2月 - 和歌山県ホームページ

普及活動現地情報
「農業現場では、今」
平成 28 年 2 月号
【西牟婁振興局】2/18 上富田町農業者懇談会で説明する普及指導員
和歌⼭県農林⽔産部経営⽀援課
(農業革新⽀援センター)
は
じ め
に
普及活動現地情報は、普及指導員等が行う農業の技術普及、担い手育
成、調査研究、地域づくり等の多岐に渡る現場普及活動や、運営支援を
行っている関係団体の活動、産地の動向等、その時々の旬な現場の情報
をとりまとめたものです。
それぞれの地域毎の実情に応じて、特徴ある普及活動を展開していま
すので、是非、御一読頂き、本情報を通じて、普及活動に対する御理解
を深めて頂くと共に、関係者の皆様にとって、今後の参考になれば幸い
です。
また、本情報については、カラー版(PDF ファイル)を和歌山県ホー
ムページ内(農林水産部経営支援課:アドレスは下記を御参照下さい。
)
に掲載しており、過去の情報も閲覧出来ますので、併せて御活用下さい。
和歌山県農林水産部経営支援課ホームページ 普及現地情報アドレス
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070900/hukyu/
検索サイトより、以下のキーワードで御検索下さい。
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目
次
>
頁数
Ⅰ 海草振興局
1
1.紀美野町農業士会が県外研修を実施
Ⅱ 那賀振興局
2 -5
1.重点プロジェクト【いちご産地の活性化】
~平成 27 年度いちご栽培研修会を開催~
2.那賀地方農業者グループが食育活動を実施
3.紀の川市環境保全型農業グループが県外研修を開催
4.那賀地方農業士協議会が先進地研修会を実施
Ⅲ 伊都振興局
6 -9
1.果樹カメムシ類の越冬量調査を実施
2.御所観光組合員全員がエコファーマー再認定を申請
3.地方農業士連絡協議会研修会(優良経営事例発表)の開催
4.河南地区農産物加工販売組合対象に農作業安全講習会を開催
5.研修会「郷土料理の伝承と伝えたい柿料理」を開催
Ⅳ 有田振興局
10―
10―11
1.有田ネット21第 3 回研修会が開催されました!
2.平成28年産ミカンの枝挿し着花調査を行いました
Ⅴ 日高振興局
12-
12-13
1.南部川生活研究グループが現地研修会を実施
2.日高川町農業祭でシカ肉料理の PR を実施
3.日高地方生活研究グループ連絡協議会がリーダー研修会を開催
Ⅵ 西牟婁振興局
14-
14-17
1.西牟婁地方農業士会が経営研修会を実施
2.第 3 回女性起業支援のための研修会を開催
3.上富田町農業者懇談会開催
4.田辺生活研究グループ連絡協議会がUMEロードマラソンで「ジビエ料理」を PR
5.平成 27 年度西牟婁地方農山漁村女性の日のつどいを開催
Ⅶ 東牟婁振興局
1.なんたん蜜姫
18-
18-19
生産者会議開催
2.重点プロジェクト【6次産業化による地域の活性化】
~『くまのがわ市』を開催~
Ⅷ 農業大学校
20
1.和歌山県農業大学校卒業証書授与式の挙行
Ⅸ 農業大学校 就農支援センター
21
1.社会人課程(離転職者等職業訓練「農業科」)修了式開催される
2.平成27年度技術修得研修(第2班)が修了
Ⅹ 経営支援課(農業革新支援センター)
1.むらとくらしを考える会議を開催
22
普及活動現地情報
Ⅰ
平成 28 年 2 月
海草振興局
1.紀美野町農業士会が県外研修を実施
紀美野町農業士会(西田喜臣会長)は 2 月 23 日から 24 日、兵庫県加西市の株式会社兵庫
ネクストファーム、三木市の三陽金属株式会社を訪れて研修を実施し、会員 7 名が出席した。
株式会社兵庫ネクストファームは、兵庫県みどりの公社が整備した大型施設園芸団地の運
営を行っている。本施設では、ミニトマトと大玉トマトを 1.8ha ずつ養液栽培し、ハウス内
の環境はすべて自動制御し、ICT の活用や作業マニュアルの整備も行っている。
三洋金属株式会社は、チップソーをはじめとする農業用の刃物を生産している。今回は、
チップソーの生産工程を見学した。
本研修を通じて、最新の施設園芸や大規模農業経営、
農業用刃物の安全で効率的な使用を学ぶことができた。
農業振興課では、今後もこのような研修会を企画し、県
外の先進地における動向を学ぶ場を提供していく。
