文部科学省 国立教育政策研究所 大学生の学習実態に関する調査研究について(概要) 平成 28(2016)年3月 1. 調査研究の目的 この調査研究は,大学生の学習実態を包括的に把握することを通じて,大学教育の質的 向上を推進するために,いかなる支援策の導入や制度的整備が必要とされるか等,政策立 案に活用可能な基盤的データを構築することを目的として,国立教育政策研究所高等教育 研究部が,本研究所のプロジェクト研究「大学生の学習実態に関する調査研究」 (研究期間: 平成 25〜27 年度)として実施したものである。 2. 調査研究の対象 全国の大学・短期大学に在籍する学生(通信教育課程,休学者,外国人留学生を除く) 3.時期 平成 26(2014)年 11 月 4.実施方法 大学,短期大学の在籍学生数に所定の抽出率を掛けて算出される対象学生数(調査数) を大学ごとに割り当てた上で,各大学に調査対象者の無作為抽出,所定の調査票の配布・ 回収等を依頼する方法により実施した調査をもとに分析を行う。なお本件は,独立行政法 人日本学生支援機構が隔年実施している「学生生活調査」と共同で行った。 5. 有効回答数(有効回答率) 国 大 学 短期大学 昼間部 夜間部 立 公 立 私 立 4,982(44.7%) 4,580(35.6%) 10,622(55.9%) 681(35.2%) 125(26.2%) 765(27.8%) 昼間部 − 1,782(50.7%) 3,488(78.5%) 夜間部 − 127(25.1%) 555(52.8%) ただし,設置者別に抽出率(対象者の割当数)が異なるため,集計に当たっては母集団 における設置者別構成比と等しくなるよう,ウェイト付けを行った。そのため集計に用い られているケース数は,上表のとおりではない。 1 <結果の概要(大学昼間部)> 1. 学習時間・生活時間 調査票では,1週間当たり(土,日を含む)の各活動に使った時間を「0時間」 ,「1〜 5時間」 , 「6〜10 時間」 , 「11〜15 時間」 , 「16〜20 時間」 , 「21〜25 時間」, 「26〜30 時間」, 「31 時間以上」の8個のカテゴリーで尋ねているが,図1では集計結果の提示を簡略化す るため各カテゴリーの中間値(ただし「0時間」には0,「31 時間以上」には 33)を割り 当て,平均活動時間を学年別に算出した1。なお図1では各活動の合計時間が 100 時間以上 となる回答者については無回答として扱い、平均値の算出には含めていない。 60 55 9.9 50 10.4 45 9.9 10.1 7.6 11.4 (10-8) 3.4 35 (10-7) 2.3 40 8.4 9.8 5.6 9.9 17.4 9.8 30 25 5.1 5.1 2.3 2.6 4.9 5.2 4.1 20 4.1 1.3 (10-5) 11.9 2.2 4.7 9.8 12.3 20.0 19.7 15.9 2.9 (10-4) (10-3) 5.5 5.0 15 10 2.5 (10-6) (10-2) (10-1) 15.9 14.7 5 5.8 0 1 図1 2 3 4 5 6 学年別 1週間当たりの学習時間・生活時間(平均:時間) 1 図中の括弧内の番号は,調査票及び基礎集計表の設問番号である(以下,同じ) 。なお, 本調査は独立行政法人日本学生支援機構の「学生生活調査」と共同で実施したため, 「学生 生活調査」の結果として公表予定の項目については扱っていない。そのため,一部の設問 番号((6)〜(9),(11),(13)〜(26))が欠番となっている。基礎集計表(性別,学年別,学科 系統別の集計結果)は,国立教育政策研究所のウェブサイト (http://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/seika_digest_h27a.html)に掲載しているので 併せて参照されたい。 2 (1) 授業への出席 1年生,2年生では1週間当たりの授業出席時間の平均は共に約 20 時間である。3年生 になるとやや減少して約 16 時間,4年生では後述のように履修科目数自体が極めて少なく なるため約6時間となった。学科系統が医・歯・薬にほぼ限定される5・6年生では,15 時間程度となっていて,3年時と比べて余り減少しない。 授業への出席時間が長い1・2年生について,専攻分野別に授業への出席時間の分布を 見ると,「医・歯・薬」,「看護・保健」では6割以上の学生が、「理・工・農」,「教育・家 政」でも5割以上の学生が,週に「21〜25 時間」以上授業に出席しているのに対して, 「社 会科学」ではその割合は3割程度であることが分かる。 