特 集 ステージ Ⅲ ステークホルダーと連携して貢献 交通インフラを支える社会的な使命と責任 鉄道は重要なインフラのひとつであり、 その拠点である駅には他の建物にはない特殊性と重要性があります。 そして、 シャッターは駅の 「安心」 「安全」 を守り、 毎日決まった時間に、 きちんと動くことが大切な使命です。今回のダイアログ では、 当社グループの取り組みを知っていただくとともに、 東日本旅客鉄道株式会社様、 ジェイアール東日本ビルテック まい、 その部分のメンテナンス周期を決めていなかったため て24時間365日対応できる体制を整えてきました。 エンジニ のトラブルが起きています。 これらのメンテナンスをどうする アはすべて当社の社員であり、 当番制で行っています。 か相談していますが、 予算などの関係もあるため優先順位を 三重野:最近は、 シャッターそのものの不具合ではありません 教えてほしいです。 が、 取り扱いの誤りや、 あとから取り付けた障害物感知装置 高橋:メーカーとしては、 部品それぞれの経年年数と耐用年 の誤作動で開かないと思われるケースが発生しています。 数を管理・把握し、 交換優先順位の高いものからご提案して 他にも防火シャッターの押しボタンの位置が、券売機の呼 いくことが必要です。例えば部品の耐用年数をデータ化して び出しボタンと近い位置にあったために、外国人が間違え 整備するなどの対応を考える必要があります。 てボタンを押し、 シャッターが降りてしまうといったことがあ 元木:使用する側が、 シャッターが開かないとき、閉まらない りました。 ときにどのように復旧できるかわかればメーカーの負担も 高橋:その話は初めて聞きました。想定外のことが起こってい 減らせるのではないでしょうか?ただ、 誰でもわかる共通のも るということですね。 の、 簡単な仕組みのものがあればと思います。 岡田:火災の時、 熱または煙感知器の感知信号で、 シャッタ− 三重野:復旧ボタンに関するトラブルも多いですね。 色や設置 を自動的に閉鎖させる自動閉鎖装置の他に、 手動でシャッタ− 場所など工夫ができるといいのですが。 を閉鎖させる手動閉鎖装置が必要となります。 岡田:メーカーとしては、 復旧しやすい操作性をあげることと、 手動閉鎖装置は、 人が直接操作できる高さに設置する必 実際の緊急時に誤って復旧してしまったときに、 閉めなければ 要があるので、 大幅な高さの変更は難しいかも知れません。 ならないときに閉まらないということがあり、 そのあたりで ただし、 ボタンに英語表記を入れるなどの対応は可能だと思 悩む点もあります。 います。 高橋:いろいろお話を伺って、 「安心」 「安全」 のバックアップと 株式会社様と駅のシャッターについての問題点、 今後の課題などについて意見を交わしました。 元木:押してはいけないと書かれていても、 いたずらで押して して機能は追加していっても、複雑なものではなく、誰が見 しまう方もいらっしゃるので、 私は復旧方法が迅速にできる てもわかるようなシンプルなもので、故障を少なくする方法 参加者 ことが大事だと思います。 を考える必要があると感じました。 また、 交通インフラを守る 高橋:駅のような交通インフラを支える場所については、安 という社会的使命と責任のもと、 みなさまと協力してよりよい 全のためにメーカーの枠を越えて、共通の仕様を検討する ご提案ができればと思います。 必要がありますね。例えばお客様と情報の共有化を図り、 2 貴重なご意見をいただき、 今日は座談会ということでした 重、 3重の予備のシステムを用意したり、 わかりやすい手順案 が、 できれば、 メンバーを入れ替えたりしながら情報をいただけ 内や復旧方法を作成したりといったことなどです。 れば非常にありがたいと思います。今日は長時間にわたり 社外参加者 (写真左から) ■東日本旅客鉄道株式会社 東京支社 施設部 建築課 副課長 三重野 裕司 様 ■ジェイアール東日本ビルテック株式会社 東京支店 上野事業センター 事業一課 課長 片山 操 様 東京支店 新宿事業センター 事業一課 課長 元木 伸之 様 カスタマーセンター 総括主任 加藤 香奈子 様 23 南:当社では、 業界に先駆けて、 1982年より修理・点検につい ■文化シヤッター株式会社 今後の課題・文化シヤッターに期待すること これからも何かありましたらご連絡いただき、 ぜひ情報交 加藤:私たちが一番期待することは、 すばやく電話がつなが 換や意見交換をしていきたいと思います。今後とも、 よろしく 商品開発部 次長 岡田 秀正 ることです。電気関係、 通信関係は雷に弱いので、 雷が落ちる お願いいたします。 ■文化シヤッターサービス株式会社 といろいろな障害が出てきます。台風などのある程度予測が 営業推進部 一部長 高橋 敦 東京サービス支店 営業二課長 南 貴宣 ※所属・役職は座談会当時のものです。 つく災害は、 事前に体制を組んで人数を多くするなど、 対策は とれますが、 地震などの場合は大変です。 南:当社も地震のような想定外の事態が起こったときに、 駅にとって重要なこと 元 木:当社は、駅・鉄道建物などの設備の維持管理業務を どのような体制がとれるかということはひとつの課題だと 三重野:鉄道会社にとって、 シャッターが開かない、 閉まらない 行っておりますが、 JR東日本が保有する駅は約1,700駅あり、 思います。 今後、 体制など検討していきたいと考えています。 ということは、 大変重大な事柄です。朝、 シャッターが開かなく 新しい駅もあれば中には100年以上経っている駅もありま 片山:最近被害が多くなっていますが、 ゲリラ豪雨や予想外 てお客様が駅に入れないとなると、 お客様が電車に乗れなく す。老朽化が進んでいる駅については、 建物の築年数を考慮 の大雨のときなど、 増築のために区分けされた部分に取り付 なるので、 特に気を付けたい課題です。 しながら建物自体の延命措置と併せて、 壊れる前に予防保全 けられているシャッターが雨で濡れ、 故障の原因になっていま 高橋:駅など公共性が高い場所のシャッターは、当社として としてメンテナンスを行い、 健全な状態を維持するよう心がけ す。 そのような緊急時に対応できるものがあればいいと思い も真摯に考えなければならないことです。日常的には維持 ています。駅によってシャッターは何千とあるので、 人の流れ ます。 管理のところでシャッターを点検して、 問題が発生しそうな に影響するような重要なものから優先していただければと思 三重野:設備を増やすと、 またメンテナンスが必要になって複 ものについては、 お客様に伝えて、 話し合いながら対応して います。文化シヤッターさんは対応が良いという印象があり 雑になっていくのが気になるところです。危害防止装置や障 います。 ますが、 夜間の体制などはどのようになっているのですか? 害物感知装置など、 既存シャッターにはない機能を付けてし BXグループ CSR報告書2015 いろいろと貴重なご意見をいただき、 ありがとうございました。 BXグループ CSR報告書2015 24
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