平成27、28年度福岡県薬剤師会代議員選挙結果の告示

福岡県薬剤師会雑誌
平成27年4月1日発行(毎月1日発行)
昭和63年11月1日 第三種郵便物承認
第28巻
第4号(通号323号)
平成27、28年度福岡県薬剤師会代議員選挙結果の告示
<視 点>
新年度を迎えるにあたって
福岡県薬剤師会会長 藤野 哲朗
<常務理事会・理事会>
第10回常務理事会
第524回理事会
<通 達>
<医薬品情報>
遠賀町国民健康保険被保険者証の
様式変更について
<審査ニュース164号>
歌にわたしは泣きました
<研 修>
請求レセプトの一次審査における
審査委員会の疑義について
「ヒヤリ・ハット」
と
「処方チェック」の
実際(164)
http://www.fpa.or.jp
E-mail: [email protected]
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
視 点
新年度を迎えるにあたって
福岡県薬剤師会会長 藤野 哲朗
春風のさわやかな季節を迎え、会員の皆様
におかれましては、お健やかにお過ごしのこ
とと存じます。
2月から相次いで報道のあった薬剤服用歴
の未記載問題は、薬剤師全体ならびに保険調
剤の信頼性をおとしめる行為であり、あって
はならないことであります。再度、薬剤師の
責務を確認し倫理観の醸成を促すため、九州
厚生局とタイアップし保険調剤研修会を開催
させていただきました。多くのご参加ありが
とうございました。
さて、福岡県薬剤師会が「公益社団法人」
として新たなスタートを切って2年が経過し
ました。薬剤師を取り巻く環境は日々変化し
ており、各方面から求められるニーズは処方
箋による調剤業務、服薬指導にとどまらず在
宅医療やセルフメディケーションに関係した
新たな領域にまで拡大してきています。公益
社団法人として行政や諸団体からの本会に対
する要求も多岐にわたり、専門性の高い研修
を含む事業の増加や、県庁各機関等の会議へ
の参画など、年を追うごとに増加しています
が、これらは薬局、薬剤師が社会に求められ
ている現れであり、今年度も地域で貢献でき
る環境の整備にますます取り組む所存です。
健康拠点推進事業として、セルフメディケー
ションや在宅医療に関する研修会の充実、薬
局におけるヘルスアセスメントに関する事業
の実施、薬事情報センターを中心とした県民
向け健康食品パンフレットの作成等を継続し
て実施します。
地域医療介護総合確保基金を活用した事業
は、各薬局における在宅医療における各種課
題を解決するための事業でもあり、
「医療材料
や衛生材料を薬局間、医薬品卸等で必要に応
じ融通できるシステムの構築」
「主に在宅業務
を行う薬剤師を確保するための短時間勤務等
の求人求職マッチングシステムの構築」
「現場
を離れている女性薬剤師の復職支援」
「医療機
関の地域連携室等との連携を図ることによる
在宅医療への参加促進」
「在宅業務において必
須となるヘルスアセスメントの概念に関する
研修」の5事業から構成されており、今年度
はより実践的な内容での実施を計画していま
す。
また、専門性の高い薬学領域の知識の獲得
を目的とした腎臓病、抗癌治療、緩和医療の
3つの認定、専門薬剤師取得のためのセミナー
を開催し、あわせて、在宅における医療事故、
過誤防止の観点に基づくセミナーの開催も予
定しています。
現在、薬局に対して在宅医療を実施できる
体制整備に加え、セルフメディケーションの
提供等、地域の健康情報拠点としての役割も
求められていますが、調剤中心の薬局の経営
のあり方に関しては、見直すべき点が多々あ
り県民から評価を得ることのできる薬局を育
成していかなければなりません。本会では、
3月発行の「福岡県版薬局グランドデザイン」
に基づき、会員薬局の多くが地域に密着した
健康拠点となれるよう、その体制強化を進め
る予定です。
最後になりますが、更なる本会の発展のた
め全力を傾注する所存でございますので、皆
様のご協力を賜りますようよろしくお願い申
し上げます。
1( 177 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
常務理事会
第10回常務理事会
日時 平成27年2月17日(火)14時
場所 福岡県薬剤師会館 第一会議室
出席者:藤野会長、金岡、濱、井上章、三浦、竹本各副会長、原口専務理事、大竹、福井、井上嘉、
前田、東、青木、満生、小田各常務理事
【会長挨拶】
・薬局等構造設備規則改正案
・4月19日に臨時総会が開催
・薬局備え付け規則見直し
・26年度決算は、5、6千万円の剰余金が出
〔広報編集〕東常務
て、積立も順調に出来る見通し
視点原稿順番確認
・国民健康保険は、都道府県に国保運営協
〔生涯学習〕青木常務
議会が設置される予定
平成26年度日本薬剤師会生涯学習担当者
全国会議報告
・2月21、22日日薬臨時総会開催。九州山
口ブロック代表質問を原口専務理事が行
〔薬学教育〕三浦副会長
う
大学との合同研修会
〔職能対策〕小田常務
【報告事項】
平成26年度医薬分業指導者協議会
(3/23)
1 会務報告(原口専務理事)
〔医療安全対策〕井上副会長
平成26年度調剤事故報告
2 代議員選挙立候補状況
〔学校・環境衛生〕井上常務
平成26年度第2回学校・環境・衛生研修
会(1/31)報告
3 委員会報告
〔医療・在宅〕福井常務、小田常務
〔DI(情報センター)
〕小田常務
・第39回保険薬局セミナー報告
・薬事情報センター運営委員会メンバー
・平成27年度診療(調剤)報酬請求書等の
・ホームページ更新・修正記録(4/1 ∼
2/9)
提出日
・薬局における患者のプライバシーへの配
慮促進
・薬剤服用歴記載と明細書発行の徹底
4 組織強化に向けた事業
・
「薬局・薬剤師のグランドデザイン」策定
協議会(原口専務理事)
・都道府県、市町村における在宅医療、介
護保険
・
「認定・専門薬剤師」取得へ向けた各学会
との協賛トライアル事業(井上副会長)
〔薬局・地域保健〕前田常務
・福岡県ゲートキーパー養成研修
・第1回 JSNP 認定セミナー参加申し込み
状況
・
「卒煙サポート薬局」ステッカー
・新たな認知症施策推進総合戦略(新オレ
・JASPO、福岡県薬剤師会との合同事業
2015年7月スタート
ンジプラン計画)
2( 178 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
常務理事会
[協議事項]
・学会とのトライアル事業 緩和に関する
1 確認事項
プログラム策定スタッフ
講師派遣依頼
5 地域医療介護総合確保基金事業
2 平成27年度事業計画(案)
(満生常務)
・在宅医療における医療材料、衛生材料、
3 平成26年度補正予算および平成27年度
予算(案)
(満生常務)
医療用麻薬の供給体制の整備(小田常務)
・地域包括ケアを担う薬剤師確保のための
システム構築(小田常務)
・平成26年度収支中間報告
・委員会予算
・未就業薬剤師の現場復帰の支援
・平成26年度収支補正予算書(案)
(青木常務)
・平成27年度収支予算書(案)
・休職中や職場復帰計画中の女性薬剤師の
4 平成27年度年間会議予定(満生常務)
ためのセミナー
参加申し込み総数 69人(2/13現在)
5 第113回臨時総会付議事項内容
(満生常務)
第1回参加者 1/21北九州12人、1/28久
留米10人、1/30福岡28人
・薬局薬剤師の在宅医療参加促進事業
(前田常務)
・薬局薬剤師のスキルアップ研修
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ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
理事会
第 524 回 理 事 会
日時 平成27年3月5日(木)14時
場所 福岡県薬剤師会館 第一会議室
出席者:藤野会長、金岡、井上章、三浦、竹本各副会長、原口専務理事、大竹、福井、井上嘉、東、
青木、満生、小田各常務理事、原、湯川、山澤、因間、友安、島添、山野、宮﨑、満安、
有吉、宮谷、木原、福元、仙敷、田中、竹野、藤浦各理事、牛島監事
の報告に係る周知(依頼)
【会長挨拶】
・薬剤師の国家試験も終ったが合格率がか
・都道府県、市町村における在宅医療、介
護連携
なり厳しい見込み
・来年度の診療報酬改定に関し4月12日に
日薬で公開討論会が開催される。薬剤師
〔薬局・地域保健〕金岡副会長
ゲートキーパー養成研修参加者数(2/14
福岡74人、2/28 北九州75人)
倫理を県薬で実施。東京都薬が薬局薬剤
師の監視に入る
〔生涯学習〕青木常務
・平成26 年度日本薬剤師会生涯学習担当者
全国会議報告
【報告事項】
1 会務報告(原口専務理事)
・第15回ファーマシューティカルケアシン
ポジウム報告
2 代議員選挙状況(満生常務)
参加者:195人(担当役員・委員含む)
〔薬学教育〕三浦副会長
3 会長候補者選挙(満生常務)
大学合同研修会日程
〔職能対策〕小田常務
4 各委員会報告
平成26年度医薬分業指導者協議会
(3/23)
〔総務〕満生常務
〔DI(情報センター)
〕小田常務
・公益法人制度改革による固定資産税
情報センター
・役員傷害保険
・薬事情報センター運営委員会メンバー
〔医療・在宅〕福井常務、小田常務
ホームページ
・保険薬局の指定(更新)
・ホームページ更新・修正記録(4/1 ∼
2/27)
・薬局における患者のプライバシーへの配
慮促進
・薬剤服用歴記載と明細書発行の徹底
5 組織強化に向けた事業
・薬剤服用歴の記載状況の自主点検のお願
・
「薬局・薬剤師のグランドデザイン」策定
協議会(原口専務理事)
い
・保険薬局の調剤基本料の算定に伴う「処
・
「認定・専門薬剤師」取得へ向けた各学会
との協賛トライアル事業(有吉理事)
方せんの受付回数および特定の保険医療
機関に係る処方せんによる調剤の割合」
・JSNP 出前広報資料
4( 180 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
理事会
〔協議事項〕
・第1回 JSNP 認定セミナー参加申し込み
1.会員入会審査および会員名簿登録情報
状況
の変更(12 ∼1月分)
・JASPOとのトライアル事業打ち合わせ
承認
(2/28)報告
2.平成27年度事業計画(案)
6 地域医療介護総合確保基金事業
承認 ・在宅医療における医療材料、衛生材料、
3.平成26年度補正予算および平成27年度
予算計画(案)
医療用麻薬の供給体制の整備(小田常務)
・平成26年度補正予算
・地域包括ケアを担う薬剤師確保のための
承認
システム構築(小田常務)
・未就業女性薬剤師の現場復帰の支援
・平成27年度予算計画(案)
(青木常務)
承認
休職中や職場復帰計画中の女性薬剤師の
4.代議員選挙管理委員会からの措置要求
および代議員選挙規程の改善案
ためのセミナー
・公益社団法人福岡県薬剤師会代議員選
・参加申し込み総数:72人
挙規程の変更
(3/2現在)
・第1回参加者:1/21北九州12人、
承認
1/28久留米10名、1/30福岡28人
・代議員選挙立候補に係る様式第1∼4
号の変更
・第2回参加者:2/12久留米11人、
2/20福岡30名、2/20北九州13人
5.第113回臨時総会 付議事項の内容
・薬局見学申し込み者数:2人
(原口専務理事)
(3/2現在)
6.平成27年度理事会および地区連絡協議
会の日程
・薬局薬剤師の在宅医療参加促進事業
(小田常務)
地区連絡協の日程を承認
