歯科医療画像の利用法(デジタル画像の活用)

歯科医療画像の利用法(デジタル画像の活用)
第1学年 前期 30 時間
担当教員:遊亀裕一 臨床教授、木下美香 助手
領域
関連性
関心・意欲
◎
態度
◎
知識・理解
◎
思考・判断・表現
○
技能
授業科目概要
生体情報を把握し臨床技工に活かすにはデジタル画像の活用が有効である。そのための技法
と臨床例を紹介する。
学習目標(一般目標)
・生体情報の重要性を学び、その情報を臨床技工に反映させるための技法と関連知識を習得す
ることができる。
・生体情報に興味を持ち、独創的な技術を生み出す手がかりにすることができる。
学習目標(到達目標)
・デジタル画像の有効性を理解できる
・審美修復における歯肉と歯冠修復装置の関係を理解できる
・レジンガムの有効性を理解できる
・咬合調整の少ないクラウンの製作例を説明できる
・カラーマネージメントに必要なデジタル画像の撮影と観察方法について説明できる
成績評価方法
感想を含むレポートの提出(70%)と学習態度(30%)で評価する。
成績評価基準
①レポートの提出は重要なキーワードの数、理解度、読み易さを評価する。
②学習態度は、講義に対する集中程度、質疑応答時における理解度により評価する。
学修成果
秀・優は講義内容をほぼ理解している。また、レポートへは読み取った内容を整理すると共に
自分の意見が書かれている。
良・可は最低限の講義内容を理解している。また、レポートへは起承転結があり、読み手にわ
かりやすく書かれている。
予習
教科書の関係する部分をよく読んでおくこと
復習
講義用テキストを毎回読み直しておくこと
指定教科書
【引用文献】※講義資料として、当日配付します。
遊亀裕一:咬合調整の少ないクラウンの作り方(基本編),(応用編),28 巻,デンタルダイヤモンド
遊亀裕一:「レジンガム」応用テクニック(I),通刊 755 号:164-174,(II・完),通刊 756 号:139-146,日
本歯科評論
遊亀裕一他:デジタル画像により様変わりする歯科技工士への情報伝達,日本歯科評論,通刊
739 号:79-89
遊亀裕一他:歯科技工別冊 FUNDAMENTALS of Esthetic Dental Technology,審美歯科技工の
原理原則(2009)
参考図書等
阿部二郎著:みんなでいっしょに歯周補綴,医歯薬出版,2006
眞田浩一,他:撮る・見る・見せるデジタル口腔写真,クインテッセンス出版,2005
小西昭彦,他:オーラルフィジオセラピー,医歯薬出版,2006
MD研究会:カラーマネージメント実践ルールブック
留意事項
あらかじめ、教本、参考図書を読んで、授業に臨むこと。
授業計画
第 1 回(8/27)
第 2 回(8/27)
第 3 回(8/27)
第 4 回(8/27)
第 5 回(8/27)
第 6 回(8/27)
第 7 回(8/27)
第 8~15 回(8/28)
第 16~23 回(9/24)
第 24 回(9/25)
(実務家教員による座学)1 時間
コースオリエンテーション
本コースの構成と内容の概要、授業の進め方についての説明
生体情報とインターディシプリナリー
予知性と E B M(生体情報と模型情報の違い)
(実務家教員による座学)1 時間
生体情報活用におけるデジタル画像の有効性
臨床例 1、写真の効果を過去のケースから学ぶ
各種デジタル画像から得られる情報
臨床例 2、生体情報とインターディシプリナリーによる臨床技工
(実務家教員による座学)1 時間
審美修復に必要な歯肉の知識
歯肉の名称.タイプ.色.形態.表面構造
健康歯肉と病変歯肉
適切な修復物と歯肉の関係
(実務家教員による座学)1 時間
臨床例 3、歯肉の知識を活かしたケース
画像データベースの構築と管理(量と質)
デジタル画像観察の効率化、データベース構築後の 2 次利用
臨床例 4、デジタル画像とデータベースを利用したケース
(実務家教員による座学)1 時間
レジンガムⅠ
レジンガムって何?(レジンガムの生まれた経緯)
歯肉にやさしい補綴物とは
臨床例 5、歯肉縁下深くにマージンが設定されたケース
(実務家教員による座学)1 時間
レジンガムⅡ
臨床例 6、オベイドポンティックのケース
臨床例 7、歯肉の形態的変化が予想されるケース
(実務家教員による座学)1 時間
レジンガムⅢ
臨床例 8、外科処置されたケース
第 1 回目~第 7 回目に関する質疑応答、ディスカッション
次回まで自学自習分の課題の説明(第 1~第 7 回目までの授業内容に対
する感想を中心にしたレポート)
第 24 回目~第 30 回目の内容紹介および実技製作についての説明
(実務家教員による実習)1 時間×8 回
受講者同士で口腔内印象をアルジネート印象材にて採得し、上下顎模型
の製作後、咬合器(プロアーチ II 等)に付着
(実務家教員による実習)1 時間×8 回
受講者同士で口腔内印象をアルジネート印象材にて採得し、上下顎模型
の製作後、咬合器(プロアーチ II 等)に付着
(実務家教員による座学)1 時間
咬合調整の少ないクラウンの作り方(基本編)
模型とチェックバイトの適切な観察と調整について
臨床例 9、模型とチェックバイトの観察から製作したケース
第 25 回(9/25)
第 26 回(9/25)
第 27 回(9/25)
第 28 回(9/25)
第 29 回(9/25)
第 30 回(9/25)
各自の全顎模型と口腔内の違いを観察・比較
(実務家教員による座学)1 時間
咬合調整の少ないクラウンの作り方(応用編Ⅰ)
生体の問題を考える
動揺歯等の歯牙の変位、下顎歯列弓幅径の減少、咬合採得時における
頭位.体位の影響
(実務家教員による座学)1 時間
咬合調整の少ないクラウンの作り方(応用編Ⅱ)
臨床例 10-a.b X 線や歯周チャート表も利用して製作したケース
(実務家教員による座学)1 時間
デジタル画像とカラーマネージメント
歯科領域に必要なカラーマネージメント
ホワイトニングにも必要なカラーマネージメントの知識
カラーマネージメントに必要な機材(照明、色評価用の室、カメラ、モニタ
ー、PC、キャリブレーター)
臨床例 11、カラーマネージメントを利用したケース
(実務家教員による座学)1 時間
適切な色再現を目的としたデジタルカメラの撮影法
コンパクトデジカメの欠点、デジカメテストの必要性、ホワイトバランス、撮
影場所と外光
被写界深度と絞り、焦点距離の関係、光の到達量と色、象牙細管と露
出、表面性状と唾液
(実務家教員による座学)1 時間
適切な色再現に必要なデジタル画像の観察法
デジタル画像の色再現、色の混合、モニター?プリンター? LCD と CRT
の違い
CMS に適したモニターとは、キャリブレーターの役割、適切なモニター観
察の環境
トーンバランスのためのシルクスクリーングレーカードの使用法、キャリブ
レーションのデモ
(実務家教員による座学・双方向)
まとめ
第 1~第 7 回、第 24~第 29 回までの中で特に重要な事項の確認
インターディシプリナリーにおける周辺知識(他の領域)獲得の必要性
ディスカッション
要件授業時間数 30/30