(5)脳梗塞のICD10別患者数

(5)脳梗塞のICD10別患者数
脳梗塞とは脳に十分な血液が供給されなかったために脳が損傷を受けた状態を指します。広い意味での脳
梗塞に分類される病態には脳を栄養する動脈が細くなったり詰まったりして脳に十分な血液が供給されてい
ないもののまだ脳は損傷を受けておらず、そのまま放置した場合に脳が損傷を受ける可能性のあるものがあり
ます。このような場合に細い動脈を拡げたり、十分な血流が得られていない領域に他から血管をつないで血
流を供給するなどの治療が行われます。原因別にこれらの区別を行ったのが「脳梗塞のICD10別患者
数」の表です。
G45$は症状を一時的に出したもののその後、ほぼもとの状態に回復した症例です。当然在院日数は
短く、長期間のリハビリテーションも必要ありませんので転院した患者さんはいません。
I63$は脳に血液が供給されないことで脳が損傷を受けた症例で多くは発症直後に救急車で病院を受
診します。後遺症が残ることも多く、長期間のリハビリテーションが必要なためリハビリテーション専門病院に転
院する患者さんが多くなります。
I65$は主に頸部内頚動脈が極めて細くなり脳に十分な血流供給が行われなくなる確率が高いため、ま
だ症状はないけれども予防的に治療を行ったものです。血栓内膜切除術という外科的治療をおこなったもの
と、ステント留置術という血管内治療を行ったものの両方が存在しています。
I66$は頭蓋内の動脈が閉塞していたり高度狭窄となっていて脳に十分な血液が供給されず脳梗塞に
なる危険性がある症例です。手術の適応があるかどうかを評価した後でバイパス手術といって脳の皮膚を影
響する動脈を脳の表面の動脈につないで必要な血液を確保するようにした手術を行います。
I675はもやもや病(ウィルス動脈輪閉塞症)の症例です。正確な原因はわかっていませんがウィルス動
脈輪という動脈で出来る輪を形成する動脈が細くなり閉塞することと、脳の中にもやもやとした細い血管が増
殖します。これにより脳梗塞を起こすことも脳の中で出血を起こすこともあります。アジア人に多い病気です。
脳の表面の動脈に皮膚の動脈を繋いだり、硬膜や筋肉を脳表に密着させる手術を行うことで発症のリスクを
減らすことが知られています。
(5)脳梗塞のICD10別患者数
ICD-10
傷病名
発症から
症例数
G45$
一過性脳虚血発作
3日以内
30人
8.4日
73歳
6.7%
その他
1人
3.0日
66歳
0.0%
3日以内
1人
33.0日
58歳
0.0%
その他
-
-
-
-
3日以内
554人
19.3日
74歳
47.1%
その他
41人
15.7日
71歳
41.5%
脳実質外動脈の閉塞および
狭窄、脳梗塞に至らなかっ
たもの
3日以内
12人
16.9日
71歳
8.3%
その他
18人
17.7日
70歳
11.1%
脳動脈の閉塞および狭窄、
脳梗塞に至らなかったもの
3日以内
2人
35.0日
70歳
0.0%
その他
3人
19.3日
69歳
0.0%
I675
もやもや病
(ウィリス動脈輪閉塞症)
3日以内
3人
12.0日
43歳
0.0%
その他
-
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-
-
I679
脳血管疾患、詳細不明
3日以内
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その他
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G46$
I63$
I65$
I66$
脳血管疾患における
脳の血管(性)症候群
脳梗塞
平均在院日数 平均年齢
転院率