【改正】16-3-14() (PDF/164KB)

【 改 正】( 国外 事 業所 等帰 属 所得 に係 る 所得 の金額 の 計算 にお け る 確 認によ る 共通 費用 の
額 等の配賦 方法の選 択)
16-3-14
当該事業年度の共通費用の額又は共通利子の額のうち 国外事業所等帰属所得
に 係る所得 の金額の 計算上 損金の額 として配 分すべ き金額を 計算する 場合に おいて 、16
- 3-12 又は 16-3- 13 によ ることが その内 国法 人の業務 の内容等 に適合 しないと 認
め られると きは、あら かじ め所轄税 務署長(国 税局 の調査課 所管法人 にあっ ては、所轄
国 税局長)の確認 を受けて 、当該共 通費用 の額又は 共通利子 の額の全 部又は 一部につ き
収 入金額、直 接経費の 額、資 産の価額、使用人 の数 その他の 基準のう ちその 業務の内 容
等 に適合す ると認め られる 基準によ りその計 算をす ることが できるも のとす る。
【 解説】
1
平成 27年度の税 制改正 により、内国法人 の外国 税額控除 における 国外所 得金額は 、「 国外
事業所等帰属所得に係る所得の金額」と「その他の国外源泉所得に係る所得の金額」との
合計額とされるとともに、国外事業所等帰属所得に係る所得の金額は、国外事業所等を通
じて行う事業に係る益金の額からその事業に係る損金の額を控除して計算することとされ
た (令141の2 、141の3① ) 。
ま た、国外 事業所等 帰属所 得に係る 所得の金 額の計 算上、益 金の額又 は損金 の額に算 入
す べき金額 は、別段 の定め があるも のを除き 、国外 事業所等 を通じて 行う事 業につき 、内
国 法人の各 事業年度 の所得 の金額の 計算に関 する 法 人税に関 する 法令 の規定 に準じて 計算
し た場合に 益金の額 となる 金額又は 損金の額 となる 金額とさ れている (令141の3 ②) 。
2
法 人 税 法 第 22条 《 各 事 業 年 度 の 所 得 の 金 額 の 計 算 》 の 規 定 に 準 じ て 国 外 事 業 所 等 帰 属 所
得に係る所得の金額を計算する場合において、損金の額に算入すべき同条第3項第2号に
規定する販売費、一般管理費その他の費用で、国外事業所等帰属所得に係る所得を生ずべ
き業務とそれ以外の業務の双方に関連して生じたものの額があるときは、これらの業務に
係る収入金額、資産の価額、使用人の数その他の基準のうちこれらの業務の内容及び費用
の性質に照らして合理的と認められる基準により国外事業所等帰属所得に係る所得の金額
の 計算上損 金の額と して配 分する こ ととされ て いる (令 141の3 ⑥)。
と こ ろ で 、 法 人 税 基 本 通 達 16- 3 - 12に お い て 共 通 費 用 の 額 の 配 分 計 算 の 簡 便 法 を 、 法
人 税 基 本 通 達 16- 3 - 13に お い て 共 通 利 子 の 額 の 配 分 計 算 の 簡 便 法 を そ れ ぞ れ 定 め て い る
が、これらの通達は、全ての業種、業態等を想定したいわば 最大公約数として最も合理的
と認められる方法を示しているものであり、個々の業務ごと、かつ、個々の費目ごとの計
算が困難な場合の簡便法でもあるから、個々の法人にこれらの方法を当てはめた場合、そ
の 法人の業 務の内容 等に適 合しない ことも 考 えられ る 。
3
そこで 、本通 達 では、 共通費用 の額又は 共通利 子 の額の 国外事業 所等帰 属所得 に 係る所
得 の金額 へ の配分 計算につ いて簡便 法を と る場合に おいて、 上記各通 達に定 める方法 によ
る ことがそ の法人 の業務内 容等に適 合しな いと認め られると きは、所 轄税務 署長(又 は所
轄 国税局長 ) の確 認を受け ること( アグリ ーメント )により 、その法 人の業 務内容等 に適
合 した配分 の方法 を とるこ とができ ること を 明らか に してい る。
4
このア グリー メントは 、あくま で 配分計 算の 簡 便法とし て上記各 通達に 定める方 法以外
1
の 方法を採 用する 場合に求 められて いるも のであり 、また、 法的効果 を伴う ものでは ない
か ら、法人 税法施行 令第 141 条の 3第6 項 《共通 費用の額 の配分 》 に定め る 個々の 業務ご
と 、かつ、 個々の費 目ごと の計算を 行うとい うので あれば事 前 の確認 を行う 必要はな い。
ま た、事前 の確認 を受けな いで上記 各通達 に定める 方法以外 の簡便 法をとっ ている場 合
で も、その 現に採 用してい る配分 計 算が合 理的なも のである ならば、 その時 点で所轄 税務
署 長等とア グリーメ ントを 交わ すな ど弾力的 に対応 して差し 支えない 。
5
な お 、 平 成 26年 度 の 税 制 改 正 に よ り 帰 属 主 義 が 導 入 さ れ 、 平 成 27年 度 の 税 制 改 正 に よ り
国外所得金額について上記1の改正が行われている。これらのことから、改正前の本通達
の取扱いにより、所轄税務署長等から確認を受けていた共通費用の額又は共通利子の額の
配 分 計 算 の 簡 便 法 に つ い て は 、 平 成 28年 4 月 1 日 以 後 に 開 始 す る 事 業 年 度 に あ っ て は 、 再
度 、帰属主 義を踏ま えたア グリーメ ントを交 わす 必 要があ ろ う。
6
連結納 税制度に おいて も、同様 の通達 改 正(連 基通 19- 3- 14) を行っ ている。
2