ホール効果及び電気抵抗 1 目的 半導体に関しては、まず、半導体に磁界を印加したときのキャリアのふるまいを理解する。 次に、ホール起電力、導電率 (電気抵抗率の逆数) の温度依存性の測定より、半導体中のキャリ アの性質について理解を深める。金属、超電導体に関しては、電気抵抗の温度依存性を測定し、 半導体の電気抵抗の温度依存性とも合わせて、電気抵抗の起因について理解することを目的と する。 2 電気抵抗 2.1 解説 半導体、金属、超電導体の電気抵抗の温度変化は非常に異なる。電気伝導度 σ は通常 σ = 1/ρ = enµ (1) で表され、電子密度 n、易動度 µ により決まる。ある導体が電気を通し易いか否かは、電子密 度が大きいか、易動度が大きいかにより決まる。電気伝導度の温度依存性は、電子密度が温度 により変化する因子と、易動度が温度により変化する因子とが相乗的に効く。例えば、金属は 電子密度の温度変化が大きい。また、超電導体はある温度以下になると急激に電気抵抗が小さ くなりゼロとなる。それは、電子がある状態に遷移するからである (フェルミ状態−ボーズ状 態)。金属、超電導体の電気抵抗の温度依存性の一例を図 1 に示す。 (a) (b) 図 1: 金属、超電導体の電気抵抗の温度依存性の一例 1908 年、初めてヘリウムの液化が実現され、その 3 年後の 1911 年液体ヘリウム温度にまで 冷却された水銀において、電気抵抗が急激に零となるような新しい状態に転移することが発見 された。この新しい状態は、その並みはずれた電気的性質ゆえに超電導状態 (superconducting state) と名付けられた。以来、金属元素・合金・金属間化合物・半導体・無機ポリマーや有機 一次元電導体など 1000 種類以上もの物質で超電導になることが確認されてきた。その間、超電 導体の臨界温度 Tc を高くしようとする試みが行なわれてきたが、図 2 に示されたような遅々と したものであった。 1986 年、(La, M)2CuO4 系酸化物 (M=Ca, Sr, Ba) の発見を契機として、Tc の急激な上昇が みられた。とくに、LnBa2 Cu3 O7 (Ln: Y, ランタン系元素) 系酸化物の発見により、液体窒素中 で超伝導が得られ、その実用的価値がクローズアップされ現在に至っている。 図 2: 年代と臨界温度 超電導状態の基本的な電気磁気的性質をまとめると以下のようになる。 1. 完全導電性 超電導状態では直流電気抵抗は厳密に 0 であるか、少なくとも 0 に非常に近い (測定限界 (10−20 Ω·cm) 以下)。したがって、超電導状態にある金属リングに、ある臨界値以下の小 電流が誘起されると、1 年以上も減衰することなしに永久電流の流れることが確認されて いる。しかし、マイクロ波の周波数程度以上の交流に対しては通常の金属 (常電導金属) と同様に抵抗が発生する。 2. 完全反磁性 − マイスナー (Meissner) 効果 超電導状態にある物質はある (臨界) 値以下の弱磁界中に置かれると、その内部の磁気誘 導が 0 であるような完全反磁性体のようにふるまう。また、その物質が常電導状態で弱磁 界中に置かれ、そのまま超電導転移温度以下に冷却された場合にも、始め物質中を貫通し ていた磁束はその内部から排除されてしまう。すなわち、超電導体内では常に B = 0 で ある。これをマイスナー効果と呼ぶ。超電導体のこの独特な完全反磁性は、その電気抵抗 が 0 であるという仮定からは説明できるものではなく、完全導電性と共に超電導状態を特 徴づけるもう一つの本質的な性質であり、中心的な重要性をもつ。 3. 磁束量子化 超電導体で作られたリングが弱磁界の印加されたまま常電導状態から超電導転移温度以 下にまで冷却されると、その完全反磁界のために、磁束は超電導体内部からリング中空 部および外部へと排出される。この後、印加磁界を取り除いても、リング中空部には磁束 が捕獲され、磁界が残り、リング表面には λ 程度の深さ (数 10∼数 100 nm) に永久電流が 流れる。ここで、λ は超電導体の磁界侵入距離である。