社長の濱です。 いつも、弊社製品をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。 1 本日は、2014年度の業績と2015年度の業績予想に加えまして、 本年度からスタートする中期経営計画「V-2計画」についてご説明いたします。 2 はじめに、2014度の業績と取り組み内容についてご説明いたします。 3 2014年度の業績は、当初の公表見通しを達成し、営業利益、経常利益は 過去最高益を更新しました。 [売上高] 売上高は3,673億円と前期比4.4%増の153億円の増加となりました。 為替の影響を除く実質の伸び率は3.1%の増加となりました。 消費税増税前の駆け込み需要の積極的な取り込みや、新製品、高付加価値品が 好調に推移し、大幅な増収となりました。 [営業利益] 営業利益は、124億円と前期比14.7%の大幅な増加となりました。 増収に加え、高付加価値品が大きく伸長したことなどにより、大幅な増益となりました。 4 つづきまして、2014年のセグメント別業績です。 国内では、一般用消費財事業、産業用品事業ともに売上高は前期を上回り、 セグメント利益も大きく増加しました。 また、海外では、2ケタ成長を確保しましたが、新規事業への先行投資を行った ことにより利益は減少しました。 次に、事業セグメントごとに2014年の成果と課題をご説明いたします。 5 まず、一般用消費財事業についてです。 一般用消費財事業は、期前半は、消費増税前の駆け込み需要が想定以上に増収に 寄与するとともに、新製品の発売など駆け込み需要の反動減への対応を行いました。 期後半は、夏場の天候不順、個人消費の回復の遅れなどの環境変化の中、生活者の選択型 消費を捉えた高付加価値品を育成して単価上昇を牽引し、収益性の向上をすすめました。 また、オーラルケアや薬品分野が伸長したことにより一般用消費財事業における 分野ミックスが改善したことも、利益を押し上げる要因となりました。 6 一般用消費財事業の課題は、通販事業の伸びなやみです。 通販事業は、「V-1計画」策定時の目標売上高100億円を2013年に達成しましたが、 2014年に売上成長は伸びなやみました。 主な要因として、消費増税後の需要減少の影響や原料価格の上昇等のコストアップ によりプロモーションが制約を受けたため、新規のお客様の獲得が減少しました。 そのような状況の中、女性用育毛剤「フルリア」や「グッスミン酵母のちから」などのQOL 向上の商品の拡充を行いました。 7 次に、産業用品事業セグメントの成果についてです。 化学品分野では、導電性カーボンなどの付加価値品の売上が伸びたことに加え、 低採算品の見直しを進めたことで、利益が大幅に改善しました。 また、業務用洗浄剤分野の伸長により、売上高、利益の拡大につながりました。 8 産業用品事業の課題は、国内外で戦える競争優位が未だ不足している ことです。 化学品事業が弊社と関係会社に分散しているため効率が低下している ことに対応して、グループ内の技術シーズやマーケティング体制の集結 を図る必要があります。 9 つづきまして、海外事業の成果と課題についてです。 2014年は、タイや香港などでの政情不安や中国での経済成長減速の環境下、 東南アジアを中心に拡大する中間所得層をターゲットとしたオーラルケアや ビューティケア分野の売上が増加しました。 海外の生産能力向上に関しては、「V-1計画」期間中に海外の設備増強を行い、 アジアにおける供給体制の基盤を強化しました。 2012年から2013年は、マレーシア(サザンライオン)の洗剤設備の増強や、 タイのオーラルケア新工場の建設を行い、2014年には、中国のオーラルケアの 新工場を稼動させ、「V-1計画」での生産能力増強を計画どおり行うことができ ました。 また、中国では、オーラルケア製品が中心に好調に推移するとともに、製品への 信頼を背景にネットを通じた販売が伸長しています。 10 海外事業の課題は、利益ある成長の獲得です。 既存国の利益率は改善しておりますが、洗濯用洗剤の売上構成が高いので、 収益性の高いオーラルケアやビューティケアなどのパーソナルケア分野の拡大 による事業ポートフォリオの改善に今後も取り組んでまいります。 また、「V-1計画」の先行投資事業のフィリピンとライオンエコケミカルズに ついては、早期の軌道化が課題となりました。 