WF-MAXI 硬X線モニター用多系統読み出しASICの開発 有元 誠, 谷津陽一, 河合誠之 (東工大), 池田博一, 原山淳(ISAS), ほか WF-MAXIチーム Abstract 硬X線モニター(Hard X-ray Monitor)は、WF-MAXI搭載予定の硬X線検出器であり、現在プロトタイプレベルで開発を行っている。またWFMAXIプロジェクトの開発戦略上、iWF-MAXI本体への搭載は見送られる形となったが、国内外での相乗り機会を最大限に利用し、フライトを目 指している。 検出器構成は、アレー状に配置された結晶シンチレータをAPDで読み出す構成としており、20keV〜1 MeV のエネルギー帯域をカバーし、1ユ ニットあたり120cm2 の有効面積を持つ。今回我々は、多系統のAPDからの信号を処理を行う32チャンネルアナログ増幅器を有したASICの開発 を行った。特に、APDの場合、その検出器容量が〜100pFと大きく、容量性ノイズの影響が非常に大きいが、低ノイズ化回路設計を施す事で、低 ノイズ信号の読み出しに成功した(2080 e- +2.3e-/pF at RMS)。また、Ce:GAGGとAPDを組み合わせ、662 keV のX線に対して、6.9% @ FWHMを達成し、HXMの目標とする 検出エネルギー下限値20keV を達成できることを確認した。 Hard X-ray Monitor and Overview Ce:GAGG crystal 2 x 12 array • 結晶シンチレータを1次元アレー配置 • 20 keV 〜 1 MeV • 位置決め精度: 数度 Passive shield によって作られた影のパターンを利用 HXM2台以上で2次元の位置決め可能 • Wide FoV: 全天の~15% • 小型(~15 x 15 x 10 cm3) 相乗りチャンスの機会大 Hard X-ray Monitor • 全体消費電力 10W未満 Reverse-type APD 32ch ASIC APD専用ASICの開発 Open IP project (ISAS) 準拠 大きな検出器用量(~100pF)対応 0.35 μm CMOS technology 32-ch アナログアンプ+ AD コン バーター Spice を用いたシミュレーション Power consumption: 〜100mW 多チャンネルセンサー読み出 し用ASICが必須 省電力 (〜100mW) 省スペース Passive shield APDs and Ce:GAGG crystals ASIC performance Low-gain mode: +300 fC Peaking times: Fast shaper: 0.5 us Slow shaper: 3 us 0.5us アナログアンプ波形 Input charge =150fC 3us Development of a new ASIC 目標のピーキングタイムをほぼ 達成している Specification 容量性ノイズの逓減 # of channels APDは検出器容量が大きい (80~100pF) 初段FETの gm を大きくし、 ジョンソンノイズ逓減 初段FETのゲート面積を大きくし、フリッカーノイ ズを逓減 ピーキングタイムの調整 (Tpeak ~ 3us) ダークノイズ大 → 短いTpeak が好まれる Analog schematic for 1 ch. CSA エネルギースペクトル Dynamic range High gain ±100 fC Low gain ±300 fC Peaking time Fast shaper 0.5us / 1us • Ce:GAGG + reverse-type APD • 137Cs source • ー20℃ operation Slow shaper 3us / 6us 4% 300 350 2500 2000 1500 2080 e- +2.3e-/pF @ RMS 1000 容量勾配が非常に 浅い ! 500 0 20 40 60 80 100 120 140 32 keV 28.0% (FWHM) 662 keV 6.9% (FWHM) 低エネルギー閾値(>20keV)をほ ぼ達成 Shaper Sample hold Pole-zero cancellation 150 200 250 Input charge [fC] 662 keV X線を高い分解能で 検出 & 32keVを明確に検出 ±1.65 V Non linearity 100 detector capacitance [pF] 32 Power rail 50 ノイズの性能 0 新ASICのキーとなる設計 2. Non-linearity: <4% btw 0 and 300fC 0 1 次元アレー (2 x 12) Effective area 120 cm2 @ 〜30 keV 1. ADC channel • Configuration Relative residual [%] Reverse type APDs 50mm S8664-55 (5 x 5 mm2) フライト実績のある技術を継承 APD (S8664-55) Cute 1.7+APD II, ASTRO-H 10mm -20℃ operation 10mm Passive な冷却 低ダーク電流が低エネルギー光子検出に重要 (<20 keV) Ce:GAGG (Ce-doped Gd3Al2Ga3O12) Peak emission wavelength: 520 nm → APDと相性が良い 潮解性がない → ハンドリングが容易 !! 46,000 photons/MeV → 大きな光量と高いS/N 比 ! Equivalent Noise Charge [e-] Ce:GAGG 線形性評価 AD converter • Trigger signal and wired OR Trigger #1 #2 #3 #32 Summary and HXMの開発を実施中 future 新ASICを新しく設計、製造および評価を実施した 検出器容量が大きくても、低ノイズ読み出しを実現. ほぼ要求通りのアナログ波形と線形性を得た エネルギースペクトルを取得し、20keVの低エネルギー閾値を 達成している事を確認した. • マイナーな不具合(寄生容量等)を修正した第2版ASICの設計を完了し ており、現在製造実施中.
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