不適応定着従業員の研究

1
9
5
不適応定着従業員の研究
ミ
オ
圭
o
メ
ヒ
蔵
A StudyonC
h
a
r
a
c
t
e
r
i
s
t
i
c
so
ftheI
n
a
d
a
p
t
a
b
l
eEl11.
p
l
o
y
e
e
s‘
Keizo ASHIKI
Thisstudyt
a
k
e
supf
e巴l
i
n
go
ftheinadaptabl
巴 巴m
ployeesi
nthee
n
t
e
r
p
r
i
s
e
s
. 1analyzed
t
h
e
i
rf
e
e
l
i
n
gbyusings
e
v
e
r
a
ls
t
a
t
i
s
t
i
c
sands
p
e
c
i
a
lmorales
u
r
v
e
y
.
巴 a
n
a
l
y
s
e
si
n
d
i
c
a
t
e
Th
i
f
f
e
r巴nt
t
h
a
ttheinadaptableemployeeshavea uniquef
e
e
l
i
n
go
fgrievance andtheya
r巴 d
fromtheadaptableemployeeswithinth
巴 e
nt
巴r
p
r
i
s
e
呂
田
Whydothe巴mployeesq
u
i
t working?
t
h
e
i
rj
o
b
sfromonet
o another?
Whati
sth巴 mainreasonf
o
rth巴m t
o change
o1
Thisi
sa c
r
u
c
i
a
lproblem t
o every e
n
t
e
r
p
r
i
s
e, s
u
i
t
t
h
ework" andhowt
od
e
a
lwiththem.
s
t
u
d
i
e
dthef
e
e
l
i
n
go
f“q
I はじめに
人類は支配者・被支配者の歴史的拘束から初まり,資
J
かし,己れをも変えてゆくことから,これは相
環境をlJi!
対的である.自己の欲求の獲得度に満足し,自己 l
乙課せ
本主義的社会機構の成立に至って,使用者・労働者の契
られる身体的・心理的・社会的状態に満足している状態
約的関係を導入した.
を意味する.つまり,適応は自己の環境において,対象
長い年月,被支配者・働く者は,従属的・一方的決定
を強いられ,したがって自己防衛上,特有の性格的ひず
みをもっとみられてきた.
・場面を利用しつつ,環境と人間に変化を与え,変化を
及ぼしながら,加工的な!順応をすることである.
J
買応と違って,人間として環境との緊張
適応は単なる I
しかしながら,ホーソン実験以降, l
'元3なる人間も,
関係や,受取る姿勢を変化させ,人間成長が営まれてい
生身の有機体として,それはそれとして自己充実の欲望
ると ζ ろに大きな意味がある . ζ れらを果たし,社会的
を強くもつ社会的存在であることがはっきりと強調され
調和を得るためには,人間として社会的スキル,すなわ
たのである.人聞は,いかなる社会においても,その社
ち知的技術的習得能力・判断力・説得力・実行戸力が問わ
会的生活のフ。ロセスにおいて,担金的適応を必要として
れることとなる
きたのである.資本主義祉会であれ,社会主義社会であ
と呼んでよいであろう.
れ,人間として,働く者として,経営社会においてミ適
応、が要求されるのは涯の当然である.
この適応の解明から経営社会における定着問題につい
て論じてみたい.
E 人聞と適応
これらの能力を指して人間の適応能力
この欠陥または成長の停滞こそ,従業員としての企業
内不適応を発生させる原因となろう.もちろん,従業員
に対して企業の横暴は許されるべきではない.
E 不適応と定着
企業において,人間の環境@対象に対する欲求が不健
順応あるいは適応という言葉が広く f
限定見に使われて
全であったり,企業の欲求対応の仕方に問題がある場合
いる.これらの言葉については,正確な定義づけが必要
には,適応と云う言葉を使用し得ないのは当然である.
であると思われる.人間が暗室に入ると,最初は日が見
人聞が職場で,非行・規律違反・喧嘩・事故・欠勤を
えないが,順次見えるようになってゆくのが分る園これ
多く示すようになると,人間グループとの不適応状態が
は人間の生理的なI
J
頁応といってよい.同様に心理的な順
発生しているとみてよいであろう.