地域連携に関するリーフレット作成
7.その他
・薬局薬剤師のスキルアップ研修
・会長から協会けんぽと「福岡県民の健
(金岡副会長)
康づくりの推進に向けた包括的連携に
薬局薬剤師のスキルアップ研修参加者
関する協定書」の締結をしたい旨の申
し出があり、全会一致で承認
数(2/8飯塚57人、3/8北九州101人予定、
3/15久留米59人予定、
3/29福岡134人予定)
・牛島監事から「県薬会報」への掲載状
況について、ほとんどの委員会の活動
状況は掲載されているが、総務委員会
のみ掲載されていない。特段の理由が
なければ掲載すべきの意見あり
5( 181 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
委員会の動き
会議録
第 8 回
総
務
委
員
会
第 12 回 広 報 編 集 委 員 会
日 時:平成27年2月26日
(木)15時
場 所:福岡県薬剤師会館 第一会議室
出席者:藤野会長、井上副会長、満生常務理事、
因間、山野、満安各理事
〔議題〕
1.平成27年度事業計画(案)
2..平成26年度補正予算および平成27年度
予算(案)
3.公益法人制度改革による固定資産税
4.代議員選挙規程
5.役員の任期と会長候補者推薦
6.役員傷害保険
日 時:平成27年3月4日
(水)15時
場 所:福岡県薬剤師会館 第二会議室
出席者:藤野会長、濱副会長、東常務理事、
宮谷理事、冨田委員、野中県病薬理
事
〔議題〕
1.「県薬会報」3月号
2.4月号編集方針
3.くすりのセミナー福岡
4.福岡県薬剤師会ホームページ掲載
第 9 回 医 療 ・ 在 宅 委 員 会
第46回 薬事情報センター運営委員会
日 時:平成27年3月4日
(水)15時
場 所:福岡県薬剤師会館 第一会議室
出席者:藤野会長、濱副会長、福井、小田各
常務理事、安東、因間、満安、木原、
仙敷、田中各理事、髙木、竹下、岡本、
中井、星野、内田、森重、有吉、島
田各委員、満生オブザーバー
〔議題〕
1.伝達事項
2.日薬医療保険委員会
3.研修会開催
日 時:平成27年3月13日
(金)15時30分
場 所:福岡県薬剤師会館 第一会議室
出席者:藤野会長、井上副会長、原口専務理
事、小田常務理事、田尻、因間、有吉、
田中各理事、堤(県医師会専務理事)
、
勝俣(県歯科医師会常務理事)
、臼間
(大日本住友製薬㈱)
、二宮(㈱アス
テム)各委員、上田オブザーバー(薬
務課課長技術補佐)
、満生オブザーバ
ー(常務理事)
、神、松永、佐々(薬
事情報センター)
〔議題〕
1.平成26年事業報告
2.平成27年度事業計画案
3.平成27年度予算案
4.薬事情報センター設置規程案
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ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
お知らせ
平成27・28年度公益社団法人福岡県薬剤師会代議員
選挙結果の告示について
平成27年3月9日
公益社団法人福岡県薬剤師会
会 長 藤野 哲朗
平成27・28年度代議員選挙につきまして、3月6日に本会代議員選挙管理委員会の渡邊泰祐委
員長より、選挙区ごとの当選者の報告を受けたことから、下記のとおり告示いたします。
なお、任期は平成27年3月9日から2年後の代議員選挙の終了の時まで(平成29年3月予定)
です。
記
当選者110名(敬称略)
●福岡市薬剤師会【定数32名】
小野 信昭、春日 晃、川上 繁、楠本 哲也、栗岡 慎一郎、瀬尾 隆、髙丘 幸秀、
髙木 淳一、髙濱 剛、武智 秀明、田中 泰三、田中 智行、田中 範江、玉木 徹、
津田 和敏、中島 英之、中村 智海、原口 恵子、原田 美代子、東 健一、平川 雅章、
藤島 一寿、正岡 民次、丸野 重信、光安 龍彦、見元 希六、村尾 公康、女賀 信子、
山村 伸也、山本 和宏、吉田 武夫、吉村 宏
●宗像薬剤師会【定数2名】
井野 博文、庄野 泰英
●粕屋薬剤師会【定数3名】
大隈 英彰、渡邊 賢、上田 秀世
●筑紫薬剤師会【定数7名】
岩井 俊二、岡本 知大、金岡 正健、竹下 文明、武末 浩人、濱口 朋広、吉村 幸治
●糸島薬剤師会【定数2名】
國武 雅弘、細川 禎久
●朝倉薬剤師会【定数2名】
平位 典嗣、平位 昌稔
●久留米三井薬剤師会【定数7名】
杉本 奈緒美、白木 秀和、石川 裕司、今村 葉子、吉永 美恵、園田 茂、中井 洋介
●八女筑後薬剤師会【定数3名】
永松 武敏、平田 剛、森 健司
●浮羽薬剤師会【定数1名】
万田 富彦
7( 183 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
お知らせ
●柳川山門薬剤師会【定数2名】
井村 亨、山本 晶弘
●大川三潴薬剤師会【定数1名】
坂本 泰敏
●大牟田薬剤師会【定数4名】
松本 健太郎、森田 宏樹、徳永 恵一郎、橋川 功
●遠賀中間薬剤師会【定数2名】
森 保、保田 宜希
●若松薬剤師会【定数2名】
合田 昌弘、石井 裕太
●八幡薬剤師会【定数8名】
脇園 隆二、星野 正俊、藤本 正憲、有吉 浩文、北代 芳明、里村 尚俊、永嶋 友洋、
松田 敏克
●戸畑薬剤師会【定数2名】
安田 和義、倉石 恵利子
●小倉薬剤師会【定数10名】
松田 亨、松浦 昭仁、平川 剛、武内 康文、森 康弘、山岡 光恵、髙瀬 真悟、
入江 利行、久保 正樹、春野 尚重
●門司薬剤師会【定数3名】
本間 司郎、白石 公子、安部 律夫
●京都薬剤師会【定数3名】
谷口 健吾、中山 大輔、西村 哲成
●豊前築上薬剤師会【定数1名】
山形 明
●飯塚薬剤師会【定数5名】
溝田 尊綱、上野 芳嗣、髙山 幸蔵、野田 聡、井上 敬介
●直方鞍手薬剤師会【定数2名】
中村 純一、永原 一史
●田川薬剤師会【定数3名】
手島 清彦、中原 学、久保 博志
●県庁薬剤師会【定数3名】
筧 昭彦、川原 賢二、馬場 義輝
以 上
8( 184 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
通 達
<今月の通達事項>
10P 遠賀町国民健康保険被保険者証の様式変更について
11P 糸島市乳幼児医療費助成制度の拡大について
厚生労働省、福岡県および日本薬剤師会からの通達事項を掲載し
ます。いずれも重要事項ですので、会員各位にあってはご精読いた
だき、日々の業務に支障がないよう努めて下さい。
なお、福岡県薬剤師会からの重要と思われる連絡事項に関しまし
ても、通達事項の中で扱わさせていただきます。
9( 185 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
通 達
公 印 省 略
26遠住第2614号
平成27年3月2日
関係各位
遠賀町長 原田 正武
遠賀町国民健康保険被保険者証の様式変更について
平素より、当町の福祉医療の円滑な運営にご協力いただき、こころより感謝いたしております。
早速ですが、遠賀町では平成27年3月に国民健康保険被保険者証(以下、保険証)を発行す
るシステムを更新することとなり、更新時期の関係により平成27年度の保険証について、2つ
の様式が混在してしまうこととなりました。
つきましては、被保険者の皆様には広報等でお知らせをしておりますが、医療機関窓口にお
いて提示される遠賀町の保険証が新・ 旧と異なってしまいますので、医療機関の皆様にはご理
解とご協力をいただきたいと思います。
なお、本件について、ご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。
記
<旧様式>
<新様式>
本件に関する問い合わせ先
遠賀町役場
住民課 国保年金係 ※
電話:093-293-1234
内線:291
※平成27年4月より「健康こども課 国保年金係」に変わります。
10( 186 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
通 達
26糸子第2257号
平成27年3月25日
公益社団法人 福岡県薬剤師会 会長 藤野 哲朗 様
糸島市長 月形 祐二 (人権福祉部子ども課)
糸島市乳幼児医療費助成制度の拡大について
時下、貴殿におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素から、糸島市公費医療費助成制度の運営につきまして、格別のご協力を賜り厚くお礼申
し上げます。
さて、糸島市では保健向上と子育て支援の一環として、保護者の経済的な負担を軽減するため、
乳幼児医療費助成制度を「子ども医療費助成制度」に改め、下記のとおり入院助成対象を小学
校3年生まで拡大することとしました。
つきましては、医療機関並びに会員の皆様への周知方よろしくお願い申し上げます。
※この措置は、平成27年4月1日診療分からの適用となります。
改正前(3月31日まで)
改正後(4月1日から)
入 院
小学校就学前まで無料 ⇒
小学校3年生まで無料
通 院
小学校就学前まで無料 ⇒
変更なし
【問合せ先】
糸島市役所
子ども課 児童手当係
TEL.092-332-2074
11( 187 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
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12( 188 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
Ⅰ.薬事情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介(2015年2月)
福岡県薬剤師会ホームページでもご覧いただけます。
〔http://www.fpa.or.jp/contents/johocenter/yakuji-main/shitugi/〕
〔医薬品一般〕
Q:天候の変化で慢性疼痛が増強することはあるか?(薬局)
A:慢性疼痛は、交感神経が興奮するような状況(ストレス等)で悪化することが知られている。
気圧の低下で交感神経が緊張し、副腎髄質からのアドレナリン分泌が亢進すると、末梢血管
が収縮して組織内虚血、O2濃度低下、pH低下が起こる。これらが痛覚線維の興奮を容易に
起こして疼痛増強を引き起こす。また、気温の低下は、直接及び交感神経を賦活して、皮膚
の冷感受性線維の興奮を起こすことにより、疼痛増強を引き起こす。その他、湿度の変化と
降雨、雷、風が痛みの憎悪因子とされる。疾患として関節リウマチ、変形性関節症、線維筋
痛症での報告例が多い。
Q:塩化亜鉛療法(B-スポット療法)とは何か?(薬局)
Q:胃全摘後の逆流性食道炎に、プロトンポンプ阻害薬(PPI)を使用するか?(薬局)
A:胃全摘後患者では、十二指腸液が逆流し、食道粘膜を刺激して逆流性食道炎が起こる。十二
指腸液には胆汁と膵液が含まれるが、胃全摘後の無胃酸状態では、食道内は中性からアルカ
リ性であり、主に膵液により食道粘膜に傷害をきたすので、症状のコントロールには膵酵素
抑制薬のカモスタットメシル酸塩を使用する。胃全摘後患者には胃壁細胞がないため、PPI
は無効と推測されるが、臨床的に胃全摘患者の逆流性食道炎において有効例が散見されてい
る。また、基礎研究でPPIが胃酸分泌抑制作用とは別に抗炎症作用等を有することが報告さ
れ、胃全摘患者の逆流性食道炎に、PPIが有効である可能性が示唆されている。
Q:脂肪乳剤のイントラリポス™は、中心静脈注射(TPN)投与ラインに側管投与できるか?
