平成28年度 村政執行方針 (PDFファイル:251KB)

平 成 28 年 度
村 政 執 行 方 針
留
寿
都
- 1 -
村
1
はじめに
- 3 -
2
分野別重点施策
- 6 -
(1 )
○
交流人口の拡大と地方創生の推進
○
人材育成と地域社会との連携
(2 )
元気な産業の村づくり
○
農業・農村の活性化
○
農林業の振興
○
商工・観光の振興
(3 )
住みよい環境の村づくり
○
定住対策の推進
○
生活環境の整備
○
生活の安心・安全の確保
(4 )
心あたたまる福祉の村づくり
○
社会福祉・地域福祉の充実
○
高齢者福祉の充実
○
子育て支援・児童福祉の充実
○
保健・医療の充実
(5 )
3
自主・自立の村づくり
生涯学習の村づくり
むすびに
- 7 -
- 9 -
- 13 -
- 17 -
- 22 -
- 23 -
- 2 -
1
はじめに
平 成 28年 第 1 回 留 寿 都 村 議 会 定 例 会 の 開 会 に 当 た り 、村 政
執行の基本的な考え方を申し上げ、村議会議員並びに村民の
皆さんのご理解とご協力をいただきたいと存じます。
私は村政を担当して、今年で任期最後の年度を迎えること
になりました。残された任期を全身全霊で留寿都村発展のた
め、全ういたす所存でございますので、よろしくお願い申し
上げます。
本村において昨年は、農業が大豊作となり、また、観光も
外国人観光客が増大するなど、2大産業とも順調な一年であ
りました。
い よ い よ 3 月 26 日 に は 道 民 の 悲 願 で あ り ま し た 北 海 道 新
幹線開業となりますが、本村にとって今年も、昨年以上に明
るい一年となることを念願しているところであります。
さ て 、 政 府 が 閣 議 決 定 し た 「 平 成 28年 度 予 算 編 成 の 基 本 方
針」の基本的な考え方の一つには、「経済・財政再生計画」
の着実な推進とあり、その中で、経済再生については、人口
減少と地域経済の縮小の悪循環の連鎖に歯止めをかける、ま
ち・ひと・しごとの創生を目指すとしております。
また、二つには「一億総活躍社会」の実現とTPP(環太
平洋パートナーシップ)を踏まえた対応とあり、「一億総活
- 3 -
躍国民会議」で取りまとめられた緊急対策に取り組み、誰も
が生きがいを持って、充実した生活を送ることができる「一
億総活躍社会」の実現を目指すこととし、TPPについては
、真に我国の経済再生、地方創生に直結させるため、農林水
産業の競争力の強化など、将来の成長、発展を視野に入れた
取り組みを進めるとしております。
そ し て 、 平 成 28年 度 は そ の 「 経 済 ・ 財 政 再 生 計 画 」 の 初 年
度に当たり、人口減少対策として国・地方挙げての地方創生
の取り組みやTPP国内対策は、今まさに本番を迎えており
ます。
我国における人口減少の波は、今後大都市部にも及び、そ
のことにより減少幅もさらに大きくなることが予測され、ま
た、少子・高齢、過疎・空洞化が先行し、コミュニティや集
落の崩壊が叫ばれている地域では、一層深刻度が増してくる
ものと思われます。
本村もその例外ではなく、少子・高齢、過疎・空洞化に加
え、インフラの老朽化が進み、それらの整備等も鑑みると、
財政のひっ迫化の恐れなしとしません。
こうした本村のおかれている厳しい状況に目を背けるこ
と な く 、 直 面 す る 諸 課 題 を 克 服 し て 、 「地 方 創 生 」を 実 現 す る
た め 、 昨 年 10月 に 「 留 寿 都 村 人 口 ビ ジ ョ ン ・ 総 合 戦 略 」 を 策
定したところであり、「第5次留寿都村総合計画」及びこれ
- 4 -
に基づく「実施計画」を基本に据えて、本村への人の流れを