この時、リング中空部の捕獲磁束 Φ は連続的な値をとらず、とびとびの値 Φ = nΦ0 (n = 0, ±1, ±2, · · ·) (2) Φ0 = h/2e = 2.07 × 10−15 [Wb] (3) をとり Φ0 を単位として量子化される。これが磁束の量子化である。ここで Φ0 を磁束量 子 (fluxon) とよぶ。h(= 6.6262 × 10−34 J·s) はプランク定数、e(= 1.6022 × 10−19 C) は電 子電荷である。この磁束量子化は、超電導状態が巨視的尺度で起こる量子化現象である ことの現れである。 2.2 抵抗率の測定 (4 端子法による抵抗測定) 適当な形状の試料 (例えば細線状) が製作できれば、電気抵抗の測定と形状から抵抗率が計算 でき、これについては特に説明を要しないであろう。酸化物超電導体についても長方形に切り 出して測定できる。一般に金属のような低抵抗試料の抵抗率測定の場合には接触抵抗 Rc が問 題になるため、4 端子法を用いる。 酸化物超電導体も通常の金属よりは高い抵抗率であるが、1 mΩ·cm のオーダーの抵抗率であ るから、通常の形状 (例えば、1 mm× 1 mm× 10 mm) では 1 Ω 以下である。これに対し、接 触抵抗 Rc は端子の取り方によって大きく変り、例えば直径 2 mm 程度の In を YBa2 Cu3 O7 −δ の試料に圧着 (常温) した場合の例では、常温で 0.1∼10 Ω 程度である。したがって、いずれの 場合も接触抵抗が無視できないから 4 端子として、電流−電圧特性より抵抗を求める必要があ る。本装置においては、Bi 系の酸化物超電導体を用いており、Ag や Au を蒸着して Rs を極力 小さくしてある。 <コーヒーブレイク> 移動度と易動度 移動度と易動度、超伝導体と超電導体、等々、材料の分野では、同じ音ではあるが違う漢字 で表すことがある。 『いどうど』は、半導体の分野では、キャリアの移動する度合いとして『移 動度』を用い、超電導の分野では、キャリアの動き易さという意味で『易動度』となる。どち らももっともである。 『ちょうでんどうたい』に関しても、電気関係では、電気の伝導性の問題 として『超電導体』、熱伝導関係では、『超伝導体』となる。あなたはどちらが好きですか。 測定温度 T (℃) −196 −196 −190 −185 −180 −175 .. . −20 0 +20 2.3 表 1: データ記録に用いる表の例. 金属両端の電圧−電流 超電導体の両端の電圧−電流 Vm Im Vsc Isc ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· (300 µV) ··· (30 mA) ··· 実験操作 測定は 4 端子法で行う。金属としては、銀の蒸着膜、超電導体としては、Bi2Sr2 Ca2 Cu3 O を 用いる。それらの寸法等の詳細に関しては、板書してある測定回路図を参照すること。 [実験 1] マイスナー効果の観察 室温の磁石上に、液体窒素に浸して冷却しておいた酸化物超電導体を載せ、磁石上に超 電導体が浮く状態を観察せよ。また、室温の磁石上に載せておいた酸化物超電導体に液 体窒素をかけ、様子を観察せよ。 [実験 2] 超電導体の電気抵抗の温度依存性 デュア瓶に液体窒素を注入し、試料を −196 ℃まで冷却する。温度は、試料に接して置か れた銅−コンスタンタン (C–C) 熱電対を用いて測定する。試料のまわりに置かれたヒー タに電流を通じて (印加電圧にして約 8 V)、温度を徐々に上昇させる。−196 ℃から +20 ℃の温度範囲で約 20 ℃おきに、試料端の電圧 V 、試料を流れる電流 I を測定せよ。但し、 超電導体の場合には、臨界温度 Tc 付近はその変化が急峻であるので、その変化が明確に なるように、さらに細かい温度間隔でデータを取ること。 注意点 • 試料に流す電流は、十分小さな電流 (mA オーダー以下) とすること。 • 試料温度を上昇させる電流は、いつも流しておき、切らない。各測定温度の間が 10 分程度になるように電圧値を調整せよ。 • 試料の抵抗が温度で変化するため、温度が変化するにつれ、試料端電圧 V や流れる 電流 I が変化する。 3 3.1 ホール効果 解説 図 3: ホール効果測定回路 図 3 に示した寸法と形状の半導体試料がある。