CM 案件数・単価の上昇続き、業績の上振れ期待高まる

AOI Pro.
(9607・東証 1 部)
2016 年 3 月 31 日
CM 案件数・単価の上昇続き、業績の上振れ期待高まる
主要指標 2016/03/29 現在
リ サ ー チ ノ ー ト
株
(株)QBR
清水 康之
業
績
動
価
979 円
発行済株式数
13,334,640 株
時 価 総 額
13,055 百万円
売上高
百万円
向
直前のレポート発行日
前期比
%
営業利益
百万円
前期比
%
経常利益
百万円
ベーシック
2015/09/02
アップデート
2015/12/29
前期比
%
当期純利益
百万円
前期比
%
EPS
円
2015/3 3Q(4-12 月) 実
績
20,396
6.5
1,145
16.0
1,120
21.8
555
92.4
45.63
2016/3 3Q(4-12 月) 実
績
22,315
9.4
1,732
51.2
1,700
51.8
924
66.4
74.15
2015/3 通
績
28,817
3.0
1,952
9.5
1,939
13.8
1,238
92.0
101.38
会 社 予 想
30,000
4.1
2,200
12.7
2,150
10.8
1,000
-19.3
80.48
30,500
5.8
2,350
20.4
2,300
18.6
1,150
-7.2
92.27
32,000
4.9
2,650
12.8
2,600
13.0
1,300
13.0
104.31
2016/3 通
期
期
実
(2015 年 5 月発表)
アナリスト予想
(2015 年 9 月発表)
2017/3 通
期
アナリスト予想
(2015 年 9 月発表)
●3Q 累計は経常
52%増益。中核の「CM
制作」好調、赤字事業からの撤退も貢献
3Q 累計は経常
52%増益。中核の「CM
制作」好調、赤字事業からの撤退も貢献
16/3 期 3Q 累計の連結業績は、売上高が前年同期比 9.4%増の 22,315 百万円、経常利益が同 51.8%増の
1,700 百万円となった。企業の販促意欲の高まりを追い風に、
「広告制作事業」の中核である「CM 制作」が
好調に推移し、
「メディア関連事業」撤退に伴う 470 百万円の減収要因を吸収した。利益面でも、増収効果
に加え、
「メディア関連事業」の経常赤字 124 百万円が無くなったことが寄与。新規事業推進や人材強化、
業務システムの刷新など戦略投資のために発生した先行的支出約 150 百万円を吸収し、大幅な経常増益だ
った。会社の社内計画に対しても上回る結果だった。
●大手制作会社への集中の流れ受けうけ案件数増加、高度化で単価も上昇
大手制作会社への集中の流れ受け案件数増加、高度化で単価も上昇
「広告制作事業」の売上高は同 12.0%増の 22,215 百万円、経常利益は同 40.1%増の 1,783 百万円だっ
た。自動車メーカーなどを中心に案件数が増えたうえ、受注単価も 2 桁の伸びとなった。広告主が映像に
高いクオリティを求めて予算を投じる傾向が強まっており、海外での撮影や CG(コンピュータグラフィッ
クス)の多用に伴い案件規模が大型化。また、それらの対応は、資金・機材・体制などの面から、中小制
作会社では対応が難しく、実績のある大手への集中が加速している。
一般消費者向けの写真スタジオ「hollyhock(ホリーホック)」を運営する「写真スタジオ事業」の売上
高は同 21.7%増の 99 百万円、経常損益が 78 百万円の赤字(前年同期は 26 百万円の赤字)だった。15 年
10 月に複合型商業施設「ららぽーと海老名」
(神奈川県海老名市)
、同 12 月に「ららぽーと立川立飛」
(東
京都立川市)へ、それぞれ新規出店したが、人員採用などで費用が先行した。
●注力する「デジタルコンテンツ制作」は
13%増収
注力する「デジタルコンテンツ制作」は
13%増収
「広告制作事業」で注力する「デジタルコンテンツ制作」の売上高は同 13.0%増の 2,993 百万円、
「海外
アナリストレポート・プラットフォーム
1
拠点」の売上高は同 54.2%増の 1,111 百万円だった。
「デジタルコンテンツ制作」では、ブランド向上を狙
