平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金 構想普及支援事業(Ⅰ事業化可能性調査) 成果報告書要約版 地域連携で最大限の再生可能エネルギーを地産地消する防災拠点キャンパス(スマートキャンパス)構想 事業者名: 九州大学、富士電機、正興電機 対象地域: 福岡県春日市 実施期間:平成27年10月~平成28年2月 1.事業の背景・目的 3.調査の結果 事業化の可否の結論: 検討項目 九州大学筑紫キャンパス内で再生可能エネルギー電力の地産地消を積極的に進め 、2030年の電源構成環境(再生可能エネルギー構成比率22%以上)を構築、経済要 ①EMSの構成 件を満たす安定活用設備導入/運用を目指す。さらにキャンパスに構築された電力供 給環境を将来の電力安定供給のための技術開発インキュベーションに活用する。 また、地域連携による再エネ電力地消対策の可能性検証を行うと同時に、再エネ導 入によるキャンパスの地域防災拠点としての機能強化も目指す。 ②EMSの効果 2.補助事業の概要 •再生可能エネルギーを地産地消で最大限安定的に利用し、災害時にはエネルギーを 自給する強靭な防災機能拠点機能を有する、エネルギーマネージメントキャンパスの ③再生可能エネル ギーに関する調査 構築を検討する。さらに、再エネ大量導入の環境を、次世代技術開発インキュベーショ ン拠点としての活用も目指す。 •本補助事業では、以下の調査・検討を行い、再エネ大量導入時の電力の安定性と経 ④事業実施体制・事 業スキーム・スケ ジュール 済性の評価を行う。 ① キャンパスエネルギー消費状況、対象需要の調査 ② キャンパス再エネの大量導入時に電力供給に影響を与えない技術的方策、コスト ⑤事業採算性評価 評価 ③ 再エネ電力の大量消費が可能な大規模需要地における、再エネ自家消費に資す る電力安定化設備運用モデル検討 ⑥他地域への展開 ④ 周辺公共設備との連携による再エネ電力安定消費検討 ⑤ 地域防災拠点としての機能に関する評価 ⑥ 他キャンパスとのエネルギー連携の可能性 ⑦今後の展望・課 題・対策 事業化予定時期: 実施方法 検討結果 統合EMS:九州大学5カ所のローカルEMS等 筑紫キャンパスでは、総需要3,400kW を統括して管理し、需給予測と計画指令を に対して以下を設置 ・太陽光発電 1,400kW 行う。 ローカルEMS:運転情報を統合EMSへ送信 ・大容量実験負荷の補償電源として分 し、統合EMSからの指令を分配して蓄電池、 散電源1,000kW 分散電源、水素製造設備等の制御装置と ・ピークシフト用に蓄電池 500kWh 連携する。 ・太陽光発電の余剰電力を水素で貯め る為の、水素製造装置 1.4MWの太陽光発電自家消費、および安定 ・1,200kW以上のピーク圧縮が可能 利用にかかわる蓄電池、分散電源、水素製 ・総電力消費の10%が再生可能エネル 造による経済評価。太陽光発電出力予測を ギーで賄える 行い効果をみる。休日は太陽光発電の余剰 ・休日の余剰電力の系統への逆潮が防 電力で水素製造装置を稼働させる。 止できる 太陽光発電の設置可能最大容量を調査。 ・太陽光パネルの設置可能量は、最大 屋上スペースに太陽光パネルを設置し、複 1.8MW 数の設備をグループ化し、各変電所から連 ・分散電源、蓄電池等のバランスから、 系させ自家消費させる。まとまって設置でき 最適な設置容量は1.4MW る箇所は、自立運転可能にし、防災用の電 源として利用できるようにする。自営線を利 用し、近隣地域で再エネ融通利用も考える。 九州大学における再エネ自家消費、近隣設 九州大学によるPFI方式の事業運営を 備との再エネ融通について、自営線による 想定して評価した。大学が事業母体に 方法と水素チェーン構築を評価。 なる事はできないため、事業会社を組 織する必要あり、次年度以降詳細検討 を実施。 太陽光発電設備の自家消費による資本回 特に熱需要が有る九大病院でのCGS設 収年数は約30年。九州大学の各キャンパス 置、既にFCが設置されている伊都キャ における特徴から、PV、水素、電池、CGSを ンパスでの水素製造など設備計画する 分散設置させ、各キャンパスで最も効率良く と共に、EMSにて需要予測、需要制御を 利用できるパターンを検討した。EMSにより 盛り込むことで、さらなる経済効果が期 蓄電池や分散電源の最適運用を検討。 待でき、資本回収年数を縮めることがで きる。 九州大学需要地点での再エネ自家消費に 大学のような大きな需要地点と近隣需 より、既受電設備容量に余裕ができるので、要地点で、この再エネ面的利用モデル この容量を有効に利用し、近隣需要地点へ を適用可能。デマンドの削減を改良型 EMSによりエネルギーの合理的運用が の電力融通で面的利用促進可能。 可能となり、エネルギー費用の削減が 可能。 更なる詳細設計、需要予測を盛り込んだ 再エネ面的利用にかかわる設備で契約 EMS構築という改良を行う。より詳細なEMS 基本料金を小さくすると、資本回収に有 による制御で定量的な経済効果を評価。 利である。EMSによるバッテリー、分散 電源を最適オペレーションすることと、 デマンドをコントロールすることでより大 きな効果が期待できる。 4.地産地消型エネルギーシステムの概要 【エネルギーマネジメントシステムの構成】 アイテム 対象需要 EMSシステム 太陽光 電源・ 熱源 設備概要(出力、容量、用途、台数等) 3,400 kW 筑紫キャンパス内 全需要負荷 太陽光発電出力を蓄電池、分散電源で調整する。また、休日の太陽光発電出力で水素製造も検討し、近隣との水素融通も検討する 2018年 新設 1,400 kW 各建屋屋上スペースに設置 筑紫キャンパス受電デマンド量の削減 2018年 新設 風 力 計画なし バイオマス 計画なし 水 力 計画なし コジェネ等 導入予定時期 (既設or新設) 500 kW × 2台 大容量実験負荷の補償電源 蓄電池 500 kWh ピークシフト用、太陽光発電電力の安定 その他 水素製造装置 水素生成能力:5N㎥/h、水素貯留量:300㎥、用途:太陽光発電の余剰電力の吸収 2018年 新設 2018年 新設 2018-2020年 新設
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