6.1 医・歯・薬 9.0 4.1 看護・保健 9.8 理 ・工・農 3.4 教育・家政・福祉 4.2 9.9 15.8 5.9 18.7 0% 10% 0時間 1-5時間 図2 26.6 6-10時間 11-15時間 8.1 20.6 41.0 30% 7.5 31.7 28.9 40% 50% 16-20時間 60% 21-25時間 70% 26-30時間 4.0 6.5 22.2 31.6 20% 9.0 11.1 37.3 14.1 6.0 12.7 34.3 社会科学 4.8 11.3 28.9 29.5 14.5 16.3 11.7 38.6 28.3 8.0 17.7 19.9 27.8 その他 計 22.7 32.1 14.7 4.0 人文科学 20.7 20.8 6.1 芸術・スポーツ 20.5 7.0 3.8 3.1 10.3 80% 31時間以上 6.7 90% 100% 無回答 専攻分野別 1週間当たりの授業への出席時間(1・2年生) (2) 授業の予習・復習の時間 1〜3年生では,大学の授業の予習・復習などの平均時間はいずれも5時間程度であっ た。1・2年生では授業への出席時間の4分の1,3年生でも3分の1程度の時間にとど まっている。 ここでも専攻分野別の授業の予習・復習の時間の分布(1・2年生のみ)を見ると(図 3), いずれの分野においても最頻値は「1〜5時間」であるが,授業への出席時間が長い「医・ 歯・薬」 ,「看護・保健」において予習・復習等の時間も比較的長く,反対に「社会科学」 では週当たりの予習・復習等の時間が「1〜5時間」以下の学生が8割を占めている。 3 8.1 医・歯・薬 看護・保健 41.7 3.6 24.0 50.8 理 ・工・農 8.5 人文科学 8.8 27.6 50.1 61.9 60.7 0% 0時間 1-5時間 図3 20% 6-10時間 30% 19.3 40% 11-15時間 50% 16-20時間 4.7 14.3 57.0 10% 5.3 12.3 62.9 11.8 計 5.5 15.8 56.2 16.9 社会科学 8.1 17.5 21.2 芸術・スポーツ 9.5 20.0 16.8 その他 10.9 25.0 59.5 11.3 教育・家政・福祉 13.1 60% 21-25時間 70% 26-30時間 80% 31時間以上 3.7 7.1 90% 100% 無回答 専攻分野別 1週間当たりの授業の予習・復習等の時間(1・2年生) 図2及び図3より、授業への出席時間が長い専攻分野において,授業の予習・復習等の 時間も長くなっていることからも推測されるように,授業への出席時間と授業の予習・復 習の時間の間には相関がある。表1に示すとおり,履修科目の登録が少なく授業の予習・ 復習の必要も無いという学生がほとんどいない1・2年生においても,授業への出席時間 が長い学生ほど,授業の予習・復習等の時間が長くなる傾向にある。後述するように,「小 テストやレポートなどの中間課題が出される」授業が「よくあった」 ,「ある程度あった」 とするかなり割合は高く(図8参照),授業を多く履修すれば,それだけそうした機会が多 くなるということであろう。 表1 週当たり 授業への 出席時間 授業への出席時間と授業の予習・復習等の時間の関係(1・2年生,%) 5 時間以下 6〜10 時間 11〜15 時間 16-〜20 時間 週当たり授業の予習・復習等の時間 0 時間 1〜5 時間 6〜10 時間 11 時間以上 34.2 60.7 2.6 2.6 23.1 68.9 5.9 2.1 17.0 59.9 16.6 6.5 11.4 60.8 19.6 8.1 計 100 100 100 100 21〜25 時間 8.1 55.7 22.5 13.8 100 26 時間以上 8.2 47.3 22.9 21.5 100 4 (参考) 同様の調査票を用いて 2007 年度に全国の大学生を対象に東京大学大学経営・政策センタ ーが実施した調査(東大 CRUMP 調査)の結果によれば2,1年生の授業に関連した自律的 学習時間は,「0時間」が 10.9%, 「1〜5時間」が 57.5%, 「6〜10 時間」が 16.4%であ り,今回(2014 年度)の結果とほぼ同じである。今回,国立教育政策研究所が実施した調 査(NIER 調査)と東大 CRUMP 調査では,調査対象者の抽出方法,調査の実施時期(実 施月)が異なるので,厳密な意味での比較をすることはできないが,この7年間で授業に 関連する自律的学習時間が大きく変化したとは言えないと解釈しても良いと思われる。 2014年度 NIER調査 12.0 2007年度 東大CRUMP調査 10.9 0% 19.5 57.5 10% 0時間 図4 58.4 20% 1-5時間 30% 6-10時間 16.4 40% 50% 11-15時間 60% 16-20時間 70% 80% 6.4 6.8 3.4 5.0 90% 100% 21時間以上 授業に関連した自律的学習時間の変化(2007 年度・2014 年度) 2 金子元久(2013) 『大学教育の再構築−学生を成長させる大学へ』 ,東京大学出版会,p.39 より引用。 5 (3) 卒業論文・卒業研究 3年生の後期になると卒業論文・卒業研究に取り組む学生が現れ始め,3年生では平均 で 1.3 時間となる。4年生では平均 12.3 時間(6年課程が多い医・歯・薬系の4年生を除 くと 12.7 時間)となったが,分布を詳しく見ると「31 時間以上」とした学生が 17%であ るのに対して, 「0時間」とした学生も 19%おり(いずれも医・歯・薬を除く) ,分散が大 きい。 