ブラジルレポート6月号

2015 年 6 月 10 日作成
ブ ラ ジ ル 市場レポート
ブラジル債券の投資環境 下期の展望
SANNS2500087
ブラジル第 1 四半期のGDP成長率は前期比で▲0.2%となり、3 四半期振りに落ち込むとともに景気後退の様相が強まっています。
一方、中央銀行は高止まりを続ける物価を抑制するために 6 月の政策決定会合にて 6 会合連続となる政策金利の引上げを決定、2008 年 12 月
以来の高い水準となる 13.75%にしました。
また政府は財政再建を軸とした予算案を議会に提出、今年度の支出を 699 億レアル削減し、金融機関への課税強化によってプライマリーでの
黒字目標額を 663 億レアル(対GDP比で 1.1%)に設定しています。
歳出削減と課税強化、補助金廃止による公共料金の値上げ等は短期的には経済活動を停滞させる要因となるものの、政府は民間主導による約
1,900 億レアル規模のインフラ投資の計画を 6 月に発表しました。
GDPと各コンポーネントの推移
200
今期はマイナス成長になる見込みだが
195
290
280
190
今年 1-3 月期のGDPは前期比で▲0.2%とマイナス成長となった。これまでプラスで推移
185
していた家計部門がマイナスに落ち込んだことが大きく響いている。物価上昇、社会保障
175
費の削減などによって内需が後退した。一方、輸出入は共に前期比でプラスとなり外需に
ついては回復の兆しも見え始めている。農産物の外需増加と原油安が背景と見られる。政
府の歳出削減等の影響によって 4-6 月期もマイナス成長が予想され、今年度については▲
270
260
180
250
240
170
230
165
1995=100 として指数化
160
155
GDP
150
I
II III IV
I
II III IV
2010
1.2%程度の減速となる模様。
消費
I
2011
固定資本投資
II III IV
I
II III IV
2012
220
210
輸出
I
2013
II III IV
2014
200
I
2015
データ元:QUICK
中銀は物価への警戒姿勢を緩めず
18
政策金利(左軸)
16
拡大消費者物価(右軸)
9
10年物国債利回り(左軸)
8
今回の利上げによって政策金利は 7 年半振りの高い水準となりました。ブラジル中央銀行
14
7
は 2016 年末には物価を目標値である 4.5%に収束させるとの姿勢を示しており、足元の物
12
6
10
5
8
4
データ元:ブラジル中銀
6
08
財政再建は着実に進む
1 月に新経済チームが発表した財政再建案に基く予算案が審議中となっており、一部の法案
は上下院の反対などで難航しているものの、政府は裁量支出 699 億レアルの削減を打ち出し
ており、この計画によれば政府のプライマリー黒字幅は対GDP比で 1.1%程度となる模様。
懸念されていた社会保険納付率や年金、失業保険削減幅の縮小については両院を通過する見
込みとなっており、着実に支出削減は進行している様子。今後は税収の落ち込みをどのよう
にカバーしてゆくのか注目されよう。
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Jan
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May
Sep
Jan
May
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Jan
May
Sep
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May
Sep
Jan
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May
Sep
Jan
09
May
Sep
Jan
May
ら物価は年後半に向けて落ち着きを取り戻し、穏やかに低下してゆくと思われる。
May
3
Jan
ここ 1 年の物価上昇のけん引役であった公共料金の上昇傾向もピークに達していることか
Sep
価が 8%を超えて高止まりしている状況下にて警戒姿勢を緩める気配は見られない。ただ、
15
対GDP(%)
150 単位:億
100
2%
50
0
0%
-50
-100
-2%
財政赤字(左軸)
-150
-200
4%
基礎収支(左軸)
対GDP(右軸)
00
02
04
06
-4%
データ元:ブラジル中銀
08
10
12
14
16
PIL、インフラ投資は 1,984 億レアル!
