北海道の自然学散歩- 北海道の自然学散歩-6「洞爺湖有珠山

北海道の自然学散歩-6
北海道の自然学散歩- 6 「 洞爺湖
洞爺 湖 有珠山ジオパーク
有珠山 ジオパーク」
ジオパーク 」
道央西部に位置する洞爺湖及び有珠山は世界ジオパーク
世界ジオパーク
に
認定されており、日本の代表的な地質遺産です。
その内、洞爺火山は大よそ 11 万年前に巨大噴火が発生し、その
跡に直径 10kmのほぼ円形に近い洞爺カルデラが形成され、その周
囲には火砕流が造る広大な台地ができました。
その後、約 5 万年前頃にカルデラの中心部で、後カルデラ火山活動
道央・道南の活火山
が繰り返し噴出して現在の中島となったのです。
更に 2 万年前、火山活動はカルデラの南縁に移動して、以降次々に噴火を起こし有珠山周辺に多
くの火山群が形成され、現在でも活発な火山活動が営まれている国内でも有数な活動的火山です。
有史以降の有珠山火山は日本の他の火山には例を見ない、周囲に人家や温泉地が近接している中
で活動が繰り返されたのですが、その割には人的被害が他の活火山に比べて少なかったのです。
その理由は流紋岩
流紋岩質
に起因します。このマグマは粘性が高いため糞詰まり状態となり、
流紋岩 質 マグマ
周囲の岩盤を破壊しながら上昇してきます。その為爆発前に激しい地震活動と地殻変動が前兆とな
りますので、爆発的噴火の前に避難活動が行われて、被害を未然に防ぐことが出来ました。
ここ 100 年は約 30 年の周期で噴火が繰り返され、この間有珠山周辺の山は溶岩ドーム
溶岩ドーム
が数
多く形成されています。
特にユニークな溶岩ドームは 1943 年に噴火した
昭和新山です。標高は 400m程度ですが山群の東に
単独峰として典型的な兜型の山容を見せており、
一般道からも至近距離で観察することが出来ます。
また、直近の噴火は 2000 年の洞爺湖畔の温泉街の
直ぐ傍で発生し、その様子が大々的にテレビ等で報
道されましたので、記憶に新しいと思います。
この時は国道や建物が溶岩の貫入に依る隆起や泥流
によって破壊・流出し、住民は約 1 年半に亘って不
便な生活を強いられ、温泉旅館もその煽りを食って
長期間の休業を余儀なくされました。
昭和新山の溶岩ドーム
以上の様にこの地域の大地に際立った特異性があり、また火山と人の関わりが非常に密接なもの
であったので、それが世界ジオパークへの日本初の認定に繋がったのでしょう。
火山は人類にとって災害をもたらす厄介な自然現象ですが、同時に温泉という恵みや美しい景観を
提供してくれる有難い存在でもあります。
従って、現時点では予測が難しい火山活動を正確に予測し、全国各地の火山災害を未然に防ぐ技術
を早急に確立しなければならないのです。
洞爺カルデラ北西縁からジオパークの全貌を俯瞰