卒業論文・卒業研究の時間は専攻分野(学科系統)による差が大きく,看護・保健では 「0時間」が 43.0%(平均 5.5 時間),社会科学系も「0時間」が 37%(平均 6.9 時間)で あり,これらの専攻分野は卒業論文・卒業研究が課されていない,あるいは学生が卒業論 文等を余り重要視していない分野ということになろう。これに対して,理・工・農では「31 時間以上」が 41%(平均 21.7 時間)と最も多く, 「0時間」とした学生は4%にとどまり, ほとんどの学生が卒業論文・卒業研究に取り組んでいる。 42.4 看護・保健 18.6 36.7 社会科学 28.8 24.6 その他 32.8 19.8 人文科学 理 4.4 ・工・農 7.9 12.2 18.5 計 0% 10% 20% 21.1 11.3 40% 50% 1-5時間 6-10時間 11-20時間 6.1 12.3 40.6 17.6 30% 6.6 10.1 20.8 15.3 12.3 10.5 17.1 20.4 0時間 図5 17.5 3.1 7.2 19.3 20.8 6.0 15.6 12.3 21.1 23.5 6.3 14.2 18.4 28.4 11.3 芸術・スポーツ 13.5 10.8 24.9 13.1 教育・家政・福祉 12.6 60% 21-30時間 10.7 70% 31時間以上 17.1 80% 90% 100% 無回答 専攻分野別 1週間当たりの卒業論文・卒業研究の時間(4年生のみ) (4) 大学の授業以外の学習3 大学の授業とは関連のない学習の平均時間は,1・2年生では 2.5 時間前後,就職活動, 大学院入試,資格試験の準備等に取り組む学生が増えると考えられる3・4年生ではやや 増加して4時間強となる。学科系統が医・歯・薬にほぼ限定される6年生では卒業時の国 家試験の受験を控えて授業以外の学習時間が極めて長くなっている。 3 調査実施時に配布した「調査記入要領」には, 「大学の授業以外の学習には,ダブルスク ール,英会話学校,通信教育講座や独学での学習などが該当」する旨記載されている。 6 (5) 部活動・サークル活動,アルバイト等 部活動・サークル活動の平均時間は学年計で 4.1 時間であり,3年生以上になると活動時 間は減少する。アルバイトの平均時間は学年計で 9.3 時間であり,授業への出席,卒業論文・ 卒業研究を除いた,学生の自律的な学習時間よりも長くなっている。 アルバイト時間が問題となるのは,授業への出席や授業の予習・復習の妨げになってい る場合である。1〜3年生について,アルバイト時間と授業への出席時間,授業の予習・ 復習の時間の関係を見ると(表1) ,アルバイトが「0時間」の学生は,週に 21 時間以上 授業に出席している者の比率が確かに高い。ただし,週に 21 時間以上授業に出席すること は単位制度の趣旨に照らせば必ずしも適切とは言えないだろう。アルバイト時間が長くな るに連れて,授業への出席時間が 10 時間以下という学生が増加しているわけではなく,授 業の出席に対してアルバイトが妨げになっているわけではないと考えられる。 一方,アルバイト時間と授業の予習・復習の時間の関係を見ると(表2) ,週に 21 時間 以上アルバイトをしている学生では,授業の予習・復習の時間が「0時間」という者が多 く,反対に 11 時間以上の者は少ない。授業への出席時間は確保できているけれども,長時 間のアルバイトの影響は,予習・復習の時間に現れていると思われる。 表2 週当たり アルバイ ト時間 表3 週当たり アルバイ ト時間 週当たりアルバイト時間と授業出席時間の関係(1〜3 年生,%) 0 時間 1〜10 時間 11〜20 時間 21 時間以上 10 時間以下 11.6 17.4 10.6 11.8 週当たり授業への出席の時間 11〜15 時間 16〜20 時間 17.1 28.1 19.4 25.8 19.8 31.7 21.8 30.8 21 時間以上 43.1 37.4 38.0 35.5 計 100 100 100 100 週当たりアルバイト時間と授業の予習・復習の時間の関係(1〜3 年生,%) 0 時間 1〜10 時間 11〜20 時間 21 時間以上 週当たり授業の予習・復習の時間 0 時間 1〜5 時間 6〜10 時間 11 時間以上 11.0 54.0 20.4 14.6 12.7 58.0 18.0 11.4 12.9 58.9 18.4 9.8 18.3 57.5 16.7 7.5 7 計 100 100 100 100 2. 授業科目の履修及び単位修得の状況 (1) 履修登録している科目数 5・6年 18.1 4年 9.1 3年 9.0 2年 41.2 3.0 26.0 64.4 15.3 40.1 36.5 9.6 1年 7.4 0% 17.6 52.0 10% なし 7.1 56.9 5.9 1〜4科目 20% 30% 5〜9科目 図6 6.1 24.2 40% 50% 10〜14科目 15〜19科目 60% 70% 20〜24科目 6.0 2.9 6.5 80% 25科目以上 4.2 90% 無回答・不明 学年別 今学期に履修登録している科目数 調査実施時の学期において履修登録している科目数は,1年生及び2年生では,「10〜14 科目」とした学生が最も多く(それぞれ 52%,57%) ,次いで「15〜19 科目」とした学生 が多くなっている。