つくり、交流人口の増加から定住化に向けた住まいの確保、
働く場づくり、若い世代が結婚・出産・子育ての希望がかな
えられる、子どもからお年寄りまで安心・安全で住み続けた
いと思える生活環境を整備した地域づくりに果敢に挑戦して
まいります。
新年度から、本村の2大産業である農業部門と観光部門を
強化するため、組織再編を図ることとし、外回り業務の多い
産業課と建設課を統合した「農林建設課」を設置することに
より、現場対応等の機動力を高めるとともに、これまで手薄
となっていた現場出動時に、窓口体制が疎かとならないよう
努めます。
また、国際リゾートエリアを有する観光地所在町村にふさ
わしく、発展の伸びしろとなる商工観光部門を企画課に集約
し、「企画観光課」に改称を図り、その振興に努めます。
さらに、議員立法のIR法案については、今通常国会にて
継続審議となり、衆議院で審議中の状況から、制定までにま
だ時間を要すると予想され、今後とも国等の動向を注視する
とともに、現在実施している、本村における可能性調査の結
果が出来次第、説明会の開催等、村民の皆さんへの周知を図
ります。
- 5 -
いずれにいたしましても、地方公共団体として、自主性・
自立性を発揮できる住民主体のまちづくりのため、住民と行
政が協働で各種施策を推進していくことが重要であります。
そのためには、何よりも元手となる自主財源の拡充など、
財政基盤の強化を図るための財源確保が必要不可欠であり、
今後とも国や道の有利な制度活用はもとより、ふるさと納税
等の持続的で安定的な収入につながる取り組みを積極的に推
進する必要があります。
これから先も、老朽化する施設の維持補修や更新等に多額
の費用を要することになりますが、一方で保健・医療・福祉
の充実、子育て支援、住環境や教育環境の整備、環境保全、
農業、観光、商工業といった地場産業の振興対策など、未来
に向けた新たな課題に取り組んでいかなければなりません。
こうした状況下、村民の皆さんが未来に希望を持って、安
心、安全に暮らすことのできる地域づくりのため、各種施策
に全力で取り組みます。
2.分野別重点施策
こ こ で 、 平 成 28年 度 の 村 政 運 営 に 臨 む 私 の 基 本 的 な 考 え 方
について申し上げます。
- 6 -
(1)
○
自主・自立の村づくり
交流人口の拡大と地方創生の推進
最初に、「自主・自立の村づくり」であります。
まず、「交流人口の拡大と地方創生の推進」について申し
上げます。
本格的な人口減少社会が到来し、「定住人口の増加」のみ
を前提とする地域づくりは、すでに限界を迎えていることか
ら、本村の先進的な農業と国際的な観光リゾートなど、豊か
な地域資源を活かして、「交流人口の拡大」を図ることが重
要と考えます。
あわせて政府が進める地方創生のための「まち・ひと・し
ごと創生総合戦略」を受け、本村でも昨年度より交付金を活
用し、先行した取り組みを行っておりますが、その中で昨年
10月 に 策 定 し た 「 留 寿 都 村 人 口 ビ ジ ョ ン ・ 総 合 戦 略 」 に 基 づ
く総合戦略を実現するための施策を推進し、「雇用の場・人
の流れ・生活環境の向上」に取り組みます。
一昨年度から本格的に取り組んだ「ふるさと納税制度」に
つ い て 、 昨 年 度 は 12倍 の 伸 び と 飛 躍 の 年 と な り ま し た 。
本年度は、感謝特典の種類の幅を広げ、全国各地から留寿
都村を応援していただく方々に、本村をPRし、本村の魅力
- 7 -
を感じ取っていただけるよう、さらに内容の充実を図るなど
、地域経済の活性化及び自主財源の確保による地域の活力を
高める取り組みを進めます。
○
人材育成と地域社会との連携
次に、「人材育成と地域社会との連携」について申し上げ
ます。
行政ニーズの多様化・高度化の下で、村職員の村民の皆さ
