正心27年08月号 - 国際社会人剣道クラブ

NPO法人 国際社会人剣道クラブ中国地区クラブ会報
INTERNATIONAL GOODWILL KENDO CLUB
第176号
2015年(平成27年)8月発行
中国地区クラブ会長
発行責任者
特定非営利活動法人
国際社会人剣道クラブ
幹事長
湯村 正仁
金尾
静一
http://www.npo-igkc.or.jp
【第176号の主な事項】
① 9 月例会は、9 月 5 日(土)〜6 日(日)、島根県松江市にて初めての開催です。
・出欠連絡は、8 月 29 日(土)までお願いします。厳守!!
② 10 月 31 日(土)~11 月 1 日(日)全国例会は徳島市で開催予定です。8 月 25 日投函厳守!!
団体戦、目標 3 チーム編成予定。多くの参加をお願いします。
③ 今年度会費未納の数名の方! 納入期限が過ぎております。速やかにお願いします。
④ 当クラブ会員数 50 名を目標に、新会員獲得を行いましょう。
=新会員獲得には、会員一人ひとりのご協力をお願いします。=
平成27年度8月例会「笠岡」のご報告
8 月例会は、8 月 1 日(土)~2 日(日)、岡山県
笠岡市の「笠岡総合体育館」にて、夏季に初めて
開催しました。
例会場所の「笠岡総合体育館・サブアリーナ」
は、冷房施設のある体育館であるため、環境と
しては、天候異変と思われるほどのムシムシ
した猛暑から救われました。
第1日目(8/1)、14 時には参加会員は、ほぼ
全員集合。開始時間を早め、14 時 20 分から例会
開始。まずは、湯村会長から「剣道講話」をいただきました。
***********【剣道講話 『剣道の段階』 剣道範士八段 湯村正仁】***********
今回は、故剣道範士石原忠美先生の「剣道覚書」から、
「剣道の段階」について話します。
故石原先生は、有名な先生の考え方ばかりでなく、若い先生方の考え方も参考にされ、こと細かいことまで
学びメモ(剣道覚書)をされており、比較剣道を実戦されていたようです。
その「剣道の段階」とは、段位の関係もありますが『当てる⇒叩く⇒打つ⇒切る⇒押える⇒忘れる』の段階
である。
(剣道範士 矢野一郎先生:談より)
八段は、
「切る」の段階であり、七段とは、
「打つ」と「切る」の間であり、切るという事が分かりかけた段位
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であると思います。
「当てる」ということは、力が入らない状態で、
ただ当たっているだけである。刀でいえば、まっ
たく切れていないでかすり傷である。
次に「叩く」ということは、力まかせに当てて
剣道講話
いる状態である。すなわち、最初から当たる瞬間においても、竹刀のスピードが一定である。
「打つ」ということは、スポーツ的な剣道の限界である。物打ちで打つ。すなわち、竹刀のスピードが、当た
る瞬間に最高のスピードになり、物打ちに力が入って“ビシッ”と当たることである。
打つまでは、右手に力が入っていないこと。力が抜けていることが必要であり、当たった瞬間だけに“パッ”
と力が入ることである。
手の内が効いているということは、
「打つ」ことである。
“冴え”のある打ちとは、当たる瞬間に力が入るとと
もに最高のスピードになり、
”スパーン”と瞬間に右手が入った打ちとなる。
一般的には、どうしても打とう打ちたいと思い、右利き右打ちであることから右手に力が入ってしまい冴えの
無い打ちになってしまう。
全日本選手権などは、試合剣道で、
「打つ」までの勝負である。
六段位は、打つべきところで、直ぐ打たなければならない。また、守りから打つことが必要である。
以上が「打つ」段階である。
次に「切る」ということについて述べます。
「切る」段階では、どうしても切らなければならない時以外は、切ってはならない。切らずに済ます。そう
すれば結果として気・剣・体一致となり美しい剣道となる。無駄を全部捨て、排除して、この1本だけという心
で“パーン”と打って行く。誰が見ても美しい剣道であり、一般に求めるのは「切る」までであると思います。
だから、皆さんの目指すところは、
「切る」ことであり、
「切れるかどうか」です。無駄打ちの無い剣道は、理
