社会福祉法人を取り巻く変化

社会福祉法人を取り巻く変化
2.認定こども園
次に認定こども園についてです。細かいことは紙幅の
みなさまこんにちは。社会福祉法人担当の田中です。
関係で割愛しますが、保育園と幼稚園の両方の機能を持
今回は、私の担当である「社会福祉法人」を取り巻く環
った施設のことを認定こども園と言います。この認定こ
境の変化について書きたいと思います。多くの方にとっ
ども園、27 年度から本格実施ということになっています。
ては社会福祉法人という法人形態はあまり馴染みがな
ただ、国の旗振りが遅れていることから、管轄する市町
いかもしれませんが、利用する側としては、実は身近な
村の対応も後手に回っているところが多く、現場の保育
存在です。
園や幼稚園でも認定こども園になるべきかどうか迷わ
例えば、認可保育園で市立以外のほとんどの保育園は
れている先が多くあります。認可保育園の多くが社会福
社会福祉法人が経営しています。そして、特別養護老人
祉法人立であることから、この認定こども園についても
ホーム、デイサービス、ホームヘルパー、ケアマネージ
社会福祉法人の大きな課題となっています。
ャーなどの介護保険事業の多くも社会福祉法人が経営
しています。デイサービス、ホームヘルパー、ケアマネ
ージャーなどは一般企業や医療法人も多く参入してい
ますが、特別養護老人ホームのほとんどは社会福祉法人
が経営しています。
そんな社会福祉法人ですが、ここ数年でいくつかの
3.地域公益活動
変化がありましたので、お伝えしたいと思います。
現在、社会福祉法人改革のひとつとして社会福祉法人
1.会計基準の移行
に地域公益活動を義務づけることが検討されています。
最初は会計基準の移行です。社会福祉法人は社会福祉
事業で得た余剰金を使って、生活困窮者支援や福祉分野
法人会計基準というものに準拠して会計処理を行う必
の人材育成など、福祉制度を補う活動を義務づけるとい
要がありますが、その会計基準がこの度新しくなりまし
う内容です。社会福祉法人のみなさんにとって、地域に
た。平成 24 年度から変更になっていますが、移行には
貢献する活動自体は嫌なものではないけれど、情報が少
猶予期間があり、平成 27 年度にはすべての社会福祉法
ない現時点では戦々恐々としているといったところだ
人が移行を済ませなければいけないことになっていま
と思います。また、活動計画を作成し行政に承認を受け
す。最終年度の 27 年度から移行するという法人が多い
なければいけないことになっており、その事務負担に関
のが現状です。平成 27 年 1 月の現時点で、まだ移行に
して危惧されています。
関する処理をされていない法人さんは必死に業務にあ
たられているのでは
このように、近年社会福祉法人を取り巻く環境は大き
ないでしょうか(社会
く変化しています。みなさまのお知り合いで上記を含め
福祉法人の事業年度
た社会福祉法人の課題をお持ちの方がいらっしゃった
はすべて 4 月から)
。
ら、お気軽に声をかけていただければと思います。
(社会福祉法人担当
田中
威)
JTCかわら版 平成 27 年 1 月号 ● 発行元:北野会計事務所 ●
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JTCかわら版 平成 27 年 1 月号 ● 発行元:北野会計事務所 ●
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