応もある.つまり,順応とは有機体が環境に己れを合わ
せることを云うのである.
一方適応とは,有機体と環境との調和状態を指すが,
一方(企業〕組織的不適応は,指示命令系統への陰
の反発状態となってあらわれる.陰での材料浪費,材料
・製品破損,機械破壊を行う.乙れは表面的には,非行
圭
1
9
6
て
オ
足
蔵
違反という形では現れない.これらの不適応現象は,個
がちである.本人はもちろん,社会的にも大きな損失で
人的に把握しうるものもあれば,仲々解明し得ない場合
ある.とのことから,労働力の適材化ー移動の流動化(
も多い.
適性配置と低生産性部門より高生産部門への移動)を図
C,従業員の適応定着ということが,より真剣に
ると共 !
不適応は,企業,個人のいずれにとっても,何らプラ
スになるものではない.人聞が内的に不満を感じつつ,
考えられなければならない
企業内において(表-2
参照) 働くと云うことは真に愚
かである.それは個人ノ fーソナリティ(人格)の萎縮で
N 定着と不定着
あり,企業生産性の低下以外の何物でもない.
労働省・都道府県は,定着指導の増強・産業カウンセ
l変化した.労働力過剰
我国は近年,先進国型労働事情ζ
ラーの養成など,強力に定着指導を,労働力の有効利用
時代の企業社会にみられたように,働く者が自己のパー
の見地から展開している.しかしながら,企業の実情は
ソナリティを傷め続けて,企業組織に止ることは少く
千差万別であって,従業員の不定着の原因もまた複雑で
なってきた.これが,労働条件の好転から,若年層を初め
ある.
とする転退職の自由化である.生産性労使会議調査(昭
ここで離職者の離職実態をみる ζ ととする.
和4
2
年6
月)にみられるように,離職者の 47.5%は一週
離職者の解析
間以内に再就職していることからも分る. し か し な が
統計として多少古いが,労働省職業安定局(調査期
ら,働く者も自己の欲求を本能的にぶつけていっては,
どこの企業においても生活してゆくことはおぼつかな
間昭和3
1年3
月より昭和3
2
年9
月)
I
学校卒業者離職状
6.9%は再転職
い.同調査によれば,離職した者のうち 4
況調査」の統計には教えられるところが多い. それ
の意志を表明している.乙の調査で分るように,一度離
は,離職理由を雇用主,離職者の別々に把握し,それ
職した若年層の人々は,次々と職場を変えることとなり
参照〕
らを比較して示しているのが興味深い. (
表-1
表
職
者
つんに
、
、T i n i
}
ο
q
“
ノ
0006
、
、n、
目
••
•.
託
"
-
備・環
境
人
FrJ~
係
4
.
9
1
0
.
4
3
.
6
7
.
0
古
包
力・体
力
1
9
.
5
1
5
.
3
1
7
.
5
1
4
.
9
メ
三
、
31
.3
6
.
7
31
.0
7
.
1
庭
の 都
、
l
守 来
の 不
そ
の
出
方t
口
f
也
1
8
.
4
9
.
3
1
6
.
0
間作職者側よりみると,家庭の都合で離職する人はごく
少なく,仕事・賃金・設備・作業条件で離職する人々
の割合が多い.人間関係 e 将来の不安を原因とする離
職もかなりあることが解る.
7
一方,鹿児民県労働部の中卒離職追跡調査(昭和3
年卒業者)によると,就職一年半後に全体の 3
7.1%が
年後には全体の 49.8%
が離職している.現
離職し, 3
在の比率は一層高いことであろう固また,労働省大臣
3年 1
0
月
〕
官房労働統計調査部の雇用動向調査(昭和4
によれば,規模別の離職率は, 5
0
0
人以上15%,100~
1
0
.
3
,
関
3
6
.
7
taERJE31 fj
号九
1
4
.
1
u
金
Fhu
事・賃
hlaE da---aFJ
仕
安
職
自E
者
1
1
.
3 %
つω
i~
職
1
4
.
2%
解 雇
己
者
離
¥三斗一一
離職理由
自
主
雇
中
卒寸││
JI
用
一
一
子
¥
¥調査対一<5
中戸
i
雇用者と離職者の離職理由比較1)
3
7
.