合いにかなった剣道であり、美しい剣道です。
起こりあり。技が尽きたところあり。心が止まったところあり。
相手の気が進めば打ち込んで行く。相手の気が怪し過ぎれば誘い出し応じ技で打つ。
「打つ」には、この二つ
しかない。瞬間的に、打ち込むか?誘い出して打つか?である。それを稽古で目指す。理合いにかなった剣道
となる。この事を、故石原先生は、
「瞬間善処」と言われていた。
次の段階は「押える」である。
気力が充実すれば、剣を用いずとも敵を避けられる。ここには、目の前に相手がいる。獲物がいる。そして
相手が敵である。これまでは、まだ目前に敵がいる。
「押え」は、気を持って、相手をいかに制御していくか。気も制御していくかである。
ところで、皆さんは、私との稽古において押される感じがすることでしょう。
自然のうちに、
「打つ」から「切る」ことが身についてくるものと思います。
だから、このような段階があることを知り、稽古することが必要であす。なんでもかんでも打てば良いもの
ではない。まして、八段に合格しようとすれば、
「切る」という事が必要です。
自分をきちっと制御し、打つべきところを打つことです。
これが「切る」ということです。
最後の段階は「忘れる」である。針谷夕雲の「相抜け」ともいう。
相手は、敵でもない。獲物でもない。相手の心としっかり合っていれば良い。ここには戦いは無い。大変に
難しいことです。
=相抜けは互いに空を打たせて、無傷の分かれとなる。むしろ高い境地に至った者同士であれば、互いに剣
を交える前に相手の力量を感じ取り、戦わずして剣を納める。=
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私たちの挑戦は、
「切る」ということです。
「切る」というなかに「押さえ」があるので「切る」ことができます。相手の技を殺す。剣を殺し、気を殺す。
これが「押さえ」であり、そして最後の段階に「切る」ことである。最後まで切らないことでもある。
少なくとも、皆さんは6段位以上です。
「当てる。叩く」ではない。八段の段階は「切る」ということです。
やはり、きちっとした基本の中で、手の使い方、両手のバランス、体重のかけ方、移動、足運び、立ちなど
が理にかなっていること。そして両手がバランス良く伸びて、当たる瞬間に”パッ”と力が入った打ちであり。
次の瞬間は”パッ”と力が抜けていること。当てよう、叩こうとする心が起こると、打突後、腕を抱え込む。
また、前傾姿勢で腕から打つなど姿勢の崩れを起こしている。
本当に「切る」であれば、姿勢は崩れない。本日の稽古では、この点を注意して取り組みましょう。
以上
******************************【記 金尾静一】*********
剣道講話終了後、引き続き 14 時 45 分から日本剣道形の稽古に移りました。
お互いに相手と組み、打太刀・仕太刀を 1 回行う。1 回目が終わったところで、湯村会長から、構え等の基
本的注意事項など実演を伴う解説をいただきながら、参加者全員で実践を行う。湯村会長は解説を、津田副会
長には、個々人への個別指導をいただきました。
まず、太刀の一本目・二本目の打ち方を事例に、殆どが右に力が入り右で操作した打ち方であると注意をいた
だく。そして、①中段の構えでは、手の左右のバランス、手の内では柄と手のひらを密着させること、親指も
しっかり握ること、体の重心置き方、剣先の位置等基本的なことの指導。次に②右上段の構えについて、③下
段の構えについて、④八相の構えについて、⑤脇構えについての基本的な注意点について指導をいただき、そ
の後、2 回目の剣道形稽古に移りました。
形稽古は、湯村会長と津田副会長の眼が
行き届く中であり、気が切れる・ただ形の
流れで打つ・打突部に届かない・発声が小
さいなどがあれば、個別に直ちに指導が入
日本剣道形
り、やり直しとなります。
=頭で理解はしているものの難しいものである。先生の眼を気にすればするほど平常心でなくなり、
腕に力が入り、益して 6:4 の攻め合いは、ついつい忘れがちとなってしまいました。 またまた
基本正しい動作の重要性と稽古不足を痛感しました。=
