発表内容の詳細 - 日本教職大学院協会

教職大学院の学修成果に係るポスターセッション発表者一覧
平成27年度
番号 大 学 院 名
1
2
3
4
5
聖徳大学
大学院
創価大学
大学院
玉川大学
大学院
早稲田大学
大学院
上越教育大学
大学院
区分
修了生
大学院
2年
大学院
1年
修了生
修了生
6
山梨大学
大学院
大学院
2年
7
大阪教育大学
大学院
大学院
1年
8
9
10
11
奈良教育大学
大学院
岡山大学
大学院
山形大学
大学院
修了生
大学院
2年
氏 名
現職、修了生の勤務校
松戸市立松飛台第二小学校
林部 理絵 教諭
ハヤシベ リエ ヌマタ
タクヤ
八王子市立七国小学校
沼田 拓弥 教諭
ハタ
ダイスケ
畑 大介
西東京市立田無小学校
主幹教諭
ヤマシタ サトル
静岡県立袋井高等学校
山下 悟 教諭
ヨネオカ ヒロシ
米岡 洋
妙高市立新井小学校
教諭
ハラダ ヒロアキ
上野原市立秋山小学校
原田 弘昭 教諭
ミヤモト ナオキ
宮本 尚輝 ストレートマスター
ツクダ タクヤ
生駒市立あすか野小学校
佃 拓也 教諭
ヤマシタ カナエ
山下加奈恵 ストレートマスター
大学院
2年
タナカ ヤスシ
寒河江市立高松小学校
田中 靖士 教諭
大学院
1年
サワダ シンイチ
宇都宮市立横川中央小学校
澤田 慎一 教諭
宇都宮大学
大学院
大学院
1年
成 果 発 表 の タ イ ト ル
成 果 発 表 の 要 旨
教職大学院での学びを活かした算数科教育の取り組み
教職大学院組織管理マネジメントコースは、1年間で2年分の学習内容を履修
できる本大学院にしかないコースである。この組織管理マネジメントの1年間の
カリキュラム構成や修了時に獲得できる資質・能力、魅力的な授業内容について
述べる。その学修の中で、課題研究として取り組んだ「算数科」の研究を、今の
現場でどのように活かして取り組んでいるのかについて報告する。
「Dialog-WRITING」を活用した〈書くこと〉指導の再考
-学習意欲向上の検討を中心に-
国語科「書くこと」領域における学習者の「学習意欲」の低さは、長年、多く
の実践者・研究者の課題である。その要因として、「活動が〈個〉の学びに閉ざ
されてしまっていること」「一方向連鎖的に固定化された指導過程」が考えられ
る。この問題を打開することで、学習者の「書くこと」に対する学習意欲が向上
すると考え、今回、「書くこと」指導のプロセスに「対話」を取り入れた
「Dialog-WRITING」を提案する。
5年生算数における相互教授法(RT)の介入効果
-発言に消極的で、学習理解が低い児童に目を向けて-
ペア、グループで教え合い・学び合いが成立しやすい座席配置、話し合う手順
や時間、役割分担を明確に示したペア・グループ活動の2点を重点化した相互教
授法RTを算数の集団解決場面に適用することで、発言に消極的で、学習理解が低
い児童(L群)は、意見を発したり、集中して問題解決に取り組んだりするなど、
積極的に学習に参加するようになった。その姿勢が着火点となり、学習内容を確
実に理解することが明らかになった。
教職大学院の学修には、カリキュラムに位置付けられた学びと、教職大学院固
有の隠れたカリキュラムによる学びが存在する。発表では、「教育実践論文演
高等学校「英語表現I」において、コミュニケーション場面を通じて
習」における論文執筆の過程で明確になった英語学習の課題、及び大学院の授業
考えを表現する力を育む言語活動
で学んだ理論の学校臨床実習への発展的活用を示す。最終的に、Whole Language
-教育実践論文を中核として拡大する、教職大学院の学修-
や真正性の理論を適用した日米高校生の英作文交流を実践し、書くことによる英
語学習意欲の向上を実現することができた。
私は、学校支援プロジェクトで支援する小学校の生活科・総合的な学習に参画
し、2つの研究を行った。1つは支援校における児童の姿の見とりから「児童の
「仲間とともに 地域とともに 確かな学びを創る子ども」を目指
メタ認知能力を高める生活科・総合のあり方」を明確化した。もう1つは「平成
した生活科・総合的な学習の時間の創造
26年度全国小学校生活科・総合的な学習教育研究協議会新潟大会」に研究協力
-特に子どもの「メタ認知能力」の高まりに着目して-
員・実行委員として関わり、大学院での研究を基に新潟県の生活科・総合的な学
習のよさを全国発信できた。
山梨県の小学校では、多くの学級担任が音楽科を指導しているが、特に音楽づ
くりや鑑賞の指導について悩む教員が多い。中学校では、小学校までのレディネ
