Title Author(s) Citation Issue Date URL 低誘電体損ワラストナイト磁器の研究 : 第1報 低温焼成ワ ラストナイト磁器の性質 島田, 欣二 鹿児島大学工学部研究報告, 5: 87-92 1965-09-30 http://hdl.handle.net/10232/10801 http://ir.kagoshima-u.ac.jp 低誘電体損ワラストナイト磁器の研究 第1報低温焼成ワラストナイト磁器の性質 島 田 欣 二 (受理昭和40年5月21日) STUDIESONWOLLASTONITEBODmS ASLOW−LOSSDIELECTRICS REP、1.SOMEPROPERTIESOFLOWSINTFR頂D WOLLASTONITEBODIES KinjiSHIMADA Aninvestigationisshownthatcompositionsprimarilyofwollastonite,kaolin,bariumcompound,aluminiumphosphate,thoriumoxide,andtalchavelowelectricallossfactorsoftheorder ofGradeL-6orbetteramongthesesamPles、Theselowlossbodiescanbematuredatll50°C, But,theyhavemuchwaterabsorptionandporositybecauseoflowsinteringtemperatur. の岩塊である.わが国では岐阜県赤坂,福島県戸倉, 1 . 緒 言 長野県笹子,滋賀県石山寺,愛媛県明神島,福岡県三 低誘電体損材料として,マグネシア,アルミナ,バ の丘などにその産出が知られているが2),未だ工業的 リウム・マダネシウム・シリケート,ステアタイトな 用途はあまり知られておらず,採掘も行なわれていな どが開発され,高周波絶縁材料として用いられている い未利用資源である. が,ステアタイトは原料のタルクを1300℃以上の高 大分県木浦産ワラストナイト10kgをジョークラッ 温で焼成したものを使用しなくてはならず,マグネシ シャーで粗砕後,磁製ポットミルで長時間粉砕し,60 アおよびアルミナ質のものはいずれも熟成温度がかな メッシュふるい完通物をさらに振動ミルによって微粉 り高温で,押し出し,または加圧による成形がかなり 砕して100メッシュ以下とした.粉砕過程で混入した 困難である.ワラストナイトは熟成温度が低く,焼締 鉄分は強力磁石によって除去した. りが良好なため,高級食器の原料として一部使用され 大分県木浦産ワラストナイトは表・1の化学分析値, ていたが,Jacksonl)が超低誘電体損材料.としての価 図・3の示差熱分析曲線および図・4のX線粉末回折図 値を認めて以来注目されるようになった. から判定されるように,ほとんど理論値に近い化学成 本研究はエレクトロニクスの分野で要望されている 分で不純物の混入は極めて少ない. 超低誘電体材料の開発を目的として,ワラストナイト ワラストナイト磁器は成形を容易にするため少量の を主要鉱物とする高周波絶縁材料磁器に関する基礎 カオリンを添加するが,添加カオリンとして指宿カオ 的,綜合的研究を目的とするもので,本報告はその予 リンを用いた.指宿カオリンは表・1の化学分析値,図 備的実験である. ・3の示差熱分析曲線および図.5のX線回折図で示さ れるようにカオリナイトを主要鉱物とする粘土でアル 皿.実験および実験結果 (1)原料 主原料・として用いたワラストナイトwollastonite ナイト,クリストバライトの少量を混入している. (2)調合および成形 CaO・SiO2は大分県南海部郡宇目町木浦産のものであ ワラストナイト100∼65%,カオリン0∼35%,電 る.