8
1
3
.
0
1
6
.
2
7
.
2
4
9
9
人は 2
0.2%,30~99人は 23.4% , 5~29人 25.6% と
なっている.年令別にみると, 1
9
才以下2
7.7%,20~
2
4
才3
1
.2
5
ふ 2
5才2
2
.
9
9
6,30才~34才 15.7% , 3
5
才
3
9
才1
3.6%,40才~49才 12.7% , 5
0
才以上 17%となっ
ている.企業において,特に若年層離職の脅威はきわ
めて大きいことが解る.
2
. 定着・離職プロセス
図-1 は筆者の大胆な定着・離職図表(仮称〕であ
る.今まで,定着・離職の関連を,プロセス的に解釈
時
環
場
職
賃
働
境
間
力
青
色
管理厳督者
一般従業員
従従
業
業
員員
仕
応
職
離
不適応定着
内
業
庭
家
J
u
:
コ
、
一J
尚 鵡 浮 叫 何 回 δ ヨ凶
図-1 定 着 と 離 職 プ ロ セ ス
係
関
間
外
業
社
域
AZ
応
適
人
入
江
地
労
金
対協同
1
9
8
足 木 圭 蔵
しなかったところに定着解析の問題があったと考え
部下@一般従業員に味あわせることが,上司として最
る.
も大切なととである.
職務適応度は,職務満足感としてよく,人間として
図を簡単に説明してみよう.人間が雇用されると,
の職務成功と企業適応は,深い関係を有することは明
そこに職務(身体的特性・知的精神的特性@責任)が
存在し,個人特性(身体的・精神的@社会的な資格要
らかである.その職務成功とは,社会的にみると、事
件)を有する入職者が決められ,所定の賃金・労働時
実、によってのみ証明されることとなるのである.そ
れはおのおの,各人が持つ主観的基準によって,地域
間・職場環境をもっ労働条件により働くこととなる園
三人の
定着のための企業雇用の最初のポイントは,ヱi
適性発見とそれによる配置である
そして,
社会,企業内の人々と,金銭的報酬・地位 a 名誉とが
比較考量されて,その正否が判定される.
ミ人間と
この考量の結果,従業員の満足・不満足の感情は,
適応、で述べたように,仕事。企業荘:会への個人適応
企業諸制度@諸施策に向けられ,獲得した事実(果実
能力向上の諸教育と企業援助が必要である.
〕によって,乙れらを批判する
人間関係においては,企業外にあっては,地域社
獲得されたものによ
会,従業員家庭の好意度獲得とその向上に対する企業
って,妥当と判断する人々は,それらに, Sympathy
努力を必要とする.企業内にあっては,直属上司が部
を感じ,逆の場合は,情緒不安定となり,ついで不適
下を人間として尊重し,部下の人間育成と形成(自己
応症状を起こす.
充実〕に対し,精神的な援助姿勢を強くもつことであ
不適応が離職 l
と直結する者と,不適応であっても企
る.これらを碁底 l
として,企業内において本来的人間
こ実証され
業に定着する者とに分れることは心理学上 l
的に仕事が遂行されるのである.
ている.
そして,仕事から生まれる満足(職務満足感〕を,
表
-2
学卒者の職務満足度
i
r
他へ
I
2)
~理ztp移
表
学卒者の他企業へ移れない理由
I
~襲Zfv
l
3)
腰高警山 l宅2
2川(更訴訟tl
五とゑ:警告(今の仕事問た1
学卒者の職務満足度(表 2)にみるように,不満足
だが他へ移らないという者の比率は男で45%であり,
不満で他へ移っても良いという者は17%,早く他へ移
りたいという者は 6%を占めている.離職者はもちろ
ん,この不適応定着者が企業において困る存在である
ことは,前述した通りである園
V 不適応定着層の意識解析
労働省意識調査のデーターを利用して,適応@不適応
の性格把握と解析を試みた一例をここで示したい.それ
に先立ち意識調査について簡単に述べてみよう.
意識調査を筆者は次のように解釈している.それは,
従業員の経営ζ
l対する主観@受容度を示し,集計(直は,
従業員の企業信認の程度を示すものと考えている.その
1
9
9
不適応定着従業員の研究
数値は,労使関係・社会変化を含む歴史的所産であると
社長,管理者は,収集集計値を,同業種
値と比較して
信じている.