(病院薬局)
A:イントラリポス™は精製大豆油を主成分とする脂肪乳剤であり、電解質やアミノ酸との混合
により経時的に粒子の粗大化や凝集をきたし、肺塞栓が発生する可能性があるため、基本的
には他剤とは混合せず、末梢静脈からの投与が望ましい。
TPN製剤(ビタミン、微量元素含有)投与ラインの側管から脂肪乳剤を投与した結果、脂肪
粒子の平均粒子径に大きな変化は認められず、USP(United States Pharmacopeia)基準(5
μgよりも大きい粒子の体積が全脂肪の0.05%未満)を超える粗大粒子の増加も認められな
かった報告がある。混合ではなく側管からの投与であれば、TPN製剤と脂肪乳剤の接触時間
が短いため、脂肪粒子径に大きな変化は認められないと考えられる。
20( 196 )
︵キリトリ線︶
A:塩化亜鉛療法は、後鼻漏や鼻・喉の違和感や痛み、鼻づまり等の上咽 上咽頭
頭炎の症状に対して、上咽頭(喉と鼻の境目)に1%塩化亜鉛液を塗 [別名:鼻咽腔(Bスポット)]
布する方法である。塩化亜鉛は収斂作用、殺菌作用を有し、炎症を抑
える。塩化亜鉛液を塗布すると、強い痛みが数時間(ときに翌日ま
で)持続するが、その後痛みが軽減し症状が改善する。1回の塗布で
改善することもあるが、炎症が強い場合は、週に1∼2回、合計10回
程度の塗布を目安に治療する(保険適応外使用)
。
〔1%塩化亜鉛液〕
(処方)塩化亜鉛 5g、10%塩酸 適量、蒸留水 全量500mL
(調製法)塩化亜鉛を蒸留水に溶解後、ほぼ全量とし、10%塩酸を白
濁が消失するまで加えた後、全量とし綿栓濾過する。
(院内製剤クラス分類)クラスⅠ
院内製剤で、①注射剤など人体への侵襲性が大きい場合、②主薬として試薬や薬事法で承
認されていない成分等を治療・診断目的で製剤する場合は、クラスⅠに分類される。クラ
スⅠは、
「倫理性(科学的妥当性を含む)を審査する委員会での承認」「文書による患者
への説明と自由意志による同意」の院内手続きを得て使用する必要がある。
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
Q:プリングル病とは、どんな病気か?(一般)
A:プリングル病(結節性硬化症)は、遺伝子異常で起こる皮膚、神経系、腎、肺、骨等の様々
な部位に過誤腫と呼ばれる良性の腫瘍ができる全身疾患である。精神発達遅滞、てんかん、
顔面の血管線維腫等を特徴とし、その他、心症状(心臓の横紋筋腫は胎生期に出現し出生時
に最も著明)
、腎症状(腎嚢腫等)
、呼吸器症状、眼症状等が起こる。年齢により出現する症
状が異なり、根本的治療法はなく、対症療法である。
mTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1:哺乳類ラパマイシン標的蛋白質複合
体1)の増加により、腫瘍やてんかん、自閉症等が起こると考えられている。mTORC1阻害
剤のラパマイシン誘導体のエべロリムス(アフィニトール™)が、結節性硬化症に伴う腎血
管筋脂肪腫と上衣下巨細胞性星細胞腫に適応を有している。また、結節性硬化症に伴うてん
かん治療に対して、国際共同(日本、米国、欧州等)で治験中(第Ⅲ相)である。
〔安全性情報〕
Q:フェジン™静注をネオラミン™・スリービー液と混合して良いか?(病院薬局)
A:混合直後に混濁・沈殿を生じるため、混合しない。
商品名(成分名)
フェジン™静注
(含糖酸化鉄)
性状・配合変化等
︵キリトリ線︶
コロイド状の鉄剤。pH9.0∼10.0。
電解質や酸化還元を促進する薬剤等とは配合変化を起
こすため、混合は避ける。pH変化により変化を起こし
やすく、pH4.71以下では混濁、結晶析出を起こす。
希釈する必要がある場合には、通常、用時10∼20%のブ
ドウ糖注射液で5∼10倍にする。
pH3.0∼5.0。
ネオラミン™・スリービー液
(ビタミンB1・B6・B12配合剤)アミノ酸製剤と混合した場合、ビタミンの分解が促進さ
れることがある。
〔その他〕
Q:メラトニンは、通常の牛乳にも微量含まれているが、医薬品とみなされないのはなぜか?
(その他)
A:メラトニンは、
「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)
」で、含有すると医薬品と
みなされる。牛乳は、「明らかに食品と認識される物」であり、
「専ら医薬品として使用さ
れる成分本質(原材料)
」リストに収載されている成分を含有していても、医薬品とみなさ
れないものと判断される。ただし、「明らかに食品と認識される物」であっても、医薬品的
効能効果を持たせることを目的として加工したものや、遺伝子操作した動物由来の原材料に
関しては、無承認無許可医薬品の監視指導の対象となる。メラトニンを自然に含む市販の牛
乳であれば法に抵触しないが、メラトニンによる効果を大々的に広告したり、人工的にメラ
トニンを加えたり、遺伝子操作等でメラトニン量を増加させた場合には、法に抵触すること
になる。
「明らかに食品と認識される物」(薬食監麻発0331第60号 平成26年3月31日)
① 野菜、果物、卵、食肉、海藻、魚介等の生鮮食料品及びその乾燥品(ただし、乾燥品のう
ち医薬品としても使用されるものを除く)
(例)トマト、キャベツ、リンゴ、牛肉、豚肉、鰯、秋刀魚等
② 加工食品
(例)豆腐、納豆、味噌、ヨーグルト、牛乳、チーズ、バター、パン、うどん、そば、
緑茶、紅茶、ジャスミン茶、インスタントコーヒー、ハム、かまぼこ、こんにゃく、
清酒、ビール、まんじゅう、ケーキ等
③ ①、②の調理品
(例)飲食店等で提供される料理、弁当、惣菜及びこれらの冷凍食品・レトルト食品等
④ 調味料 (例)醤油、ソース等
21( 197 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
Ⅱ.新規のプロトンポンプ阻害薬−カリウムイオン競合型アシッドブロッカー
:タケキャブ™錠
逆流性食道炎および消化性潰瘍では、プロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択薬として推奨
されている。しかし、既存のPPIには改善すべき点として、① 最大効果を得るために数日間の服
用が必要、② CYP2C19の遺伝子多型の患者では体内動態や作用に差が生じる、③ 夜間の酸逆流
を抑制するには作用持続が不十分等があげられる。
これらの問題を解決すべく、2015年2月、新規作用機序のPPIとして、カリウムイオン競合型
アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker:P-CAB)ボノプラザンフマル酸塩
(タケキャブ™錠:武田)が発売された(表1)
。
表1 PPIの概要(2015年3月現在、後発医薬品を除く)
成分名
エ ソ メ プ ラ オメプラゾー ラベプラゾー ラ ン ソ プ ラ ボノプラザン
ルナトリウム ゾール
フマル酸塩
ゾールマグネ ル
シウム水和物
ネキシウムカ オメプラゾン錠 パリエット錠 タケプロンカプ タケキャブ錠
プセル10mg・ 10mg・20mg 5mg・10mg・ セ ル 1 5 ・ 3 0 、 10mg・20mg
同OD錠15・30
20mg
商品名
(武田)
(田辺三菱) 20mg
(メーカー) (アストラゼネカ
(武田)
(エーザイ)
オメプラール
∼第一三共) 錠10・20
(アストラゼネカ)
代謝酵素
主にCYP2C19、主にCYP2C19 主に非酵素的 主にCYP2C19
一部CYP3A4 及び一部CYP 還元反応
又はCYP3A4
CYP2C19及び
3A4
CYP3A4も関
与
適応症
主にCYP3A4、
一部CYP2B6、
CYP2C19及び
CYP2D6
用法・用量
胃潰瘍
1日1回20mg 1日1回20mg 1日1回10mg 1日1回30mg 1日1回20mg
(病状により
(8週間まで)
20mg) 十二指腸潰瘍
(6週間まで)
吻合部潰瘍
1日1回20mg 1日1回20mg 1日1回10mg 1日1回30mg
(病状により
(8週間まで)
20mg)
Zollinger-Ellison
症候群
低用量アスピリ 1日1回20mg
ン投与時、及び
非ステロイド性
抗炎症薬
(NSA
IDs)投与時に
お ける胃 潰 瘍
又は十 二 指 腸
潰 瘍の再 発 抑
制
1日1回5mg 1日1回15mg 1日1回10mg
効果不十分な (15mgのみ)
場合、1日1回
10mg
(5mg・
10mgのみ)
NSAIDs投与
時の適応なし
22( 198 )
︵キリトリ線︶
製剤の性状
腸溶性顆粒を フィルムコー フィルムコー カプセル:腸 フィルムコー
充てんしたカ ト錠
(腸溶錠) ト錠
(腸溶錠)
溶性顆粒を ト錠
プセル
含むカプセ
ル
OD錠:腸溶
性細粒を含
む口腔内崩
壊錠
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成分名
エ ソ メ プ ラ オメプラゾー ラベプラゾー ラ ン ソ プ ラ ボノプラザン
フマル酸塩
ゾールマグネ ル
ルナトリウム ゾール
シウム水和物
適応症
用法・用量
逆流性食道炎
1日1回20mg 1日1回20mg 1日1回10mg 1日1回30mg 1日1回20mg
8週間まで
8週間まで
(症状により 8週間まで
4週間まで
20mg)
効果不十分の
8週間まで
場合は8週間
効果不十分な
まで投与可能
場合、
1回10mg
又は20mgを1
日2回、さら
初期治療
に8週間投与
可能
ただし、1回
20mg1日2回
投与は重度の
粘膜傷害を有
する場合に限
る
再発・再燃 1日1回10∼ 1日1回10∼ 1日1回10mg 1日1回15mg、 1日1回10mg、
20mg
(5mg・10mg 効果不十分な 効果不十分な
を繰り返す 20mg
場合、1日1 場合、1日1
のみ)
場合の維持
回20mg
回30mg
療法
︵キリトリ線︶
非びらん性胃食 1日1回10mg 1日1回10mg 1日1回10mg 1日1回15mg
(10mgのみ) (10mgのみ) (5mg・10mg (15mgのみ)
道逆流症
のみ)
(4週間まで)
ヘリコバクター・ 1回20mg
ピロリの除菌の
補助
3剤を1日2
回7日間
1回30mg
1回10mg
(5mg・10mg
のみ)
1回20mg