最頻値は1・2年生共に 12 科目であったが,20 科目以上履修登録して いると回答した学生も 9〜10%程度存在している。1科目当たりの授業出席時間を 1.5 時間 (90 分)と仮定すると,週に 13〜14 科目の履修で約 20 時間となり, 「1.学習時間・生活時 間」で見た,1〜2年生の授業への平均出席時間とおおよそ一致する。したがって授業へ の出席率はおおむね良好であると見られる。 3年生になると履修科目数はやや減少し,「5〜9科目」という学生が最も多くなり (40%) ,次いで「10〜14 科目」とする学生が 37%であった。 4年生では「1〜4科目」とした学生が最も多くなり(64%) ,さらに「0科目」 (履修登 録なし)の学生も1割近くに及ぶ。4年生の前期までに卒業に必要な単位の大部分を修得 している学生が全体の7割程度に及んでいる。 8 100% (2) 取得済みの単位の比率 130 120 110 100 卒 業 90 要 件 単 80 位 数 70 占 60 50 40 30 20 10 0 1年 図7 2年 3年 4年 5年 6年 学年別 卒業要件のうち既に修得済み単位の比率(箱ひげ図) 卒業要件のうち既に修得済みの単位の比率に対する回答の分布を箱ひげ図に示した(図 5,外れ値の提示は省略) 。箱の内部の横線が中央値を示しており,1年生で 20 パーセン ト,2年生で 50 パーセント,3年生で 80 パーセント,4年生では 95 パーセントとなって いる。なお図表は省略するが,5%トリム平均値を計算すると1年生のみ 25 パーセントと 中央値よりやや高くなるが,2〜4年生では中央値とトリム平均値はほぼ一致する。 2年生の修得済み単位の割合の中央値が 50 パーセントであるということは,2年前期ま での3学期(セメスター)の間に,半数の学生が卒業要件の 50 パーセント(以上)に相当 する単位数を取得していることを意味している。こうした学生は3年時に履修する授業科 目数を減らさなければ,3年間(6セメスター)で卒業に必要な単位数を全て修得できる ペースで授業科目を履修していることになる。これを単位数に換算すると,4年課程の卒 業に必要な単位数は多くの大学で 124 単位に設定されているので,1・2年生の半数以上 の学生が1学期に 20 単位以上を修得している計算となる。大学設置基準では「1単位の授 業科目を 45 時間の学修を必要とする内容をもって構成する」としており,この基準に照ら せば1学期に 20 単位以上を修得するためには,1学期を 15 週間として,週当たり 60 時間 (20 単位×45 時間÷15 週=60 時間)の学修が必要とされるが,実際の学生の平均学修時 間は授業への出席時間,予習・復習の時間,授業に直接関係のない学習の時間を含めて 27 時間程度であり,依然として「単位の実質化」が進んでいるとは言い難い。 9 3. 授業科目の内容・方法 図 8 には授業内容や教授方法,授業形態の工夫等の各項目について「よくあった」 , 「あ る程度あった」と回答した学生の比率が高いものから順に並べてある。 (28-4)小テストやレポートなどの 中間課題が出される 36.4 (28-1)授業内容の意義や必要性を 十分に説明してくれる 52.4 14.6 9.2 63.0 19.0 理 (28-2) 解がしやすいように 教え方が工夫されている 12.6 62.3 21.6 生 (28-6)グループワークなど学 が 参加する機会がある 18.3 (28-3)TAなどによる補助的な指導がある 42.9 9.6 29.0 32.0 9.0 36.3 21.0 7.0 29.7 37.8 24.9 (28-5)適切なコメントが付されて 課題などの提出 が返却される 7.0 29.7 37.8 24.9 物 (28-7)主に英語で行われる授業 (語学は除く) 0% 10% よくあった 図8 20% 30% ある程度あった 40% 50% あまりなかった 60% 70% ほとんどなかった 80% 90% 無回答 授業科目の内容・方法について 「小テスト・レポートなどの中間課題が出される」が「よくあった」, 「ある程度あった」 とする比率が最も高く(88%) ,授業時間以外での学生の学習を促すための方法として,あ るいは授業の進度に応じて学生の理解度を確かめる方法として広く浸透している。 「授業内 容の意義や必要性を十分説明してくれる」, 「理解がしやすいように教え方が工夫されてい る」も「よくあった」の比率はかなり小さくなるものの, 「ある程度あった」を含めれば約 8割の学生が肯定的な回答をしており,授業内容・教授方法に関する教員側の工夫は進捗 しているようである。また, 「グループワークなど学生が参加する機会がある」授業科目に ついても約6割の学生が「よくあった」,「ある程度あった」としていて,いわゆるアクテ ィブ・ラーニングも拡大していることがうかがえる。 一方で, 「適切なコメントが付されて提出物が返却される」については「よくあった」, 「あ る程度あった」の比率は 37%にとどまり,小テストやレポート等の中間課題が課される度 合いと比べるとかなり低い値となっている。 