ワラストナイトは珪灰石とも呼ばれ,石灰岩と火 気的,熱的性質の改良を期待してリン酸アルミニウム 山岩との接触変成によって生成した鉱物で白色の繊維 A1PO4,炭酸バリウムBaCO3,酸化トリウムThO2, 状または粒状結晶からなる硬質(モース硬度で5程度) 酸化チタニウムTiO2およびタルクをそれぞれ5%程 鹿児島大学工学部研究報告第5]号 8 8 表・1ワラストナイトおよびカオリンの化学成分(%) SiO21A12031CaOMgOlFe2031TiO21SO311g・losslTotal 木浦ワラストナイト 指 宿 力 オ リ ン ワラストナイト理論仙 51.12 51.62 51.7 0.83 32.16 46.44 0.12 48.3 暇 焼 タ ル ク 62,10 0 . 5 7 0 . 8 4 0 . 6 9 0.04 0.71 0.38 36.02 0.17 0.9812.45 1.28 11.68 0 . 1 9 101.31 99.43 100.00 99.79 度添加し,東洋臆紙KK製上下転倒式混合機(3or.p、各配合粉末試料に10%の水を添加し,金型成形器を 、.)で1時間乾式により混合を行なった.各試料の調・用い200kg/cm2で加圧成形を行ない,直径50mm, 合割合を表Zに示す.厚さ5mmの円板状試料を作成した. 表・2各試料の調合割合(%) 試料NC ワラスト カオリン’A]PO41BaCO31ThO21TiO21タルク 5555 55 5555555 555555 5 5555 555 5 555 50505000000555000000000 12233111222111111111111 050505000000555555055000 0 88776888777777888877888 1 1234567890 11 12 13 14 15 16 17 18 19 10 21 22 23 24 2 AAAAAABBBCCCDDDEEEEGGHHH ナイト 1 0 5 5 1200 (3)乾燥および焼成 1000 成形品は大気中で1昼夜放置することによってかな を用いたエレマ炉を用い,図.lに示すような焼成曲線 によって加熱および冷却を行なった.すなわち,温度 上昇速度は約400℃/hrで最高温度の1150°Cに1時 間一定温度に保持後約250°C/hrで冷却した.1150℃ に加熱したのはワラストナイトは1180℃にαごβの 高温一低温型転移が知られており2),低温型ワラスト ナイトを主成分とするものの製造を目的としたためで ある. (4)物理的性質 1150°C焼成試料の見掛比重,カサ比重,吸水率およ a。︶獣呈↑ り乾燥して強度もある.焼成にはシリコニット発熱体 8 0 0 6 0 0 4 0 C 2 0 0 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 加熱時間(hr.) 図・1試料の焼成温度一時間曲線 び気孔率を測定し,その結果を表.3に示す. 表・3に示すように1150℃焼成では焼結は不完全 8 9 島田:低誘電体損ワラストナイト磁器の研究 表 ・ 3 物 理 的 性 質 カサ比亜 カサ比重 88●8■0 8 2 2 5 3 6 3 3 ●3 ●2 号6 ■2 ●7 ●8 凸1 ■3 ■ 5も 105 444434343343 吸 ( 陽 率 │ 気 ( 醗 ) 率 90■ 730 9 3 4 2 8 9 1 ■6 ◆1 ④6 ■1 や3 ◆4 も8 G 7● 53■8c9 222212222221 66守7甲6 7 6 7 6 7 6 6 8 U1 由1 ●1 ●1 ●1 ■1 ■1 ●1 ■ 1◆ 111 09 89a9。7 ●7 ■7 ■8 O8 G6 ●8 ■7 巳 32B 222 2 2 2 2 2 2 2 であって,吸水率15∼32%,気孔率16∼49%で極め て大きい.エレクトロニクス材料としては吸水率,気 345678901234 111111122222 DDDEEEEGGHHH 133.232334444 88U 843 9 4 1 3 2 8 2 ■9 ●4 。4 ◆4 ●3 ■1 ■9 G 6凸 34■8U6 吸 溌 ) 率 │ 気 ( 聯 ) 率 I試料Nol見掛比重 8□ 20●1 6 3 0 6 6 5 3 4 。