この試料の x 方向に電流 I を流し、これと直 角の z 方向に磁界を印加すると両者と直交する y 方向に起電力 (ホール起電力)VH が発生する。 これを、ホール効果 (Hall effect) といい 1879 年に、E. H. Hall によって発見された。 いま、試料が n 形半導体である場合を考えよう。長さ の試料の両端に、電圧 V を印加し、 初め、磁界は印加されていないとする。多数キャリアの電子は、電界 Ex (= V /) により、x 方 向に平均ドリフト速度 vx で移動している。このとき、伝導帯の電子密度を n とすれば、電流密 度J は J = −qnvx (4) である。全電流 I は、電流密度 J に試料の断面積 wd をかけて、 I = −qnv x · wd (5) となる。この試料に磁束密度 B の磁界を z 方向に印加する。速度 vx の電子はローレンツ力 (Lorentz force) (6) Fy = −qvxB を y 方向に受けてまげられ、図 3 の試料背面が正、前面が負に分極帯電することになる。この 分極電荷により y 方向に電界 EH (ホール電界) が発生する。このホール電界は、磁界により電子 がまげられるのを引き戻す方向に働く。すなわち、ローレンツ力によって電子をまげようとす る力 −qvxB と、ホール電界によって引き戻そうとする力 qEH が平衡したところで定常状態と なるのである。EH = VH /w であるから、定常状態で vx B = VH /w (7) 式 (5) より求めた vx を式 (7) に代入すると VH = − 1 IB IB · = RH · qn d d (8) 1 (9) qn ここで、RH はホール定数 (Hall constant) またはホール係数 (Hall coefficient) と呼ばれ、試料 のキャリア密度に直接的に関係する量である。試料の厚さ d と流れた電流 I 、印加磁束密度 B 、 発生したホール起電力 VH を測定すればホール定数 RH が求められる。 さて、以上の説明では、多数キャリアの電子がすべて平均ドリフト速度 vx で移動していると 考えた。しかし実際の電子の速度は一定ではない。このため補正項が必要であり、格子振動に よるキャリアの散乱が支配的な半導体にあっては RH = − RH = − 3π 1 · 8 qn (10) となる。n 形半導体の導電率 σ は、電子のドリフト移動度を µd とすれば σ = qnµd (11) であるから、σ と |RH | の積をとり、これを µH とおくと µH = |RH | · σ = 3π · µd 8 (12) となり、µH は移動度に相当した量であることがわかる。µH を、ホール移動度 (Hall mobility) という。σ は試料の抵抗 R と寸法から σ= 1 I · = · R wd V wd (13) として求められる。ここで、ホール定数、ホール移動度、キャリア密度を求める式を改めて実 用単位で示しておく。 108 · VH [V] · d[cm] (14) RH [cm3/C] = I[A] · B[Gauss] µH [cm2/V · s] = σ[1/Ω · cm] · R H [cm3/C] n[1/cm3 ] = (15) 18 6.25 × 10 RH [cm3 /C] (16) <コーヒーブレイク> ホール 現在、キャリアの種類、密度、移動度を測定する常套手段として使用されているホール効果 の発見は 1879 年のことであった。彼の業績を讃えるため母校で 100 周年記念会議が行なわれ た際、Hall のノートをまとめたものが出版された (山形大学工学部の図書にもある。”The Hall Effect and Its Applications” edited by C. L. Chien and C. R. Westgate)。それを読んでみると、 Hall の博士論文であるこの研究は、実は、かの有名な Maxwell の本に書かれてあった記述に対 する疑問から始っていることが分る。皆さんも、本に書いてあるからといって理解できない内 に、闇雲に信じないように! 