「TA などによる補助的な指導がある」,「主に英語で行われる授業(語学を除く)」のよ うに,授業を担当する教員の個人的な努力だけではなく,組織的な取り組みが必要とされ る項目においては「よくあった」 ,「ある程度あった」の比率が他の項目に比べて低くなっ ている。 10 100% (参考) 2007 年度に東京大学大学経営・政策センターが実施した調査(東大 CRUMP 調査)にお ける同一項目の「よくあった」 , 「ある程度あった」の比率を,今回の 2014 年度調査の結果 と比較すると,「小テストレポートなどの中間課題が出される」を除くいずれの項目とも 2014 年度の方が高い値となっている4。既に述べたように調査方法の違い等により厳密な意 味での比較はできないけれども,授業内容・方法の工夫は近年,多くの大学で進んでいる ものと考えられる。 88.2 (28-4)小テストやレポートなどの 中間課題が出される 88.8 理 64.3 (28-2) 解がしやすいように 教え方が工夫されている 74.9 38.0 生 (28-6)グループワークなど 学 が参加する機会がある 2007年度 61.2 2014年度 33.8 (28-3)TAなどによる補助的な 指導がある 41.6 25.9 物 (28-5)適切なコメントが付されて 課題などの提出 が返却される 36.7 20 30 40 50 60 70 80 率 10 生 0 90 100 「よくあった」、「ある程度あった」と回答した学 の比 (%) 図9 授業科目の内容・方法の変化(2007 年度,2014 年度) 2007 年度調査の出典は,東京大学大学経営・政策研究センター『全国大学生調査』 (http://ump.p.u-tokyo.ac.jp/crump/resource/kiso2008_01.pdf) 4 11 4. 学生の学習に対する取り組み・態度 (29-2)なるべく良い成績をとる ようにしている 26.2 (29-3)グループワークやディスカッション に積極的に参加している 52.7 13.4 (29-4)必要な予習や復習をして 授業にのぞんでいる 17.1 44.5 7.4 3.5 32.9 40.0 8.6 41.4 10.6 生 (29-1)先 に質問したり、勉強の 仕方を相談している 4.6 26.3 0% 10% 20% よくあてはまる 図 10 45.8 30% 40% ある程度あてはまる 50% 22.8 60% あまりあてはまらない 70% 80% 90% まったくあてはまらない 100% 無回答 学生の学習に対する取り組み・態度 「なるべく良い成績をとるようにしている」と回答した学生の比率は 79%( 「よくあては まる」 , 「ある程度あてはまる」の合計)に達する一方で,「必要な予習や復習をして授業に のぞんでいる」学生は 47%にとどまる。また, 「必要な予習や復習をして授業にのぞんでい る」に対して「よくあてはまる」とした学生においても,週に 11 時間以上授業の予習や復 習などを行っている者は3割程度にとどまる(図9) 。 必 要 よくあてはまる 39.7 2.9 26.6 30.5 予 習 復 習 ある程度あてはまる 54.4 4.1 25.2 13.0 あまりあてはまらない 授 業 66.3 14.1 53.7 まったくあてはまらない 0% 10% 15.7 20% 39.9 30% 40% 50% 60% 70% 5.9 3.7 80% 90% 100% 授業の予習・復習の時間 0時間 図 11 1-5時間 6-10時間 11時間以上 無回答 「必要な予習や復習をして授業にのぞんでいる」と予習・復習の時間の関係 (1〜3年生のみ) 「グループワークやディスカッションに積極的に参加している」か否かについては,授 業中にそうした機会がどれだけ用意されているかに依存するので,学生の学習に対する積 12 極性のみを表すものではないが,授業内で「グループワークなど学生が参加する機会」が よくあったとする学生においては,80%以上が積極的に参加していると回答しており,学 生の学習に対する能動性を引き出す方法としては有効であると考えられる。 「先生に質問したり,勉強の仕方を相談している」に対して「よくあてはまる」 ,「ある 程度あてはまる」とした学生は3割程度に止まる。 「授業の内容についていっていない」学 生ほど「先生に質問したり,勉強の仕方を相談している」者が少なくなっており(図 12) , 教員から直接,指導・助言を受ける機会を設けることが,学生の自律的な学習と授業内容 の理解を促す上で重要であることが示唆される。 授 業 内 容 24.9 全くない 34.5 18.9 あまりない 50.1 26.2 少しある 30.4 27.2 50.9 44.6 大いにある 0% 10% 20% 19.9 30% 40% 50% 60% 14 70% 80% 90% よくあてはまる 無回答 生 まったくあてはまらない 3.3 36.9 先 図 12 9.8 に質問したり,勉強の仕方を相談している あまりあてはまらない ある程度あてはまる 「授業の内容についていっていない」と教員との関わりの関係 13 2.4 3.3 100% 5. 