オランダ式のハウス
チップソー生産工程の見学
(兵庫ネクストファーム)
-1-
普及活動現地情報
Ⅱ
平成 28 年 2 月
那賀振興局
1.重点プロジェクト【いちご産地の活性化】
〜平成 27 年度いちご栽培研修会を開催〜
2 月 23 日、振興局農業振興課はJA紀の里ふるさとセンターで「平成 27 年度いちご栽培
研修会」を開催した。那賀地方のイチゴ生産者 27 名の出席があった。
研修会では、農業試験場栽培部の東主任研究員から県育成イチゴ新系統の育成経過や、今
後の計画について報告があった。今年度は、県内 6 カ所(うち那賀地方 2 カ所)に現地実証
圃を設置し、3 系統について調査を行っている。この 3 月には、その中の 1 系統が品種登録
申請され、平成 30 年秋にいちご生産組合連合会を通じて親株が配布される予定である。
また、農業試験場環境部の井口主任研究員からは、天敵を利用したハダニの防除について、
那賀地方で設置している 3 カ所の現地実証圃の途中経過を交えながら説明があった。なお、
この調査については、アザミウマ類が多発する 3 月頃まで行う予定である。
また、その後紀の川市広野の県育成イチゴ新系統現地実証圃を見学し、栽培した延与恭光
氏が新系統の特性等について説明を行った。
県育成イチゴ新系統の説明を受ける生産者
研修会
2.那賀地方農業者グループが食育活動を実施
那賀地方有機農業推進協議会(関 弘和 会長)は 2 月 22 日に紀の川市立上名手小学校に
おいて、紀の川市環境保全型農業グループ(畑 敏之 会長)は、2 月 26 日に紀の川市立川
原小学校で食育活動を実施した。
那賀地方有機農業推進協議会では平成 27 年度地域・ひと・まちづくり事業を活用して消
費者との交流促進や、小学校への食育など有機農業の推進活動を行っている。今回は上名手
小学校 3、4 年生 11 人に対して、関会長と会員の花田氏がパネル等を用いて有機農業や土づ
くりの大切さについて説明を行い、最後に会員が栽培したホウレンソウを配布した。会員の
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平成 28 年 2 月
熱心な話に生徒たちは耳を傾けていた。
紀の川市環境保全型農業グループでは継続的に地域小学校への食育活動を実施している。
今回は川原小学校において 1、2 年生 24 人、5、6 年生 22 人に対してそれぞれジャガイモの植
え付け、タマネギの定植作業を行った。会員の木村氏、井上氏より作業の説明を受けた生徒
たちは、泥だらけになりながら楽しく作業を行った。3 月には 3、4 年生がニンジンの種まき
を行い、収穫した作物を使いカレーライスを作る予定である。
両グループは今後も食育を通じて子どもたちの農業への理解を高める活動を行っていく
予定である。
上名手小学校で有機農業の説明
川原小学校でタマネギの定植
3.紀の川市環境保全型農業グループが県外研修を開催
2 月 18~19 日の 2 日間、紀の川市環境保全型農業グループ(畑 敏之 会長)は、県外研
修として大阪府堺市クボタ堺製造所や奈良県葛城市永座農園、三重県名張市福廣農園などを
訪問し、同グループの会員 20 名が参加した。
1日目のクボタ堺製造所では、工場の概要説明を受けた後、工場内の見学を行った。敷地
面積 200,000 ㎡従業員数 2,600 名という大規模な工場で、年間にエンジン 22 万台、トラク
ター4 万台が生産されている。安全・品質管理が徹底されており、会員は取り組む体制に感
心していた。
永座農園では永座 全康 氏より有機農業の土づくりにおける微生物の働きと有効活用に
永座農園の土壌微生物の説明
福廣農園で堆肥づくりの説明
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普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
ついて予定時間をオーバーするほど熱心な講話があった。有用な微生物資材を紹介され、会
員からは早速試してみたいとの意見があった。
2 日目に訪問した福廣農園は、栽培面積 2ha でコマツナ、ホウレンソウ、トマト、キュウ
リなどを栽培しており、すべてで有機 JAS を取得している。6 人でグループを作り、契約栽