約 1 時間の形稽古を終え、熱中症防止もあり休憩を兼ねて記念写真撮影を行いました。整列、座礼。湯村会
長から例会開始の挨拶をいただき、稽古会に移りました。
まず、湯村会長から、20 分程度は、大きくシッカリと打ち切る切り替えし、基本の面打ちの指導をいただく。
そして回り稽古を行い、指導稽古・お互い稽古に移りました。
本日の講師陣は、湯村会長と津田副会長であり。指導稽古をいただく順番取りは、何時の竹刀袋を置く方法
とし、2 名以上は並ばないでお互い稽古に取り組むことで、待ち時間の短縮にもなり、より多くの稽古に効率
的に取り組むことが出来ました。
外は猛暑の中。時間いっぱいまで、次々と相手を変えて約 1 時間の稽古。冷房のおかげで、指導稽古も猛暑
による苦しみは緩和され、シッカリ掛ることが出来ました。また、お互い稽古も暑さが緩和され充実した内容
でした。全員、爽やかな感じの笑顔で終了しました。(17 時終了)
1 日目の稽古終了において、湯村会長から、
「本日の基本練習で行った①相手の空いたところを、直ちに打つ。
それが、本当にできれば、打つ機会はもっとあるはずである。しかし、②それを見逃している。なぜ、見逃し
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たのか?それは、③自分の心がブレイクしているからではないか?心に「驚・懼・疑・惑」が生じればブレイ
クする。これを④無くすことが剣道では重要なことです。もっともっと打つ機会を早く、直ちに打つ稽古を体
でやって行く。その先に「切る」
・
「押える」がある。これを⑤クリアできるように普段の稽古の中で努めて下
さい。
」と講評をいただきました。
湯村会長
津田副会長
稽古模様
稽古会場から、宿泊場所「旅館 三洋」までは、車で 10 分程度の移動を行う。
旅館は古いたたずまいであるが、浴槽はヒノキ造りである。何となく疲れが癒された感じとなりました。
18 時 30 分、懇親会に移る。
湯村会長の挨拶・乾杯の音頭で開宴です。
湯村会長からは、挨拶のなかで「韓国遠征の報告、東北地区例会への参加の報告、全国例会へ一人でも多く
の参加をしよう。
」と報告等をいただきました。参加の先生方からの地酒等の差し入れがあり、その地酒を味わ
いながら酒もすすむ。剣道談議にも熱中し宴たけなわではありましたが、翌日午前 7 時からの早朝稽古もある
ことから、20 時半頃、今例会幹事の守本先生の乾杯で終演となりました。二次会は、赤松副会長の部屋で 1 時
間少々引き続き剣道談議に華を咲かせ、22 時頃解散・就寝しました。
例会 2 日目(8/2)、早朝稽古。笠岡総合体育館・サブアリーナ」は 7 時開館にもかかわらず、6 時 30 分頃に
は、宿泊組は既に集合。驚くこと!!流石に剣道好きの会員です。開館が待ちきれないか?駐車場にて、湯村
会長から素振り等の個別指導を受けている者、お互いに技の研究をする者…。
気持ちが晴れ晴れする眺めです。
10 分前に開館。早足で会場に入り、早速ウォーミングアップ開始。午前 7 時座礼。直ちに指導稽古・お互い稽
古を開始しました。早朝と言え、やはり蒸し暑い。このため、冷房入れての稽古となりました。午前 8 時稽古
終了としました。最後に、津田副会長から 2 日間の講評として「①右足は攻め足、左は送り足である。②竹刀
の握り、竹刀操作は手の内柔らかく。③打突は、腰から打つ。足の運びで打つ。④足捌きは、左足で右足を送
り出せば攻め足となる。⑤右手に力を入れない打突は、打突の力が頭の1点に集中する。しかし、右手力が入
ると頭全体に、打突の力が広がる感じとなり良くない打ちである。注意して平素の稽古に取り組んで下さい。
」
と指導をいただきました。
駐車場にて
朝稽古
津田先生講評
朝食後
最後に、この度入会されました、廣畑先生から、自己紹介のなかで「稽古会に参加し、頑張ります。
」と心強
い決意表明をいただきました。
以上をもって、2 日間の全日程を無事終了しました。
稽古終了後の皆さんには、清々しく充実感に満ちた笑顔!笑顔!がありました。
2 日間、福山市剣連・井笠地区剣連の剣士の多くの参加をいただき、盛大に行うことが出来ました。
ありがとうございました。
旅館に帰り、朝食を終え“お疲れ様〜!!”