んからの信頼が高められるよう、政策立案に必要な能力や資
質の向上を図るなど、引き続き、計画性のある職員研修を実
施してまいります。
また、村職員自身が地域の実情を充分理解し、住民との信
頼関係を育むことを始め、日常の執務では得られにくい、職
場外から受ける刺激や気付きは、人材育成の重要な要素であ
ることから、引き続き「地域担当職員制度」の活用により、
定期的な連絡文書等の配布や要望等の聴取などを実施するほ
か、活動内容の充実に努めます。
さらに、当該制度等を通じて出された要望事項は、その処
理経過等について、広報誌や村政懇談会の機会等を活用して
周知するなど、広報広聴に努めるとともに、各地域や団体等
のご要望に応じ、随時「村長出前懇談会」を実施するなど、
- 8 -
村からの積極的な情報発信に努めます。
(2)
○
元気な産業の村づくり
農業・農村の活性化
第2は、「元気な産業の村づくり」であります。
最初に、「農業・農村の活性化」について申し上げます。
留寿都村は、秀峰羊蹄山や洞爺湖に隣接し、道内屈指の先
進的農業と国際的な観光リゾートを擁する、豊かな地域資源
に恵まれているほか、大消費都市の札幌市を始め、新千歳空
港や北海道新幹線の予定駅にも近いなど、道内の他地域に比
べて、地理的にも優位な条件にあります。
農業・農村を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあ
りますが、本村は国際的なリゾート地として、国内外から多
くの観光客が訪れる環境にあることから、農業と観光産業の
連携を一層強化し、地域経済の振興に努めます。
地域経済・産業の振興の役割を期待して、本村が出資して
いる「一般社団法人ルスツ産業振興公社」は、一般社団法人
移行後の「公益目的支出計画」に基づく事業執行の課題等に
適 切 に 対 応 し て い く た め 、 構 成 団 体 が 協 議 の 上 、 平 成 29年 度
から、新たな組織体制の下での運営が検討されております。
- 9 -
村としても、将来に向けて、より活力のある組織づくりが
図られるよう、この検討に積極的に参画するとともに、引き
続き、「地域おこし協力隊員」との連携の下で、「地域資源
交流センター」の利活用と「農林水産物直売所」の販売促進
に努めます。
さらに、「道の駅周辺施設」の利便性を高め、機能が充分
発揮されるよう検討を進めるほか、農業・農村の「6次産業
化」の取り組みを始め、意欲を持った起業家を支援するなど
、賑わいと活力に満ちた村づくりを進めます。
○
農林業の振興
次に、「農林業」について申し上げます。
本村農業の高い生産性は、農業者と関係機関が永年実践し
てきた「土づくり」の賜物であり、今後も農業施策の基本と
して取り組みます。
このため、緑肥作物の導入及び堆肥の購入に対する助成事
業を継続するほか、生産組合の意向なども踏まえて、経過観
察の観点から「土壌病害対策事業」を継続して実施します。
次に、安心・安全な農産物の消費者ニーズに応えるため、
しょ
馬鈴薯、野菜類など、特産物の振興対策を継続するとともに
、農業者が主体となり農産物を広く宣伝する事業の支援を継
- 10 -
続して実施します。
また、近年の温暖化の影響の下で、集中豪雨を始めとする
気象災害が頻発しているため、農地の保全、崩落箇所を整備
する「農地等災害防止対策事業」並びに、国・道の採択基準
に満たない「小規模土地改良事業」の継続により、生産基盤
の安定を図ります。
さらに、有害鳥獣による農業被害の増加に対応するため、
村と猟友会の連携により、駆除体制の強化を図るとともに、
農業者の自主的な防除対策の支援を継続するなど、引き続き
、防除体制の充実に努めます。
畜産については、適正な放牧管理の支援に努めつつ、畜産