培で販売を行っている。ハウス(50a)を整備したので計画的な出荷が可能になったとのこと。
堆肥舎で作成した堆肥を、土壌分析を基に効果的に施用し、圃場の雑草管理は徹底されてい
た。新規就農者の研修受入も行っている。会員からは有機農業の理想のモデルの一つではな
いかとの意見もあった。
紀の川市環境保全型農業グループと農業振興課は、今後も研修会等を通じて環境に配慮し
た農業技術の普及に努めていく予定である。
4.那賀地方農業士協議会が先進地研修会を実施
2 月 23 日、那賀地方農業士協議会(青柳 市
郎 会長)は、会員の経営技術向上を図るため、
「農業生産法人 こと京都株式会社」への先進
地研修会を実施した。
こと京都(株)は、約 25ha のほ場で 600tの
九条ねぎを生産する一方、独立した農業研修生
から 400tのねぎを購入してカットネギ等の 6
次産業化にも取り組み着実に営業成績を伸ば
こと京都(株)本社で説明を受ける
している。
代表を務める山田敏之氏は、アパレルメーカ
ーから脱サラし、平成 7 年に 32 歳で就農した。目標を高くすることやネギ栽培と 6 次産業
化を組み合わせることにより販売金額を順調に伸ばし、平成 19 年には農業生産法人こと京
都株式会社を設立。現在の販売金額は 10 億円となっている。今後は 200 億円を目標として
カットねぎへの加工
ねぎの加工商品
-4-
普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
いるとのこと。
参加した農業士は、①経営作物をネギに絞り、ネギに特化した経営を行ったこと。②6 次
産業化に取り組んだこと、③販売を上位量販店(三越等のデパート等)から取り組み、裾野を
広げる戦略を行ったことが成功の要因であると認識していた。
今後も、農業振興課では農業士のスキルアップにつながる研修を実施していく。
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普及活動現地情報
Ⅲ
平成 28 年 2 月
伊都振興局
1.果樹カメムシ類の越冬量調査を実施
伊都地域果樹病害虫防除協議会※は、1 月
27 日~2 月 3 日にかけて、高野町を除く伊都
振興局管内全域において果樹カメムシ類の
越冬量調査を実施した。
果樹栽培において、高品質な果実を安定的
に生産するには、カメムシの防除対策が重要
である。とりわけ当地域の基幹品目である柿
については、カメムシの被害を最小限に抑え
ることが必須となる。カメムシの中でも、当
越冬量調査(落ち葉を集めています!)
地域で特に問題となるチャバネアオカメム
シは、落葉下で越冬するため、毎年落ち葉を
採集し越冬量の調査を行っている。来年度のカメムシ発生量を予測するため、管内 12 カ所
で調査を行った。
今回の調査では平年と比べ、越冬数は少ない結果であった。今後はこの調査で得られたデ
ータを元に、他地域の越冬量調査の結果とあわせ、来年度の発生量の予測や対策について検
討していく。
※管内の市町(高野町を除く)
、JA、NOSAI、県果樹試験場かき・もも研究所及び振興局農
業振興課により組織された団体
2.御所観光組合員全員がエコファーマー再認定を申請
2 月 5 日、振興局農業振興課では、かつらぎ町御所地域でぶどうの観光農園を運営してい
る御所観光組合(上垣内 恒夫 代表)の組合員に対し、エコファーマーの再認定の申請手続
きの説明を行った。当日は、組合案内所において普及指導員が説明を行い、組合員全員が次
年度以降の計画を作成した。御所観光組合は、組合全体で環境保全型農業に取り組んでおり、
和歌山県エコファーマー優良事例集にも掲載されている。組合員は、今後も引き続き環境保
全型農業に力を入れていくとのことだった。
伊都管内のエコファーマーの人数は高齢化の影響もあり、平成 23 年度以降減少傾向にあ
るが、農業振興課では今後もエコファーマーをはじめ環境保全型農業を普及推進していく。
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普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
3.地方農業士連絡協議会研修会(優良経営事例発表)の開催
2 月 12 日、地方農業士連絡協議会(玉置 成朝 会長)は、振興局大会議室において、農