従って,数値は,当該企業の欠陥摘出の手段であり,
ンを講じなければならない.そこに従業員意識調査の真
し乙
だ
l
刀
に半
公
の
額
定
決
八
U
金う
賃思
1i
γ
T
賃金額の決定は不公平で
ある。
遂
指導は適切である
百古f$:や仕事の割当などえ
4 こひいきがあって不満に
指導は不適切である。
不満に思う。
且♀与ぷ
日 2 感じる。
自分の仕事にはりあいを
はりあいを感じていな L、
c
↓
8
時間が充分利用でき
{本恕時間が充分利用でき
ない。
quηd
ハ
b
ウ
1J 1
C仕事ができない c
能率的 I
E場の中に危険有害と問、
われるととろがあるの
会社幹部 1
1::理解されてい
ない。
職場のふんいきはしっく
りしていない。
τ
ワ
i
b
ハ
1iQO
毎日の仕事が非営 I
[疲れ
る
。
身につけておいた万が良
いと思わない。
会社の方針ゃ指示が徹底
していない。
E
場上人間関係一能力一意欲一経営一適応
的と一会てくれ-知必底き
率ながれつ疲
る徹働
能害一志さしり一つけがで
一有意解がま一もつ一不社
で o
、る一険一や理きあ一応に指会
まき一危。一持分い。一が一上身やの
ので一にい実十んる一事一るを。-針。 こ
備が一中な一のにふい一仕一す術る一万る一も
設事一のは買部のて一の。万長あ一のい一と。
の仕一場ろ葉幹ゑ場し一日い一事・が一社て一後い
今に一工こ提社い一職り一毎な合織要一会し一今た
i
倣
今後との会社で働きたく
ない。
図一 2 希望調王資ま全国主半
l
ド
よ
よ
均
均
と
調隻
資 8社平均の上比七凶!
Z
リ
F
tu. ヒ 段
希望調資全国平均(労働省労政局集計値)
8
年 3月までの全産業'
L866事業所
昭如3
3年 4月より昭和3
注2
.
η
5 部下について直接上司の
の一のな T
ぜて
務
だ一く十人あ
倒一全一何が
面一を一がと
力一言﹁ノE
法一内一るる
万一の一す困
算一念。国々
賃一白知一仕もる
1
1 自分の賃金の内訳版く
知っている。
仕事を指凶する人が何人
3 もいてどれに従って良い
かF
同ることはない p
ミ、百回土守
11EJ
2
2
L
FE
住-ふ J 3 E
戸、
j
う J-広三てし。
1
2 賃金の計算万法が簡単で
ある
:1:;
何
回
職
非好意的
肖通的
キ
金
同地域の数
の意味がある.
対策のツールとしてみられるべきものである.
立
f !邑的
a
I
膚」で自社を感じとり真剣にアクシヨ
T
段
調査 8社平均(中小企業懇談会集計値)
昭和4
3年1
1月、中小企業機械 7社、化+l1
j
注 3 好意的・非好意的は、従業員の会社への姿勢をノI
、
す
。
ナンバーは、労働者希望調査の設問ナンパ←である。
足 木 圭 蔵
200
1
.
別の記入欄を設定したととである.
新しい意識競査の実施
(
2
) 整理方法の特徴
中小企業経営の向上を目的とした名古屋の意欲的な
社について,労働省方式に基づき,筆者の
中小企業 8
年令による区分を 4層別とし,性別集計,全体集
025
名〕を
独創を加えた従業員希望調査(調査人員 1,
計,そして適応定着層(働きたい従業員層) ・不
実施した.
適応定着層(働きたくない従業員層)に分けて集
(
1
) 実施方法の特徴
計値を算出した.
労働省方式と異なる点は,回答票 K年令別・男女
図-3-1
年令 4層別の理由は,年令階層による反応が異るこ
適応定着従業員と不適応定着従業員の意識差異
1.会社方針・指示の徹底度
¥
、、
、
,
90
¥
40
•
・
'
,
/
~一一
ノ
50
•
〆
60
/
7
0
ノ
ノ
80
、
、
/
9
0
80
、
¥
、
.
