生 ておく必要がある。ま む効果がある。更に、フォルトは住宅の借景 た今回は、コスト面か としても積極的に活用することを提案した ら電線の地中埋設は実 (図7)。 現できなかった。緩や (2)区画内道路(幅員5.5m) かな道路線形を用いた 図8緩やかな道路線形 集散道路から分岐する区画内道路。その導入部にはイメー ジハンプ(インターロッキング舗装)を施す。正面にはコ モンのシンボルツリー(コブシ)が見える。 地際に中高木の重なり合う景観を実現する ため、電柱、支柱、支 ため、道路線形を緩やかな曲線とした。また、 線位置のコントロールは直線道路と異なり単 広場と道路をイメージハンプ注6で一体的にデ 純でなく、苦心を強いられた。事前に押柱計 ザインし、道路を楽しく変化のある表情とす 画を想定しておくことは景観面のみならず、 るよう心掛けた(図8)。 後の電力会社との協議もスムーズに進めるこ (3)緑道(幅員4.Om) とができ重要なポイントである。 注6 デザインブロックの色 の組み合わせで、視覚的 に道路面に凹凸のこぶが 見えるようにしたもの。 車のスピードを減速させ る効果がある。 比較的人の通行量の多い道路で、インター ロッキング舗装の両側に幅0.5∼1,0mのグリ ーンベルト(低木植栽)を設け、住宅地内の 緑との連続性を確保する提案とした。 ∪ (4)路地(幅員2.5m) 一団の戸建分譲によって美しい街並を実現 ヒューマンスケールの親密度の高い生活空 するためには建物の壁面線・屋根形状・外壁 問として先述したコモン群をつなぐ役割をも 色などの住戸デザインから、宅内の土留擁 たせ、コミュニケーション空間としての機能 壁・門柱・塀などの外構デザイン、生垣や中 を意図した。舗装材は、人になじみやすいソ 高木などの植栽デザインに到るまで一定のル イル舗装(土+セメント)とした。この路地 ールを設け、設計者から設備業者に到る街づ には次のような効果がある。 くりに関わる人々のベクトルを共有すること ●宅地の開放率が高まり、良好な日照・通風 が大切である。本事業で策定した主な指針を が確保できる。 紹介したい。 ●火災時の延焼防止効果があり、避難通路と (1)住戸配置計画 しても利用できる。 ゆとりのある街並を形成し、良好な日照・ ●電柱を極力、路地に設けることにより集散 通風を確保するために、外壁面の後退距離を 道路と区画内道路の景観を向上させる。 準幹線道路境界線から2.Om以上、同じく隣地 今後の課題としては、造成工事の土留擁壁 境界線および区画内の道路境界線からL5m以 と宅内2次外構の擁壁の納まりがうまくいか 上、庭の奥行きは原則として4.Om以上、南北 ない部分があった。当然のことだが造成計画 隣郷間は原則として7.Om以上確保し、隣棟間 段階で、駐車スペースや住戸計画のみならず の窓位置などは相互に調整してプライバシー 2次外構の仕様やディテールを十分に検討し に配慮する。 家とまちなみ45 2002.3 77 (2)景観形成計画 統一感と適度に変化のある家並を形成する 、 ために、屋根形状は周囲のなだらかな山脈と 調和するように、原則として寄棟とする。北 以上のようなハードが実現されたとしても 入り住戸のファサードには一部平屋を設けた 入居者が入れ替わり、世代交代していく中で り、開口部の位置、大きさに配慮する。 良好な環境を担保していくためには、協定な アイストップにある住宅については印象的 どのソフトウェアが必要不可欠である。本事 佐々木裕輔 なデザインとする。具体的には切妻屋根、出 業においては建築基準法、及び「双葉町建築 (ささき・ゆうすけ) 窓、ビッグバルコニーなどを用いる。また植 協定条例」の規定に基づき建築物の敷地、位 栽は美しい樹姿、樹高、緑のボリュームを十 置、構造、用途、形態、意匠または建築設備 分に確保する。角地住宅は、具体的にはセッ に関する基準を町と公社にて締結した。また、 年、大和ハウス工業株式会 トバックした2階外壁面、奥行きのあるバル 町ならびに公社において道路・公園・広場・ 社入社。現在、東日本住宅 コニーを設ける。また外構植栽計画ではウッ 歩専道・路地などの維持管理区分を定め、管 ドデッキ、ボリュームのあるコーナーツリー 理協定を締結した。 などを配置する。 現在、道路と広場の所有者は公社であるが、 園の計画、設計が主な業務。 (3)外構計画 将来は双葉町へ移管予定である。道路の管理 財団まちなみ大学第1期生。 セミオープン外構とするが、宅地内のプラ 者は双葉町、緑道・路地・コモンの管理者は イバシーに対する配慮として一部、生垣や中 入居者である。現在、入居者から管理費を徴 高木を配する。