組合等の関係者の意向も伺いながら、今後の公共牧場の運営
体制について検討を進めます。
また、本村で生産される畜肉等の売り込みやブランド化へ
の取り組みを支援するとともに、家畜の疾病予防対策や酪農
ヘルパーの活用に対する助成を継続します。
豊かな森林資源は、環境保全の公益機能を持つことから、
「留寿都村森林整備計画」に基づく適正な管理と資源の有効
活用を基本に、植林事業に対する助成の継続など、林業の振
興に努めます。
○
商工・観光の振興
- 11 -
次に、「商工・観光」について申し上げます。
本村には、四季を通じて国内外から多くの観光客が訪れる
、国際的なリゾートエリアが形成され、地域経済に大きな役
割を果たしており、最近は円安の影響もあり、観光客もイン
バウンドにより外国人観光客を中心に増加しております。
近年の観光に対する社会的ニーズは、自然豊かな地域で、
健康、文化、人と人との交流を楽しむ活動(通称「グリーン
ツーリズム」)に移行しており、本村の農業と「食」に関連
する豊かな資源の活用を始め、道の駅周辺施設などの観光施
設との連携等について、引き続き検討します。
また、地元特産品の販売促進イベントや北海道新幹線開業
イベントなどの観光PR事業と連携し、留寿都村を売り込む
とともに、交流人口の増加につながるイベント誘致にも積極
的に取り組みます。
次に、企業立地促進法及び過疎自立促進法に基づく事業に
対し、固定資産税の課税免除措置を講ずるなど、引き続き、
村内の企業の育成及び新規企業の誘致促進に努めます。
さらに、商工業の育成・振興のため、これまでの中小企業
振興資金融資を基盤として、起業家支援の先行モデルとなる
、「経営革新等支援事業」の制度を見直し、新規創業者及び
既存事業者の施設取得・改修等の支援など、商工業の育成強
- 12 -
化に努めます。
また、国の補正予算を活用して昨年度実施した「プレミア
ム付商品券発行事業」について、村内での直接的な消費喚起
を促す観点から、村単独事業として、引き続き実施します。
(3 )
○
住み良い環境の村づくり
定住対策の推進
第3は、「住みよい環境の村づくり」であります。
最初に、「定住対策」について申し上げます。
住宅政策は、定住の基盤であり、質の高い受皿の確保を始
め、各分野と連携する住環境づくりが重要であるため、「住
生活基本計画」並びに「公営住宅等長寿命化計画」に基づき
、 老 朽 化 の 著 し い 村 営 住 宅 の 屋 根 ・ 外 壁 等 改 修 工 事 3 棟 12戸
分を実施するほか、村営住宅1棟8戸分の建設工事に着手す
るなど、村営住宅の需要に対応し、計画的に建替や改修を進
めます。
また、重点施策として、家族を持つ世代を核とする住宅ニ
ーズに応えるため、「民間賃貸共同住宅建設促進事業」の継
続を図り、民間資金を積極的に活用した住宅の整備による、
定住促進に努めます。
- 13 -
さらに、村内への移住希望者の情報手段として、村のホー
ムページに開設している「空き家バンク」が有効に活用され
るよう、引き続き、内容の充実に努めます。
移住・定住政策は、住宅分野のほか、医療・福祉・教育分
野などとも密接な関連があり、これらの総合的な調整が必要
であるため、移住希望者への包括的な対応を推進するととも
に、「北海道移住促進協議会」を通じ、関係町村との活発な
交流や情報収集に努めます。
○
生活環境の整備
次に、「生活環境」について申し上げます。
本村は特別豪雪地帯であり、冬の除排雪は優先課題である
ことから、村道及び生活道路の除排雪の徹底とともに、国道
及び道道の除排雪の実施等について、随時、国及び道に対し
て、迅速な対応を要請します。
また、市街地の国道沿線における積雪状況から、住民生活
・交通安全上の危険度を勘案し、留寿都商工会と連携し、村
独自でも必要に応じて排雪対策を強化します。