,
喝
、
"一、
、、
一 、
~一、.
:
7〉
くj
1
1
0
2. 仕事のはりあい度
90
90
8
0
80
70
70
60
.
_
_
_
_
_
_
_
_
¥
50
40
30
~ー
20
~ー唱ー
a、
、
、、
p
.
、
、一
、
.
一
/
.
4
/
6
0
50
40
¥oiぜ/¥
¥¥ ‘
3
0
20
ー
ー
・
圃
・
・
.
ー
ー
ー
1
0
3
. 指揮命令系統の混乱度
τ
H U A川
unHv
ム
ワム
︽
・ popb4Anδ
n
H
υ ハH U A川U ハHunHunuv
quQU7
9
0
8
0
7
0
60
〉
く
二
二
二
:
:
:
:
:
:
=
-
・
_
d
ド
ζ
ミ
二
_o
一ーーー←一ー--.
0---
5
0
40
3
0
20
1
0
←
不適応定着
従業員
2
0
1
不適応定着従業員の研究
とを想定したからである.ここに当調査の独自性があ
答・細線を普通的回答・点線を非好意的回答の比率と
る. 20才以下の未成年層, 21才~27才の成年前期層,
し独得な曲線による図表化をした.
28才~34才の成年後期層(労働省は 27才を結婚年令に
(
3
) 分析の問題点
設定していることから), 3
5
才以上(労働省が3
5
才以上
これら適応定着層@不適応定着層別,年令階層
を壮年と統計区分していることから)を壮年層とした.
別の図表化の欠陥は,統計量が少なく〔全数1, 0
働きたい従業員層(それほどでない層を含む〕を適
応層とし,働きたくない従業員層(全体人員の約 10%
)を不適応層として,質問項目別に黒太線を好意的回
23人,うち不適応定着者 1
0
8
人) , 統 計 的 処 置
(無作為抽出・標準偏差など)を考慮し得なかっ
た ζ とである.
図 -3-2
4
. 西日間 .11
J
;の押1
1
1
1の司、 h
i
l
l
ん
つ
一
一
←
ー
-
ご
く
コ
ミ
ヘ
'
>
く
:
デ¥
ハ
U ハ
UnununU ハ
UQU ハ
U ハ
U
QMGO 巧d p b F U 4 & つ リ ワU 2 1
斗
HVAHV ハ
H
U ハ
H
U ハ
H
U ハ
H
U ハ
H
V ハ
H
u
ハ
H
V ハ
D A Aqu
14
quooηipO に
「 一 一 一 一 九 下
5. I
白:属上司の仕事指導
。ゥ
AununU ハ
U ハ
U ハ
U ハ
UOU ハ
U
Qdo
i n b F D 4 & q u ワμ 司ム
¥ノド
υ
ununU
U ハ
H
V ハ ハ
ハ
U ハ
UnU ハ
QdQO ウj p b F U 4 A η δ つ ム 司 ム
-
6
.f
i事の知識・技術のザ'
1日:道、似
~
、
、
@
~
一
一
一
一
一4
b
八 nuounUAHunv
u
U ハ
ハ
U
η t n b R Dせ
dっ υ Q 4 1
よ
3
0
2
0
1
0
nU
Qd
6
0
5
0
4
0
~一
。
。
9
0
8
0
7
0
2
0
2
足 木 圭 蔵
(
4
) 図型の特質と活用
適応定着層と区分して示すととが必要である.
労働省希望調査の質問項目毎に,おのおの特徴
(ii)適応定着層と不適応定着層の図型ノマタ{ン
ある図型パターンが得られた.この一部を図-3
は大きく異なった.
に示した.
不適応定着層の企業に対する意識は,すべて非
(i)適応定着層図型と金従業員図型のパターン
好意的である. (
図-3中央図参照)との ζ とか
は,質問項目 2 ・
1
1・1
6が少々異なるのみで,
ら図型にみるごとく,両層の意識は明らかに異質
殆ど同型となり,全従業員図型内 l
と不適応定着層
のものと断定してよい.
