母子支援施設ヴェインテ 評価結果 - 京都 介護・福祉サービス第三者評価

第三者評価結果の公表事項(母子生活支援施設)
①第三者評価機関名
特定非営利活動法人
きょうと福祉ネットワーク「一期一会」
②施設名等
名
種
称: 母子生活支援施設
別: 母子生活支援施設
施設長氏名: 児島
定
「ヴェインテ」
太朗
員: 20世帯
所
在
地: 京都府京都市山科区大塚南溝町24-2
T
E
L : 075-583-6777
③実施調査日
平成27年11月26日(水)
④総評
◆特に評価が高い点
◇施設の設備・環境
施設は山科区の地下鉄東野駅から徒歩10分の住宅街にあり、近くにはスーパーや総合病院、
小学校、保育園等があり、母子にとって生活しやすい環境の中で運営されています。平成17
年に開設されたため外観も綺麗でバリアフリー構造となっており、一般のハイツのような住環
境になっています。施設設備としては、母子支援室(居室)の他に、母子交流室、母子相談
室、心の相談室、学童室、宿題室、学習室、中高生学習室、ショートステイ室、一時保護室等
の安心できる設備があり、施設内の倉庫には、生活用具・家財用具の備品を備えて、緊急入所
にも速やかに貸出しできるように準備されています。
◇施設の支援体制
夜間の支援体制は宿直と管理当直の2名体制で、急な相談にも対応できるようにしています。
母親の心身の状況に合わせて、食事を職員が一緒つくることや家計自立のための支援、保育園
の送迎代行、施設内乳幼児保育や施設内学童保育の実施等の様々な支援を行っています。人間
関係や精神面の支援として、施設行事の開催や喫茶の実施、心の相談ルームの開設を行ってい
ます。子どもへの学習・進路支援としては、中高生学習室・宿題室等の環境を整え、学生ボラ
ンティア「さいもんめ」による週1回の学習会の実施や、奨学金や助成金等の情報提供を行っ
ています。DV被害からの回避・回復の支援としては、母子の一時保護室を2室完備して、警
察や直接母親からの緊急入所要請に対応しています。
◇自立支援計画と記録
自立支援計画書作成マニュアルに基づいて、心理療法担当職員や福祉事務所職員等の意見も反
映した計画書を策定し、6ヶ月毎に評価・見直しを行っています。また、計画書に基づき、母
親と子どもへの支援実施状況を記録しています。個人情報の取り扱い規程や文書保存規程を定
め、規程に基づいて文書の管理を実施しています。毎月の支援会議や週1回のグループスー
パービジョンでケース検討を実施しています。ケース記録、会議録、日直日誌等の必要な日誌
や記録が整備されています。
◇実習生の受入れ
実習生受入れ方針を明文化すると共に受入れマニュアルを策定し、社会福祉士や保育士等の実
習生を受入れています。受入れにあたっては、実習指導者研修を受けた担当職員が養成学校と
連携し、実習生受入れのプログラムを用意しています。
◆改善が求められる点
◇母親や子どもが意見や苦情を述べやすい環境
母親と子どもに対して各担当などが定期的に面談したり、常に声かけして状況を確認していま
す。苦情対応に関するマニュアルや苦情解決体制は整備されていますが、苦情記入カードの配
布や匿名アンケートの実施は出来ていませんでした。母親が意見や苦情を表出する仕組みを構
築されることを期待します。
◇中・長期的なビジョンと計画の策定
運営理念や基本方針を明文化し、利用者・職員に周知しています。母子支援会議や児童支援会
議、職員会議等で課題を話合って毎年の事業計画を策定し、年度末に計画の振り返りを行って
います。しかし、中・長期計画の策定が出来ていませんでした。今後は、施設経営や運営内
容、職員育成の数年後の目標を記載した中・長期計画を策定し、それに基づく毎年度の事業計
画を策定することを期待します。
◇人事管理の体制整備
人事管理体制については、できる限り社会福祉士や保育士の有資格者を優先的に採用し、年1
回の職員面談で、就業状況や心身の状況を確認していました。しかし、人事管理に関する方針
が確立されておらず、人事考課も実施されていませんでした。今後は、人事管理方針や求める
人材像を明確にし、人事考課表を策定して考課を実施されては如何でしょうか。
⑤第三者評価結果に対する施設のコメント
第三者評価受診をする前に自己評価を全職員で取り組んだことで、自分達が行っている支援の
振り返り・整理をすることが出来ました。また、自己評価を通して、職員皆で支援について話
し合う機会を多く持てたことはとても良かったと思います。その話し合いを通し、他職員の支
援に対する考え方や思いに気付くことが出来ました。
さらに、第三者評価を受診することで、施設として現在取り組めていること、今後取り組む必
要があることが明確になりました。施設が現在取り組めていることを評価してくださったこと
は、職員の自信に繋がったように思います。それと同時に、今後取り組む必要があることに関
しては、施設の課題を施設全体で共有することが出来ました。
今後は、今回の結果で満足するのではなく、評価機関の方からいただいた助言をもとに、支援
