デンマーク・ライフサイエンスセミナー 『養殖産業の未来 – 飼料を通じた

デンマーク・ライフサイエンスセミナー
『養殖産業の未来 – 飼料を通じた持続可能でナチュラルな取り組み』
のご案内
世界規模での「食」の多様性に伴い、魚の消費量は年々増加し、天然資源の枯渇が危惧される中、養殖
産業の重要性が認識されております。また、「食」の生産情報などトレーサビリティに関心が集まって
いる現在、安全面からも養殖魚への評価が高まりつつあります。
「食」を取り巻く環境の変化に伴い、養殖産業では、環境、サステーナビィリティ(持続可能)そして、
安全性にどう対応していくかが大きな課題となっています。これらを考える上で、重要な鍵を握る一つ
が、餌(飼料)の問題です。病気を抑え、成長を促し、更に価格を抑える、どれも養殖業の発展には欠
かせません。今回は、これらの観点に基づいた研究開発を行っているデンマークの先生方をお招きし、
養殖産業の発展に果たす飼料の役割をお話いただく予定です。
いずれの先生も企業と一緒に研究開発を行っていますので、セミナーを通じ、養殖産業における産学連
携のあり方、そして、デンマークにおける可能性をご理解いただき、ビジネスチャンスを模索していた
だければと考えております。
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主
後
日
場
催:
援:
時:
所:
デンマーク大使館 (Invest in Denmark & Innovation Center Denmark)
一般社団法人 大日本水産会
平成 27 年 9 月 3 日(木)13:30-18:30 (懇親会を含む)
ヒルサイドプラザ (東京都渋谷区猿楽町 29-10)
参 加 費: 無料
お申込先: デンマーク大使館
TEL: 03-3780-8740 FAX: 03-3780-8747 E-mail: [email protected]
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13:00
開場・受付
13:30
開会挨拶 駐日デンマーク大使 フレディ・スヴェイネ
13:40
『デンマークにおける養殖産業の動向』
アクア・サークル スペシャリスト
Jesper Heldbo (イェスパー・ヘルボー)
〈概要〉
従来の流水式養殖池から、最新式の再循環式システムへ:過去 10 年のデンマークの水産養殖の
改善について。法改正による技術開発と餌の改良促進。
再循環式水産養殖システム(RAS) -
長所と短所
環境に影響を与えずにデンマークの国内生産を拡大するための新 5 カ年戦略
14:30
『水産養殖における感染症対策の新たな取り組み:免疫グロブリンの活用』
デンマーク工科大学所属国立獣医学研究所 免疫学・ワクチン学科
Prof. Peter Heegaard(ピーター・ヒーゴー教授)
〈概要〉
養殖魚の感染症管理において、ワクチン接種は抗生物質の有効な代替策である。しかし、免疫
機が十分に発達していない稚魚や幼魚の場合、このアプローチの効果は限定的である。つまり、
ニジマス稚魚症候群(RTFS)のような感染症では、稚魚の免疫系がワクチンに反応しないため、
この方法を使うことはできない。
本プロジェクトの基本的な構想は、稚魚や幼魚に問題となる感染因子に対する免疫グロブリン
(抗体)を投与し、抵抗力を高めることである。魚に免疫グロブリンを添加した餌を与え、い
わゆる受動免疫を獲得させる。我々はこの手法をニジマス養殖の大規模な損失の原因となって
いる RTFS、せつ腫症、レッドマウス病の感染モデルで調査した。免疫グロブリンは、大量の
血液を原料に、効率性の高い産業規模のクロマトグラフィー工程で精製可能である。原料の血
液は屠殺廃棄物を使用できる可能性もある。安価で再生可能な原料と高効率の精製工程で、十
分に特性解析された高い抗体活性を有する免疫グロブリンを生産すれば、免疫グロブリンを添
加した魚の餌は、抗生物質の代替として採算ベースに乗せることが可能かもしれない。本プロ
ジェクトは、牛、豚、鶏に対する過去のプロジェクトを土台としている。今回の講演では、水
産プロジェクトの初回実験結果とともに、こうした過去プロジェクトの成果についても実例を
挙げて説明する。現在、デンマークのボーンホルム・サケ孵化場で、上記の三大病原体に対す
る計画的なワクチン投与が 200 匹の健康なニジマスに対して行われ、今後の魚餌実験用の免疫
グロブリンを精製する目的で血清が集められている。餌に添加された精製免疫グロブリンを魚
の消化管中のタンパク質分解から守るために、新技術が使用される予定である。
プロジェクト・パートナー:
Kurt Buchmann 教授、Jiwan Kumar Chettri 博士研究員(コペンハーゲン大学獣医学疾患病