アモキシシリ
ン水和物
1回750mg(力価)
クラリスロマ
イシン
1回200∼400mg(力価)
上記除菌治療 1回20mg
不 成 功 例に対
するヘリコバク
ター・ピロリの除
菌の補助
3剤を1日2
回7日間
1回20mg
1回10mg
1回30mg
(5mg・10mg
のみ)
アモキシシリ
ン水和物
1回750mg(力価)
メトロ ニ ダ
ゾール
1回250mg
※用法・用量は成人用量、詳細は各製品の添付文書を確認
23( 199 )
1回20mg
1回20mg
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〔タケキャブ™錠の作用機序〕
既存のPPIと同様、胃粘膜壁細胞に存在する胃酸分泌の最終段階に必須な酵素プロトンポン
プ(H+、K+-ATPase)を標的とするが、可逆的かつカリウムイオンに競合的にプロトンポンプ
を阻害し、酸分泌抑制作用を発揮する。
抗ヘリコバクター・ピロリ活性及びヘリコバクター・ピロリウレアーゼ阻害活性は示さない。
ヘリコバクター・ピロリ除菌治療においては、胃内pHを上昇させることにより、併用されるアモ
キシシリン水和物、クラリスロマイシン、メトロニダゾールの抗菌活性を高める。
既存のPPIとタケキャブ™錠の作用機序等の違いは表2のとおり。
表2 既存のPPIとタケキャブ™錠の作用機序等の違い
既存のPPI
作用機序と効果発現
活性体
タケキャブ™錠
プロトンポンプ
タケキャブ™錠 プロトンポンプ
既存のPPI
壁細胞
胃酸分泌細胞残存性
活性体
壁細胞
タケキャブ™錠
分泌細管
分泌細管
血中薬物濃度の低下
血中薬物濃度の低下
プロトン
ポンプ
プロトン
ポンプ
酸性条件下では不安定なため、分泌細管に
長時間留まることができない。そのため、
血中濃度低下後は、新たに分泌細管の膜上
に移動してきたプロトンポンプを阻害する
ことができない。
塩基性が強く、酸性環境下でも安定なた
め、分泌細管に高濃度に集積し、長時間残
存する。血中濃度低下後に、新たに分泌細
管の膜上に移動してきたプロトンポンプも
阻害するため、長時間にわたる酸分泌抑制
作用を示す。
代謝
CYP2C19の影響を受けるため、遺伝子多型 CYP2C19の影響が少ないため、他の薬剤と
による体内動態や作用の個人差が大きい。
の相互作用が少なく、遺伝子多型による体
内動態や作用の個人差が少ない。
【文献】
菅野健太郎:医薬ジャーナル 新薬展望 2015 51
(S-1)
, 518, 2015.
松川 純ら:医学のあゆみ 243
(8)
, 690, 2012.
堀 美智子ら:調剤と情報 13
(3)
, 367, 2007.
武田薬品工業株式会社 タケキャブ™錠製品情報
24( 200 )
︵キリトリ線︶
胃酸により活性体へ変換され、プロトンポ 胃酸による活性化を必要とせず、可逆的か
ンプのSH基とS-S結合することによりプロ つカリウムイオンに競合的にプロトンポン
トンポンプを非可逆的(一部可逆的)に阻 プを阻害するため、作用発現が早い。
害する。活性体が酸性溶液中で極めて不安
定なため、十分な阻害作用を示すために
は、反復服用が必要で、最大効果を得るた
めに数日要する。
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
Ⅲ.歯科領域に適応のある鎮痛・消炎薬、抗菌薬(内服薬)
顎関節症
○
○
○
○ ○
○
○
○
*2
○
○ ○
○
*2
○
○
○ ○
○ ○
○ ○
塩基性
フロベン錠40・同顆粒8%
ポンタールカプセル250mg、同 錠
250mg、同細粒98.5%、同散50% ○
モフェゾラク
ジソペイン錠75
ロキソプロフェンナ ロキソニン錠60mg、同細粒10%
○
トリウム水和物
ロルノキシカム
ロルカム錠2mg・4mg
○
エピリゾール
メブロン顆粒30%
○
チアラミド塩酸塩
ソランタール錠50mg・100mg
○
*2
○
その他
○
アセトアミノフェン カ ロ ナ ー ル 原 末 、 同 錠 2 0 0 ・
○ ○
300・500、同細粒20%・50%
アセトアミノフェン、トラムセット配合錠
○
トラマドール塩酸塩
立効散
歯槽骨膜炎
○
セレコックス錠100mg・200mg
ナイキサン錠100mg
ニフラン錠75mg
オパイリン錠125mg・250mg
イソプロピルアンチピ SG配合顆粒
リン、アセトアミノ
フェン、アリルイソプ
ロピルアセチル尿素、
無水カフェイン
シメトリド、無水カ キョーリンAP2配合顆粒
フェイン
歯根膜炎
○
フェナゾックスカプセル50mg
インテバンSP25・37.5
ソレトン錠80、ぺオン錠80
ボルタレン錠25mg
歯髄炎
アスピリン「バイエル」
バファリン配合錠A330
智歯周囲炎
酸性
非ステロイド性消炎鎮痛薬︵NSAIDs ︶
︵キリトリ線︶
アスピリン
アスピリン、ダイア
ルミネート
アンフェナクナトリ
ウム水和物
インドメタシン
ザルトプロフェン
ジクロフェナクナト
リウム
セレコキシブ
ナプロキセン
プラノプロフェン
フルフェナム酸アル
ミニウム
フルルビプロフェン
メフェナム酸
主な商品名
歯科領域の小手術後
成分名
抜歯後
分類
歯科治療後疼痛
歯痛
歯科領域に適応のある鎮痛・消炎薬や抗菌薬は多岐にわたるが、適応症の違いや、同一成分で
も小児には適応がない薬剤があるので、注意が必要である(表1・2)
。
表1 歯科領域に適応のある鎮痛・消炎薬(内服薬)(2015年3月現在、後発医薬品*1を除く)
適応症
○ ○
○
○
○
ツムラ立効散エキス顆粒(医療用) ○
○
*1後発医薬品では適応症が異なる場合があるので、詳細は添付文書を確認。また、剤形や規格
が異なる製剤あり。
*2顎関節症に適応はないが、原則として、
「ジクロフェナクナトリウム、ナプロキセン、ロキ
ソプロフェンナトリウム水和物の【内服薬】
」を「顎関節症の関節痛」に対して処方した場
合、当該使用事例を審査上認める。
(平成23年9月26日、第9次審査情報提供事例、社会保険
診療報酬支払基金)
25( 201 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
表2 歯科領域に適応のある抗菌薬(内服薬) (2015年3月現在、後発医薬品*1を除く)
顎骨周辺の蜂巣炎
化膿性唾液腺炎
感染性口内炎
上顎洞炎
術創の二次感染
抜歯創・口腔手
顎炎
歯冠周囲炎
主な商品名
歯周組織炎
小児への適応有無
分類
成分名
適応症
ペニシリン系
アモキシシリン水 アモリンカプセル125・250、同細
粒10%
和物
サワシリンカプセル125・250、同
○ ○ ○ ○
錠250、同細粒10%
パセトシンカプセル125・250、同
錠250、同細粒10%
アンピシリン水和 ビクシリンカプセル250mg
物
ビクシリンドライシロップ10%
バカンピシリン塩 ペングッド錠250mg
酸塩
○ ○ ○
○
○ ○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
ケフラールカプセル250mg*2、同
○ ○ ○ ○
細粒小児用100mg(小児のみ)
セファレキシン
ケフレックスカプセル250mg*2
○ ○ ○ ○
ケフレックスシロップ用細粒
100・200(小児のみ)
○ ○
○
L-ケフレックス小児用顆粒(小児
のみ)
L-ケフレックス顆粒*2
○ ○ ○ ○
セフェム系
セフカペン ピボ
キシル塩酸塩水和
物
セフジトレン ピ
ボキシル
セフジニル
○
○
○
︵キリトリ線︶
セファクロル
○
○
フロモックス錠75mg・100mg、同
○ ○ ○
小児用細粒100mg(成人の嚥下困
難等のみ)
メイアクトMS錠100mg、同小児用
○ ○ ○
細粒10%(成人の嚥下困難等の
み)
メイアクトMS小児用細粒10%
○ ○
○
(小児のみ)
○ ○ ○
セフゾンカプセル50mg ・100mg
ペネム系
セフテラム ピボ トミロン錠50・100、同細粒小児
キシル
用10%(成人の嚥下困難等のみ)
○ ○ ○
セ フ ポ ド キ シ ム バナン錠100mg
プロキセチル
○ ○ ○
セフロキシム ア オラセフ錠250mg
キセチル
○ ○ ○
ファロペネムナト ファロム錠150mg・200mg
○ ○ ○
リウム水和物
ファロムドライシロップ小児用
○ ○
10%(小児のみ)
26( 202 )
○
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
顎骨周辺の蜂巣炎
化膿性唾液腺炎
感染性口内炎
上顎洞炎
マクロライド系
ジョサマイシン錠50mg・200mg
術創の二次感染
抜歯創・口腔手
○ ○ ○
○
クラリスロマイシ クラリシッド錠200mg
ン*3
クラリス錠200
ジョサマイシン
顎炎
エリスロマイシン エリスロシン錠100mg・200mg
ステアリン酸塩
歯冠周囲炎
アジスロマイシン ジスロマック錠250mg、同SR成人
水和物
用ドライシロップ2g
歯周組織炎
主な商品名
小児への適応有無
分類
成分名
適応症
○
○ ○ ○
○ ○ ○ ○
○
ジョサマイシンプ ジョサマイシロップ3%(小児の
ロピオン酸エステ み、同ドライシロップ10%(小児 ○ ○ ○ ○
のみ)
ル
○
ロキシスロマイシ ルリッド錠150
ン
○
○ ○ ○
テトラサイクリン系
︵キリトリ線︶
テトラサイクリン アクロマイシンVカプセル50mg・
○ ○
250mg
塩酸塩
ドキシサイクリン ビブラマイシン錠50mg・100mg
塩酸塩水和物
○
ミノサイクリン塩 ミ ノ マ イ シ ン カ プ セ ル 50mg・
酸塩
100mg、同錠50mg・100mg
○ ○ ○
ミノマイシン顆粒2%(小児の
○ ○
み)
ニューキノロン系
オフロキサシン
○
○
○ ○
○ ○ ○
タリビッド錠100mg
シタフロキサシン グレースビット錠50mg、同細粒
水和物
10%
○ ○ ○
トスフロキサシン オゼックス錠75・150
トシル酸塩水和物 トスキサシン錠75mg・150mg
○ ○ ○
○
レボフロキサシン クラビット錠250mg・500mg、同
水和物
細粒10%
○ ○ ○
○
ロメフロキサシン バレオンカプセル100mg、同錠
塩酸塩
200mg
ロメバクトカプセル100mg
○ ○ ○
その他
