薬の伝言板 ~食中毒~ No.213 2015 年 8 月 丸子中央病院 薬局 食中毒とは 食中毒は大きく分けて細菌性・ウイルス性・自然毒の3つのものがあります。1番多いのは細菌 性食中毒で、夏場に発生しやすいのが特徴です。細菌性食中毒はさらに感染型と毒素型の2つ に分けることが出来ます。感染型は細菌に感染した食品を摂取し、体内で増殖した細菌が病原性 を持つことで起こる食中毒です。 代表的な原因菌としてサルモネラ・腸炎ビブリオ・病原性大腸菌などが あります。毒素型は食品内で細菌が産生した毒素を摂取することで起こ る食中毒で、代表的な原因菌として黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌などが あります。 症状 一般的には下痢・腹痛・発熱・嘔吐などの症状が出ます。また、 便に血が混じることもあります。食中毒の起こった原因菌によって、 症状やその症状が出るまでの時間は様々です。 対処 1.下痢や嘔吐がある時は、十分に水分をとり、脱水に注意しましょう。 2.自分で判断して下痢止めを飲んでしまうと菌を体の外に出すことが出来ず症状が悪化してしま うことがあります。まずは近くの医療機関に受診しましょう。 3.脱水を予防するため、症状が重い場合には輸液を点滴しなければなりません。早めに受診し ましょう。 食中毒の予防 1.食中毒予防には、手を洗うことが何よりも重要です。調理の前、生ものにさ わった後、食事の前、何をおいてもまず手を洗いましょう。 2.食品を買ったら、冷蔵や冷凍の必要なものは、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。 開封、開栓した食品は、早めに使い切りましょう。 3.食後の食器や調理器具は、水に浸して置いておくと、余計に細菌 が繁殖してしまいます。食べ終わったらなるべく早く洗いましょう。 タオルやふきんは、清潔な乾燥したものを使いましょう。塩素系消 毒薬での消毒も効果があります。 治療薬 ミヤBM細粒 整腸剤 ラックビー微粒N ビオスリー配合錠 など 乳酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌の バランスを整え、食中毒の原因菌の定着を 防ぎます。 クラレットカプセル 下痢止め ロペミン細粒 下痢による脱水症状を防ぎます。 など ホスミシン錠 抗生物質 食中毒の原因菌を抑え、症状を軽くしま クラビット錠 など 輸液 す。 ソリタT-3号輸液 下痢や嘔吐により失われた水分や電解質 ポタコールR輸液 を点滴で補います。栄養補給の役割もあり など ます。 暑さの続く今のような季節には、食中毒が発生しやすく なります。家庭での発生では症状が軽かったり、発症する 人が1人や2人のことが多かったりすることから風邪や寝 冷えなどと思われがちで、食中毒とは気づかれず、重症化 することもあります。自宅では手洗いをしっかり行い、生 さ か い ものは十分に火を通して食べるようにしましょう。 文責 薬局 宮川・峯村 実習生 酒井
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