業士会会員の優良な経営事例を聞くことで経営能力向上を図ることを目的に研修会を開催
し、農業士、市町等の関係者ら 33 名が出席した。
農業振興課普及指導員からの「伊都農業の今昔」、
「農業振興と普及指導員のしごと」と題
した講話に続いて、指導農業士の池田 泰子 氏(橋本市)
、森脇 佐太代 氏(九度山町)
、水
浦 言仁 氏(かつらぎ町)の順に自身の農業経営について発表した。
池田氏は十年程前に母の病気を契機に就農。5 年間、師匠につき施設ナスの栽培技術を習
得し、野菜栽培中心の経営に転換し、学校給食等への食材も供給している。農業委員として
も活動しており、遊休農地解消に尽力したいと述べた。
森脇氏は、柿、施設桃等で約 2.5ha の果樹間複合経営を夫と共に従事し、雇用労力を活用
して営農している。今後はさらに園内作業道を整備して省力、軽作業化を進めたいと話した。
水浦氏は昭和 48 年に「ピオーネ」でブド
ウ栽培を開始。生協との交流から地域で観光
ブドウに取り組み規模拡大し、その後、柿施
設栽培を導入した。現在、ブドウ品種「シャ
インマスカット」や「早秋」等の甘ガキ導入
を進めていると説明した。
今後、農業振興課では農業士会と連携して
この様な研修会を通じて、会員相互の交流を
活発にし、管内の農業振興に役立てていく。
発表者との意見交換
4.河南地区農産物加工販売組合対象に農作業安全講習会を開催
県農業改良普及総合推進事業(農業生産保安対策事業)として、標記組合員を対象に農作
業安全について研修会を開催した。この事業は、農作業現場の環境改善や農作業安全につい
ての啓発を地域ぐるみで取り組むもので、一年間通して農作業安全を考える機会として設定
し、4 月は刈り払い機の安全使用について、12 月は高所作業車や電動せん定ばさみの安全使
用等について知識と理解を深めてきた。
最終回として 2 月 19 日、大型機械(トラクター)の使用や最新の生産工程を見学するた
め、株式会社クボタ堺製造所を組合員 26 名が訪問した。組合員は、大型農業機械の安全使
用について真剣な様子で説明を受けていた。また、普段、見学する機会が少ないトラクタの
組み立てやエンジンの組み立て工場を興味深く見学した。
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普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
農業振興課では、健康に農業を続けられるよう今後も農作業安全の啓発に努める。
刈り払い機取り扱い説明(4 月)
高所作業車の安全使用(12 月)
電動せん定ばさみ取扱説明
クボタ堺製造所での安全講習
5.研修会「郷土料理の伝承と伝えたい柿料理」を開催
伊都地方生活研究グループ連絡協議会(小西 教子 会長)と振興局が共催で 2 月 24 日に
かつらぎ総合文化会館において会員、関係者 40 名出席のもと研修会を開催した。
生活研究グループでは活動の一環として、伊都地方に伝わる郷土料理を後世に伝えること
や、特産の柿の消費拡大に繋がるよう柿を利用した料理の考案などを行っている。そこで、
会員自ら試作検討した柿料理を家庭料理として普及定着させることや、郷土料理の再認識を
目的に研修会を開催した。
はじめに、グループ員が郷土料理 6 点と柿料理 10 点を調理し、開会後各グループの代表
が料理説明を行い、バイキング形式で試食会を行った。その後、神戸松蔭女子学院大学 橘
ゆかり教授の講演「郷土料理・柿料理の伝承と食環境整備の方向性について」を聴講した。
参加者らは、講演の中から伝承活動の大切さを痛感したようであった。
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普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
農業振興課としては、郷土料理の伝承と柿料理の家庭料理への定着に向け、機会あるごと
に支援していきたい。
郷土料理と柿料理を調理
料理を並べオープニングセレモニー
郷土食「いのこ餅」など料理の試食
講演を聞く会員
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普及活動現地情報
Ⅳ
平成 28 年 2 月
有田振興局
1.有田ネット21第 3 回研修会が開催されました!
