神戸製鋼所、高砂製作所で化学プラント向け圧縮機生産棟を建設

◇神戸製鋼所、高砂製作所で化学プラント向け圧縮機生産棟を建設
神戸製鋼所は、高砂製作所(兵庫県高砂市)で圧縮機生産の新棟を建設する。特注品であ
る非汎用大型圧縮機の生産効率向上に向けた投資で、米国などでの化学プラント向けの販
売増を目指す。すでに着工しており、2017 年4月に竣工し順次稼働開始する。総額 81 億
円を投じる。
高砂製作所では鉄鋼や機械事業の生産拠点で、鉄鋼事業では鋳鍛鋼や鉄粉などを、機械
事業ではスクリュー式・遠心式・往復式などの非汎用圧縮機や圧力容器、アルミ熱交換器
などを生産している。今回、非汎用圧縮機の生産効率化に向けて新棟を建設。拠点におけ
る建屋の総延床面積と、同圧縮機の組立能力を現状比でそれぞれ 10%程度拡大する。大型
品の生産を中心に手がけるため、建屋には大型クレーンなどを設置。生産期間についても
現状比 25%程度短縮させる計画だ。
現在、高砂製作所では狭隘化が進んでおり、部材や設備の配置場所に制限があるため、
大型圧縮機生産の効率化が課題となっている。新棟の建設により大型圧縮機の生産能力を
拡大するほか、既存建屋との分担により全体の生産効率化につなげる。
圧縮機は石油精製など大型プラントの中核となる設備。神戸製鋼所では特に圧縮比が高
い高効率なスクリュー式非汎用圧縮機を強みとしており、世界シェア 50%を占有し首位に
立つ。汎用品についても播磨工場(兵庫県播磨町)で生産を手がけており、国内でトップク
ラスのシェアを握っている。
神戸製鋼所の 2015 年度第2四半期売上高は前年度比 1.4%増の 9,286 億 2,900 万円、経常
利益は同 28.3%減の 330 億 8,200 万円となった。機械事業の売上高は石油化学業界向け圧
縮機案件などを計上し同 11.3%増の 812 億円となったが、経常利益は競走激化による採算
低下などから、同 12.5%減の 28 億円となった。同社では、圧縮機の事業環境について足元
では原油価格の下落を背景に悪化しているが、中長期的には拡大すると予測。新棟建設で
需要を捕捉する。
1