の質の向上を目指して、職員間で検討を重ねながら取り組んでいきたいと思っています。
⑥第三者評価結果(別紙)
(別紙)
第三者評価結果(母子生活支援施設)
1
支援
(1)
支援の基本
①
(2)
母親と子どもそれぞれの個別の課題に対応して、専門的支援を行っている。
第三者
評価結果
a
入所初期の支援
①
入所に当たり、母親と子どもそれぞれの生活課題・ニーズを把握し、生活の安定
a
に向けた支援を行っている。
② 新しい生活環境に適応できるよう、精神的な安定をもたらす支援を行っている。
a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○支援に必要な経験や資格を考慮し、母子支援は社会福祉士が、児童支援は保育士が担当し、それぞれに
課題に対応した支援を行っています。施設は平成17年に開設されたため外観も綺麗でバリアフリー構造
となっており、一般のハイツのような住環境になっています。施設内の倉庫に、生活用具・家財用具の備
品を備えて、緊急入所にも速やかに貸出しできるようにしています。夜間の相談にも対応できるように、
宿直と管理当直の2名体制を整えています。
(3)
母親への日常生活支援
①
②
③
(4)
母親が、安定した家庭生活を営むために必要な支援を行っている。
母親の子育てのニーズに対応するとともに、子どもとの適切なかかわりができる
よう支援している。
母親が安定した対人関係を築くための支援を行っている。
第三者
評価結果
a
a
a
子どもへの支援
①
健やかな子どもの育ちを保障するために、養育・保育に関する支援を行ってい
a
る。
② 子どもが自立に必要な力を身につけるために、学習や進路、悩み等への相談支援
a
を行っている。
③ 子どもに安らぎと心地よさを与えられるおとなとのかかわりや、子どもどうしの
a
つきあいに配慮して、人と人との関係づくりについて支援している。
④ 子どもの年齢・発達段階に応じて、性についての正しい知識を得る機会を設け、
b
思いやりの心を育む支援を行っている。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○母親の心身の状況に合わせて、食事を職員が一緒つくることや家計自立のための支援、保育園の送迎代
行などの様々な支援を行っています。 また、子育て支援としては施設内乳幼児保育や施設学童保育を実
施したり、必要に応じて保育所や小学校、児童相談所等と連携をしています。人間関係の構築や精神面の
支援としては、行事や喫茶の実施や心の相談ルームの開設をしています。
○子どもへの支援としては、必要に応じて乳幼児保育(補完保育・一時保育・病後時保育)や学童保育を
実施しています。また、学習や進路等への支援としては、中高生学習室・宿題室・学童室等の設備環境を
整え、学生ボランティア「さいもんめ」による週1回の学習会の実施や、奨学金や助成金等の情報提供を
行っています。しかし、子どもに対しての年齢に応じた性教育のカリキュラム整備や学習会の実施は出来
ていませんでした。「命の大切さ」も含めた学習会をされることを期待します。
(5)
DV被害からの回避・回復
①
②
③
④
母親と子どもの緊急利用に適切に対応する体制を整備している。
母親と子どもの安全確保のために、DV防止法に基づく保護命令や支援措置が必
要な場合は、適切な情報提供と支援を行っている。
母親と子どもの安全確保を適切に行うために、必要な体制を整備している。
心理的ケア等を実施し、DVの影響からの回復を支援している。
第三者
評価結果
a
a
a
a
(6)
子どもの虐待状況への対応
①
被虐待児に対しては虐待に関する専門性を持ってかかわり、虐待体験からの回復
a
を支援している。
② 子どもの権利擁護を図るために、関係機関との連携を行っている。
a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○夜間の受入れ事例はないが、母子の一時保護室を2室完備して、警察や直接母親からの緊急入所要請に
対応されています。夜間の緊急時や不審者と遭遇した場合、母親が興奮した場合等の対応をフローチャー
ト化して、母子の安全を最優先に考えて速やかな対応ができるように準備されています。
○子どもへの対応としては、年2回の自立支援計画書作成時に、直接子どもと面談する機会を作っていま
す。週1回の心の相談ルームで臨床心理士によるカウンセリングを受けれる機会を作っています。また、
子供の権利擁護を図るために、保育園、学校、病院、児童相談所、福祉事務所等の関係機関と連携や情報
交換を行っています。子どもが通う小学校の新任教師を対象に施設見学を実施する等、学校との交流会を
毎年実施しています。
(7)
家族関係への支援
①
(8)
母親や子どもの家族関係の悩みや不安に対する相談・支援を行っている。
第三者評価
結果
a
特別な配慮の必要な母親、子どもへの支援
①
障害や精神疾患のある母親や子ども、その他の配慮が必要な母親と子どもに対す
a