図型が埋没したことを示した. (図型省略)
このととから,統計的な考慮をすれば,業穏毎
よって,定着対策のためには,適応定着層と不
の「基準パターン」が把握できると,思考される .
図-3-3
7
. 仕事の疲れ
・
ー
一
一
ー
,
一
¥
/
/
一
.
、
¥
,
」一←ー/ノ
ー
ー
ー
一
ー
ー
ー
ー
一.
.
.
.
・
ζ
不適応定着
従業員
nunvnunυnvnununU ハ
U
nHunxunranhUFhud斗品 ηべ
u η,“唱 E
J
-F
〆
/
/
、
4
﹄
nuvnHU ハ
HunHvnHvnHvnHunHU H
︽U
QMoontcUFDA-non41-
、、、、__.・
•
一
ヘ
/
ノ
8
. 休憩時間の利用
〉/
一
、
〉二
σ
"
n
H
U ハ
Hun
川
V ハ
H
U U ハ
HunHunuvnHU
QuooniFO 川
にυ d 性 向 5
0 ワ
白 1i
ハ
nU ハ
U n u n U A U n U ハu n u
nwunnun''phUFυ
同 a a晶 内 ペunru
.
J
・
、
〆 ¥
〆 、
-
一
一
ー
一
_
_
_
_
_
_
.
一
一
一
一
一
-
~
不適b
む定着
従業員
9
. 現有設備の能率発揮
ー『』
巴"・ " 〆 '
~・
ー
'"、‘一
n
.
ィ;適応定
従業以
ハ
U
U ハ
HvnHvnuunHunHUAHUAけν ハ
H
U
Q J Q u n i F b F b A ‘ qo ワω 1
‘ー-------一一一-.
.
ー
ー
、 -_ーー・
ー
町
『
ー
吋
.
ー
ー
ー
ー
-
hd
/ 、 ー
/ 、 ¥
c
,
,
_
ゲ
nHunuuAHU ハ
HUAHunHV H
︽U
ハ
HunHU
Q d o o n t F O R d A‘
っ dηL14
、
3
・
~­
不適応定着従業員の研究
今後,データの収集と累積によって,社会的基準
2
.
2
0
3
として,個々の企業と比較しうる年令別パターン
を感じるととができる.
仕事にはりあいを感じていなし、 J,第
第 1位は, I
の設定を試みたい.
2位は,
I
従業員の気持・意志が幹部に理解されてい
ない Jである.第 3位 l
と「賃金額の決定不公平J,第
不適応定着層の意識差異と対策一定着寄与内容の
4位ζ
l 「職場のふんいきがしっくりしていなし、 J,第
考察
5位ζ
i 「休憩時間の利用不十分」がきている.その後
適応、定着層と非適応定着層の意識差異をみると,図
1
1位まで,寄与が平均化していることは興味深い.
4から図 5をつくりうる.離職への項目寄与は総花的で
企業側の取るべき対策としては,
あり,項目設定の不備はおくとしても,離職の複雑性
凶従業員のたずさわっている、仕事、重要性の認
図-3-4
1
0
. 賃金決定の公平
-
h
、
¥
-
¥
〆
/
/
F
j
e
/
/
¥
、¥
•
¥
¥
F
-
F
ハ
HunHvnHV
Fbaqqυ
ト一一一ーも一一---ノ
、
、
・
nunvnu
nuooηr
6
0
1
9
0
8
0
ベj
l
1
0
11.賃金内容の知恵
nHvnHunHV ハ
HvnHunHunHvnHvnHV
Qdauη''FbphudA
品 QU ワ
u1A
~九一一
/一一一
←一一
←- J r /
〉イヌ
く
へ
9
0
8
0
7
0
6
0
企
企
。
/
〆'
1
0
1
0
. 賃金計算方法の面倒
ハU n u n u n u n u n U ハU n u n u
nuoo ワanbFhU4告 η
δ の
L1A
1
9
0
8
0
7
0
ヘ¥、一一←一一
-_
-.
.
.
・
・,・、ーー
己j
l
1
0
2
0
4
足
木
圭
蔵
識と,意志ある人間としての尊重.
倒,人間の生理的要求がいかに問題になっているかが
わかる.企業が,人間能力の完全発揮のためには,い
(
B
) 賃金決定基準の理論性確立と従業員の納得度獲
かにすべきかを示している.