クリンダマイシン ダラシンカプセル75・150mg
塩酸塩
○
ク ロ ラ ム フ ェ ニ クロロマイセチン錠50・250
コール
○ ○ ○
○
○
*1後発医薬品では適応症が異なる場合があるので、詳細は添付文書を確認。また、剤形や規格
が異なる製剤あり。
*2小児は体重20kg以上で用法・用量が設定。
*3クラリスロマイシンは小児に対して歯科適応はないが、原則として、
「クラリスロマイシン
(小児用)【内服薬】」を「歯周組織炎、顎炎」に対し処方した場合、当該使用事例を審査
上認める。(平成27年2月23日、第13次審査情報提供事例、社会保険診療報酬支払基金)
27( 203 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
Ⅳ.新薬の薬価基準追補収載
〔内 用 薬〕
分類
医薬品名(会社名)
劇:劇薬、処:処方箋医薬品、生:生物由来製品
規格・単位
399 オーファディンカプセル2mg 2mg, 1C
〃 5mg 5mg, 1C
〃 10mg 10mg, 1C
(アステラス)
(識別コード)
白色カプセル
2mg:NTBC/2mg
5mg:NTBC/5mg
10mg:NTBC/10mg
薬価(円) 規制
備考(成分、薬効)
3,960.60 劇 ニチシノン
8,649.00 処 適応は、高チロシン血症Ⅰ型。
15,768.20
1日1mg/kgを2回に分割投与。患者の状
態に応じて適宜増減するが、1日2mg/kg
を上限とする。投与開始1ヶ月後でも尿中
サクシニルアセトンが検出される場合は、
1日量を1.5mg/kgへの増量を検討する。
有効性・安全性は小児で検討されており、
小児及び成人の推奨用量(mg/kg)は同
一。
定期的に尿中サクシニルアセトン濃度、肝
機能検査値、血中α-フェトプロテイン濃度
等を測定する(投与開始1年間は毎月)
。
【血漿中チロシン濃度の管理】
チロシン及びフェニルアラニンを制限し
た食事療法を行う。上昇により眼障害
(結膜炎、角膜混濁等)、肝障害等が発
生する。定期的に血漿中チロシン濃度を
測定し、500μmol/L未満に保つ。500
μmol/Lを超えた場合、投与中止又は減
量は避け、より厳しい食事制限療法で血
漿中チロシン濃度の調整を行う。
妊娠又は妊娠している可能性のある婦人に
は有益性投与(ウサギで、ヒトの臨床用量
を下回る用量で催奇形性が報告)
。
授乳は中止する(ラットで、母乳を介した
角膜混濁及び体重減少が報告)
。
CYP3A4により代謝されるので
(in vitro)
、
CYP3A4の阻害剤または誘導剤との併用は
用量調節が必要となる可能性がある。
遺伝性高チロシン血症Ⅰ型はチロシン分解
経路の最終段階にあるフマリルアセト酢酸
ヒドロラーゼ(FAH)の遺伝子変異による
常染色体劣性遺伝疾患である。FAH活性低
下により、チロシン分解経路の中間代謝物
であるフマリルアセト酢酸(FAA)及びマ
レイルアセト酢酸(MAA)
、これらの代謝
物のサクシニルアセトン(SA)及びサクシ
ニルアセト酢酸(SAA)が肝及び腎に蓄積
し、臓器障害が生じる。ニチシノンは、チ
ロシン分解経路においてFAHよりも上流に
位置する4-ヒドロキシフェニルピルビン酸
ジオキシゲナーゼを阻害することにより、
FAA、MAA、SA及びSAAの産生及び蓄
積を抑制する。
凍結を避け2∼8℃に保存。ボトルから取
り出した後は速やかに服用する。
全症例を対象に使用成績調査を実施する。
205.50 処 エンパグリフロジン
351.20
SGLT2阻害薬。
適応は、2型糖尿病。
成人は、1回10mgを1日1回朝食前又は
朝食後に投与。効果不十分な場合は、経過
を十分に観察しながら1回25mgを1日1
回に増量可能。
28( 204 )
︵キリトリ線︶
396 ジャディアンス錠10mg 10mg,1T
〃 25mg 25mg,1T
(日本ベーリンガーイ
ンゲルハイム∼ 日本イーライリリー)
(次ページへつづく)
(2015年2月23日告示、24日より適用)
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
分類
医薬品名(会社名)
規格・単位
薬価(円)規制
高度腎機能障害者又は透析中の末期腎不全
患者には投与しない。中等度腎機能障害者
は投与の必要性を慎重に判断する。
脱水を起こしやすい患者は慎重投与。
高度肝機能障害者の安全性は未確立(使用
経験がない)
。
特にインスリン製剤、SU剤と併用する場合
は、低血糖のリスクが増加するので、これ
らの薬剤の減量を検討する。
インスリン製剤又はGLP-1受容体作動薬と
の併用の有効性・安全性は未検討。
3ヶ月投与しても効果不十分な場合は治療
法の変更を考慮する。
尿路感染及び性器感染を起こすことがあ
る。
利尿作用による体液量の減少に注意し、脱
水、糖尿病性ケトアシドーシス、血栓・塞
栓症の発現に注意する。
本剤の作用機序により、尿糖陽性、血清
1,5-AG低値を示すが、これらの検査結果は
血糖コントロールの参考とはならない。
血漿中には主に未変化体として存在する
が、一部はUGT2B7、UGT1A3、UGT1A8
及びUGT1A9によるグルクロン酸抱合によ
り代謝される。P-gp、BCRPの基質であ
る。
腎近位尿細管のNa+/グルコース共輸送坦体
(SGLT:sodium glucose co-transpoter)
2を阻害してグルコースの再吸収を阻害す
ることにより、血液中の過剰なグルコース
を体外に排出して血糖降下作用を示す。
(前ページよりつづき)
(識別コード)
淡黄色フィルムコー
ト錠
10mg:S10/
25mg:S25/
︵キリトリ線︶
429 ゼルボラフ錠240mg
(中外)
(識別コード)
帯赤白色∼だいだい
白色フィルムコート
錠
VEM
(次ページへつづく)
備考(成分、薬効)
240mg,1T
4,935.50 劇 ベムラフェニブ
処 抗悪性腫瘍薬。BRAF阻害薬。
適応は、BRAF遺伝子変異を有する根治切
除不能な悪性黒色腫。
成人は、1回960mgを1日2回投与。食事
の1時間前から食後2時間までの間の服用
は避けることが望ましい(食後投与でCmax
及びAUCが増加)
。
術後補助化学療法における有効性・安全性
は未確立。
他の抗悪性腫瘍薬との併用の有効性・安全
性は未確立。
副作用発現時は、Grade等により減量・休
薬する(有棘細胞癌や新たな原発性悪性黒
色腫発現の場合は、外科的切除等を行った
上で、減量・休薬なく治療の継続が可
能)
。
定期的に皮膚の状態を確認する(有棘細胞
癌があらわれることがある)
。
投与開始前・投与期間中は心電図検査及び
電解質測定を行う(QT間隔延長があらわ
れることがある)
。
光線過敏症があらわれることがある。
定期的に眼の異常の有無を確認する(ブド
ウ膜炎等が報告)
。
CYP3A4を誘導し、CYP1A2及びCYP2C9
を阻害する。
BRAF V600変異(V600E、V600D、V600
R、V600K、V600G、V600M)を含む活
29( 205 )
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分類
医薬品名(会社名)
規格・単位
備考(成分、薬効)
性化変異型のBRAFキナーゼ活性を阻害す
ることにより、BRAF活性化によるMEK及
びERKのリン酸化を阻害し、BRAF V600
変異を有する腫瘍の増殖を抑制する。
専門の医師・医療機関が投与し、インフォ
ームド・コンセントを取得する。
全症例を対象に使用成績調査を実施する。
(前ページよりつづき)
232 タケキャブ錠10mg
〃 錠20mg
薬価
(円)規制
10mg,1T
20mg,1T
(武田)(ボノプラザン
として)
160.10 処 ボノプラザンフマル酸塩
240.20
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー
(P- CAB)
。プロトンポンプ阻害薬(PPI)
。
【適応と用法・用量】
(識別コード)
フィルムコート錠
10mg:微黄色
B217
20mg:微赤色
B218 20mgは割線あり
適応
用法・用量
胃潰瘍、十二指腸 成人は、1回20mg
を1日1回投与。胃
潰瘍
潰瘍は8週間まで、
十二指腸潰瘍は6週
間までの投与。
逆流性食道炎
低用量アスピリン 成人は、1回10mg
投与時、及び非ス を1日1回投与。
テロイド性抗炎症
薬投与時における
胃潰瘍又は十二指
腸潰瘍の再発抑制
下記疾患における
ヘリコバクター・ピ
ロリの除菌の補助
胃潰瘍、十二指
腸潰瘍、
胃MALT
リンパ腫、特発
性血小板減少性
紫斑病、早期胃
癌に対する内視
鏡的治療後胃、
ヘリコバクター・
ピロリ感染胃炎
(次ページへつづく)
30( 206 )
成人は、
1回20mg、
アモキシシリン水和
物1回750mg及びク
ラリスロマイシン1
回200mgの3剤を同
時に1日2回、7日
間投与。
クラリスロマイシン
は、適宜増量可能だ
が、1回400mg、1
日2回を上限。
PPI、アモキシシリ
ン水和物及びクラリ
スロマイシンの3剤
投与によるヘリコバ
クター・ピロリの除
菌治療が不成功の場
合は、代替治療とし
て、成人は、1回
20mg、アモキシシ
リン水和物1回
750mg及びメトロニ
ダゾール1回250mg
の3剤を同時に1日
2回、7日間投与。
︵キリトリ線︶
成人は、1回20mg
を1日1回投与。
4週間までの投与
とし、効果不十分
時は8週間まで投
与可能。再発・再
燃を繰り返す場合
の維持療法は1回
10mg、効果不十分
時は1回20mgを1
日1回投与。
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分類
医薬品名(会社名)
規格・単位
薬価(円)規制
主にCYP3A4で代謝され、一部CYP2B6、
CYP2C19、及びCYP2D6で代謝される。
本剤の胃酸分泌抑制作用により、アタザナ
ビル硫酸塩の溶解性の低下、及びリルピビ
リン塩酸塩の吸収低下により、血中濃度が
低下し作用減弱のおそれがあるので併用禁
忌。
酸による活性化を必要とせず、可逆的でカ
リウムイオンに競合的な様式でH + 、K +
-ATPaseを阻害する。塩基性が強く胃壁細
胞の酸生成部位に長時間残存して胃酸生成
