授業科目名: 家庭支援論 単位数: 2単位 担当教員名: 相戸 晴子 科目

授業科目名:
単位数:
家庭支援論
科目番号:
2単位
担当形態:
TAI401
単独
担当教員名:
相戸 晴子
開講時期:
4年前期
オフィスアワ-:
火曜日・水曜日・木曜日 10:00~12:00
その他の日時はメール等でアポイントを取って来室すること。
1.授業の到達目標・テーマ
家族を支えていた親族や地域の関係基盤が希薄になった現在、その代替機能を果たすことが
保育所に求められるようになった。そこで、保育士固有の家庭支援の理念や方法を学び、子育 ち、
親育ち、親子関係育ち、そして子どもを取り巻く家庭や地域を支える保育士の支援役割を理解す
る。
2.授業概要
家庭の意義とその機能をふまえ、現在の子育て家庭を取り巻く社会的状況等を理解する。そし
て、家庭支 援の意義や理 念、支援 体制を学び、保育 士として求められる家庭支 援の実践力を身
に付ける。また、家 庭 の子 育 て力 を引 き出 すために、関 係 機 関 や地 域 資 源 との連 携 の方 策 を探
る。
授業形態は講義とともに、アクティブラーニングとして、振り返り、グループディスカッション、グル
ープレポート、個人レポートなどを取入れる。
3.授業計画
第1回:講義概要の説明(本講義の主旨および講義計画について)、ワークショップ「子育て家庭
が抱える悩みについて考える」
話し合いの柱:自身の親の姿、現在の子育て家庭を取り巻く状況から
第2回:家庭支援が求められる背景と意義
子どもと家族、家庭支援が求められる「家庭機能の弱まり」と「地域の子育て力の低下」という背
景を理解し、家庭支援に取り組む3つの意義について考える
第3回:家庭支援の理念と技術
①家庭支援の5つの理念、②家庭支援の4対象への技術
第4回:家族機能と地域社会との関係
「家庭」と「家族」、多様化する家族、近代化以前と近代化の家族の機能、現代家族におけるス
トレス、家庭を取り巻く地域社会
第5回:親になるプロセス
家族のライフサイクル、親になること、親としての成長・発達
第6回:子どもと家庭
乳幼児期の子どもにもたらす影響、学童期の学びや友だち関係を支えるコミュニケーション、思
春期の子どもの身体変化、依存から自立を支える家族の関わり方
第7回:家庭支援における保育士の役割
保育士の国家資格化と子育て支援の社会的役割の明記、ケアワークとソーシャルワ ーク、家庭
支援に必要な基本姿勢
第8回:家庭支援における保育士の倫理と姿勢
①保育士倫理綱領と家庭支援における倫理、②子どもの最善の利益、保護者とともに子どもの
成長の喜びを共有、保護者の気持ちを受け止め、自己決定を尊重する保育士の姿勢
第9回:保育所・幼稚園における家庭支援の方法や手段
①保育相談支援と基盤となる保育技術、②個別援助・集団援助で役立つ手段
第10回:障がいのある子どもと家庭への支援
障がいのある子どもや家族への理解、障がい児施設と支援サービスについて
第11回:虐待的な環境にある家庭への支援
「子ども虐待とは」、虐待を受ける子どもの状況、虐待の問題を抱える家庭に関わる機関・施設
・サービス、虐待的な環境から子どもを守るために
第12回:ひとり親家庭への支援
ひとり親家庭の状況、ひとり親家庭への支援サービス、ひとり親家庭と保育所
第13回:在宅子育て家庭への支援
保育所・幼稚園が在宅子育て家庭支援を担う必要性、保育所・幼稚園における地域子育て支
援の実施、地域子育て支援拠点事業における在宅子育て家庭への支援
第14回:要保護児童とその家庭への支援
乳児院、児童養護施設、母子生活支援施設における家庭支援 のあり方
第15回:子どもと家庭を支える専門機関と地域活動、そして子ども・子育てを取り巻く新たな政策
の動向、全体のまとめ
①専門機関と地域活動の連携と保育士が果たす役割、②子ども・子育て新システムに向けた
経過、③全体のまとめ
定期試験
4.テキスト
橋本真紀・山縣文治編『よくわかる家庭支援論』ミネルヴァ書房、2011 年。
5.参考書・参考資料等
・渡邊顕一郎・橋本真紀著 /子育てひろば全国連絡協議会編 『詳解 地域子育て支援拠点ガ
イドラインの手引―子ども家庭福祉の制度・実践をふまえて』、中央法規、2011年
・庄司順一・宮島清・鈴木力編『子ども家庭支援とソーシャルワーク (社会的養護シリーズ) 』、福
村出版、2011年
6.事前・事後学習
・毎回講義の最後に、次回の講義内容のテキスト箇所を伝えるので、入念に予習しておくこと。ま
た、不明な点等は調べておくこと。
・講義を受けて、レポート課題があるときは、必ず次回の授業で提出すること。
・講義で使った資料やノートのファイル管理を徹底すること。
・講義で使用したテキスト箇所を必ず復習しておくこと。
7.学生に対する評価:
・レポート提出20%、定期試験80%
8.その他
特になし