表 2: ホール効果測定に用いる各種電源,測定装置及び記号 用途 ホール測定 ホール起電力 基板加熱用 電磁石励起 基板温度測 用電圧発生 測定用電圧計 ヒーター電源 用電流発生 定用温度計 装置名 直流電圧源 マイクロボル 直流電圧源 直流電圧源 デジタル トメーター 温度計 会社 KIKUSUI TOA KIKUSUI KIKUSUI TSURUGA 型番 PAB-18 PM-16R PAB-32 PAD35-10L 3113 記号 V VH VB T その他の V: 電圧計 電圧計 測定器 I: 電流計 電流計 3.2 実験操作 実験に用いる装置は図 3 と同様であるが、それ以外に、基板温度の測定用に熱電対、および、 その起電力測定用の微小電圧計、基板温度制御用に加熱用電源が用いられている。用いている各 種の電源、測定装置の用途、および用いる記号は、表 2 にまとめた。なお、試料は、n 形半導体 の InSb(インジウム アンチモナイド) であり、その寸法は、次のとおりである。( = 0.58 [mm], w = 0.23 [mm], d = 0.00065 [mm]) [実験 3] ホール起電力の電流及び磁界依存性 室温にある試料に一定電流を流し、印加する磁束密度を変化させ、発生するホール起電 力を測定せよ。次に、試料に流す電流を 2 倍に増加させ、同様の測定を行なえ。 注意点 • 例えば、電流としては 0.3 と 0.6 mA、磁束密度としては 0∼3 kGauss 程度で測定 せよ。 • 印加磁界がゼロであっても、試料に電流を流すと、ホール起電力測定用の電圧計が 振れることがある。これは、試料の形状が完全に対称に作れないために発生するも のである。ホール起電力測定電圧計には、この非平衡電圧を打ち消すことができる バランサーが付属しているから、B = 0 状態で電圧計の目盛を 0 にセットせよ。 • 磁束密度 B は、磁石に流す電流 I で制御する。B–I の関係は、各磁石に付属して置 いてあるデータを参照すること。 [実験 4] 半導体のホール起電力及び導電率の温度依存性 デュア瓶に液体窒素を注入し、試料を −196 ℃まで冷却する。温度は試料に接して置かれ た銅−コンスタンタン (C–C) 熱電対を用いて測定する。試料のまわりに置かれたヒータ に電流を通じて (印加電圧にして約 8 V)、温度を徐々に上昇させる。−196 ℃から + 20 ℃ の温度範囲で約 20 ℃おきに、試料端電圧 V , 試料を流れる電流 I 、ホール起電力 VH を測 定せよ。 T ( ℃) −196 −180 −160 .. . 0 20 表 3: データ記録に用いる表の例. V I VH ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· ··· (10 V) ··· ··· (1 mA) ··· ··· (30 mA) B ··· ··· ··· ··· ··· 注意点 • 試料温度を上昇させる電流は、いつも流しておき、ホール起電力測定時も、切らな い。各測定温度の間が 10 分程度になるように電圧値を調整せよ。 • 半導体試料の抵抗が温度で変化する。このため、温度が変化するにつれ、試料端の 電圧 V や流れる電流 I が変化する。電圧計や電流計のレンジに注意すること。 • 電流としては初期値 0.02 mA(冷却時)、磁束密度としては 1 kGauss 程度で測定せよ。 電流値は 1 mA を超えないこと。 • ホール起電力 VH 測定の際に、B = 0 状態でも既に発生している非平衡電圧 ([実験 3] 参照) は、温度により大きく変化する。このため、温度を上昇させつつある時は、磁 界発生用の電流ダイアルを 0 にし,測定直前に、非平衡電圧をバランサーで打ち消 しておくこと。 4 実験報告書に含まれるべき内容 4.1 電気抵抗 1. マイスナー効果の観察 観察結果を書く。浮いたか。その際、超電導は安定していたか。 2. 超電導体の電気抵抗 Rsc の温度 T 依存性 通常の方眼紙を使用し、Rsc –T 特性を示せ。 3. 半導体の電気抵抗 Rse の温度 T 依存性 [実験 4] で測定したデータを用いて Rse を求める。