2月5日、有田ネット21(武内
哲也
会長)第3回研修会が会員12名参加のもと開催され
た。有田ネット21 は、「パソコンを農機具に!」を合い言葉に平成8年に結成され、パソコ
ン操作技術の勉強会等のほか、現在では農業に関する技術研修会を主に開催している。
今回は、果実の搾汁や缶詰など幅広く加工業務を行っている紀州食品株式会社で、農産物
加工への取り組みや加工場の見学を行った。
温州みかんの搾汁も委託を受けて行っていることから、会員からはみかんジュースや缶詰
に関する質問が多く出た。参加した会員は、みかん農家が中心であり、6次産業化を考える
うえで有意義な研修会となった。
振興局農業振興課では今後も有田ネット21会員の資質向上に向けた活動を支援していく。
加工品についての意見交換
2.平成28年産ミカンの枝挿し着花調査を⾏いました
2月17日から29日にかけて、有田農業技術者会(乙井 誠義 会長)に所属する振興局農業
振興課、果樹試験場及び管内の農協職員がミカンの枝挿し調査を行った。本調査はミカンの
結果母枝を短期間に発育させることにより、事前に着花の多少を観察し、今年産の着花状況
を予測するものであり、平成23年度から行っている(今年度で5回目)。
2月17日、管内のミカン園地(計59園地)を巡回して結果母枝を採取し、果樹試験場のイ
ンキュベータで28℃に保温し、培養を開始した。
2 月 29 日、培養していた結果母枝から発生した直花、有葉花及び新梢の数を計測し、集
計した。その結果、花芽のついた枝(着花枝数率)は全体の 84%(過去 4 カ年平均 73.4%)
となった。同会では今後も継続して調査を行い、データの蓄積及び現地指導へ活用していく。
同会は農業振興課普及グループ職員、果樹試験場職員、管内の農協、農業共済、土地改良
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普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
区、教育機関等から構成される団体(会員 69 名)であり、調査や研修会を通じて情報共有
や技術研鑽を目的に活動している。
伸長した芽
調査
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普及活動現地情報
Ⅴ
平成 28 年 2 月
日高振興局
1. 南部川生活研究グループが現地研修会を実施
2 月 5 日、南部川生活研究グループ(芦硲 真弓 会長)が紀美野町で女性起業に関する現
地研修会を実施し、28 名が参加した。
最初に、生石加工グループの寺中 萬喜子 会長から活動の経緯や 6 部門に分かれ、加工品
を作っていることや販売方法などの話を聞いた。参加者から「時給を支払っているのか」、
「加工所の管理は、どうしているのか」などの質問があった。その後、生石加工グループの
手作りの昼食をとりながら、グループ同士で交流した。
また、参加者は、菓子部門の担当者から桜餅と上用饅頭を教わりながら、和菓子づくりを
体験した。参加者は、担当者に桜の葉の保存方法やあんの包み方、食紅の使い方などを聞き
ながら交流と体験を行った。
和菓子づくり体験(桜餅)
研修会
2.日高川町農業祭でシカ⾁料理の PR を実施
2 月 7 日、日高川町農業祭に日高地方生活研究グループの有志で結成されたシカレディー
ス(後藤 明子 隊長)4名が出動した。日高川町農業祭でシカ肉料理の PR 活動を実施して
おり、今回が 3 回目である。
シカ肉料理の試食ではシカ肉の梅酒煮(100 食)を提供し、レシピも配布した。試食した
若い親子連れからは、「お肉がやわかい」、「臭みがない」、「美味しい」、年配者からは、「ク
ジラの肉みたい」
、「まぐろの感触に似ている」などの感想が聞かれた。
また、試食後にシカ肉の臭みの抜き方や肉をやわらかくする方法を聞かれ、シカレディー
スが丁寧に調理の仕方を教えるなど大変好評であった。
今後もシカ肉料理の PR 活動としてシカレディースが地域のイベントに出動する予定であ
る。
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普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
若いお母さんに作り方を説明
シカ肉料理の試食
3.日高地方生活研究グループ連絡協議会がリーダー研修会を開催
2 月 26 日、日高振興局別館で日高地方生活研究グループ連絡協議会(後藤 明子 会長)
がリーダー研修会を開催し、24 名が出席した。
今年度は、日高地方で栽培されているフルーツ等を使って華やかな盛り付け方を学ぶこと
と会員同士の交流を図ることを目的に開催した。
講師は、田辺市在住のプティ・スマイル代表の新谷睦子氏で、「フルーツを囲み、笑顔あ
ふれる楽しい時間を」と題して講和とフルーツ・カッティングの実演と講習が行われた。