身近な生活を支える道路として、引き続き、村道等の適正
な 維 持 管 理 に 努 め る と と も に 、 国 道 230号 線 の 沿 線 町 村 と 連
携 し 、 「 国 道 230号 道 路 整 備 促 進 期 成 会 」 の 活 動 に 参 画 す る
- 14 -
など、中山峠のトンネル化を始め、国道や道道の線形改良、
市街地の除排雪対策及び交通安全対策などの充実について、
強く要請します。
橋りょうは、「長寿命化修繕計画」に基づき、「村道西ノ
原洞爺線香川橋補修工事」の着工を始め、「村道三ノ原南一
線南一線橋補修工事」の実施設計など、より長期間の使用を
可能とするため、引き続き、計画的な改修を実施します。
簡易水道は、重要なライフラインとして、引き続き、良質
な水源の保全・確保と施設の適正な維持管理に努めるほか、
昨年度の「泉川膜ろ過浄水場建設工事」に引き続き、電気・
機械設備工事を実施し、将来に向けて安全で安定した簡易水
道の供給体制の整備と、健全な事業運営を目指します。
公共下水道は、「施設マンホール内点検・清掃」を実施す
るほか、水洗化を促進するため、農業集落排水施設も含めて
、未利用者に対する啓発を行い、引き続き、水洗化率の向上
に努めます。
ごみ処理については、循環型社会の確立や一般廃棄物最終
処分場の延命を図るため、関係町村との広域的な連携の下で
、一層の減量化に努めることを基本とします。
可燃ごみの処理は、「倶知安町ごみ焼却施設」の稼働終了
により、固形化燃料方式による処理に移行したことから、適
正な運営が図られるよう、関係町村と連携して、引き続き、
- 15 -
住民への広報に努めます。
生ごみの処理は、「真狩村食品リサイクルセンター」の休
止に伴う広域処理の枠組みでの民間施設への処理委託方式か
ら 、 平 成 28年 1 月 よ り 喜 茂 別 町 が 建 設 し た 施 設 に 処 理 を 委 託
し、住民生活に支障が生じないよう進めます。
また、「廃棄物収集運搬車」については、現車両の老朽化
に対応するため、同規模の収集運搬車を更新します。
本村の公園やパークゴルフ場は、健康増進、憩い、交流の
場として、多くの人々に利用されており、今後も機能の向上
を図るとともに、適正な維持管理に努めます。
さらに、環境美化を推進するため、国道沿いの花壇整備が
継続的に実施されており、引き続き、住民参加を基本として
、緑化、花植え等に対する活動の支援に努め、留寿都村の美
しい景観づくりを進めます。
○
生活の安心・安全の確保
次に、「生活の安心と安全」について申し上げます。
近年多発する自然災害等の発生に備えて、更新時期を迎え
た備蓄資材の計画的な更新に努めるとともに、迅速で適正な
対応を図るため、「留寿都村防災計画」に基づき、災害時の
職員初動マニュアルの点検整備を行い、引き続き、危機管理
- 16 -
体制の充実に努めます。
また、防災と行政の情報を周知する、防災広報無線の有効
な活用と併せて、外出時など、屋外でも放送内容を把握でき
る、「ルスツコミュニティメール」の周知と普及促進に努め
、情報提供体制の充実を図ります。
消防機能は、羊蹄山ろく消防組合本部との連携の下で、消
防業務の効率化に努めるとともに、老朽化した留寿都支署の
消防資器材の計画的な更新等を行い、消防力の充実強化に努
めます。
交 通 安 全 は 、 道 内 屈 指 の 交 通 量 を 誇 る 国 道 230号 線 が 、 村
内を通過する環境の下で、村民総ぐるみの取り組みにより、
交通事故死ゼロ3千5百日達成を目標に、引き続き、関係機
関と連携した啓発活動を推進し、交通事故防止に努めます。
防犯対策は、消費者被害などのトラブルに対応するため、
近隣7町村の共同設置による、「ようてい地域消費生活相談