る支援を適切に行い、必要に応じて関係機関と連携している。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○母親面接を実施して、悩みや不安を聞いたり相談に応じています。母子や兄弟姉妹間の感情の行き違い
については、必要に応じて職員が介入して関係調整を図っています。精神疾患を抱えている利用者に対し
ては、必要に応じて通院同行支援や服薬管理支援を実施しています。
(9)
主体性を尊重した日常生活
①
②
(10)
日常生活への支援は、母親や子どもの主体性を尊重して行っている。
行事などのプログラムは、母親や子どもが参画しやすいように工夫し、計画・実
施している。
第三者
評価結果
a
a
就労支援
①
②
母親の職業能力開発や就労支援を適切に行っている。
a
就労継続が困難な母親への支援を行い、必要に応じて職場等との関係調整を行っ
a
ている。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○母親と子どもそれぞれと面談して意向を聞き取り、自立支援計画書を作成し、希望等の実現に向けた支
援を実施しています。行事プログラムについては、母親の意見を聞きながら「嵐山でのランチと散策」等
の行事を実施し、行事終了後にはアンケートを実施して今後の行事運営に活かしています。
○就労支援としては、パソコン講座案内や修学資金貸付制度の案内、求人情報の提供など就労に関する情
報提供を実施しています。施設として病後児保育やショートステイ等を実施して母親が就労できるように
支援しています。障害や生活保護受給等の母親の状況に合わせた就労継続支援マニュアルを準備し、対応
しています。
(11)支援の継続性とアフターケア
①
第三者
評価結果
施設の変更又は変更による受入れを行うに当たり、継続性に配慮した対応を行っ
b
ている。
② 母親と子どもが安定した生活を送ることができるよう、退所後の支援を行ってい
a
る。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○退所者への支援としては、退所先への訪問や機関紙「ヴェインテだより」の送付等を実施しています。
また、退所後1年の期間は施設行事に招待したり、京都市内のホテルで「退所者の集い」を毎年開催して
います。施設の変更や地域移行に際しての引継ぎや申し送りは実施されていますが、手順や様式は定まっ
ていませんでしたので、手順書や移行の様式を作成されては如何でしょうか。
2
自立支援計画、記録
(1)
アセスメントの実施と自立支援計画の策定
①
②
③
(2)
母親と子どもの心身の状況や、生活状況を把握するため、手順を定めてアセスメ
ントを行い、母親と子どもの個々の課題を具体的に明示している。
アセスメントに基づいて子ども一人一人の自立支援計画を策定するための体制を
確立し、実際に機能させている。
自立支援計画について、定期的に実施状況の振り返りや評価と計画の見直しを行
う手順を施設として定め、実施している。
第三者
評価結果
a
a
a
記録の作成と適正な管理
①
②
母親と子ども一人一人の支援の実施状況を適切に記録している。
a
母親と子ども等に関する記録の管理について、規程を定めるなど管理体制を確立
a
し、適切に管理を行っている。
③ 母親と子ども等の状況等に関する情報を職員が共有するための具体的な取組を
a
行っている。
④ 日々の業務について支援内容を適切に記録し、支援の分析・検証や職員間の情報
a
共有に活用するとともに、説明責任を果たす取組を行っている。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○定型様式でアセスメントを実施しています。自立支援計画書作成マニュアルに基づいて計画書を策定
し、6ヶ月毎に評価・見直しを行っています。また、計画書に基づき、母親と子どもへの支援実施状況を
記録しています。計画書作成のために、心理療法担当職員や福祉事務所職員等の意見を反映しています。
個人情報の取り扱い規程や文書保存規程を定め、規程に基づいて文書の管理を実施しています。毎月の支
援会議や週1回のグループスーパービジョンでケース検討を実施しています。ケース記録や会議録、日直
日誌等、必要な日誌や記録が整備されています。
3
権利擁護
(1)
母親と子どもの尊重と最善の利益の考慮
①
②
③
④
(2)
母親と子どもを尊重した支援についての基本姿勢を明示し、職員が共通の理解を
持つための取組を行っている。
社会的養護が、母親と子どもの最善の利益を目指して行われることを職員が共通
して理解し、日々の支援において実践している。
母親と子どものプライバシー保護に関する規程・マニュアル等を整備し、職員に
周知するための取組を行っている。
母親と子どもの思想や信教の自由を保障している。
第三者
評価結果
a
a
a
a
母親と子どもの意向や主体性の配慮
①
母親と子どもの意向を把握する具体的な仕組みを整備し、その結果を踏まえて、
a
支援の内容の改善に向けた取組を行っている。
