バリアタイププラズマリアクターによる 脱臭技術

IEJ99
バリアタイププラズマリアクターによる
脱臭技術
○大久保 雅章,亀高 秀也,山本 俊昭
大阪府立大学 工学部
エネルギー機械工学科
緒 言
„
家庭用生ごみ処理機の登場によって、家庭より出る生活
ごみの処理がバイオチップ技術により行われている.
„
その処理を行う際の脱臭のための、小型で効率の高い
装置が望まれている.
„
この装置として,我々は家畜舎内の悪臭除去や揮発性
有機化合物(VOC)の分解処理、窒素酸化物の除去の分
野で注目を集めている非平衡プラズマリアクタを検討して
いる.
„
本研究では生ごみあるいはタバコの悪臭の重要な成分
であるアンモニアガスの除去を、非平衡低温プラズマ処
理によって行った結果を報告する.
バリア型パックドベッドプラズマリアクタ
Gas flow
AC power supply
Pyrex
glass
Silicon rubber
bushing
Copper
mesh
BaTiO3
pellets
Discharge
wire
Gas flow
– Inner diameter of the reactor =20 mm
– BaTiO3 pellets: d=1.7~2.0 mm, ε =10000
– AC high voltage (Max. 20kV) of 60Hz was applied to the reactor.
アンモニア分解のための実験装置概略
N2O & CO2
analyzer
Oscilloscope
AC power
supply
Sampling
port
Air
pump
NH3 + Air
(CH3CHO)
Mass flow
controller
Plasma
reactor
Exhaust
NOx & CO
analyzer
ペレット高さと銅網電極の長さ
Gas flow
BaTiO3 Copper
pellets mesh
h
H
Gas flow
„
特に指示しない限りH=260mm,h=130mmの場合の結果
を以下に示す
„
滞留時間は1L/minの場合におよそ2.4s
初期濃度を変えた場合のアンモニア分解効率
Decomposition efficiency (%)
100
80
Q=1.0 L/min
20 ppm
60
60 ppm
40
20
0
0
Initial concentration
=100 ppm
2
4
6
8
10 12 14 16 18 20
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)
アンモニア分解時における副生成物
Concentration (ppm)
60
Q=1.0 L/min
50
40
30
NO
NOx
CO
N2O
NH3
20
10
0
0
2
4
6
8
10 12 14 16 18 20
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)
„
N2Oの濃度が比較的高いが,他はほとんど発生していない
„
プラズマリアクタの出口付近に白い粉末が付着した.文献(3)
で報告されているように,これは硝酸アンモニウム
である可能性が高い.
アンモニア分解に及ぼす空気中の水分の影響
100
Concentration (ppm)
80
60
40
20
0
0
Q=2.0 L/min
Dry
Humidified
2
4
6
8
10 12 14 16 18 20
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)
アンモニア分解に及ぼすペレット高さの影響
60
Concentration (ppm)
50
40
30
Q=1 L/min
H=260 mm
20
h=0 mm
h=130 mm
10
h=260 mm
0
0
2
4
6
8
10 12 14 16 18 20
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)
リアクタの消費電力と印加電圧の関係
10
Power (W)
8
Silent corona
6
4
2
0
0
„
BaTiO3
5
10
15
20
25
Peak-to-Peak Voltage ,Vp-p (kV)
以上の結果から,無声放電でもアンモニアの分解は可能であるが,
パックドベッドリアクターを使用した方が低い消費電力で分解可能
であることがわかる.
混合ガスと単一ガスの分解効率の比較
50
Concentration (ppm)
Q=1 L/min
40
30
20
: NH3 only
: NH3 in mixture
: CH3CHO only
: CH3CHO in mixture
10
0
0
2
4
6
8
10 12 14 16 18 20
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)
まとめ
„
アンモニアは完全に分解可能であり,最大 10 ppm の
N2 O が検出されたがNOx,COはほとんど発生してい
ない.
„
湿気を帯びたアンモニアは,乾燥している場合に比べ
て分解されにくい.
„
無声放電によりアンモニアは分解できるが,バリアタイ
ププラズマリアクターよりも効率は悪い.
„
ペレット径がアンモニアの分解効率に及ぼす影響はあ
まりみられなかった.
„
他の臭いの元であるアセトアルデヒドの存在下でも,ア
ンモニアの分解効率は単独ガスの分解効率と比較して
大きな差は見られなかった.
Ozone concentration (ppm)
オゾン濃度の測定結果
500
400
300
1.0 L/min
2.0 L/min
4.0 L/min
200
100
0
0
5
10
15
20
25
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)
初期濃度を変えた場合のアンモニア分解効率
Decomposition efficiency (%)
100
Q=2.0 L/min
80
60
60 ppm
40
20
0
0
Initial concentration
=100 ppm
20 ppm
2
4
6
8
10 12 14 16 18 20
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)
無声放電によるアンモニア分解に及ぼす電極幅の影響
60
Concentration (ppm)
50
40
30
20
10
0
0
Q=1.0 L/min
h=0mm
H=50 mm
H=150 mm
H=260 mm
2
4
6
8
10 12 14 16 18 20
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)
アンモニア分解に及ぼすペレット高さの影響(H=50mm)
60
Concentration (ppm)
50
40
30
20
Q=1.0 L/min
H=50 mm
h=0 mm
h=50 mm
10
0
0
2
4
6
8
10 12 14 16 18 20
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)
アンモニア分解に及ぼすペレット径の影響
80
Concentration (ppm)
70
60
50
40
Q=1.0 L/min
d=1 mm
20
d=2 mm
d=3 mm
10
30
0
0
2
4
6
8
10 12 14 16 18 20
Peak-to-Peak Voltage, Vp-p (kV)