7 ■0 ●9 B8 a7 ■4 ■2 ① 69● 05。1 112121212223 8● 77●8 7 7 7 7 5 5 7 5 91 の1 ●1 由1 91 B1 G1 ■ 11● 11●1 6■ 66。6 6 5 6 6 7 7 9 0 旬2 ■2 □2 ●2 ●2 ゅ2 ●3 ■ 22。 22■2 111一一 函123456789012− AAAAAABBBCCC 試料No.│兄掛比重’ ナイト磁器は5∼7×10-6できわめて小さな熱膨脹係 数を示した. 孔率ともに0.0%を要求されておるので,焼結を完全 に行なうためには,さらに焼成温度を高くするととも (6)電気的性質 に,粒度を細かくして混合を完全にすることが必要で 誘電体を電極ではさみ,交流電圧を加えた場合,な ある.また,成形圧も,もつと大きくする必要があろ んらの電力の損失を生じない場合には充電電流の位相 う.物理的性質におよぼす化学成分の影響は顕著でな は電圧より完全に90。進んでいる.しかるに,直流で いが,粘土分が増加すると吸水率,気孔率が大きくな 電気伝導または吸収現象を示すような誘電体では交流 っている.これはカオリン中に含まれるアルナイトの 電界の下にあって電流の進みは90。より小さくなる. 影響であろう. この90。より小さい角度を損失角lossangleという. この場合誘電体損dielectriclossを生ずる.いまE (5)熱膨脹 を加えた電圧のベクトルとすれば,iは誘電体に流れ 1150℃焼成物の各試料の熱膨脹を直読式熱膨脹計 こむ全電流を表わすベクトルであり,りは位相角で にて測定した.図・2に示すように,指宿カオリンの添 6(90.-のが損失角を表わすことになる.普通6は極 加量が琳加するにしたがって,熱膨脹率が増大する. めて小さいから誘電体力率はtan6で表わす. 一一一一一一一一 できるだけカオリン添加量を少くする必要がある. 一 一 一 一 一 一 市販の高周波絶縁材料の25∼500℃の熱膨脹係数は − − _ _ 一 二 一 ステアタイトで6.0∼9.0×10-6,ホルステライトで10.0 − − − / へ − − ×lO−6である.それらに比較して,各試料のワラスト 一一与ー一一_,〆 6頁 AAAAA 0.3 一一一一−一一一/−−戸 ,ノ 6 ソ 一 一 三 一 一 ノ ー 一 一 ○21 熱 _一 /∼ダヘーー、一 2 0 獣︶部詩 −_一∼、----- 0 . 1 . 犯G 型理 9B 8B 7A 3 H H・ E肥 EⅣ E略B それで低膨脹率を目的とするワラストナイト磁器には 指宿 雪一 カオリン ワラスト.士イト 8 0 】 O 0 100200 温 図・Z熱 3 0 0 4 0 0 5 0H 度(。c) 膨 脹 0100200300,100 湛 図・3 500600700,8009001000 皮.(℃) DTA曲線 9 0 鹿児島大学工学部研究報告第5号 然とはしないが,酸化チタニウム,カオリンは誘電率 (7)電気的特1性 を高くする傾向があるのに対し,炭酸バリウムは誘電 横川電気製QM102A型Qメーターを用いて,各 試料の比誘電率eおよびtan6を測定し,その結果を 表.sに示した.eとtan6との積e・tan6を誘電体損 率を低くして高周波絶縁材料としての性質を向上させ る . 1.s・Filatv4)はステアタイト磁器に酸化バリウムを lossfactorといい,これによって高周波絶縁材料の基 1∼4%添加すると誘電体損が低くなるのは,弱結合 準が定まっており,アメリカでは表・4に示すような基 性Baイオンによるrelaxationlossをともなうため 準をつくっている3). と述べている.この酸化バリウムを添加したステアタ イト磁器に多量のγ線を照射すると弱結合性のBaイ 表・4誘電体損基準(JAN−I−10) オンが定着して電子のlocalisationcenterが形成され 等級lL11L21L31L41L51L6 毒唱︾手 誘 体 ( 劇 0 』 割0 . 7 州 0 悪 o w i 0.004 0 . 