② 母親や子どもが、自分たちの生活全般について自主的に考える活動(施設内の自
b
治活動等)を推進し、施設における生活改善に向けて積極的に取り組んでいる。
③ 施設が行う支援について事前に説明し、母親と子どもそれぞれが主体的に選択
a
(自己決定)できるよう支援している。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○職員会議や事例検討会の中で、母親と子どもの尊重や人権・権利擁護について話し合っています。2ヶ
月に1回ソーシャルワークの勉強会や事例検討会を実施し、支援スキルの向上に取り組んでます。全国母
子生活支援施設協議会の倫理綱領を全職員が常に携帯し、責任をもった支援を心がけています。プライバ
シー保護に関しての規程やマニュアルを整備し、それに基づいた支援を実施しています。母親と子どもの
思想や信教の自由を保障しています。
○母親や子どもの意向を把握するために、年2回母子担当・子ども担当でそれぞれ面談を実施していま
す。施設が行う支援については、「ヴェインテのくらし」(冊子)で説明し、利用者のニーズに沿った支
援を提供しています。また、グループ活動や子ども会を通じて、子供の自立性や責任感が育つように支援
しています。母親自治会の開催は行っていますが、母親の自立性や責任感等に対して十分な支援が出来て
いないと感じておられました。
(3)
入所時の説明等
①
②
(4)
a
a
母親や子どもが意見や苦情を述べやすい環境
①
②
③
(5)
母親と子ども等に対して、支援の内容を正しく理解できるような工夫を行い、情
報の提供を行っている。
入所時に、施設で定めた様式に基づき支援の内容や施設での約束ごとについて母
親と子ども等にわかりやすく説明している。
第三者
評価結果
母親と子どもが相談したり意見を述べたい時に相談方法や相談相手を選択できる
環境を整備し、母親と子どもに伝えるための取組を行っている。
苦情解決の仕組みを確立し、母親と子ども等に周知する取組を行うとともに、苦
情解決の仕組みを機能させている。
母親と子ども等からの意見や苦情等に対して対応マニュアルを整備し、迅速に対
応している。
a
b
a
権利侵害への対応
①
いかなる場合においても、職員等による暴力や脅かし、人格的辱め、心理的虐
待、セクシャルハラスメントなどの不適切なかかわりが起こらないよう権利侵害
a
を防止している。
② いかなる場合においても、母親や子どもが、暴力や脅かし、人格を辱めるような
a
不適切な行為を行わないよう徹底している。
③ 子どもに対する暴力や脅かし、人格を辱めるような不適切なかかわりの防止と早
a
期発見に取り組んでいる。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○写真や図などでわかりやすくしたホームページやパンフレットを作成しています。入所時には「ヴェイ
ンテのくらし」(冊子)を用いて、施設での暮らしや約束事、子どもへの決まり事等の説明を実施してい
ます。母子担当と子ども担当が定期な面談や日常の声かけを実施して、意見を述べやすいようにしていま
す。苦情対応に関するマニュアルや苦情解決体制は整備されていますが、苦情記入カードの配布や匿名ア
ンケートの実施は出来ていませんでした。母親が意見や苦情を表出する仕組みづくりを構築されることを
期待します。
○権利侵害への対応としては、権利擁護と虐待防止に係る規程を策定し、職員による権利侵害や体罰の禁
止を明確に定めています。子どもたちには、守られる権利があることを伝え、守られていないと感じた時
に対応する方法について学習する機会を設けています。
4
事故防止と安全対策
第三者
評価結果
①
事故、感染症の発生時など緊急時の母親と子どもの安全確保のために、組織とし
a
て体制を整備し、機能させている。
② 災害時に対する母親と子どもの安全確保のための取組を行っている。
a
③ 母親と子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し、要因分析と対応策の検討
b
を行い、母親と子どもの安全確保のためにリスクを把握し対策を実施している。
④ 十分な夜間管理の体制を整備している。
a
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○事故発生対応マニュアル、侵入者対策マニュアル、感染症対応マニュアル等を作成し、それに基づいて
対応しています。京都市防災・防犯情報メールに登録し、送付されてきた情報を母子に通知しています。
月1回の居室点検や避難訓練を実施しています。夜間の対応としては宿直者と管理当直の職員2名体制に
すると共に、施設の敷地内に防犯カメラ4台と防犯受信機8カ所を設置して警備強化を図っています。し
かし、母親と子どもの安全を脅かす事例収集や事例に基づく未然防止策の検討等は出来ていませんでし
た。
5
関係機関連携・地域支援
(1)
関係機関との連携
①
②
(2)
a
a
地域社会への参加、交流の促進
①
②
③