を抑制する。消化管上部の粘膜損傷形成に
対して、強い抑制作用を示す。抗ヘリコバ
クター・ピロリ活性及びヘリコバクター・
ピロリウレアーゼ阻害活性は示さない。
(前ページよりつづき)
232 パリエット錠5mg
備考(成分、薬効)
5mg,1T
(エーザイ)
(識別コード)
淡黄色フィルムコー
ト錠
パリエット5
︵キリトリ線︶
70.50 処 ラベプラゾールナトリウム
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
。
5mgの規格追加(既発売品は錠10mg・
20mg)
。
「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍
又は十二指腸潰瘍の再発抑制」の効能追加
(5mg・10mgのみ)
。血栓・塞栓の形成抑
制のために低用量アスピリンを継続投与し
ている患者を投与対象とし、投与開始に胃
潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認する。
【適応追加の用法・用量】
成人は、1回5mgを1日1回投与。効果
不十分時は1回10mgを1日1回投与可
能。
新医薬品に係る処方日数制限(1回14日
分まで)はない。
〔外 用 薬〕
分類
医薬品名(会社名)
269 ベピオゲル2.5%
規格・単位
2.5%,1g
薬価(円)規制
120.90 処
(マルホ)
31( 207 )
備考(成分、薬効)
過酸化ベンゾイル
適応は、尋常性ざ瘡。
1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布す
る。
結節及び嚢腫には、他の適切な処置を行
う。
全身性の過敏反応や重度の皮膚刺激症状が
認められた場合は使用を中止する。皮膚剥
脱(鱗屑・落屑)、紅斑、刺激感等があら
われることがあるので、必要に応じて休薬
等を行う。
使用中は日光への曝露を最小限にとどめ、
日焼けランプの使用、紫外線療法は避け
る。
他の外用剤との併用で、皮膚刺激症状が増
すおそれがある。漂白作用があるので、
髪、衣料等に付着しないように注意する。
過酸化ベンゾイルは、塗布後、生体内(皮
膚中及び血漿中)で速やかに安息香酸に変
換される。安息香酸は、更に馬尿酸へ代謝
され、ほぼすべてが尿中に排泄される。
分解により生成したフリーラジカルによ
り、アクネ菌、表皮ブドウ球菌及び黄色ブ
ドウ球菌の膜構造、DNA、代謝などを直接
障害して抗菌活性を示す(in vitro)。ま
た、フリーラジカルが角質細胞同士の結合
を弛め、角層剥離を促進し毛漏斗部の角層
肥厚を改善する。
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
分類
医薬品名(会社名)
規格・単位
269 ロゼックスゲル0.75% 0.75%,1g
(ガルデルマ)
薬価
(円)規制
備考(成分、薬効)
〔注 射 薬〕
分類
医薬品名(会社名)
規格・単位
634 イロクテイト静注用250 250IU,1瓶
〃 500 500IU,1瓶
〃 750 750IU,1瓶
〃 1000 1,000IU,1瓶
〃 1500
〃 2000 1,500IU,1瓶
〃 3000 2,000IU,1瓶
3,000IU,1瓶
(バイオジェン・アイデック・
ジャパン)(いずれの規
格も溶解液
付)
(次ページへつづく)
薬価
(円)規制
備考(成分、薬効)
26,766 処 エフラロクトコグ アルファ
(遺伝子組換え)
49,637 生 適応は、血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者におけ
る出血傾向の抑制。
71,236
添付の溶解液全量で溶解し、数分かけて緩
92,050
徐に静脈内投与する。
132,105
1回10∼30IU/kgを投与するが、患者の状
170,702
態に応じて適宜増減する。3∼5日間隔で
244,983
の投与を原則とするが、患者の状態により
週1回投与も可能。
定期的に投与する場合、
1日目に25IU/kg、
4日目に50IU/kgから開始し、以降は患者
の状態に応じて、1回25∼65IU/kg、3∼
5日の投与間隔で適宜調節。週1回投与の
場合は、65IU/kgを投与。
32( 208 )
︵キリトリ線︶
101.40 処 メトロニダゾール
適応は、がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気
の軽減。
症状及び病巣の広さに応じて適量を使用。
潰瘍面を清拭後、1日1∼2回ガーゼ等に
のばして貼付するか、患部に直接塗布しそ
の上をガーゼ等で保護する。
脳、脊髄に器質的疾患のある患者(脳・脊
髄腫瘍の患者を除く)、妊娠3ヶ月以内の
婦人は禁忌。
皮膚潰瘍部位への塗布により全身吸収が認
められるため、広範囲の場合等には、経口
用又は点滴静注用製剤の投与の副作用(末
梢神経障害、中枢神経障害、白血球減少、
好中球減少等)が、血中濃度の上昇により
発現するおそれがある。異常が認められた
場合には投与を中止するなど、適切な処置
を行う。
患部の刺激により、潰瘍部位の血管が損傷
し、出血を招くことがあるので、ガーゼの
交換等の処置は十分注意して行う(浸潤さ
せるなど乾燥に注意する)。刺激感を伴う
皮膚症状が認められた場合は、使用回数を
減らすか、一時的に本剤の使用を中止し、
必要に応じ医師の指示を受けるよう患者に
指導する。
使用中は、日光又は日焼けランプ等による
紫外線曝露を避ける(紫外線照射により不
活性体に転換され、効果が減弱する)
。
皮膚潰瘍部位において臭気物質(プトレシ
ン、カダベリン)を産生する数種類のグラ
ム陽性及びグラム陰性嫌気性菌に対して抗
菌作用を発揮し、がん性皮膚潰瘍の臭気を
軽減する。メトロニダゾールは嫌気性条件
下で原虫又は菌体内の酸化還元系によって
還元を受け、ニトロソ化合物に変化し、ニ
トロソ化合物がDNAと結合してDNA合成
を阻害し、抗原虫作用及び抗菌作用を示
す。また、反応の途中で生成したヒドロキ
シルアミン付加体がDNA損傷を惹起する。
新投与経路(既発売品は内服錠、腟錠、注
射剤)
。
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
分類
医薬品名(会社名)
規格・単位
薬価(円)規制
(前ページよりつづき)
︵キリトリ線︶
399 コセンティクス皮下注 150mg,1瓶
用150mg
(吸引時の損
(ノバルティスファーマ∼ 失を考 慮し、
マルホ) 過量充填。日
局注射用水
1.0mLで溶解
後の濃度は
150mg/mL)
コセンティクス皮下注 150mg,1mL
用150mgシリンジ
1筒
(ノバルティスファーマ∼
マルホ)
729 スクラッチダニアレル 1mL,1 瓶
ゲンエキス
「トリイ」
100,000JAU/mL
(鳥居)
(次ページへつづく)
備考(成分、薬効)
溶解した液は、室温(30℃まで)で6時間
保存可能。
内在性血液凝固第Ⅷ因子と類似の機能的特
性を有し、第Ⅷ因子欠乏を一時的に補正し
出血傾向を補正する。また、本剤に含まれ
るヒト免疫グロブリンG1のFc領域は、血液
中の免疫グロブリンの再循環に関与する
Neonatal Fc受容体と結合し、血液凝固第Ⅷ
因子活性を長時間維持するため、少ない投
与回数での治療が期待できる。
医師が妥当性を慎重に検討し、患者等が適
切に使用可能と判断した場合のみ在宅自己
注射が可能。
特定生物由来製品ではないが、血液製剤代
替医薬品なので、投与(処方)した場合は
医薬品名及びその製造番号、投与(処方)
した日、使用患者名、住所等を記録し、少
なくとも20年間保管する。
プレフィルドシリンジ。
73,123 劇 セクキヌマブ(遺伝子組換え)
処 ヒト型抗ヒトインターロイキン17A(IL-17
生 A)モノクローナル抗体。
適応は、既存治療で効果不十分な尋常性乾
癬、関節症性乾癬。
以下のいずれかを満たす患者に投与すること。
① 紫外線療法を含む既存の全身療法(生
製剤を除く)で十分な効果が得られず、
皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者。
② 難治性の皮疹又は関節症状を有する患者。
73,132
成人は、1回300mgを、初回、1週後、2
週後、3週後、4週後に皮下投与し、以
降、4週間の間隔で皮下投与。体重によ
り、1回150mgを投与可能。
体重60kg以下の患者では 1 回150mgの投与
を考慮する。
重篤な感染症が報告されている。
感染リスクの増大の可能性があり、結核既
往歴のある患者では結核の活動化の可能性
がある。また、関連性は不明だが悪性腫瘍
の発現が報告されている。
大腿部、腹部又は上腕部への投与が望まし
い。同一箇所への繰り返し注射は避ける。
皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位、
乾癬の部位には注射しない。
治療反応は、通常投与開始から16週以内に
得られる。16週以内に治療反応が得られな
い場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に
再考する。
免疫抑制薬又は光線療法との併用、他の生物
製剤との併用の有効性・安全性は未確立。
炎症性サイトカインであるIL-17Aと結合
し、IL-17AのIL-17受容体への結合を阻害
することにより、その活性を中和する。
専門の医師・医療機関が投与し、インフォ
ームド・コンセントを取得する。
7,966 処 なし
(コナヒョウヒダニエキス・ヤケヒョウヒ
ダニエキス)
適応は、アレルギー性疾患のアレルゲンの
確認(診断)
。
通常、乱刺(プリック)又は切皮(スクラ
ッチ)法により皮膚面に出血しない程度に
傷をつけ、本品1滴を滴下し、15∼30分後
33( 209 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
分類
医薬品名(会社名)
規格・単位
(前ページよりつづき)
449 治療用ダニアレルゲン
エキス皮下注
「トリイ」
10,000JAU/mL 2mL,1瓶
〃 100,000JAU/mL 2mL,1瓶
(鳥居)
備考(成分、薬効)
に膨疹径が対照の2倍以上又は5mm以上