特定の目的のための授業科目やプログラムの経験 (31-1)授業の履修方法や カリキュラムについての 体系的なガイダンス 10.6 (31-3)就職や将来のキャリアを テーマとした科目 10.7 (31-2)大学での勉強の方法 (スタディスキル)を学ぶ科目 49.8 28.5 36.9 4.4 24.2 28.8 4.3 4.2 31.2 5.8 22.8 5.3 29.2 留 (31-4)短期の海外 学 2.7 3.5 5.9 3.7 (4ヶ月から1年程度) 図 13 だった 有 30% 40% 50% だった どちらともいえない 60% 有 用 非常に有 20% 用 10% 用 0% 83.3 70% でない 80% 経験していない 90% 無回答 特定の目的のための授業科目やプログラム等の経験 「授業の履修方法やカリキュラムについての体系的なガイダンス」はほとんどの学生が 経験したとしており,有用だったと回答した学生が全体の6割に達する。 2011 年度より「大学は,当該大学及び学部等の教育上の目的に応じ,学生が自らの資質 を向上させ,社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を,教育課程の実施及び厚生 補導を通じて培うことができるよう,大学内の組織間の有機的な連携を図り,適切な体制 を整えるものとする」ことが大学設置基準に定められている( “大学におけるキャリアガイ ダンスの制度化”) 。そのためもあってか,約 80%の学生が「就職や将来のキャリアをテー マとした科目」を経験したとしている。1年生において既に約7割の学生が経験したとし ており,入学後の早い時期からこうした科目の受講が行われているようである。経験した とする学生においては約6割の学生が「非常に有用だった」若しくは「有用だった」と回 答している。 「大学での勉強の方法(スタディスキル)を学ぶ科目」は,約7割の学生が経験したと している。学年別に見ると(基礎集計表を参照) ,1年生において経験した比率が高く,ま た経験者において有用だったとする学生も1年生の方が多い。こうした科目は,初年次教 育,導入教育等として入学後間もない学生に対して実施されることが多いため,低学年ほ どその経験の記憶が印象に残っているという面もあるだろうが,現在,その内容・方法と もに充実させる方向で改革が進行していることを表しているとも考えられる。 4か月から1年程度の「短期の海外留学」の経験者は 16%程度であった。学生の6人に 一人は留学経験があると見れば,この値はかなり大きいと言えよう。ただし,経験者にお いて「有用でない」 , 「どちらともいえない」とした者の比率が, 「有用だった」 , 「とても有 用だった」とする者の比率を上回っており,留学時のプログラムに改善の余地があると言 えるだろう。 14 100% (参考) ここでも 2007 年度に東京大学大学経営・政策センターが実施した調査(東大 CRUMP 調査)の結果と今回の調査を比較すると,「就職や将来のキャリアをテーマとした科目」の 経験率は 48%から 76%へ, 「大学での勉強方法(スタディスキル)を学ぶ科目」は 39%か ら 70%へ, 「留学」は 10%から 16%へとそれぞれ増加している。ここで取り上げた各種の 科目やプログラムは近年,急速に普及・拡大していると見られる。 76.0 (31-3)就職や将来のキャリア をテーマとした科目 47.2 69.7 (31-2)大学での勉強の方法 (スタディスキル)を学ぶ科目 2014年度 38.2 留 2007年度 15.8 (31-4)短期の海外 学 (4ヶ月から1年程度) 9.9 20 30 40 50 率 10 生 0 60 70 80 「経験した」学 の比 (%) 図 14 特定の目的のための授業科目・プログラム等の実施率(経験率) 15 5. 大学での成績 本調査では成績について,大学での評価方法に合わせて,①5段階評価の場合, 「秀(S, A+) 」 , 「優(A) 」 , 「良(B) 」 ,「可(C) 」それぞれのおおよその割合を足して 10 になるよ うに,また②4段階評価の場合は「優(A) 」 , 「良(B) 」 , 「可(C) 」それぞれの割合を足し て 10 になるように,③GPA の場合はその点数のいずれかに回答してもらう形式で尋ねてい る。 GPAのみ 15% ①5段階評価で回答した学生の比率が 無回答 8% 58%,②4段階評価で回答した学生が 19%, 4段階評価 19% ③GPA のみ記入した学生が 15%であった 5段階評価 58% (その他に,「無回答」あるいは足して 10 にならない等の「不明」が8%)。GPA を 導入している場合,成績評価上の評語は5 段階である場合が多いので,実質的に約8 図 15 割の学生が5段階評価の大学・学部に所属 成績評価の方法 していると見て良い。 図 16 は,①5段階評価,②4段階評価の場合それぞれについて,各評語(グレード)の 割合の平均値を示したものである。5段階評価の場合「秀(S, A+) 」及び「優(A) 」の割 合を合計すると 5.4 割になるのに対して,4段階評価における「優(A) 」の割合の平均は 4.8 割である。反対に「可(C) 」の割合は,5段階評価の場合 1.8 割であるのに対して4段 階評価の場合は 2.1 割となった。