最初に、新谷氏がフルーツ・カッティングを始めたきっかけや、フルーツをカットして
見た目が華やかになることで、視覚から食欲が出ること、災害時でもすぐ食べられるため、
役立つことなどを話された。
その後、用意されたハッサク、イチゴなどを新谷氏のカッティングの実演を見ながら、
各自でカットした。
会員からは、新谷代表のフルーツをカットする手さばきと盛り付けに歓声が上がる場面
もあり、とても有意義な研修会となった。
研修会
フルーツをカットする会員
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普及活動現地情報
Ⅵ
平成 28 年 2 月
⻄牟婁振興局
1.⻄牟婁地方農業士会が経営研修会を実施
2 月 1 日、田辺市のシティプラザホテルにおいて、西牟婁地方農業士会連絡協議会(谷口
文冶 会長)が経営研修会を開催し、会員および関係者あわせて 70 名が参加した。
会員は梅・みかんの生産農家が多く、本年度の経営研修会は、日本園芸農業協同組合連合
会の技術主管 高辻 豊二 氏から「最近の気象変動が温州みかん栽培に及ぼす影響と今後の
対策」と題して講演があった。
高辻氏から、最近の異常気象について気象データをもとに説明があり、「被害を抑えるた
めには、経験の積み上げや対応策をマニュアル化することが重要」と述べた。
温暖化にともなうエルニーニョ現象の影響によって冷夏・暖冬傾向となり、昨年は全国の
産地で 11 月から 12 月の高温状態だったことで、みかん栽培にも影響し、各産地で浮き皮や
水腐れ、裂果等が頻発した。この数年気候が目まぐるしく変化し、加えて、強風をともなう
爆弾低気圧の頻発など対応しきれない状況が頻繁に起こっている。
こうした状況の中で、高品質なみかん栽培や販売に向けて、基本的な管理の徹底や優良品
種の改植、園地整備、産地ブランド強化などを踏まえた上で、気象変動に対応して年間の基
本管理を微調整するなど、経験を積み上げ柔軟に対応していくことの大切さを訴えた。西牟
婁地域の梅、みかん栽培や産地づくりで大いに参考になった。
講演後、県農業環境・鳥獣害対策室から話題提供として、
「和歌山県における GAP をめぐ
る情勢」について説明があった。
経営研修会
日園連 技術主管
高辻 豊二
氏
2.第 3 回⼥性起業⽀援のための研修会を開催
振興局農業振興課は、農山漁村女性による起業活動を支援することを目的に、2 月 5 日、
上秋津農村環境改善センターで研修会を開催した。西牟婁管内で起業している又は起業を考
えている女性農業者ら 10 名が参加した。
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普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
みなべ町の梅農家 二葉 美智子 氏を講師に招き、「ネットワークを生かした地域づくり」
と題して、二葉氏のこれまでの取り組みについて講演があった。
二葉氏は、地域の仲間とともに梅染め体験や観梅ツアーを実施したり、全国の女性起業
者向けの研修会にも積極的に参加している。こうした活動を通して得たネットワークを、自
身の梅干し商品の販路拡大や新たな取り組み
につなげている。自身の経験から、
「まずは動
いてみることが大事。地域の外に出て良い情
報をとってくるべき」とアドバイスがあった。
参加者からは、
「豊富なアイディアが参考に
なった。自分もやってみたくなった」
「私達の
グループも販路開拓にもっと力を入れたいと
思った」など感想があり、意欲向上につなが
る様々なヒントが得られた様子であった。
二葉氏による講演
3.上富田町農業者懇談会開催
2 月 18 日、上富田町の上富田文化会館で、上富田町農業者懇談会が開催された。
これは上富田町の農業団体(上富田町農業振興協議会、農業委員会、認定農業者連絡協議
会、農業士会上富田支部、農業後継者クラブ)が合同で開催するもので、38 名が参加した。
今回は 4 題の報告があり、振興局農業振興課からは香川県におけるオリーブ栽培視察報告
とオリーブ栽培技術等について説明を行った。参加者の切実な思いから、報告内容によって
は厳しい意見も出され、限られた時間の中で貴重な意見交換が行われた。
農業を取り巻く環境は刻々と変化する中で、農業関係者が一同に会し、地域農業の発展
と農業者の所得向上を目的とした研修会の開催は非常に意義深いものであり、農業振興課と
しても今度とも積極的に支援していく。
懇談会
普及指導員による説明
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普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
4.田辺生活研究グループ連絡協議会が
UMEロードマラソンで「ジビエ料理」を PR
2 月 20 日、田辺市中芳養で開催されたUMEロードマラソン(事務局:牟婁商工会内)