積み上げを図りながら鑑賞の力を高める具体的方策
スの差を感じたり、創作の授業について悩んだりする教員も多い。小学校から音
-小・中学校音楽科の「創作(音楽づくり)と鑑賞」の授業を通し
楽科に必要な積み上げを図るための具体的な手立て及び創作(音楽づくり)と鑑
て-
賞の関連を図った題材を通して具体的な指導法を挙げ、小中9年間を見通した鑑
賞の力を高めるための具体的事例を紹介する。
本研究では、基礎的・基本的な知識・技能の習得を促進するための高校数学の
授業づくりにはどのようなことが必要とされるのかを、①実習校での授業の観
基礎的・基本的な知識・技能の習得を促進するための高校数学の授
察、②授業づくりに対する教員の信念の聞き取り、③机間指導の実施、の3つの方
業づくり
法から明らかにしようとした。その結果、「生徒のつまずきの把握」、「教材研
究」、「発問・指示の役割」の視点から留意すべき点が明らかとなった。
小学校社会科における探究力を培う指導法の研究
教職大学院在学中は、社会科の授業で子どもたちが主体的に学ぶ意識が低かっ
たため、授業にディベート活動を取り入れた指導法の研究を行ったが、教職に就
いても、表現活動を通して子どもたちに探究力を培わせることの重要性を強く感
じている。本発表では、小学校6学年社会科の授業で、アクティブラーニングの
考えを取り入れ、様々な表現活動を用いた主体的な学びを通して、子どもたちに
探究力を培わせる指導の研究成果を報告する。
新卒院生の高度実践的授業力形成をめざして
-算数的活動をコアにした深く数学的に考える授業づくり-
新卒院生にとっては、高度実践的授業力の育成が喫緊の課題である。本研究で
は、新しい算数の授業づくりをテーマに算数的活動の内面化と批判的思考の観点
から深く数学的に考える力の育成について検討する。この力の育成には、自らの
考えを見出して終わりではなく、他者とかかわり合いながら省察を行い、自分や
集団の考えを深化・発展させることが重要である。PDCAサイクルに従って授業力
形成を目指すプロセスを説明したい。
アプロプリエーションとしての学びの生成過程
-探索的なことばに着目して-
教室内におけるアプロプリエーションとしての学びの生成を目指し、他者の入
り込む余地を残した「探索的なことば」を教師と子どもが共に丁寧につなぐ授業
への挑戦と、その生起過程に対する省察を積み重ねてきた。その結果、教室内で
「声」の微妙な違いをきっかけとして、発言が重なるようになってきた。発言の
重なりを、一人ひとりのより深い理解につなげるために、つなぎ目の質に着目す
ることが大切であることもわかってきた。
省察的実践力を高める教育実践プロジェクトの展開
-リフレクション・デジタルポートフォリオの機能を生かして-
宇都宮大学教職大学院では、学校現場の課題を解決する「教育実践プロジェク
ト」を中核に、実践的指導力を育成している。現場での活動と教育理論を結び付
ける科目「リフレクション」では、チームで省察し、次の活動に生かしている。
その過程をデジタルポートフォリオに記録し、共有することで、より深い省察を
導くことができる。具体的な事例をもとに、リフレクションとデジタルポート
フォリオを活用した実践研究について発表する。
協働する授業研究とその組織づくり
-道徳教育を通して-
「自ら輝き、学び合い、高め合う子をめざして」という研究テーマのもと、道
徳の授業の工夫と授業研究会の充実を図った。教職大学院と協働しての指導案検
討会やPDCAサイクルでの授業研究会の継続により、教師の授業力が高まっ
た。また、充実した研究会となるためには「対話」が鍵であることや、活発な対
話にするためのポイントも明確になってきた。また、本格化してきた若手教員を
育成する取組についても報告したい。
本研究は、静岡県の公立芸術科生徒のキャリア意識調査によってキャリア意識
の実態、芸術科卒業生のキャリア形成調査によって芸術科でのキャリア形成の特
徴を明らかにする。また、「芸術科ライフモデル集」を作成し、その資料を活用
した芸術科におけるキャリア教育のプログラムを開発し、その実践をとおして、
今後の芸術科での専門教育の一層の充実に資することを目的とする。
クニイ アケミ
市貝町立赤羽小学校
國井 朱美 教諭
12
福井大学
大学院
大学院
2年
ヤマダ トシユキ
坂井市立春江小学校
山田 俊行 教諭
13
静岡大学
大学院
大学院
2年
静岡県立駿河総合高等学校
水田 忍美 教諭
高等学校芸術科でのキャリア形成に関する実践的研究
アサイ ケン
牧之原市立細江小学校
浅井 健 教諭