11 2014年の業績説明の最後として、2014年を最終年度とする 「V-1計画」3ヵ年の振り返りをご説明します。 「V-1計画」期間中は、おおむね想定どおりの売上成長を達成する ことができました。 国内では、主力ブランドの重点育成や営業体制の強化を行いました。 また、海外では、各国でのグローバルブランド展開を加速させて、 積極的なマーケティング活動の成果をあげることができました。 12 しかしながら、「V-1計画」では収益力の改善が大きな課題として残りました。 国内の一般用消費財事業においては、 「V-1計画」初年度である2012年に 大きく減益となりました。 営業利益が計画に対し大きく未達成となったことやROEの目標数値に届かな かったことについては真摯に受け止め、「 V-2計画」の確実な達成を目指して まいります。 13 以上の「V-1計画」の振り返りを踏まえて、 本日発表をいたしました中期経営計画「V-2計画」のアウトラインと 重点施策についてご説明いたします。 14 まず、最初に「Vision2020」における「V-2計画」の位置づけについてご説明します。 あらためて再確認という形になりますが、経営ビジョン「Vision2020」は、2012年に 当社グループが中長期的に目指す姿としてスタートしました。 15 Vision2020達成に向けて、「V-2計画」は第2弾の3ヵ年経営計画となります。 「V-2計画」では、「V-1計画」で整備した収益体制の基盤をベースに構造改革を 加速させ、収益力の向上を実現します。 同時に更なる事業成長と収益力向上を目指す「V-3計画」へのしっかりとした 布石を打つ3ヵ年とします。 16 「V-2計画」の業績目標は、 売上高4,000億円、営業利益200億円、営業利益率5%です。 営業利益率5%を実現するために、当社グループの収益構造を ダイナミックに変革していきます。 17 「V-2計画」では、 「V-1計画」で進めてきた戦略をさらに加速させて、 原価、マーケティングコスト、SCMなどあらゆる見直しを行い、収益構造改革を 推し進めるとともに、営業利益率5%の達成を実現します。 また、利益成長とともに経営効率の向上にも取り組み、ROE10% の達成により、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。 18 それでは、「V-2計画」で推し進める戦略の目標と骨子をご説明します。 「V-2計画」の最優先テーマは、収益力の向上です。 先ほど示しました「V-1計画」での課題の解決に向け、収益構造を次のレベルへ ステップアップするために、「V-1計画」で掲げた4つの戦略をさらに加速させ、 課題の核心に踏み込んだ大胆な構造改革を実行します。 19 まず、国内事業の質的成長についてです。 国内は少子高齢化が進行する中、103%の売上成長、1.4ポイントの営業利益率の 改善、No.1ブランドの売上構成を現在の2倍以上とすることを目指してまいります。 利益率改善に向けた主な取り組み内容としましては ①高付加価値品、市場創造型商品の開発によりお客様の選択型消費の取り込みを これまで以上に徹底します。 ②オーラルケア、ファブリックケア、薬品分野などの戦略分野へ経営資源を集中させ、 マーケティング投資の効率化を進めます。 ③生産供給体制を整備し、リードタイムの短縮や在庫削減に加え、物流管理体制の 効率化などロジスティクス面の見直しを行い、SCM効率の最大化を図ります。 20 産業用品事業につきましては、当社の化学品事業とグループ子会社を統合 し、 売上高300億円規模の新会社を設立いたします。 この事業再編により、分散していた社内シーズを集約し、海外も含めたお客様 への重点的アプローチの強化に取り組むとともに、調達、生産、物流を一本化 することにより海外でのマーケティング体制の整備を進めてまいります。 また、衛生診断・管理ビジネスを充実することで、業務用洗浄剤事業の更なる 拡大を図ります。 これらの施策などにより、産業用品事業の営業利益率は2.1ポイントの改善を 目指します。 21 次に海外事業の量的成長です。 海外では、アジアでのプレゼンスをさらに高めるとともに、収益基盤の構築を 図ってまいります。3年間の売上成長は130%、営業利益率は2.1ポイントの 改善を目指します。 海外事業拡大に向けた主な取り組みとしましては、 ①拡大する中間所得層の取り込みを確実に行うため、グローバルブランドの育成 や付加価値の高いパーソナルケアブランドを強化し、売上成長とともに商品ミックスの 改善を図ります。 ②北東アジアにおける生産拠点の域内相互供給を強化し、生産供給体制の最適 化を図るとともに、グループシナジーを高めて開発スピードをさらに加速させます。 ③「V-1期間」中の先行投資事業については、早期に軌道化を進め、収益性の 改善を図ります。 ④AEC(ASEAN経済共同体)発足を睨んで、展開エリアの拡大を進め、成長を 加速させてまいります。 22 新しいビジネス価値の開発では、 まず、通販事業では、プロモーションや生産調達体制を徹底的に見直し、 成長への再チャレンジに取り組みます。 2015年4月から開始となる食品の機能性表示への対応ですが、 今期中に「ラクトフェリン」での対応を皮切りに、他の商品表示にも拡大し、 1人当たりのお客様の購入額の増加に向けた取り組みを推進します。 生産調達体制の見直しや第2、第3の柱となる商品開発の強化を行い、 成長事業の柱としていきます。 また、ネットチャネルへの取り組みを強化し、生活者の購買プロセスに即した 商品提供を行ってまいります。 さらに、将来のさらなる成長に向けて、健康領域の新規ビジネスや その他の新規事業の探索を継続してまいります。 23 第4の戦略、組織学習能力の向上につきましては、育児や介護といった社員 それぞれのライフイベントに合わせたキャリアアップ施策や制度の充実を図ります。 また、昨年開設いたしました生活情報サイト「Lidea」によるお客様との双方向 コミュニケーションを充実させるとともに、デジタルマーケティングプラットホームを 活用して、製品開発やマーケティングに活かしてまいります。 24 「V-2計画」における投資戦略の考え方をご説明します。 質的改善に向けた機能強化やイノベーションに向けた体制整備への投資を 最重点に行ってまいります。 ①設備投資につきましては、生産効率化や情報インフラの強化に向けた投資 を増加させ、収益性の改善につなげてまいります。 ②イノベーション投資においては、薬品分野や機能性食品等のライフサイエンス 分野の強化を中心に積極投資を行い、国内外の数多くのイノベーションに つなげていきます。 ③マーケティング投資では、国内、海外とも宣伝を積極的に投下して、 No.1ブランドの育成をスピードアップしてまいります。 ④新規事業への投資につきましては、新規事業のインキュベーションやシナジー 効果がある外部資源の活用を視野に、成長への布石を打ってまいります。 25 中計の最後に、株主還元の考え方をご説明します。 株主還元につきましては、永続的かつ安定的な配当を継続することを基本と 考えておりますが、今後は業績や内部留保の必要性などを総合的に判断した うえで、配当や自己株式の取得など総株主還元の充実を目指してまいります。 26 つづきまして、2015年の年間業績予想をご説明します。 27 2015年度の損益予想です。 年間の売上高は、前期比で約80億円増の3,750億円を想定しています。 営業利益は135億円、営業利益率3.6%、経常利益150億円、 当期純利益75億円を見込み、営業利益、経常利益は最高益更新の継続を 目指します。また、配当につきましては、年間10円を予定しております。 28 次に、セグメント別の売上高の予想です。 一般用消費財事業では、台所洗剤で、画期的な大型新製品 「CHARMY Magica」を発売するなど高付加価値品の更なる拡大による事業成長に 加え、収益性向上をより確かなものにいたします。 産業用品事業は、化学品分野において、昨年に引き続き低採算商品の見直しを 進めるため、上期は減収となりますが、下期より新事業体制に移行し、年間では 前年並みの成長としています。 海外事業は、引き続き事業拡大と商品ミックスの改善に取り組み、5%程度の成長 を見込んでいます。 29 最後になりますが、このスライドは過去11年間の営業利益の推移です。 本日ご説明しましたとおり当社が今後も取り組むべき課題はありますが、 当社の収益体質は着実に改善しております。 今年度は収益構造改革をさらに推し進めて、収益力の向上に向けた 基盤固めの年とし、過去最高益更新を目指してまいります。 以上で、説明を終了させていただきます。 今後とも、よろしくお願いします。 30 31
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