実践応用化学第一 略解(桑田) 2015.5.8 1. (1) 14

2015.5.8
実践応用化学第一 略解(桑田)
1.
(1) 147N + 10n →
(3) 146C → 12
6C
14
7N + 31H (T) (2) 105B + 42He →
13
7N
+ 10n + e– + ν(ニュートリノ)
2.
(1) l = 0, 4s 軌道; l = 1, 4p 軌道; l = 2,4d 軌道; l = 3, 4f 軌道
(2) 方位量子数 3 の f 軌道の磁気量子数は–3,–2,…,3 の 7 種類なので,f 軌道は7重
縮重している.Pauli の排他原理に従って,それぞれの軌道に2つずつ電子が収容され
るので,収容可能な電子は 2×7=14 個
(3) p 軌道は3重,d 軌道は5重,f 軌道は7重,f 軌道は9重に縮重している.それぞれ
の軌道に2つずつ電子が収容されるので,収容可能な電子は合計で
2×1 + 2×3 + 2×5+ 2×7 + 2×9= 50
3.
(1) Cl–:
(1s)2(2s)2(2p)6(3s)2(3p)6,[Ar]
(2) V3+:
(1s)2(2s)2(2p)6(3s)2(3p)6(3d)2,[Ar](3d)2
(3) Fe2+:
(1s)2(2s)2(2p)6(3s)2(3p)6(3d)6,[Ar](3d)6
(カチオンとなるときに遮蔽効率のよい 4s 電子が失われる方が,有効核電荷が増加し
て安定化するため,エネルギーの順が 3d < 4s と逆転する)
4.
(b).水素のイオン化エネルギーは,水素の 1s 軌道から電子を取り去って自由電子(エ
ネルギー0の原点)にするのに必要なエネルギーだから.
5.
(とくに 2p 電子による)遮蔽が不完全なために,ベリリウムの 2p 電子が感じる有効核
電荷はリチウムに比べて大きい.従って,リチウムの 2p 電子の方がエネルギーが大き
い.
6.は次ページ
7.
(1) 遮蔽が不完全であるために,Cr の方が有効核電荷が大きくなり,電子を取り去りに
くくなるため.
(2) Cr+の電子配置は[Ar](3d)5,一方 Mn+の電子配置は[Ar](3d)6 (カチオンなので 3d<4s
に注意)である.従って,Cr の第二イオン化では安定な半閉殻構造から電子を取り去
る必要があるのに対して,Mn の第二イオン化では電子を取り去った結果,安定な反閉
殻の電子配置となるので,前者のエネルギーの方が大きくなる.
6.
E
(3)
4s
(1)
(2)
3d
3p
3p
3s
3s
2p
2p
2p
2s
2s
2s
1s
1s
1s
8.
6d 軌道の方が 5f 軌道より不安定なので,構成
E
原理に従って,[Rn](7s)2(5f)8 となるべきだが,
6d
5f
左のような電子配置では,5f 軌道がちょうど半
分だけ占有されているため,その分安定になっ
7s
ている.
9.
(1) (1s)2(2s)2(2p)6(3s)1
(2) (a) 11 – (0.85 × 2 + 0.35 × 7) = 6.85
(b) 11 – (1 × 2 + 0.85 × 8) = 2.2
(3) 2p 電子の方が有効核電荷が大きいため,より大きい静電引力を受け,原子核に近い
位置に分布していると考えられる.
(4) 両原子について,エネルギーが一番高い軌道に収容されている電子の有効核電荷を
計算すると,
Li(2s): 3 – (0.85 × 2) = 1.3,
F(2p): 9 – (0.85 × 2 + 0.35 × 6) = 5.2 となり,フッ素原子の
電子の方がより強く原子核に引きつけられていると考えられるので,フッ素の第一イオ
ン化エネルギーの方が大きい.