教員が主体的に取り組む校内研修の実現のため「ユニバーサルデザインの7原
則」の視点から研修を見直し「ユニバーサルデザイン化された校内研修の4段階A
授業力を伸ばすユニバーサルデザインの視点を取り入れた校内研修 DIE研修モデル」を提案する。これにより、経験年数や得意分野など教員の多
の在り方
様性に対応することができ①全ての教員が意欲的に研修に参加し組織に貢献でき
る②教師一人一人の授業力の向上につながる③日常的に継続性のある研修ができ
るという3点が可能になることを目指す。
14
常葉大学
大学院
大学院
1年
ミズタ シノミ
15
16
愛知教育大学
大学院
京都教育大学
大学院
修了生
修了生
17
福岡教育大学
大学院
大学院
2年
18
宮崎大学
大学院
大学院
1年
19
20
21
22
23
24
25
北海道教育大学
大学院
宮城教育大学
大学院
群馬大学
大学院
東京学芸大学
大学院
帝京大学
大学院
岐阜大学
大学院
兵庫教育大学
大学院
修了生
修了生
修了生
大学院
1年
大学院
1年
大学院
2年
大学院
2年
26
鳴門教育大学
大学院
大学院
2年
27
長崎大学
大学院
大学院
2年
ヤマダ サチコ
名古屋市立鳴海中学校
山田さち子 教諭
イクタ コウジ
神奈川県立大和東高等学校
生田 幸士 教諭
お互いを尊重し、力を出し合う学級集団の育成
-課題達成のための建設的な話し合いを通じて-
建設的な話し合いを通じて、互いに尊重し合いながら力を出し合う学級を目指
し、中学校1年生の学級で実践を行った。話し合い活動の経験と自信は、学年や
学級が変わっても資質として残り、集団に貢献する生徒の育成につながるだろ
う。そこで、安心感や貢献意欲を育てる「班ノート」と、学級の課題について話
し合う「班ミーティング」、2つの話し合い活動に取り組んだ。その成果を、学
校行事での生徒の姿を中心に報告する。
歴史的思考力の育成をめざした近現代史学習の授業実践
本発表は、高校「日本史A」の授業実践において、メディアを題材とした学習
を展開し、その中でメディア・リテラシーの手法を活用することによって、歴史
的思考力の育成をはかったものである。この中で、歴史的思考力を分析し、実際
の学校現場の授業実践において歴史的思考力の育成を阻害する要因を抽出した。
また、結果として、この阻害要因の克服としてメディア・リテラシーの手法を用
いることの有効性が明らかとなった。
山室 勇二 ストレートマスター
保健体育科の実技において、生徒たちは自分の運動課題を客観的に把握して、
その運動課題を主体的に解決することが難しい。そこで本研究では、マット運動
保健体育科におけるダブレットパソコンを用いた授業実践について の技の一つである側方倒立回転を題材とし、タブレットPCを用いて撮影した自分
-映像比較による主体的な課題解決学習への試み-
の演技と模範演技を一画面に二映像を表示し比較することによって運動課題を発
見し、それを主体的に解決していく授業を実践した。本実践で得た成果と課題に
ついて発表する。
宮崎市立木花小学校
教諭
望ましい学級集団を形成するための『聴く』指導の在り方
様々な形で起こっている学級崩壊。望ましい学級を形成するためには、児童・
生徒が話を「聴く」ことができていなければならないと考えた。そのために、各
学年の望ましい学級集団を設定し、学級担任の行うべき「聴く」指導を教育課程
全般から洗い出し、体系化するとともに、学級経営上行うことが望ましい学級担
任の「聴く」指導をプログラム化した。
つながる、つなげる、つながりにいく
授業力が教師にとって一番必要であることは、変わりない。しかし、それだけ
では、もう通用しない時代になっている。対保護者、対児童、対同僚、対外部機
関など、人とのコミュニケーション力が求められている。問題は、いつ、どこで
も起きる。そんなとき、相手の話に耳を傾け、真相に触れながら解決へ向けて同
じ方向を歩める関係性、教師が一人にならないための関係性、そんな人とのつな
がり作りに視点を当てた実践である。
タニグチ
タツヤ
東松島市立矢本第二中学校
谷口 達也 教諭
「同僚性」を高める学年経営の在り方
-学年主任を中心とする学年教師集団の協働的な取組を通して-
複雑・多様化する教育課題に対して教師が組織で対応をすることが求められ、
学校における教師の同僚性向上は今日的課題である。学年教育目標具現化への一
連の取組において筆者(学年主任)が検討・作成した学年生徒支援シートを生徒
の実態把握、指導目標の設定、指導内容の協議や実践評価で活用し、サイクル化