通常の方眼紙を使用し、Rse –T 特性を 示せ。式 (13) を参照のこと. (a) (b) (c) (d) 図 4: ホール効果の実験に関連するグラフの例 4.2 ホール効果 [実験 3] の結果を用いて、以下のグラフを書け。図 4(a) 参照。 1. 室温におけるホール起電力 VH の磁束密度 B 依存性 パラメータとして、流す電流値を 2 種類。 [実験 4] および解説中の式を用いて計算し、以下の 3 枚のグラフを書け。 2. キャリア密度 n の温度 1/T 依存性 図 4(b) 参照。片対数方眼紙を使用し、n–1/T (K−1 ) 特性を示せ。以下、温度 T は絶対温 度であることに注意。このような表し方をアレニウス・プロットという。 3. ホール移動度 µH の温度 T 依存性 図 4(c) 参照。両対数方眼紙を使用し、µH –T (K) 特性を示せ。 4. 導電率 σ の温度 1/T 依存性 図 4(d) 参照。片対数方眼紙を使用し、σ–1/T (K−1 ) 特性を示せ。 5 考察すべき事柄 5.1 電気抵抗 1. [実験 1] の観察の結果を考察せよ。 2. 超電導体、半導体及び金属の電気抵抗の起因および温度依存性について論ぜよ。 3. 室温で超電導状態となる材料が開発されるとどのような応用が考えられるであろうか。論 ぜよ。 5.2 ホール効果 1. 温度が 180 K 付近に達すると InSb の電子密度が急増を始める。何故か。 2. この試料のドナー密度が、log n–1/T のグラフから容易にわかる。どのくらいか。 3. InSb の禁制帯幅 (Energy gap) は、約 0.18 eV(室温) である。もし、Si で同様の測定を行 なったら、キャリア密度が急増し始める温度は、InSb に比べどうなるか。 4. log σ–1/T のグラフから半導体の禁制帯幅 Eg を計算せよ。log σ が 1/T に対し直線的に立 ち上がる部分 (真性領域) では、 σ = σ0 exp − qEg 2kT (17) となる。但し、ここで、σ0 は定数である。自然対数をとると ln σ = ln σ0 − qEg 2kT 常用対数に変換して (18) qEg 1 · (19) 2.303 · 2k T よって、実験により得たグラフ上の真性領域の任意の 2 点の値を代入した式を、2 つたて、 σ0 を消去することにより、Eg が求められる。ここで、k はボルツマン定数である log σ = log σ0 − 5. 図 3 において試料を p 形半導体にした場合、ホール起電力の極性はどうなるか。 6. 1 eV は、何ジュールか。 5.3 考察を書くにあたり注意すること 1. 回路図は必ず書くこと。 2. データ、計算表は必ず添付すること。 3. グラフのタイトル、単位などは忘れずに書くこと。 6 参考文献 ホール効果に関しては、 1) 石田哲郎、清水東著、『改訂半導体素子』、コロナ社、1980 p.44∼47 2) 高橋清著、『半導体工学』、森北出版、1975 p.257∼263 超電導に関しては、 3) 後藤俊成著、『超伝導の基礎・応用・実験技術』、アイピーシー が参考になる。 <コーヒーブレイク> アレニウス・プロット 1889 年、化学反応の速度定数の温度変化について、スウェーデンの化学者である S. A. Arrhenius が提案した式をアレニウスの式という。それによると、速度定数 k は、K = A exp(−Ea /RT ) で表される。この式で、T は絶対温度、A は頻度因子、Ea は活性化エネルギーとよばれる。この 式を片対数グラフ上に表したものを、アレニウス・プロットと呼ぶ (縦軸は log k、横軸は 1/T )。 その傾きから、反応のおこりやすさの目安となる Ea が求まる。 溶液中の電解質は、電界をかけてもかけなくても、つねに何割かがイオンに解離していて、 未解離の中性分子と解離して生成したイオンとのあいだには平衡電圧 (電離平衡) が成立すると いう、あの有名な電離説で、1903 年に、アレニウスはノーベル化学賞を受賞している。
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