4 るためrelaxationlossは減少して電導損失が増大す るという. (8)示差熱分析 実験に供した試料は直径5cm,厚さ0.3cmの円板 ワラストナイト原鉱,原料粘土および各種金属化合 試料で,両面に直径3.8cmのアルミニウム箔を同心「'] 物を添加した調合物の未焼成粉末試料について島津製 状にワセリンで密着させたものである. 自記式DT-2A型示差熱分析装置を用いて示差熱分析 を行ない,その結果を図・3に示した.粉末試料約1 表・5比誘電体損(1MC/Sec) 9,巾性物質にαアルミナを用い,記録紙送り速度250 試料No.’eltan6×10-41e・tan6×10−4 1111 の設定条件で試料容器は白金セルを用いた. 図・3に示すように,ワラストナイトはなだらかな DTA曲線を示し,特別に吸熱および発熱のピークは, 認められない.指宿カオリンは550°C,610℃および 乏罵・ ﹄ 蔑露弱 圏l“ ﹄く画つ・園 ︾ く③c”函 くや眼 く室ら園 ︽く四○・罰1110ⅡⅡ ベト悟 308934590895112865913621 05● 42即4 5 4 7 0 7 2 7 8 3 8 6 0 5 ●7 ●7 ●6 り9 ●6 ■2 ■2 。9 ●0 ■5 ■0 合3 g3 色0 ■2 p7 ●0 ■3 ■ 9の 61■ 71各8 29 213 16 191 28 22 13 1 173470876217581088656002 57●6甲9 61 9 9 8 3 7 6 5 6 6 3 9 2 7 7 0 8 9 0 ●4 ●3 ●3 ●3 凸3 ■3 ■3 ■3 ■3 c3 ●3 ●3 ●3 ■3 ●4 ■3 由3 94 P 4● 332①3●4 123456789012345678901234 111111111122222 AAAAAABBBCCCDDDEEEEGGHHH テライトに近い値を示している. 試料の誘電特,性に及ぼす添加物の影響については判 1 0 2 0 . 3 0 2 0 ‘ 図・4ワラストナイト原鉱のX線回折図 11、 現在実用化されているステアタイトあるいはフォルス ! り 刈vlし く唾舜画 し 度である.また誘電力率tan6は0.0006∼0.0031,誘 電体損e、tan6は0.002∼0.011で比較的低い値を示し, 短画一唖罰 表・5に示すように,ワラストナイト磁器の誘電率巳 は1MC/Secで2.9∼4.9を示し,大部分の試料が3程 、’ 40.73 62.21 41.67 21.43 41.95 76.01 37.10 30.93 23.16 98.87 110.15 114.69 43.35 35.73 21.73 31.60 43.22 43.79 31.55 78.04 91.88 102.83 50.78 54.31 mm/hr,感度±100座V,炉の加熱上昇速度10。C/mi,, 4 0 9 1 幽田:低誘地休損ワラストナイト磁器の研究 842℃に吸熱ピーク,980℃に顕著な発熱ピークが認 また各種配合物の1150℃焼成試料のX線回折図は められる.550℃の吸熱はカオリナイトの構造水の脱 いずれも類似しており,ワラストナイト以外の回折線 出,610℃の吸熱はアルナイト中の構造水の逸脱, は極めて少ない.図・8に示すように酸化トリウムを含 842℃の吸熱はアルナイト中の硫酸塩の分解によるも むC10,B7,C11およびE18の試料では3.22A のであって』980℃の発熱はメタカオリンの生成ある (1.00)と2.80A(0.38),1.97A(0.75)に酸化ナトリウ いはγアルミナの生成に起因するものである. ムの回折線が認められる. ワラストナイトに粘土,金属化合物を配合したもの W のDTAllll線は指宿カオリン中のカオリナイトおよび アルナイトに起因するピーク以外は認められない. (9)X線回折 i 9 目組記録式東芝製X線回折装置を用いて,ワラスト 1 8 ナイト,指宿カオリンの原鉱および各種配合物の1150 1 6 ℃焼成試料についてX線回折を行ない,その結果を 図・4∼図・6に示した. 1 3 ワラストナイトは7.7A(0.47),3.8A(0.96),3.53A ( 1 . 