を通して同僚性を高めて、協働的な組織対応・チーム対応が機能する学年経営と
学年主任の役割に関する一試みを報告する。
シュウトウ ケイコ みどり市立笠懸東小学校
周東 景子 教諭
本研究は、人権教育研究指定校として、子ども全員が参加する授業をデザイン
するだけでなく、教師全員が参加する校内研修もデザインすることで、教師たち
教師の授業力向上のための手立ての工夫
の学びも高めていこうとするのが特長である。「研修主題の追究と一体的に授業
-教師全員が参加する校内研修と子ども全員が参加する授業を目指
力を中心とした教師力を向上させる」「学び合い、認め合う集団としての教師集
して-
団、子ども集団を高める」「研修で役割を果たすことを通じてミドルリーダーを
育てる」ことを目標とした、取組である。
ヤマムロ ユウジ
ホリカワ タカシ
堀川 貴史
ササキ リュウゲン
札幌市立西岡北小学校
佐々木隆元 教諭
学校分析とコンサルテーションを基盤とした専門的支援
-特別支援教育における『センター的機能』の再構築-
区市町村立学校における特別な支援を必要とする児童・生徒へ専門的な支援
は、学校教育の喫緊の課題であるが、組織的な対応がなされていないのが現状で
ある。そこで各校の特別支援教育に関するニーズと学校分析を踏まえたコンサル
テーションを行い、特別支援教育を組織的推進するためのコンサルテーションシ
ステムを構築する。そのシステムを仮説検証することで、区市町村立学校への専
門的支援を再構築する。
イワイ ノリエ
大和市立光丘中学校
岩井 典江 教諭
児童生徒の交流活動をふまえた小中接続に関する一考察
-神奈川県内公立小中学校の調査分析を通して-
小中学校間の移行期に、子どもが学習指導面や生徒指導面に関しての違いを大
きな段差と感じる「中1ギャップ」が生じるとされ、小中の円滑な接続を図る小
中連携・一貫教育を推進する動きがさかんである。小中連携・一貫教育における
さまざまな取り組みのうち、児童生徒の交流活動が児童生徒や教職員にどのよう
な効果をもたらすかを、教職員や児童生徒への質問紙・インタビュー調査を通し
て検証し、より効果的な小中接続の方策を考察する。
タカハシ マサヒロ
岐阜市立加納小学校
高橋 雅博 教諭
岐阜市立の小・中学校では、平成26年度から年間10回の「土曜日等の教育活
動」が実施されている。しかし、ねらいや教育内容、家庭・地域との連携の在り
小学校における「土曜日の教育活動」のモデル化
方等に課題が見られる。そこで、「土曜日等の教育活動」の理念を明確にした上
-「学校内・外のシステムの構築」と「保護者・地域と協働した教
で、「補充学習」や「地域合同防災訓練」等の教育プログラムの開発と、家庭・
育プログラムの開発」を通して-
地域と連携しながら運営できるシステムの構築に取り組んだ。本発表では、その
実践内容と成果を報告する。
カワバタ ミツアキ 加古川市立氷丘小学校
川畑 光明 教諭
本研究では、児童間のつながりが児童の学校適応感に及ぼす影響について検討
した。児童間のつながりの状態は、教師の統制下にない時(休み時間)に一緒に
いたと児童双方が認知した状態を1つの紐帯と捉えその総数をデータ化した。この
児童間のつながりとひとりでいられる力が学校適応感に及ぼす影響
調査は4月から毎月行い、得られたデータと学校適応感との関連を検討した。そ
の結果、紐帯数・学校適応感は絶えず変化すること、また形成初期の学級で紐帯
数が学校適応感に影響を与えていた。
クボタ
タカノリ
東京都立武蔵台学園
窪田 隆徳 主幹教諭
タケムラ カズミ
土佐市立北原小学校
竹村 和美 教諭
シモダ ミギワ
下田 渚
長崎県立佐世保特別支援学校
教諭
組織で取り組む潤いのある学級・学校づくり
26年度の後半に、現任校のアセスメントデータを全教職員で共有するととも
に、組織的な省察を行った。そして、子どもの意識と行動の構造に適合した「効
果のある指導」を組織的に設定し、27年度より協働的に実践した。子どもの自分
への信頼を高めるボイスシャワーや「聞くこと」の徹底、さらには、自律的な学
びと自治的な活動を組織的に展開した。結果、子どもの変容とともに、学校の組
織化と教師の指導の質的改善を同時に実現した。
高等学校における発達障害生徒の担当教員への支援の試み
公立高等学校に入学した発達障害生徒本人と、その生徒の支援に中心となって
携わる教員の両者に対して、大学院在学者(特別支援教育の現職教員)という立
場で1年間定期的な支援を実施した。その実践における成果を通して、高等学校
教員に対する、特別支援教育の専門性を持つ者に求められる支援について報告す
る。