隣地との抱き合わせカーポー 収しており、将来は民間の管理会社へ維持管 1959年生まれ。長崎県 佐世保市出身。熊本大学大 学院工学研究科修了。85 設計プロジェクト室 街並 設計グループに所属。住宅 団地、戸建住宅、外構・造 トの境界部分はフェンスを設けずに、化粧ブ 理業務を委託する予定である。 ロックの笠木などで一体的に設計する。コン 自治会と公社共催で庭木の手入れ方法など クリート製品など、2次製品の使用を極力避 についての講習会が集会所にて定期的に開催 ける。擁壁は道路際からセットバックし、植 されており、現地を訪れる度に花と緑の景観 栽帯を設ける。擁壁の高さは極力抑え、法面 が向上している印象を受ける。住まい手心ら 処理を多用する。玄関へのアプローチ線形も が花や緑を育み、街づくりに参画する意識が 直線を避け、変化づけを行なう。入居者がガ 芽生え始めているようだ。 ーデニングを楽しむ仕掛けづくりとして、プ ランターを掛けるトレリスフェンスや花台な 以上、私達の住宅地の設計手法について解 どを設置する。 説してきた。これらの手法が妥当かどうかは、 (4)植栽計画 これからの年月と入居者の判断に委ねられる 宅地の道路に接する部分は生垣や灌木、下 べきであろう。しかしながら、この事業に関 草による緑の連続や緑視率の向上に心掛ける。 わった私達も一設計者として継続的、かつ客 中高木により街路の並木を形成する。四季の 観的に評価をし、問題点は地道に改善して新 変化のある落葉樹とプライバシーを適度に守 たな計画にフィードバックさせていきたいと る常緑樹をバランスよく配する(図9)。 思っている。 無表情な擁壁がある場合には、足元の緑化 や垂れ下がり緑化などにより修景して、駐車 「双葉・響が丘」計画概要 スペースも等張やボーダー植栽で緑化し、透 所 在 地 山梨県北巨摩郡双葉町竜地内 弾 通 JR甲府駅より目交バス25分、滝坂 用途地域 第1種低層住居専用地域(建ぺい率 水性にも配慮する。 上バス停下車徒歩7分 響騨 50%、容積率100%) 参考文献 ・住宅生産振興財団編「日本 のコモンとボンエルフ」日 譲1, 開発総面積 約24ha 計画戸数 399戸(第1次分譲住宅54戸) 事業主・売主 山梨県住宅供給公社 造成工事 清水建設・国際建設共同企業体 全体基本設計・建物設計・施工 本経済新聞社 。宮脇壇建築研究室編「コモ 大和ハウス工業株式会社 ンで街をつくる」丸善プラ 第1次分譲 ネット ・財団まちなみ設計研究会編 ト・マニュアル」住宅生産 図9区画内道路の街並 左側は国入宅地、右側は土入宅地。雑木林風のイメージを 大切にした、中高木による並木の形成。連続する宅地の一 振興財団 体的な設計を心掛けた。 78 家とまちなみ45 20023 「まちなみ設計コーディネー 宅地面積 207㎡∼282㎡(平均 222.9㎡) 建物面積 118㎡∼135㎡(平均 123.1㎡) 6 A 土地利用計画 用途 面積 宅地 16,656㎡ 構成比 747% 集会所用地 155n{ 0.7% 道路(広場含む)5,057㎡ 22.7% 歩行者専用道路 428㎡ t9% 合計 22296㎡ 100.0% センター広場の街路空間 小集会所とグリーンコリドー 関西国際空港を望む阪南丘陵に、千里・泉北につ .メ 臆 平均宅地面積 1η㎡ センター広場 づく第3の都市として大阪府企業局により開発さ 「花山手の街」は、各コモンスペースを結ぶ道、 中央公園 れた阪南スカイタウン。その中央部に位置する グリーンコリドー 路地、グリーンコリドーのネットワークで形成、 o 集会所 15戸程度の住戸のグルーピングとコモンスペース 路地 を段階的に配置しコミュニティの促進を図った計 画。また、大部分の宅地を、道、路地、広場への コモン 2面以上の開放性を持てるように工夫、特に西側 に広がる団地の核となっている中央公園への眺望 享受ゾーンの入気は高い。 国道1号線沿いの大阪と京都の中間点に位置する都市基盤整備公団の開発によるポ エムノール枚方北山。その中の北側に位置する「なごみの街」は、センター広場 を中心に街の軸となるループ型の道路線形を設定、路地のネットワーク等ヒエラ ルキーの異なる道路機能を体系づけて計画。また、20戸程度の住宅群に1ヶ所設 L けたコモンスペースをはじめ集会所やセンター広場がコミュニティの核を形成し ている。建築基準法第86条による1団地申請のため団地内通路や広場の維持管理 は管理組合で行なうことになっているが、将来的には行政への移管ができる基準 土地利用計画 宅地 27,293肛量 構成比 653% 集会所(共有地) 510㎡ 12% 広場(共有地) 333㎡ Q.8% 10.1% 遡各 (共有地> 9,337㎡ 22.4% その他 84㎡ 02% 舎計 4t763㎡ 1QO。