窓口」を活用するほか、悪質巧妙化する犯罪被害に遭わない
よう、関係団体と連携した啓発活動に努めます。
(4 )
○
心あたたまる福祉の村づくり
社会福祉・地域福祉の推進
第4は、「心あたたまる福祉の村づくり」であります。
- 17 -
最初に、「社会福祉・地域福祉」について申し上げます。
少子高齢化と核家族化の進行に伴い、ひとり暮らし世帯、
高齢者夫婦世帯が増加しており、社会福祉協議会の活動を支
援し、権利擁護事業を始め、生活支援の推進に取り組むほか
、引き続き、子どもから高齢者、さらに障がいのある方も含
めて、住民が安心して暮らせる地域づくりを進めます。
また、生涯学習バス、老人福祉バス及びスクールバスの管
理委託による効率的で持続的な運営を図るとともに、交通手
段を持たない高齢者等、いわゆる交通弱者に対する機動性の
ある交通手段の確保について、国の規制緩和への取組動向を
踏まえて検討します。
さらに、地域相談支援事業の実施によって、障がいのある
方の社会参加、社会復帰を促進するとともに、タクシー料金
の助成や医療、補装具、日常生活用具の給付等の支援を継続
するほか、羊蹄山ろく発達支援センター事業により、引き続
き、障がいのある子どもへの通所支援事業を実施します。
加えて、社会福祉協議会が主管する「ふれあい広場」など
への積極的な参加を促し、地域との交流や社会参加の輪を広
げ、福祉の心が通う地域社会を目指します。
○
高齢者福祉の充実
- 18 -
次に、「高齢者福祉」について申し上げます。
平 成 27年 4 月 、 村 立 の 「 老 人 デ イ サ ー ビ ス セ ン タ ー 」 を 社
会福祉法人渓仁会に譲渡して、「るすつ銀河の杜デイサービ
スセンター」が開設されました。
併設する地域密着型介護老人福祉施設「るすつ銀河の杜」
と併せて、高齢者福祉の中核施設として、一体的で効率的な
運営が図られており、本村の独自事業である、生きがい活動
支援通所事業を当該法人に委託します。
また、その他の主な在宅福祉事業は、社会福祉協議会への
委託により、軽度生活援助事業(ホームヘルパーの派遣)、
外出支援サービス事業、配食サービス事業及び除雪サービス
事業を継続するほか、地域包括支援センター等による訪問活
動を充実させ、サービスの相談、利用の調整を図ります。
さらに、元気な高齢者の健康寿命が延びるように、生きが
い対策や、老人クラブ活動などの支援に努めるとともに、活
動の足として、昨年度更新した「老人福祉バス」の効率的な
活用に努めます。
○
子育て支援・児童福祉の充実
次に、「子育て支援・児童福祉」について申し上げます。
全国的な少子化の進行の下で、子どもを産み育てやすい環
- 19 -
境は、福祉の増進を始め、定住促進の要素でもあることから
、「留寿都村子ども・子育て支援事業計画」に基づき、子育
て環境の整備・充実に努めます。
昨年5月に供用開始した「るすつ子どもセンターぽっけ」
は、保育所、子育て支援センター、放課後児童クラブ及び小
型児童館の4つの機能を有する複合施設として、多くの住民
の皆さんにご利用いただき、また、道内外から多くの視察者
も訪れています。
「ぽっけ」の開設を契機として、保育所では0歳児保育を
開始したほか、利用者の希望に応じて、保育所及び放課後児
童 ク ラ ブ の 利 用 時 間 を 、 18時 30分 ま で 延 長 し 、 子 育 て 家 庭 の
支援に努めています。
さらに、異年齢の交流を通じて、子どもの社会性を豊かに
する拠点として小型児童館を活用するとともに、子育て支援
センターの専門機能を活かし、育児相談などの子育て家庭に
対する支援のほか、就学前の児童を一時的に預かる保育サー
ビスを実施するなど、引き続き、広報活動に努めながら多様
化する子育て支援のニーズに対応します。
また、一昨年度より、中学生まで対象者を拡大して実施し