5段階評価の「秀(S, A+) 」は,従来の4段階評価におけ る「優(A) 」のうち,特に優れた成績を区別するために用いられる評語であったはずだが, 実際には5段階評価の場合,4段階評価に比べて成績がやや高い方に偏る傾向にある。 4.8 4段階評価 3.1 3.3 2.2 5段階評価 0.0 1.0 2.0 3.0 2.1 2.8 4.0 5.0 6.0 7.0 1.8 8.0 9.0 各評語の割合の平均値(単位:割) 秀(S,A+) 図 16 優(A) 良(B) 可(C) 評価方法(4段階・5段階)による成績分布の違い 16 10.0 6. 大学教育・授業に対する評価 (1) 授業の経験が能力形成に役に立ったか 図 17 に示した8つの項目についてこれまでの授業の経験は役に立っているか,いないか を4段階のスケールで尋ねた。 (32A-1)専門分野に関する知識経験 36.9 (32A-8)幅広い知識,もののみかた 43.1 25.3 14.2 49.1 18.9 3.0 3.8 献 (32A-2)文 ・資料・データを 収集する力 20.8 49.4 22.9 4.0 決 (32A-7)問題をみつけ,解 方法を 考える力 17.8 50.5 24.6 4.1 (32A-6)ものごとを分析的・批判的 に考える力 17.6 50.1 24.8 4.5 理 (32A-3)論 的に文章を書く力 16.6 (32A-4)人にわかりやくす話す力 16.0 (32A-5)外国語の力 45.0 42.7 9.8 0% 10% 20% 7.1 37.2 30% 40% 少し役立っている 6.4 31.3 26.9 役立っている 図 17 29.2 50% 23.2 60% あまり役に立っていない 70% 80% 90% 役に立っていない 100% 無回答 授業の経験は能力形成に役に立ったか 授業の経験が役に立っているとした学生が最も多かったのは「専門分野の知識経験」の 獲得についてであり 80%の学生が役立っているとしている。学生にとって授業は自身の専 攻分野における知識を修得する場として認識されている。 一方, 「幅広い知識,ものの見方」 (74%) , 「文献・資料・データを収集する力」 (70%) , 「問題をみつけ,解決方法を考える力」 (68%) , 「ものごとを分析的・批判的に考える力」 (68%) , 「論理的に文章を書く力」 (62%), 「人にわかりやすく話す力」 (59%)といった, いわゆる汎用的能力に関しては,専門的知識に比べてやや役に立っているとする学生の比 率が低くなるものの,おおむね授業の経験を肯定的に受け止めている。 17 (2) 自分の実力は十分か 授業の経験の役立ち度と同一の項目に対して,自分自身の実力が十分であるかを併せて 尋ねている。 (32B-8)幅広い知識,もののみかた 8.9 43.7 35.4 7.4 決 (32B-7)問題をみつけ,解 方法を 考える力 7.3 43.8 36.9 7.5 (32B-6)ものごとを分析的・批判的 に考える力 7.8 43.0 37.0 7.7 献 (32B-2)文 ・資料・データを 収集する力 4.9 (32B-4)人にわかりやくす話す力 6.1 38.3 32.7 (32B-1)専門分野に関する知識経験 3.3 理 (32B-3)論 的に文章を書く力 0% 10.3 42.5 35.3 4.7 (32B-5)外国語の力 2.7 41.9 14.1 44.4 32.2 12.6 43.6 16.1 14.9 36.9 10% 20% 十分 図 18 30% 40% やや十分 39.8 50% やや不十分 60% 70% 不十分 80% 90% 100% 無回答 自分の実力に対する自己評価 自分の実力については, 「幅広い知識・ものの見方」 (53%), 「問題をみつけ,解決方法 を考える力」 (51%) ,「ものごとを分析的・批判的に考える力」(51%)等,汎用的能力に ついて十分と考える学生が多い。ただし,汎用的能力のうち, 「人にわかりやすく話す力」 (39%), 「論理的に文章を書く力」 (37%)は,十分と考える学生の比率はやや低い。 「人 にわかりやすく話す力」, 「論理的に文章を書く力」は,授業の経験が役に立っているかに 関する質問においても「役に立っている」とした者の比率が他の項目に比べやや低いこと から,授業において,討論やプレゼンテーション,レポート・論文の執筆等,こうした能 力を高めるための機会が,授業においてやや不足しているのではないかと考えられる。 一方で, 「専門分野の知識経験」 (39%)は,授業の経験が役に立っているとする者は最 も多かったが,自分の実力に対する評価は汎用的能力よりも低い。このことからも,学生 にとって大学の授業は,専門分野の学修を通じて汎用的能力を鍛える場としてよりも,専 門の知識を受動的に身に付ける場として認識されていることを示していると解することが できよう。なお,外国語の力に関しては,授業の役立ち度,自分の実力ともに評価は低い。 