を陽性とする。
対照液はアレルゲンスクラッチエキス対照
液「トリイ」を用いる。
皮膚反応テスト検査前日から抗ヒスタミン
薬やメディエータ遊離抑制薬等の投与を中
止する。
非選択的β遮断薬服用の患者は、本剤によ
るアレルギー反応が強く発現することがあ
る。また、本剤によるアレルギー反応処置
のアドレナリンの効果が、通常用量では十
分発現しないことがある。
三環系抗うつ薬及びMAO阻害薬服用の患
者は、本剤によるアレルギー反応処置のアド
レナリンの効果が増強されることがある。
処 なし
(コナヒョウヒダニエキス・ヤケヒョウヒ
4,320
ダニエキス)
4,320
適応は、ダニ抗原によるアレルギー性鼻
炎、気管支喘息の減感作療法。
減感作療法の実施に際し、ダニアレルゲン
に陽性の患者に皮内反応テストを行い、皮
内反応閾値を求める。その閾値及びその
時々の患者の症状に応じ、初回投与濃度及
び量、初回後の投与濃度又は量、投与回
数、投与間隔並びに維持量は適宜定める。
重症の気管支喘息患者は禁忌。
1.閾値の求め方
本剤を診断用アレルゲン皮内エキス対照
液「トリイ」で、1,000、100、10、1、0.1
及び0.01JAU/mLに用時希釈し、さらに
患者の症状に応じて低濃度に順次希釈す
る。最も低濃度の液から0.02mLずつ皮内
に注射し、その反応を皮内反応判定基準
に従って判定する。陽性反応を呈した最
低濃度(最大希釈度)をその患者のアレ
ルゲンに対する閾値とする。
2.初回投与濃度
患者のアレルゲンに対する閾値の濃度、
若しくは患者の症状の程度によって、さ
らにこの濃度の1/10又は1/100の濃度を
初回投与濃度とする。
3.投与法
初回投与量として0.02∼0.05mLを皮下に
注射する。初回後の投与量は1週1∼2
回約50%ずつ増量し、0.5mLに至れば10
倍濃度の液0.05mLにかえて同様に増量し
ながら投与を続け次第に高濃度の液に移
り、維持量に達したら2週に1回の注射を
数回行い、その後は1ヶ月に1回とする。
4.増量及び投与回数
各回の投与後の患者の状態を問診し、そ
の結果に応じて次回投与量を増減する。
例えば、前回の注射により、喘息発作、
全身性蕁麻疹及び鼻症状・眼症状を主と
した臨床症状の増悪を起こし、また過大
な局所反応を生じた時には増量を見合わ
せる。また、増量期間中の投与間隔は通
常1週1∼2回だが、間隔が長引いた場
合には増量せずに直前の投与濃度の1/10
又は1/100の濃度の液を投与する。
5.維持量
投与可能な最高用量を維持量とするが、
34( 210 )
︵キリトリ線︶
(次ページへつづく)
薬価(円)規制
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
分類
医薬品名(会社名)
規格・単位
薬価(円)規制
備考(成分、薬効)
患者のその時々の症状に応じて減量する
等適宜投与量を定める。
常に、ショック、アナフィラキシーの発現
時に救急処置のとれる準備をしておく。
投与後少なくとも30分間は患者を安静の状
態に保たせ、十分な観察を行う。投与後数
時間又は1∼2日間に強い反応があらわれ
ることがあるので、その旨を患者に伝えシ
ョック、アナフィラキシーを早期に認識し
うる症状があらわれた場合には速やかに医
師に連絡する等の対応を説明した上、適切
な処置がとれる準備をしておく。
注射前後2時間程度は、激しい運動、アル
コール摂取、入浴等は避ける。
免疫反応として、Th2細胞増加の抑制及び
Th1細胞の増加、制御性T細胞の誘導、抗
原特異的IgG等の増加が報告され、その結
果としてアレルギー症状の発現を抑制す
る。
専門の医師・医療機関が投与する。
(前ページよりつづき)
129,908 劇 エロスルファーゼ アルファ(遺伝子組換
処 え)
生 適応は、ムコ多糖症Ⅳ A型。
1回2mg/kgを週1回、点滴静注。投与速
度は患者の状態を確認しながら徐々に上
げ、注入ポンプを用いて約4時間以上かけ
て投与する。
Infusion associated reactionが発現すること
があるので、抗ヒスタミン剤を単独又は解
熱鎮痛剤と併用し、投与開始30∼60分前に
前投与する。
急性熱性又は呼吸器疾患がある患者で、過
敏反応により症状の急性増悪が起こる可能
性があるので、患者の状態を十分に観察
し、必要に応じて適切な処置を行う。
グリコサミノグリカンを分解するライソゾ
ーム酵素のGALNS(N-アセチルガラクト
サミン-6-スルファターゼ)に、高マンノ
ース型糖鎖及びリン酸化高マンノース型糖
鎖を付加させた糖タンパク質で、カチオン
非依存性マンノース-6-リン酸受容体を介
して標的細胞に取り込まれライソゾームに
移行し、ライソゾーム内に蓄積したケラタ
ン硫酸及びコンドロイチン-6-硫酸等のグ
リコサミノグリカンの異化を亢進し、蓄積
を減少させる。
全症例を対象に使用成績調査を実施する。
392 メチレンブルー静注
50mg「第一三共」
120,382 劇 メチルチオニニウム塩化物水和物
処 適応は、中毒性メトヘモグロビン血症。
【生後3ヶ月を過ぎた乳幼児、
小児及び成人】
1回1∼2mg/kgを、5分以上かけて静
脈内投与。投与1時間以内に症状が改善
しない場合は、必要に応じ、同量を繰り
返し投与できるが、累積投与量は最大7
mg/kgまで。アニリン又はジアフェニル
スルホンによる場合の累積投与量は最大
4mg/kgまで(溶血を起こしやすい)
。
【新生児及び生後3ヶ月以下の乳児】
1回0.3∼0.5mg/kgを5分以上かけて静脈
内投与。投与1時間以内に症状が改善し
ない場合は、必要に応じ、同量を繰り返
し投与できる。
︵キリトリ線︶
395 ビミジム点滴静注液5mg 5mg,5mL
1瓶
(BioMarin Pharmaceutical
Japan)
(第一三共)
(次ページへつづく)
50mg,10mL
1管
35( 211 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
分類
医薬品名(会社名)
規格・単位
薬価(円)規制
(前ページよりつづき)
631 メナクトラ筋注
備考(成分、薬効)
最大累積投与量に関する情報は限られて
いる。増悪や溶血を起こしやすいので繰
り返し投与する場合は慎重投与。
1アンプルを5%ブドウ糖注射液50mLで
希釈する。生理食塩液と混合しない(塩化
ナトリウムにより溶解度が低下する)
。
SSRI、SNRI、三環系抗うつ薬、NaSSAと
の併用でセロトニン症候群が現れるおそれ
があるので、併用時は低用量からの投与開
始を考慮する。
CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19
を阻害する。
赤血球において、NADPH還元酵素存在下
でメチルチオニニウム塩化物(メチレンブ
ルー)より生成したロイコメチレンブルー
が、メトヘモグロビンをヘモグロビンに還
元して、メトヘモグロビン血症を改善す
る。
全症例を対象に使用成績調査を実施する。
0.5mL,1瓶
(サノフィ)
Ⅴ.公知申請が承認された適応外薬の保険適用
薬事・食品衛生審議会において、下表1成分の適応外使用に係る公知申請について事前評価が
終了し、薬事承認を待たずに保険適用されることになった。
保険適用日は、2015年3月5日より。
表 適応外使用で保険適用が可能となった医薬品
一般名
製品名
会社名
効能、用法・用量等
タキソール注射液 ブリストル・マイヤーズ 胃がんに対する用法・用量(E法)
30mg・100mg
を追加。
胃癌にはA法又はE法を使用する。
E法:成人は、1日1回 80mg/㎡
(体表面積)を1時間かけて点滴
静注し、週1回投与を3週連続
し、少なくとも2週間休薬する。
これを1クールとして、投与を繰
り返す。
患者の状態により適宜減量。
パクリタキセル
36( 212 )
︵キリトリ線︶
19,827 劇 4価髄膜炎菌ワクチン(ジフテリアトキソ
処 イド結合体)
生 適応は、髄膜炎菌(血清型A、C、Y及び
W-135)による侵襲性髄膜炎菌感染症の予
防。
1回、0.5mLを筋肉内接種。
血清型Bに起因する侵襲性髄膜炎菌感染症
の予防はできない。発症している髄膜炎菌
感染症の治療はできない。
小児等に対する有効性・安全性は未確立
(国内で低出生体重児、新生児、乳児、2
歳未満の幼児に対する使用経験はなく、2
歳以上の幼児、小児への使用経験は少な
い)
。
保険適用の対象は、エクリズマブ(遺伝子
組換え)〔ソリリス™点滴静注(抗補体
(C5)モノクローナル抗体製剤)〕投与対
象患者に限る。
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
委員会報告
今年度最後のくすりのセミナー開催
第48回くすりのセミナー福岡
平成27年3月7日(土)、今年度最後
の第48回くすりのセミナー福岡が、ア
クロス福岡 大会議にて開催された。
今回は、麻生飯塚病院薬剤部 安田弘
美氏が「C 型肝炎の最新治療について
−ウイルスを除去し、肝臓がんを防ご
う−」
、福岡県薬剤師会 金岡正蔵副会
長が「知っておきたい漢方薬 P A RT4
−食養生は治療・ 予防の基本−」と題
して、それぞれ講演を行った。
今年度最後のセミナー講師を務めた安田氏と金岡副会長
まず安田氏が、「肝臓のはたらきと疫学」「C 型肝炎とは」「薬物治療について」「公費助成」に
ついて話した。肝臓がんは、日本では死亡者数が4番目に多く、予後も良くない。C 型肝炎が肝
臓がんの成因になっていることが多く、C 型肝炎のセルフチェックを行ってほしい。C 型肝炎を
罹った場合、インターフェロンを用いる抗ウイルス療法と肝庇護療法の治療がある。インター
フェロン療法においては、20年前までは10%だった効果が、他の薬剤との併用などにより、今
では70%に上がり治療の中心になった。ただ、インターフェロン治療がうけられない、効果が
みられない場合は、ダクラタスビルなどを使ったり、ウルソデオキシコール酸や強力ネオミノ
ファーゲンCなどを用いる。福岡県では、B 型、C 型肝炎ウイルス治療は助成対象医療になって
おり、申請すると受給者証が交付される。安田氏は、内容ひとつひとつを丁寧にかつ具体的に
解説。最後は、
「肝炎に罹った場合は医師と相談し最適な治療をうけて下さい」と締めくくった。