0 0 ) , 3 . 3 1 A ( 0 . 9 6 ) , 3 . 0 8 A ( 0 . 7 3 ) , 2 . 9 8 A ( 0 . 4 1 ) , 2 . 7 3 A ( 0 . 3 0 ) , 2 . 5 6 A ( 0 . 2 8 ) , 2 . 4 8 A ( 0 . 2 0 ) , 2 . 3 5 A ( 0 . 1 6 ) , 2 . 3 0 9 A(0.50),2.191A(0.16)などの回折線が認められる. また指宿カオリンは5.63A(0.31),4.91A(0.75),3,84A ( 0 . 2 5 ) , 3 . 5 1 A ( 0 . 4 7 ) , 3 . 3 2 A ( 0 . 4 7 ) , 2 . 9 9 3 A ( 1 . 0 0 ) , 2 . 8 4 6 1 2 1 0 ⑥ られ,指宿カオリンはカオリナイトとアルナイトを含 むことが明らかである. 7 51 A ( 0 . 3 0 , 2 . 4 9 4 A ( 0 . 4 0 ) , 2 . 2 6 5 A ( 0 . 6 8 ) な ど の ア ル ナ イ ト の 回 折 線 と 7 . 1 A ( 1 . 0 0 ) , 4 . 3 5 A ( 0 . 1 7 ) , 4 . 1 7 A ( 0 . 1 5 ) , 3 . 5 7 A ( 0 . 7 6 ) , 2 . 5 5 6 A ( 0 . 1 0 ) , 2 . 3 3 8 A ( 0 . 1 7 ) , 2 . 2 8 1 A ( 0 . 1 8 ) および1.490A(0.10)のカオリナイトの回折線が認め 1 0 2 0 3 0 4 0 20 図,6各試料1150。C焼成物のX線阿折図 (W:ワラストナイト,T:酸化トリウム) 国 皿1.考 察 天然産ワラストナイトにカオリン,タルク,リン酸 Kウオリぅ・イl アルミニウム,炭酸バリウム,酸化トリウムおよび酸 N A7.ルナイト 化チタニウムをそれぞれ少量配合して加圧成形を行な い1150℃に焼成したものの低誘電体損材料としての 性質について検討した.焼成物は吸水率,気孔率が大 きく,焼締り不十分であって低誘電体損材料としては 使用に耐えない.焼締りを十分にするためには焼成温 度,粒度を高くするとともに成形圧も大きくする必要 1 ' KA がある.焼成品の誘電率,誘電体損はこの程度のもの I wI 叫 A 1 0 2 ( ) 3 0 2β 図・5 指宿カオリンのX線'11折図 でもそれぞれ1MC/Secで2.9∼4.9,0.02∼001の比 較的低い値で現在実用されているものと大差なく,今 川 後さらに改神しうる」,iL透しがついた.添加物質が電気 的特性におよぼす影裡については,もつと詳細な検討 を必要とするが,カオリン,酸化チタニウムは誘電率 9 2 鹿児島大学工学部研究報告第5号 を増大させるので好ましくない.特に原料に用いるカ します.各種実験,測定を担当した厚地昇氏の労苦に オリンについては厳選を必要とし,指宿カオリンのよ 感謝する. うにアルナイトを含有するものは,アルナイトが高温 文 献 (800∼900℃)でSO2を発生してブクの原因となる ので注意を要する. 本研究は低誘電体損材料としてのワラストナイト磁 器に関する予備的研究で,今後添加物の挙動,焼成温 度その他について基礎的,総合的研究を行う予定であ る.貴重な助言をいただいた本学部川畑清忠先生,京 都セラミックKK杉浦正敏研究部長に深甚の謝意を表 1)W、M・Jackson:AmCeram・SOC、Bull.,32, 306∼8(1953). 2)吉木:鉱物工学.p、487,披報堂(1959). 3)N、H,Snyder,J・HKoenig:AmCeram・ SOC・Bull,31,246∼7(1952). 4)1.s.Filatv,Seklo,Keram.,20(9),26∼28 ( 1 9 6 3 ) .
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