理生理学部)、Inger Dalsgaard 准教授(デンマーク工科大学国立獣医学研究所)
企業パートナー:
Aller Aqua A/S (feed, http://www.aller-aqua.com)、UpFront Chromatography A/S
(immunoglobulin purification, http://www.upfront-dk.com )
15:20-15:50 休憩/名刺交換会
15:50
『プロバイオティクスを用いた養殖用稚魚(Larviculture)の疾病管理』
デンマーク工科大学
システム生物学部 バクテリア生態生理学・生命工学科
Prof. Lone Gram (ローネ・グラム教授)
〈概要〉
水産養殖では細菌感染が問題となるが、人の健康や食品安全上懸念される耐性菌の発生リスク
を抑えるため、抗生物質の使用は制限されるべきである。近年、人間、家禽、豚、植物など多
くの分野で、生菌(プロバイオティクス)を活用して細菌性病原体を抑制しようという試みが
進んでいる。水産養殖においても複数の実験が行われ、シュードモナス属、ビブリオ属、ロゼ
オバクター属の細菌によって病原性細菌による死亡数を抑え、抗生物質の使用を削減できるこ
とが実証されている。
稚魚養殖において、細菌性の疾病は信頼性やコスト効率を損ない、新たな種や繁殖計画の導入
を妨げる重大な問題である。病原性細菌の主な発生源は、生き餌飼育である。日和見性病原菌
は栄養濃度が急上昇する環境を好むためである。そのため、生き餌段階で使用できるプロバイ
オティクスの分離と開発に注目する。
プロバイオティクス(フェオバクター・インヒベン)は魚類のさまざまな病原性細菌に拮抗し、
稚魚養殖の食物連鎖(微細藻類、ワムシ、アルテミア)を模したノトバイオートの実験環境に
おいて、病原性ビブリオ種の濃度を低下させることができる。また、フェオバクター・インヒ
ベンは、ビブリオに感染したタラやターボット(ヒラメ)の稚魚や、さらには感染していない
稚魚の死亡率も大幅に低下させた。
沿岸域の水中に自然発生し、魚や軟体動物の稚魚養殖の微生物叢に通常より存在するフェオバ
クター・インヒベンを、稚魚や生き餌の養殖で予防的に使うことで、細菌感染を減らし、ひい
ては抗生物質の使用を削減することができる。
16:40
『機能的で持続可能な養殖飼料の新たなる開発』
ハムレット・プロテイン株式会社 前 CEO
Ole Kaae Hansen (オーレ・カエ・ハンセン) (予定)
〈概要〉
世界の水産養殖業は、目覚ましい成長を続けている。同時に、業界は代替原料を用いた加工に
より、魚餌の原料(特に油)不足に対応している。こうしたトレンドに並行して、水産飼料業
界は多様化し、産業規模で入手可能となった新種の加工・機能原料を使用するようになってい
る。本発表では、こうした新手法の具体的な応用に注目し、雑魚や魚副産物の効率的な利用や、
味の改善、飼料転換、さらには水質汚染の軽減について新たな展望を提示する。 マグロやウナ
ギなど、付加価値の高い魚用に最適化された飼料の開発を行ったケーススタディーも紹介する。
17:30
中締めのご挨拶/ 意見交換会・懇親会始まりのご挨拶
デンマーク大使館公使参事官 (食料・農業・水産担当) (予定)
Lene Mølsted Jensen (レーネ・ムレステッド・イェンセン)
18:30 閉会
*) 敬称は省略しています
*) 全ての講演は英語で行われます。同時通訳付です。
*) 各講演毎に質疑応答の時間を設けております。
*) 都合によりプログラムが一部変更される場合がございますのでご了承ください。
<返信用紙>
デンマーク・ライフサイエンスセミナー
FAX: 03-3780-8747 / [email protected]
デンマーク大使館 宛
(担当:飯田) TEL: 03-3780-8740
日時: 平成 27 年 9 月 3 日(木)13:30 - 18:30
場所: ヒルサイドプラザ (東京都渋谷区猿楽町 29-10)
ファックスもしくは E-mail にて 8 月 27 日(木)までにご返送下さい。
お名前:
Name:
貴社名:
Company Name:
部署:
Section:
役職:
Title:
所在地:〒
Tel:
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Fax:
E-mail:
複数名ご出席の場合は、お名前および役職名を以下にご記入下さい。
お名前/Name:
部署名/Section:
役職/Title:
E-mail:
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セミナーに
*ご出席
*ご欠席
懇親会に
*ご出席
*ご欠席
*) お席の数が限られておりますため、お申し込みはお早めにお願いします。