で、田辺生活研究グループ連絡協議会がジビエ肉利用促進のために鹿肉シチューを提供し
た。同グループは、このイベントに昨年から参加して、ランナーや応援に駆けつけた人々に
鹿肉シチューの無料試食とレシピの配布を行った。
田辺鳥獣害対策協議会から提供されたジビエ本宮の鹿肉を使って、野菜をたっぷり入れて
煮込んだシチューは、食べた人から「臭みもなく美味しい、体が温まる」、「ゴールしてか
ら食べるのを楽しみにしていた」など大変好評で、約 250 食を提供した。今後も地元イベン
トを中心にジビエ料理を PR していきたい。
鹿肉シチューを試食する参加者
鹿肉シチュー
5.平成 27 年度⻄牟婁地方農⼭漁村⼥性の日のつどいを開催
2 月 23 日、季楽里龍神で西牟婁地方農山漁村女性の日のつどいが開催され、会員と関係
者あわせて 55 名が出席した。このつどいは、実行委員会(県漁協女性部連合会たなべ地区、
西牟婁地方農業士連絡協議会女性部会、西牟婁地方生活研究グループ連絡協議会)主催で、
今年で 21 回目の開催となる。農山漁村女性の社会参画を促進し、女性の地位向上と農林水産
業・農山漁村の発展を図ることを目的としている。
今年度は、西牟婁地方の農山漁村女性が地元の魅力をさらに高めるため、プロの視点から
地元食材の魅力と活かし方を学ぶことで生産意欲の向上と地域活性化につなげようと、東京
會舘総料理長の鈴木直登氏を講師に招いた。鈴木氏は国内外で日本料理の指導や普及に努め
ており、厚生労働大臣が卓越した技能者を表彰する『現代の名工』を受章している。鈴木氏
からは「西牟婁地方の食材の魅力と活かし方」と題して講演があり、日本料理の歴史や食文
化、西牟婁地方の食材について解説した。
その後、参加者らは昼食に鈴木氏が監修した地元の食材(シイタケ、イタドリ、ヒロメ、
イサキ等)を使った料理を食べて「一つひとつの料理に手間がかけられ、盛り付けが美しく
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普及活動現地情報
平成 28 年 2 月
て食べるのが勿体ない」など感想を言っていた。鈴木氏が調理の実演として大根をかつらむ
きにしたり鯛を捌くと、参加者はその技術を目にして驚きの声を上げた。
鈴木氏の話を受けて、参加者は「生産者としての心構えをあらためて意識した」「食材の
魅せ方が刺激になった」など感銘を受けた様子であった。
今後も、農業振興課として農山漁村女性による地域活性化を支援していく。
鈴木氏による講演
実演
料理の説明を聞く参加者
鈴木氏監修の料理
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Ⅶ
平成 28 年 2 月
東牟婁振興局
1.なんたん蜜姫 生産者会議開催
2 月 3 日、JA 紀南串本支所において、串本サツマイモ会(柴田 明夫 会長)
、JA 紀南、振興局
農業振興課が出席し、なんたん蜜姫生産者会議が開催された。
JA 紀南 谷口 光宏 指導部長より「JA 紀南では、平成 26 年 2 月に『なんたん蜜姫』として商
標を取得。品種登録についても今年度中の申請に向けて作業を進めている。JA としてもこの機
会にサツマイモを前面に押し出してゆきたい」と挨拶があった。
その後、JA 紀南撫養義雄営農指導員より県農業試験場の協力を得て、系統選抜で選ばれた優
良系統のサツマイモ特性調査報告が行われ、その結果を元に登録に向けた作業を進めていく。と
説明がなされ、出席者から新品種の名称の候補について提案があった。
その後、今年度の種イモの供給についても検討され、生産者から「他の系統のイモと混ざらな
いか」など質問がなされた。その結果、種イモは串本サツマイモ会が中心となって供給すること
となり、共同ほ場での生産に加え、希望する会員のほ場でも JA が栽培地などを確認したうえで
苗を生産することとなった。
説明をする撫養営農指導員(左)
会議
2.重点プロジェクト【6次産業化による地域の活性化】
〜『くまのがわ市』を開催〜
三津ノ地域活性化協議会(下阪 殖保 会長)は地域の復興と産品をアピールするため、2 月 10
日に新宮市にある A コープ
ランティスで『くまのがわ市』を開催した。
当日は、新宮市熊野川町内で栽培されたハクサイ、キャベツ、ダイコンなどの冬野菜を中心に
販売。また、地域で栽培された野菜を使った漬物や巻き寿司の試食とともにアンケートが実施さ
れ、来場者からは「野菜が新鮮」「この漬物おいしいね」などの声も聞かれ、昼前には多くの来
場者でにぎわった。今後、このアンケートを元に新たな加工品の開発や改良を行ってゆく。
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会場
平成 28 年 2 月
アンケートに答える来場者
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Ⅷ
農業大学校
1.