(3)
施設の役割や機能を達成するために必要となる社会資源を明確にし、児童相談所
など関係機関・団体の機能や連絡方法を体系的に明示し、その情報を職員間で共
有している。
児童相談所等の関係機関等との連携を適切に行い、定期的な連携の機会を確保
し、具体的な取組や事例検討を行っている。
第三者
評価結果
母親と子どもと地域との交流を大切にし、交流を広げるための地域への働きかけ
を行っている。
施設が有する機能を地域に開放・提供する取組を積極的に行っている。
ボランティア受入れに対する基本姿勢を明確にし、受入れについての体制を整備
している。
b
b
a
地域支援
①
②
地域の具体的な福祉ニーズを把握するための取組を積極的に行っている。
a
地域の福祉ニーズに基づき、施設の機能を活かして地域の子育てを支援する事業
a
や活動を行っている。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○関係機関との連携については、福祉事務所や保健センターとの合同報告会を毎月開催すると共に、必要
に応じて児童相談所等の関係機関とも連携を図っています。
○地域社会への参加・交流については、町内会にも加入し、利用者の方々が町内会行事・お祭り・運動
会・ラジオ体操等様々な地域行事に参加できるよう支援しています。しかし、施設や利用者の理解を得る
ための、地域住民との交流会の開催や施設を支える会・後援会の組織化は出来ていませんでした。また、
子育て電話相談の実施や施設の学童室を町内会に集会所として貸し出す等の地域貢献は実施しています
が、育児に関する講習会や地域住民への講演会等の開催は出来ていませんでした。施設として、地域に向
けた講演会の開催等を実施されては如何でしょうか。
6
職員の資質向上
第三者
評価結果
①
②
組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢が明示されている。
c
職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画が策定され計画に基づ
a
いて具体的な取組が行われている。
③ 定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させ
b
ている。
④ スーパービジョンの体制をつくり、施設全体の支援の質を管理し、職員の援助技
a
術の向上を図っている。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○個々の職員が受けるべき研修をリスト化して人材育成・資質向上を図られていましたが、組織が職員に
求める基本姿勢や専門性・専門資格を明示した中・長期計画は策定されていませんでした。また、研修を
受けて職員による報告書の作成は行われていましたが、研修成果の評価・分析や次の研修計画への反映は
出来ていませんでした。外部講師による施設内研修の実施や、児童担当・母子担当職員がグループスー
パービジョンを受ける取り組みなど、職員のスキルアップに向けて施設全体で取り組まれています。
7
施設運営
(1)
運営理念、基本方針の確立と周知
①
②
③
④
(2)
法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割が反映されている。
法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針が明文化されている。
運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を
行っている。
運営理念や基本方針を母親と子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すた
めの取組を行っている。
第三者
評価結果
a
a
a
a
中・長期的なビジョンと計画の策定
①
施設の運営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画が策定されてい
b
る。
② 各年度の事業計画は、中・長期計画の内容を反映して策定されている。
b
③ 事業計画を、職員等の参画のもとで策定されるとともに、実施状況の把握や評
b
価・見直しが組織的に行われている。
④ 事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行ってい
a
る。
⑤ 事業計画を母親と子ども等に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を
b
行っている。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○運営理念や基本方針を明文化し、パンフレットや「ヴェインテのくらし」に掲載しています。また、年
度初めの会議で確認する等して、利用者や職員に周知しています。
○母子支援会議や児童支援会議、職員会議等で課題を話合って毎年の事業計画を策定し、年度末に計画の