o% ∠ 緑地(共有地) 4,206㎡ ≠ 用途 面積 で計画している。 \ 説 g,,’一’ ’ h 一 5臨 冗一 冗美こ’♂ 平均宅地面積 193㎡ 績7 ) 「一一一『「「\一 1礁隻. 道と一体化したコモンスペース 家とまちなみ45−20023 79 岡山中心部より西へ約6㎞に位置する「吉備ネオポ リス」は、当社の工場跡地を住宅地として開発。道 路計画はT字の交差点を基本に街角コモンや路地 ネットワークで構成し景観の変化を創出している。 また、造成計画段階で住宅の配置シュミレーション を行ない宅地規模や駐車場位置を決定したため無 駄なく良好な住環境の配置が行なわれる計画とな 土地利用計画 っている。なお、当地区では地区計画が定められ、 用途 面積 構哉比 宅地 42,535㎡ 70』% 集会所 (共有地) 260㎡ o.4% 広場(共有地) 787㎡ t3% 汚水処理場(共有地)4271㎡ 0.7% 公園 1,825前 3.0% 道路 14,188㎡ 23.4% 排水管理地 607㎡ 1.0% その他 76㎡ 0』% 合計 60,705㎡ 100.◎% 緑豊かなバリアフリーの歩道 建築物の面積をはじめ高さ、壁面位置、意匠、か きまたはさくの構造の制限等が規制されている。 ___嬰]L_ノ凶 公園 囲 平均宅地面積 209㎡ 公園 ● 』 _匹 一「』一rT一一一「一「一一・ ・.婦」謎〆 センター広場の街路空間 計画地はJR千葉駅より南東へ約10㎞、京成千原線「ちはら台」駅より続く緑道に 隣接している。計画地の南北に走る高圧線下には地役権が設定され、建築が不可 能であった。そこでこの部分に区画内道路を設けて景観形成軸として捉え、他の 6・ 宅地より大きめの宅地割り(70∼90T)とした。道路側にはフロントガーデンを 設け、開放感のある景観づくりを目指した。中央のセンターガーデンには街のラ ンドマークとなるもみの木(樹高9m)と集会所を配置、コミュニティの中心と して機能している。10ヶ所のコモンの所有者および管理者は現在、管理組合(登 記上はダイワハウス)であるが、将来は法人化の手続きにより自治会へ引き継が 途地 用宅 土地利用計画 醗 構成比 23,◎87㎡ 743% 集会用地(共有地)361㎡ 12% 広場(共有地) 859nf 2.8% 道路 6,199㎡ 20.0% 歩行者専用道路 508㎡ t6% ゴミ置場 30四 o.1% 種取締地 12㎡ α0% 合計 3霊ρ56㎡ {◎o.Q% れる予定である。 平均宅地面積 172㎡ ㍉」 / ぐし 広がりのある緑道沿いの街並み 80 家とまちなみ45 2002,3 .土地利用欝画 用途 薦積 構成比 宅堆蔓 16,364㎡ 72.4% 広場(共有地) 207㎡ α9% 五豊量各 6ρ271㎡ 267% 合護十 22,59811f 筆00.0% 街路樹のある10m道路。正面に公園が見える 公園より住戸群を望む 平均宅地面積 197甫 札幌市東部、地下鉄東西線大谷地駅から徒歩4分 のアクセスに恵まれた立地。計画地は南側に大谷 地駅前公園を囲む、フラットな地形となっている。 コモン この公園を2次コモンとして位置づけ、ここから 街路樹のある10m道路により街の骨格を形成する こととした。区画内道路のコーナー部分には、合 ﹁. 計4ヶ所の1次コモンを約20区画毎に配置した。札 幌では除雪作業のため、道路にクランクを設ける ことは基本的に不可能。道路幅員も最小8mで、 道路には1.5m以上の歩道の設置義務があった。 JR仙台駅から北へ約ll㎞、富谷町の南部に位置す る。元は集合住宅用地であり、最小宅地規模250 面という地区計画の制限があった。そこで「ゆと り」をテーマに区画割り、住戸計画の方針をたて 近傍分譲住宅地との差異化を図る企画とした。住 戸群は木造系と鉄骨歩一に10∼15戸の単位でゾー ン分けを行ない、家並みの均質化を避けた。切妻 屋根を主体としたリズミカルなスカイラインの形 土地利用計画 用途 面積 構成比 宅地 3◎,986㎡ 8α9% 広場(共有地) 272㎡ 07% 歩行者専用道路 669㎡ 17% 防火水槽 62r㎡ 02% ゴミ現場 31颪 o.1% 合齢 r . 3a,2綴∼撹 成と、オープン外構による牧歌的イメージのラン ドスケープデザインを心掛けた。 100.o%、 平均宅地二三 罐球 ∼.’ 切妻屋根によるリズミカルな家並みの形成 家とまちなみ45 20023 81
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