ている乳幼児等に対する医療給付事業を継続するとともに、
「ふるさと納税制度」による寄附金を財源とし、現在任意と
されている、おたふくかぜ、ロタウイルス及びB型肝炎の予
- 20 -
防接種について、本年度も村独自事業として実施するほか、
新たな施策として、村民の出生をお祝いし、子育て世代の転
入、定住促進を図ることを目的に、村独自事業として、乳幼
児用紙おむつの購入費の一部助成を実施することとし、子育
て世代の負担の軽減により、安心して子育てができる環境づ
くりに努めます。
○
保健・医療の充実
次に、「保健・医療」について申し上げます。
村民の願いである「健康で生きがいのある暮らし」の実現
を目指して、各年代に応じた、きめ細かな保健事業の推進に
努めます。
まず、母親が安心して出産・子育てができるよう、関係機
関との連携の下で、乳幼児教育、思春期教育等の充実を図る
ほ か 、 産 後 1ヶ 月 健 診 ま で の 間 に 育 児 不 安 を 訴 え る 保 護 者 が
多いことから、保健師が行っている新生児訪問に加え、育児
不安の解消のため、助産師による産後訪問を実施し、相談体
制や交流活動の促進に努めます。
次に、定期的な各種健診の受診が、成人の健康づくりの基
本となることから、様々な機会を通じて、受診率を高めるた
めの啓発活動や情報提供に努めます。
- 21 -
また、インフルエンザなどの感染症対策については、対象
者の負担軽減を図るため、引き続き、予防接種費用の助成等
を行い、接種率の向上に努めます。
留寿都診療所は、住民に身近な医療機関として、診療所医
師と密に連携を図りながら、計画的な設備・機器類の整備に
努 め る ほ か 、 平 成 28年 4 月 か ら 月 2 回 、 札 幌 市 の 社 会 医 療 法
人仁陽会西岡第一病院による整形外科の診療を開始すること
とし、安心できる医療体制の充実を図ります。
なお、二次医療機関の役割を担う、倶知安厚生病院につい
ては、関係町村と連携して、経営環境の悪化に対する財政支
援を行ってきておりますが、引き続き、広域医療のあり方や
支援方法等について、協議を進めます。
(5 )
生涯学習の村づくり
第5は、「生涯学習の村づくり」であります。
社会に役立つ「人づくり」を進めるため、多様な学習機会
の提供など、住民の誰もが意欲的に学べる教育環境の整備が
重要であります。
これらの推進に係る具体的な教育施策は、「教育行政執行
方針」として、教育委員会から示されることから、私の立場
としては、総合教育会議の開催など、教育委員会との連携の
- 22 -
下で推進する、主要な事項について申し上げます。
まず、懸案でありました学校給食センター建設工事に着手
し、安心・安全な給食の提供体制を整えるほか、老朽化して
いる留寿都高等学校校舎外壁の補修及び塗装工事を実施する
など、関連施設の適正な維持管理に努めます。
また、北海道随一の規模を誇るスキー場が立地する環境を
活かし、小中学生のスポーツ活動を奨励するため、スキーリ
フトシーズン券の購入者に対する助成を拡充します。
さらに、昨年度更新した「生涯学習バス」を有効に活用し
、芸術文化活動やスポーツ活動など、住民の主体的な生涯学
習活動の支援に努めます。
3
むすびに
以 上 、 平 成 28年 度 の 村 政 執 行 に 臨 み 、 そ の 所 信 と 基 本 方 針
を申し述べさせていただきました。
地方を取り巻く環境は、非常に厳しい状況にありますが、
留寿都村が持つ限りない潜在能力を糧として、私は、村民の
声に耳を傾け、一人ひとりが豊かさを実感できる村づくりの
ため、全力を尽くす所存であります。
留寿都村議会議員並びに村民の皆さんのご理解とご支援を
心からお願い申し上げ、村政執行方針といたします。
- 23 -