C 型肝炎は、以前行われていた注射針の使い回しや輸血で感染が拡大した。会場からも、検査は
しているが小さい頃の注射で感染はしていないか心配との声が聞かれた。
次に、金岡副会長は、
「健康をつくる食事」「主な食材の食性」
「病気に対する食養生」につい
て話した。五味とは食べ物の味を、酸、苦、甘、辛、鹹(塩味)の5つに分け、それぞれが影
響を与える臓腑がある。また四気とは、体の温めるものなのか冷やすものなのかを決めるもの
で、熱、温、涼、寒と4つに分ける。温も冷もしない平という分類もある。生野菜は体を冷や
すが、温野菜にすると体を温めるなど、四気は調理法によっても分類がかわる。食材の食性を
知り、今のように医薬品がなかった昔、人々はあらゆる食材を経験的に用い病気の克服をして
きた。金岡副会長は、風邪や花粉症、不眠症や高血圧、糖尿病などに用いると良い食材を具体
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ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
委員会報告
的に、また調理法まで詳しく説明した。最後に、「生涯現役を実現するために、上手に食材を利
用してほしい。バランスの良い食事を心がけ、何かあれば薬剤師にも相談下さい」と締めくくっ
た。4回目となる漢方薬シリーズは、楽しみに来られていた方も多かったが、今回で終了となっ
た。
最後に、会場からは「薬局のカルテ(注 薬歴のこと)を一度も見たことがないので見せても
らいたいが、知人からは、かかりつけの薬剤師さんとの関係が悪くなるのでそんなこと言わな
いほうがいいと言われる。見せてもらってもいいでしょうか?」
との質問があった。演者からは、
「ぜひ見せてもらって下さい。大丈夫ですよ」と回答があった。今まさに問題になっている薬歴
未記入報道で、患者の薬歴への関心は高くなっているのではないだろうか。参加者からの質問
は、言葉こそ柔らかかったが、
「薬歴はちゃんと書いてますか?」に聞こえた。あらためて、く
すりのセミナー福岡では、市民の方々の生の声が聞くことができると感じた日だった。
顔なじみの参加者が多くすっかり定着したセミナー
(広報編集委員会委員 冨田 未紀)
43( 219 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
委員会報告
第15回ファーマシューティカルケアシンポジウム開催報告
生涯学習委員会委員 園田 茂
平成27年3月1日
(日)午後1時より、
福岡県薬剤師会生涯学習委員会主催で、
福岡天神ビルにて「健康情報拠点とし
て社会のニーズに応える薬局・ 薬剤師
となるために−一般用医薬品販売とサ
プリメントについて−」というテーマ
で195人の参加者と共にシンポジウム
を開催しました。
藤野哲朗県薬会長による挨拶の後、
初めに日本 OTC 医薬品協会 西沢元仁
講師を務めた西沢顧問と蒲原顧問
顧問に「薬局・薬剤師とOTC 医薬品」
という演題で講演をいただきました。
現在の医療保険制度を維持しつつ医療費支出を抑制、そして平均寿命と健康寿命のギャップ
を解消していくためには、薬剤師自身がOTC 薬の役割を正しく理解することが大切であり、セ
ルフケア・セルフメディケーションに積極的に関わっていくことの重要性を再認識することが
できました。また、欧米諸国では医薬品の分類やスイッチされる医薬品に違いがあることも学
びました。
次に、健康科学大学教授・DHC 研究 蒲原聖可顧問に「サプリメント・ 機能性食品の臨床的意
義と適正使用情報−安全性・ 有効性および医薬品との相互作用に関する臨床研究 Update −」と
いう演題で講演をいただきました。
サプリメントはその特性上、製品に効能・ 効果や1回摂取量など詳しい表示をすることがで
きません。また、内閣府の調査等で国民の多くが何らかの健康食品を摂取していることが分かっ
ています。このような状況でサプリメントや健康食品は古い統計や偏った情報により購入者が
安全かつ効果的な使い方ができていない場合が多々あると考えられます。
我々薬剤師はサプリメントや健康食品による有害事象や健康被害、医薬品との相互作用など
の注意喚起だけでなく、安心して使用してもらうために正しい情報を伝える責務を果たさなけ
ればなりません。そのための知識や経験をもっと積む必要があると思います。
今回の講演で示されたグルコサミン、CoQ10等の有用性や臨床研究データなどは大変興味深
く、常に最新の情報を得るための環境を作っておく大切さを実感しました。薬剤師がOTC 薬と
ともにサプリメントや健康食品について最も身近で気軽に相談できる存在になるべきである、と
改めて感じることができたシンポジウムとなりました。
44( 220 )
ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
関係団体
福岡県薬剤師国民健康保険組合 第118回臨時組合会開催
日時:平成27年3月19日
(木)15時
場所:福岡県薬剤師会館 第1会議室
議事は下記の報告事項4件、議案5件が提案され、議員15人、
(委任状10人)により慎重審議のうえ、
原案どおり可決承認された。
議事と主な内容
◇報告第1号 平成26年度一般会計歳入歳出第1次補正予算の専決処分認定について
後期高齢者支援金や前期高齢者納付金等の支出が増えたことにより、12月19日の理事会にお
いて専決処分を行った。
◇報告第2号 福岡県薬剤師国民健康保険組合規約の一部改正の専決処分について
国は「産科医療補償制度」における掛金の額を見直すことおよび出産育児一時金の総額を42
万円に維持することに伴い、平成27年1月から出産育児一時金を39万円から40万4千円に引上
げるとともに、産科医療補償制度における掛金を3万円から1万6千円に引き下げたため、当
組合もこれに追従し組合規約を平成27年1月付けで改正するため、12月19日の理事会において
専決処分を行った。
◇報告第3号 福岡県医療保険課による「平成26年度国民健康保険事業に係る事務打合せの結
果」について
「助言事項」の改善状況報告を行った。
◇報告第4号 平成26年度事業実施中間報告について
被保険者数は12月末現在2,515人だが、1種組合員や家族は減少を続け、2種および3種組合
員(薬剤師以外の従業員)も伸び悩んでいる。また、国庫補助率が19% 減となる適用除外申請
をして加入の特定被保険者が64%に迫り、補助金減少の要因となっている。平成26年11月診療
までの療養給付費の費用額は前年同期より3,636千円増加(前年比101%)
。柔道整復や鍼灸など
の療養費の費用額は319千円減少(前年比93.58%)している。
◇議案第1号 平成26年度一般会計歳入歳出第2次補正予算の認定について
平成25年度国庫補助金の実績報告の結果、超過交付が確定したことにより、2次補正予算を
組み承認を得た。
◇議案第2号 平成27年度法令遵守(コンプライアンス)のための実践計画の認定について
毎年度、理事会において、法令遵守のための具体的な実践計画を策定することになっている
ので、平成27年度の実践計画を策定し承認を得た。
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ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
関係団体
◇議案第3号 平成27年度事業計画認定について
保険給付費や前期高齢者納付金等が増加するので、後期高齢者支援金保険料と介護分保険料
を各100円引上げた予算になった。
◇議案第4号 平成27年度一般会計歳入歳出予算認定について
(歳入)保険料は後期高齢者支援金、介護分を値上げするが、被保険者の減少に伴い減額した。
国庫支出金も被保険者数の減少や特定被保険者の増加により減額、繰越金も減額となった。
(歳出)保険給付費は過去3年間の実績に基づき前年度より増額。他制度に拠出する後期高齢者
支援金と介護納付金は減額、前期高齢者納付金は前年度より増額になった。共同事業費は
減額。総額694,442千円は前年度より35,326千円減(前年比95.16%)の予算となった。
◇議案第5号 福岡県薬剤師国民健康保険組合職員退職給与積立金の処分について
平成26年12月末に職員1人が退職したので、その退職金に充てるため福岡県薬剤師国民健康
保険組合職員退職給与積立金規程第5条の規定により、503,000円を処分する。
平成27年度保険料(月額:1人につき)
被保険者
区 分
医療分
保険料
後期高齢者
支援金分保険料
1種組合員
20,500円
3,000円
県薬会員で薬局・医薬品販売を営む者
2種組合員
15,000円
3,000円
1種組合員に雇用されている薬剤師
3種組合員
11,500円
3,000円
1種組合員に雇用されている薬剤師以外の者
家 族
6,000円
3,000円
組合員に扶養されている者
1種組合員
1,000円
備 考
介護分保険料
※3,600円
(左記のうち
40歳以上65
歳未満の者)
1種組合員で後期高齢者医療制度該当の者
※40歳未満および65歳以上の方の保険料=医療分保険料+後期高齢者支援金分保険料
※40歳以上65歳未満の方の保険料=医療分保険料+後期高齢者支援金分保険料+介護分保険料
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ふくおか県薬会報 Vol.28 No.4(2015)
福岡大学市民カレッジ−第46回薬学部卒後教育講座−
「薬学教育・研究の最前線」
日 時:平成27年5月16日
(土)14時
場 所:福岡大学薬学部棟(17号館)1階 1711番教室
講 演:「シナプス伝達の薬効解析−今さらきける、電気生理学−」
講師 福岡大学薬学部准教授 桂林 秀太郎
「脳血管を守る−血液脳関門から捉える病気と薬の作用−」
講師 福岡大学薬学部准教授 道具 伸也
資料代:500円(当日受付にて)
お申込み・お問い合わせ:福岡大学エクステンションセンター
(TEL:092-871-6631 内線4622、4623)
(E-mail:[email protected])
*当日参加可
*研修認定薬剤師制度2単位
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