・
“次回は、松江例会で会いましょう!!”
“と声を掛け合い、そ
れぞれ帰途につきました。
最後に、例会場所・宿泊場所・宴会などの手配をしていただいた守本佳了先生、
おかげ様で、冷房の中で楽しく充実した例会となりました。ありがとうございました。
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平成27年度9月「松江」例会のご案内
島根県(松江市)での例会開催は、初めての行事開催となります。
会員の皆さんの多くの参加により、当クラブの活動を多いに P.R しましょう。
島根剣連・松江市剣連様にご案内状等をお送りして、地元剣士の方々の参加もお願いしております。
(稽古会)
日時 :平成27年9月5日(土)
14:30~17:00
(集合時間14:00)
場所 :『松江海洋センター体育館』
島根県松江市西浜佐陀町 1012
TEL:0852-36-6984
(宿 泊)(懇親会)
日時 :平成27 年9月5日(土)
懇親会:18:30~20:30
場所 :『松江ニューアーバンホテル』
島根県松江市西茶町 40-1
TEL:0852-23-0003
(朝稽古会)
日時 :平成27 年9月6日(日)
6:30~7:30
場所 :『松江市立母衣(ほろ)小学校』
島根県松江市北田町 273
TEL:0852-21-2128
平成27年度10月「鴨方」例会のご案内(予定)
※秋の昇段審査会・全国例会の直前です。
恒例により、全国例会参加者の試合稽古、および審査研修会を予定します。
日
時:平成27年10月17日(土)~18日(日)
場
所:岡山県浅口市
幹
事:岡本先生
平成27年度12月「山口」例会のご案内(予定)
日
時:平成27年12月5日(土)~6日(日)
場
所:山口県山口市
幹
事:中村先生
平成 27 年度 11 月全国例会「徳島県徳島市」のご案内【予定】
平成 27 年秋期(11 月)全国例会の参加申込み、期日厳守で投函下さい。
平成 27 年度NPO法人国際社会人剣道クラブ全国例会・第 12 回国際親善剣道大会の開催。
[10 月 30 日(金)]
・理事会 14:00~
・合同稽古会 16:30~
・懇親会 19:00~
[10 月 31 日(土)]
・審査研修 13:00~
・試合 個人戦 14:00~
・合同稽古 16:00~
・総会、懇親会 19:00~
[11 月 1 日(日)]
参加申込期限
・開会式 8:30~
・試合 団体戦 9:15~
・閉会式 12:00~
8 月 25 日(火)投函です。
●不明な点がありましたら、金尾幹事長までお問い合わせ下さい。
その他の連絡事項(国際親善交流)について
2015(平成 27)年度国際交流事業の予定は、以下のとおりです。
●ドイツ・オーストリア剣道親善交流
9 月 16 日(水)~23 日(水) 24 日帰国
以上
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