和歌⼭県農業大学校卒業証書授与式の挙⾏
平成 28 年 2 月
2 月 29 日、農業大学校講堂において、平成 27 年
度和歌山県農業大学校卒業証書授与式が多くの来
賓や保護者の出席の中、盛大に開催され、夢と希望
に満ちた学生 21 名に卒業証書が授与された。
卒業式では、内田校長から学生一人一人に対し
て、学校での思い出や将来の活躍を期待した言葉を
かけながら卒業証書が手渡された。
また、卒業生を代表して油谷 壮太朗 君が、自治
会活動、農家留学研修やその他の県外研修など学生
卒業生代表の答辞
生活の思い出とともに「卒業後も寮生活で得られた友達とは永遠につきあっていきたい」と答辞
を述べた。
本年の卒業生は自家就農が 6 名、雇用就農が 4 名、JAが 6 名、大学への編入学が 1 名、海外
研修が 1 名、高校の実習助手が 1 名、その他の農業関連会社に 1 名が就職した。今後の活躍が期
待される。
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普及活動現地情報
Ⅸ
平成 28 年 2 月
農業大学校 就農⽀援センター
1.社会⼈課程(離転職者等職業訓練「農業科」
)修了式開催される
2 月 19 日、就農支援センター研修館において、社会人課程修了式を開催した。
昨年 5 月から 9 ヶ月間にわたり研修をおこなった 4 名が、田辺産業技術専門学院の阪口副
学院長から一名ずつ修了証書を手渡された。
また、修了式の後、研修修了生 4 名がこれまで学んできた知識と経験を活かして、自分が
考える営農設計について発表し、意見交換を行った。
営農設計の検討
修了証書の授与
2.平成27年度技術修得研修(第2班)が修了
2 月 26 日、就農支援センター研修館において、技術修得研修(第 2 班)の閉講式を開催
した。昨年の 10 月~ 2 月までの計 25 日間、農業の一般知識、果樹・野菜・花きの栽培な
どの講義や実習を受講した 5 名に修了証書が手渡された。
修了証書の授与
営農設計の発表
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普及活動現地情報
Ⅹ
平成 28 年 2 月
経営⽀援課(農業革新⽀援センター)
1.むらとくらしを考える会議を開催
県では県生活研究グループ連絡協議会
(坂口 富子 会長)と共催により、「次世
代につなぐ食と農~若い世代に和食・郷土
料理を~」をテーマに、活動事例発表や講
演会を県自治会館において開催し、およそ
160 名が出席した。
会議の冒頭で、農山漁村においてグルー
プ活動を通じて地域活性化に貢献した女
性・高齢者グループの表彰式を行い、真田
坂口会長のあいさつ
いこい茶屋(九度山町)、熊野川産品加工
組合(新宮市)をはじめとする合計7グループを表彰した。
続いての活動事例発表では、「シカ肉料理の普及に取り組んで」と題して、日高地方生活
研究グループ連絡協議会(シカレディース)が発表した。また、男女共同参画優良事例紹介
では、「観光客に「古道弁当」で、おもてなし」と題して、静川やまびこ会(田辺市)が活
動内容を紹介した。
講演会では、
「日本料理の骨組み」と題して、辻調理師専門学校
日本料理特任教授
谷
口 博之 氏が講演し、各地方からの加工品の展示即売会も行われ、参加者の活気に溢れた一
日となった。これを契機にさらに農山漁村の活性化に取り組まれることを期待している。
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普及活動現地情報 発⾏・編集
和歌⼭県農林⽔産部経営⽀援課
TEL073-441-2931 FAX073-424-0470
海草振興局地域振興部農業振興課
TEL073-441-3377 FAX073-441-3476
那賀振興局地域振興部農業振興課
TEL0736-61-0025 FAX0736-61-1514
伊都振興局地域振興部農業振興課
TEL0736-33-4930 FAX0736-33-4931
有田振興局地域振興部農業振興課
TEL0737-64-1273 FAX0736-64-1217
日高振興局地域振興部農業振興課
TEL0738-24-2930 FAX0738-24-2901
⻄牟婁振興局地域振興部農業振興課
TEL0739-26-7941 FAX0739-26-7945
東牟婁振興局地域振興部農業振興課
TEL0735-21-9632 FAX0735-21-9642
和歌⼭県農業大学校
TEL0736-22-2203 FAX0736-22-7402
和歌⼭県農業大学校就農⽀援センターTEL0738-23-3488 FAX0738-23-3489