政府は 6 月 9 日、中国資本によりペルーと共同で建設する南米大陸横断鉄道の建設といった国際事業を含めた 1,984 億レアル規模のインフラ整
備事業の投資計画 (PIL) を発表した。内訳は高速道路事業が 661 億レアル、鉄道が 864 億レアル(このうち中国資本の共同事業は 400 億)、港
湾が 374 億レアル、空港が 85 億レアルとなっており、2015 ~ 2018 年は高速道路中心に 692 億レアル規模、2019 年以降は 1,292 億レアル規模
のインフラ投資が計画されている。民間企業主導のPFI手法を用いた資金調達を計画している。政府は利上げと財政緊縮による景気の後退を
PILによって抑える目的もある。
レアルは指標の改善と共に下期は穏やかな堅調地合いへ
4-6 月期の経済活動は前期に続いて鈍い状態となるものの、欧米の景気回復とともに外需主導で徐々に回復する動きが期待されます。また、物
価も下期には収束してゆくと予想され、インフレの後退、財政の再建を見越した中長期的な海外マネーが下期には流入して来ると期待します。
米国の利上げの影響は利上げ速度が穏やかなものであればレアルへの影響は軽微なものとなるでしょう。
100
ドル・レアル
レアル・円
1.0
欧州危機
リーマンショック
米国金融引
締め懸念
90
1.5
ルーラ政権への懸念
80
2.0
70
60
2.5
50
3.0
40
純債権国に転換
3.5
30
20
ルセフ政権発足
財政健全化に着手
約11年振りの水準
J MM J O D F M J S N F A J A N J A J A O J MM A O D MM J S D F A J S N J A J A O J MM A O D F M J S D F A J S N J A J A O J MM A O D MM J S D F A J S N J M J A O D MM
99
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4.0
データ元:QUICK
15
1. 外貨建て債券取引にかかるリスク
重要な注意事項
外貨建て債券取得時よりも外貨の円に対する為替水準が低くなった場合(円高時)には債券を円換算した
価値は下落し、反対に外貨の円に対する為替水準が高くなった場合(円安時)には債券を円換算した価値
為 替 変 動 リスク
は上昇します。したがって利金・償還金もしくは債券売却代金として支払われる外貨の円に対する為替水
準によって上下し、これにより投資元本を割込む恐れがあります。
金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動などにより、損失が生じる恐れがあります。市場価
価 格 変 動 リスク 格は基本的に市場の金利水準の変化に対応して変動します。金利が上昇する過程では債券価格は下落し、
逆に金利が低下する過程では債券価格は上昇することになります。したがって、償還日よりも前に換金す
る場合には市場に応じた価格での売却となりますので、投資元本を割込む恐れがあります。
信 用 リ ス ク
発行体の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本割れや支払いが
遅延または不払いとなる恐れがあります。
カントリーリスク 利金・償還金もしくは売却代金として支払われる外貨発行国の国情の変化により、投資元本割れや途中売
却ができなくなる恐れがあります。
流 動 性 リ ス ク 市場環境の変化により流動性(換金性)が著しく低くなった場合、途中売却ができなくなる恐れがありま
す。
2. 外貨建て債券取引にかかる手数料等諸費用について
■ 外貨建て債券を三京証券と相対で取引 ( 店頭取引)する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
■ また外貨建て債券の取引に際して円貨から外貨へ、もしくは外貨から円貨へ交換する際には外国為替市場の動向をふまえ
て三京証券が決定する為替スプレッドを加味した為替レートを適用するものとします。当該スプレッドについてのご質問
は担当者もしくは最寄りの店頭にお尋ねください。
■ 外貨建て債券のお取引に際しては「外国証券取引口座設定申込書」を取り交わす必要がございます。三京証券約款集の
「外国証券口座約款」をご一読ください。
3. 外貨建て債券取引にあたっての留意点について
● お申込みの際は、必ず『外貨建て債券の契約締結前交付書面』をお読み頂き、説明を受けご理解して頂いたうえで、お客
様ご自身の判断によりお申込みください。なお、不明な点があれば担当者にお問い合せください。
● 利金・償還金ともに外貨建てですが、三京証券ではこれを原則円貨に交換して、お客様の口座に入金いたします。
● 国内受渡は通常、約定日から起算して4営業日目 ( 約定日を含む)となります。
● 国内での利金・償還金のお支払いは各利払日、償還日の翌営業日以降となります。
● 既発債(既に発行され流通市場で取引されている債券)につきまして、販売価格、買取価格は随時変動いたします。
● お客様が三京証券にてご購入された債券は「外国証券口座約款」に基づき証券指定の海外保管機関において保管されます。
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金融商品取引契約をされる場合、当該金融商品の「契約締結前交付書面」
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