得であり,その具体的な取組みであろう.
不適応定着の意識差整理における区分原理に幾分問
V
Iむ す び
題を残すが,不適応定着層の意識から,定着性の向上
技術革新の進展につれて,産業構造・企業環境は益々
対策を考察しうる.
変化するであろう.それに企業が有効に対処するために
なお,図 6の適応定着層の意識像より,企業従業員
は,従業員意識調査の活用がより考えられるべきである
の人聞の姿を汲みとるととができる.
と思う.
入閣の不理解,賃金の不公平,賃金計算方法の面
図-3-5
1
3
. 危険有害場所
﹀3
nunununununU
4 戸 り にd A
QJV只 U 可
nHunHvnHvnHvnHvnHvnHvnHV バH
・ qu ワ白 1V
'FOPU4
Qd 只u ヴ
ょ
p、
‘
、、
/
、
ノ 、.
.
.
.
ノ
¥
/
",
.
,
、
•
ハ
宅
内
。
。
,
、
ノ
ununu
~
U14
恥
ー
一
一
一
不適凶定着
従業員
叫
﹄
4
0
3
0
2
0
1
~ノ
1
0
〆
に二二二-トてて
4
、
.
'、
~
,
,
nununununununununU
A吋unku 巧''pnupυ
﹁
円、
υ n ノω 噌E
nτ
nHVAHunHvnHvnHvnHU ハ
HvnHV
H
U ハ
9
8765432
1
-
-一
ーー
ー←
・、
/
ー
,
、
/ 、 、 、
/
A
ι
、
1
7
. 職場の雰囲気
ハ
HvnHU ハ
UυnHunHvnHunHvnHvn川
υ
nuoO r
弓 p
む に ひ A & η 0 η L 唱i
、
、
、
-
¥
/
/
¥
﹄
、
、
、
•
、
、
9
0
8
0
70
6
0
5
0
、
、
,
,
・
,
,
,
,
﹄s
1
6
. 会社幹部の従業員理解度
↓
1il--
5
0
70
裂はない。ゎ
していない。
]会社の方針や指示が徹低経
れる。力
6 織・校術を身につける必討
│世陣防防MKK
同hk
同特
7毎 日 の 仕 事 が 非 常 に つ か 能
Jr
川口・一 7 り し な い 。 系
職場のふんいきがしつく矧
河斗いない。間
一
民6 社 幹 部 に 十 分 理 解 さ れ て 人
l 従業員の気持や意志が会ー一
一
﹂ l 工場の中に危険、有害と場
一一山一的に仕事はできない。
t
9 今の設備のま﹂では能率
一
職
t
i
l
i
z
48 休o
憩時間が充分利用でき一
↓
感引川引11│
山崎町いきがあって不満行
2自分の仕事にはりあいを一一
﹂z
4
金
i
│十賃
m附 例 制 ⋮ 凶 引 引 制 川 引 町 州 制 引 ぺ │ │ ↓
2
0
iJ41
配霞や仕事の割当などに遂
止指導は不適切である
u
n
u
n 部下について直接上司の傍
一
る。:
か国ることがたびたびあ設
川町一もいてどれに従って良い町
3仕 事 を 指 図 す る 人 が 何 人 一
法
が
面
倒
問一⋮一一一倒閣倒閣制問問相川抑制⋮凶誌
6
0
調設潟潟闘関川日⋮一⋮ぃ的郎防郎防⋮幽
3
0
1
1
0
切川一凶一⋮院院ね阪臨時⋮いいい⋮升川対対河川以
4
0
弔3333ヨええ431・
押
〓
吹
い
い
川
口
沿
い
い
一
一
沿
い
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
口
一
一
一
川
一
f11;IIt--1
111j4L
-JH
吉
良
言
十
の 算
「
寸
:
:
:
:
:
予
一
一
一
次
沿
い
江
沢
一
一
一
一
F・・::・・
1
0
適応定着者と非適応定着者の意識差異(調査 8社
〕
図-4
ーらない。一
1
2
l 自分の賃金内訳を全く知一
で で
あ あ
好
決万
定
不
公
平
"
の
非
金。金。
希意
望的
調質
査問
、
回
会答
社
賃る賃る
「一一件
む ~~J :ィ、適!ム、定有者の
N側:適応定持者の J
ド
自
J
'
,
也
、
的l
'
I
l
f
t比本
MJ'必:的│りl
答比ネ
9
0
2
0
5
不適応定着従業員の研究
C%)1
0
0
一
80
圭
56とも非好意的回符 !