18 献 (32B-2)文 ・資料・データを 収集する力 36.1 53.0 50.1 41.1 決 (32B-7)問題をみつけ,解 方法を 考える力 50.1 44.3 (32B-8)幅広い知識,もののみかた 52.3 46.5 (32B-1)専門分野に関する知識経験 32.0 (32B-6)ものごとを分析的・批判的 に考える力 理 33.0 (32B-4)人にわかりやくす話す力 37.4 18.2 17.7 20.0 3年 59.3 56.6 2年 1年 45.1 23.3 20 30 40 「十分」,「やや十分」と回答した学 図 19 50.7 50 率 10 41.9 生 0 62.6 43.2 40.7 38.1 37.0 (32B-5)外国語の力 58.8 4年 45.5 (32B-3)論 的に文章を書く力 60.9 47.9 43.7 36.4 57.6 の比 60 70 (%) 学年別 自分の実力に対する自己評価 図 19 は,自分の実力を「十分」 ,「やや十分」とした者の比率を学年別に示したものであ る(無回答を除いて比率を算出) 。「外国語の力」を除き,いずれの能力に対しても学年が 上がるごとに実力があると考える学生の比率は高くなっている。授業の経験が役に立って いると回答した者が多い項目において,学年よる実力の上昇分が大きくなっており,図 19 における学年間の差は,授業を通じての付加価値の大きさを表していると見ることができ る。 19 7. 卒業後の進路希望 (1) 入学時の進路希望 32.5 人文科学 13.8 17.3 35.8 社会科学 24.2 理 31.9 ・工・農 8.9 11.9 25.3 19.7 5.9 9.0 12.8 25.0 計 10% 公務員 40% 50% 自営など 進学 10.1 26.4 8.9 60% 3.3 18.2 5.2 28.8 教師、医師、弁護士などの専門職 図 20 10.0 11.0 3.0 70% その他 80% 決 民間企業に就職 30% 5.4 11.6 12.7 20% 3.4 28.6 28.1 その他 7.1 4.7 56.2 21.7 芸術・スポーツ 0% 21.8 81.9 12.4 教育・家政・福祉 23.2 76.0 3.4 看護・保健 4.2 8.7 8.9 5.6 医・歯・薬 4.5 めていない 17.4 90% 無回答 専攻分野別 入学時の進路希望 卒業後に最も希望する進路は,当然のことながら専攻分野によって大きく異なる。 「人文 科学」, 「社会科学」, 「理・工・農」,「その他」では,入学時から民間企業への就職を希望 する学生が 30〜35%程度,公務員を志望する学生が 10〜15%程度である。ただし「社会科 学」は公務員志望が 24%と他の分野より高い。また「理・工・農」では入学時に大学院等 への進学を希望していた者が 25%であった。 一方,特定の専門職,国家資格との関連が強い「医・歯・薬」,「看護・保健」, 「教育・ 家政・福祉」は,「教師・医師・弁護士などの専門職」を志望する比率が高い。 上記の専門職志向の専攻分野以外では,入学時に希望進路を「決めていない」学生が 20% 〜25%程度存在する。 20 100% (2) 現在の進路希望 1年 24.6 2年 12.8 27.4 30.2 13.6 3年 10.0 13.9 9.5 20.5 3.6 7.8 13.5 78.0 35.0 0% 16.1 4.6 20.9 8.4 2.6 計 6.9 12.8 46.5 5・6年 5.2 25.5 40.9 4年 7.9 10% 11.7 20% 30% 24.7 40% 50% 9.3 60% 70% 4.3 80% 4.1 3.3 2.8 3.9 10.1 90% 100% 決 民間企業に就職 公務員 教師、医師、弁護士などの専門職 図 21 自営など 進学 その他 めていない 無回答・不明 学年別 現在の進路希望 現在の進路希望においても専攻分野との関連は入学時と変わらない。学年別に現在の進 路希望を見ると,就職活動が始まる直前の3年生で「決めていない」とする者が8%まで 減少する。専門職志望も2年生から3年生の間で減少し,民間企業への就職や大学院等へ の進学が代わりに増えている。 3年生以下の学生で進路を「決めていない」という者は, 「授業についていってない」と いう質問に対して「大いにある」, 「少しある」と回答した比率が,他の者より 10 ポイント 程度高くなっている。希望の進路が決められない(卒業後にやりたいことが見つからない) ことが,大学での学習に対する意欲や態度に影響を及ぼしていると言える。 5.3 31.9 在 民間企業に就職 4.5 33.9 進 路 希 望 自営など 6.3 32.9 公務員 5.6 33.8 教師、医師、弁護士 などの専門職 4.6 36.6 その他 5.6 現 進学 22.2 43.1 18.3 39.6 21.1 40.6 19.9 生 年 40.5 以 下 36.9 決 7.5 めていない 0% 42.6 16.1 40.3 17.1 41.1 10% 20% 37.7 30% 40% 50% 60% 70% 13.7 80% 授業についていっていない 大いにある 図 22 少しある あまりない 全くない 無回答 現在の進路希望と授業の理解度の関係(3年生以下のみ) 21 90% 100%
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