った広告主が自社サイトや動画共有サイトに掲載するウェブ動画や、SNS(交流サイト)などでの拡散によ
り広告効果を狙うバズムービーなどの受注が拡大、
「海外拠点」も、13 年に現地制作会社を買収して参入し
た中国法人が本格的に立ち上がった。日系広告主の案件に加え、現地の通信会社などからの受注も増加傾
向にある。
●中期経営計画では中期経営計画では
20/3 期に売上高 50,000
20/3百万円を目指す
期に売上高 50,000 百万円を目指す
15 年 3 月に発表した 16/3 期から 5 カ年の「中期経営計画 2019」では、従来の展開に加え、
「動画コンテ
ンツマーケティング事業」を成長領域として強化する方針。同事業は、様々なデータを取得できるウェブ
の特性を活かして動画広告のターゲットの反応を分析、内容や配信条件の最適化を図るもので、既存事業
との相乗効果や、新たな強みの創造を狙う。
好採算のソリューション提供型ビジネスを拡大することで、最終年度の 20/3 期に、全体で売上高 50,000
百万円、営業利益率 10%、ROE12.0%以上の達成を目指している。
●16/3 期通期の会社計画は据え置きも、強含み
16/3 期通期の会社計画は据え置きも、強含み
16/3 期通期の連結業績について会社側は、期初に発表した見通しを据え置いた。売上高 30,000 百万円
(15/3 期比 4%増)
、経常利益 2,150 百万円(同 11%増)を計画する。逆算すると 4Q は売上高 7,684 百万
円(前年同期比 9%減)
、経常利益 449 百万円(同 45%減)となる。前四半期比では 8%の減収、52%の経
常減益の水準であり、例年、広告需要が高まる 4Q の収益が、他の四半期に比べて高くなる傾向なども考慮
すると上振れも見込まれる。ただ、会社側は「業績見通しの修正に関する適時開示基準(計画に対して売
上高で 10%、利益で 30%以上の乖離)に該当する水準ではない。特に利益については、来期をにらみ投資
等を積み増す可能性があるため、大きく上振れするとはみていない」としている。
●QBR は 16/3 期・17/3 期ともに
2 桁経常増益を予想
QBR は 16/3
期・17/3 期ともに 2 桁経常増益を予想
16/3 期通期の連結業績について QBR は、会社計画を上回る、売上高 30,500 百万円(15/3 期比 6%増)
、
経常利益 2,300 百万円(同 19%増)を予想。昨年 9 月時点での予想を据え置いた。QBR 予想に対する 3Q 累
計の進捗率は売上高で 73%、経常利益で 74%と近年の実績を上回っている。
「広告制作事業」の売上高も
同 7%増で予想しているが、3Q 累計ベースで同事業の増収率は 12.0%であり、昨年 12 月時点での同事業の
受注残高も 1 年前に比べ 14.3%増加している。4Q の収益ウェイトが高く、読みきれない部分もあるため、
現時点で業績予想の修正は行わなかったが、4Q で目立った取りこぼしや期ずれがなければ、QBR 予想をも
上回ってくる可能性もあるとみる。
続く 17/3 期通期の連結業績について QBR は、売上高 32,000 百万円(前期比 5%増)
、経常利益 2,600 百
万円(同 13%増)を予想。CM 制作の大手寡占化が進む中、大手 3 社の一角としてシェアが上昇、注力する
デジタル関連や海外での展開も本格化し収益拡大が進みそうだ。店舗数増加と運営軌道化で「写真スタジ
オ事業」の赤字が解消(予想上は損益ゼロ)することも貢献し、全体では 2 桁の増益が続くと予想する。
「広
告制作事業」の前期比増収率は、中計の前提でもある 5%で予想したが、動画プラットフォームの運用や効
果測定を得意とするナカミノ(東京・港)を 15 年 12 月に子会社化したことで、立ち上がりに時間が要す
るとみていた「動画コンテンツマーケティング事業」の寄与が本格化する可能性が出てきており、全体の
収益は上振れも期待出来る。
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デ ィ ス ク レ ー マ ー
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