f
;を示す
注1
.図
5
0
0
3 がある
1
工場の中に危険有害と忠われる所
たびある。
仕事を指凶する人が何人もいてど
3 れに従ってよいか困ることがたび
ーを身につける必要はない。
{仕事をする上にもっと知織。技術
ロ賃金計算方法が面倒である。
o
日自分の賃金内訳を全く知らない。
適切である
i
f
部下について直接仁司の指導は不
7 毎日の仕事が非常に疲れる。
0
-会社の万針や指示が徹低していない。
はできない
1 今の設備のま L
では能不的に仕事
きがあって不備に思う。
ど配置や仕事の割当などにえこひい
lt
8 休憩時聞が充分利用できない。
口職場の雰囲気がしっくりしない。
日賃金額の決定が不公平である。
-従業員の気持や意志が会社幹部に
6 十分理解されていない。
2 自分の仕事にはりあいを感じない
戸希望調理会社への非好意的質問問答
i
t
を身につける必要はない。
仕事をする上にもっと知織・技術
日自分の賃金内訳を全く知らない。
2 自分の仕事にはりあいを感じない。
o
はできない 0
5 今 の 設 備 の ま ま で は 能 率 的 にU事
適切である
i
f
部下について出接上司の指導は不
たびある。
ζとがたび
仕事を指図する人が何人もいてど
3 れに従ってー円以いか困る
ζひい
口職場の雰同気がしっくりしない。
配置や仕事の割当などにえ
i4 きがあるので不満に思う。
-会社の方刑判や指示が徹低していな
7 待日の仕事が非常に疲れる。
ロ賃金計算万法が両倒である。
8 休恕時間が充分利用できない。
日賃金傾の決定が不公平である。
3 がある。
1
工場の中に危険有害と忠われる所
-従業員の気持や語忘が会社幹﹃叩仰に
6 十分理解されてい泣い。
一安問回特]
﹁希望調宜、会社への非好広州川
適応定着層の意識(調査 8社
〕
図-6
不適応定着層の意識差異(調査 B社)一転職への寄与順位←
図 -5
蔵
ミ
オ
足
2
0
6
(差%)
6
0
4
0
3
0
2
0
1
0
C
%
)
6
0
5
0
4
0
3
0
2
0
1
0
2
0
7
不適応定着従業員の研究
従業員を企業に適応定着させる乙とはもちろんのこ
て師三話)職場集団の理論
4南
体系社会心理学
るととが必要である.
5 内田勇三郎新適性検査法
筆者は,人聞のもつ好嫌の感情は,人間の、やる気、の
基本,人間行動の動機と信じている. ‘生身の有機体、
にとって,
、やる気の動く、企業経営環境とすること乙
博
6(
耳石三夫監訳〕創意を生かす経営
ム
職場
f
3 藤本喜八
口M
着に高めうるように,積極的具体的に諸施策(当意識調
査では人間尊重,賃金制度,適応能力向上教育〕を講ず
ダイヤモンド
7 パジー Jレ
(グロータース・織田稔共訳〕
そ,定着問題の本質であると結言したい.
人間回復の経営学
三省堂
8 トレッドゴー Jレド
注解
1
) 学校卒業者離職伏況調査労働省職業安定局
1年 3月より昭和 3
2年 9月まで)
(昭和 3
2)中卒者追跡調査
藤本喜八
(昭和 3
4
年 4月より昭和 3
8年 3月まで)
3
)同
J
二
(森しげる・岡田至雄共訳)
人間関係
L
職場の組織と管理
ド'
そのためには,企業は,従業員を企業定着から企業愛
1 大内経雄
ン聞
,
ー
モ房新
ヤ室聞社社業
イ信文文工
わなければならない.
参照文献
ダ誠光光刊
と,人間能力を完全発揮させるような努力を企業が行な
雄j
軍社