振り返りを行っています。しかし、中・長期計画は策定できていませんでした。今後は、施設経営や運営
の数年後の目標を記載した中・長期計画を策定し、それに基づく毎年度の事業計画を策定することを期待
します。
(3)
施設長の責任とリーダーシップ
①
②
③
④
(4)
施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた
信念と組織内での信頼をもとにリーダーシップを発揮している。
施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体を
リードしている。
施設長は、支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発
揮している。
施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮してい
る。
第三者
評価結果
a
b
a
a
経営状況の把握
①
②
③
施設運営をとりまく環境を的確に把握するための取組を行っている。
a
運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行っている。
a
外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善が
b
実施されている。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○施設長の役割や責任については、毎年作成する職務分担表で明確にしています。施設長は研修や勉強会
に参加して専門性の向上に努めると共に、年1回の職員面談で職員の意向を聞き取り、働きやすい環境の
整備や経営・業務の効率化と改善に努めていました。しかし、経営に必要な関係法令のリスト化や職員へ
の周知は出来ていませんでした。
○施設長は山科区の子ども連絡会議や様々な研修会に参加して、施設運営を取り巻く環境把握や社会的養
護の動向把握に努めています。施設運営にあたり、定期的に社会保険労務士又は会計士による経営状況へ
のアドバイスを受けていますが、定期的な外部監査は実施されていませんでした。
(5)
人事管理の体制整備
①
②
③
④
(6)
施設が目標とする支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体
的なプランが確立しており、それに基づいた人事管理が実施されている。
客観的な基準に基づき、定期的な人事考課が行われている。
職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みが
構築されている。
職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に
行っている。
第三者
評価結果
b
c
a
a
実習生の受入れ
①
実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果
a
的なプログラムを用意する等積極的な取組をしている。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○人事管理体制については、できるだけ社会福祉士や保育士の有資格者を優先的に採用し、年1回の職員
面談で、職員の就業状況や体調の把握を行っていました。しかし、人事管理に関する方針が確立されてお
らず、人事考課も実施されたいませんでした。今後は、人事管理方針や求める人材像を明確にし、人事考
課表を策定して考課を実施されては如何でしょうか。
○実習生の受入れについては、受入れ方針を明文化して受入れマニュアルを策定し、社会福祉士や保育士
の実習生を受入れています。受入れにあたっては、実習指導者研修を受けた職員が養成学校と連携し、実
習生受入れのプログラムを作成しています。
(7)
標準的な実施方法の確立
①
②
(8)
支援について標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って支援を
行っている。
標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施でき
るよう仕組みを定め、検証・見直しを行っている。
第三者
評価結果
b
a
評価と改善の取組
①
施設運営や支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う
a
体制を整備し、機能させている。
② 評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実
a
施計画を立て実施している。
(特に評価が高い点、改善が求められる点)
○入所当初の標準的な支援方法や自立支援計画書の策定方法についてのマニュアルを整備して、毎年の年
度末に見直しを行っています。施設運営や支援内容についての自己評価を行ってその結果を分析し、職員
会議で共有しています。