公共施設等あり方検討特別委員会 佐倉市行政視察 日時:平成 27 年 11 月 16 日(月)~17 日(火) 視察先及び視察事項 ・千葉県佐倉市 ファシリティマネジメント推進事業について ・千葉県茂原市 土地開発公社解散後の市有地の利活用について 視察者:公共施設等あり方検討特別委員会 報告者:成川正幸 千葉県佐倉市視察 視察日時:平成 27 年 11 月 16 日 13:00〜15:00 視察場所:千葉県佐倉市役所 対応:佐倉市:資産管理経営室 内容:佐倉市におけるFMの取り組み 1.ファシリティマネジメントとは? 建物、設備、環境等を無理無駄なく管理していく事。 2.「施設管理」から「施設経営」へ 民間は、儲からなければ廃止。公共は、儲けは関係ない。 施設の中で、余ったもの(学校の空き教室等)と足りないもの(学童保育、保育所、高齢 者施設等)を洗い出し、それ以外なものは長寿命化をする。 3.市有施設が抱える諸課題(背景) 一元化されたデータの不在(もう一度、正確なのか審査してみる) 4.ストック量の多さとその老朽化 5.厳しい財政状況 財政力指数 0.9 あるが、将来において危機感 6.所管部署ごとによる分散管理体制 佐倉市の公共施設は約 560 棟、延べ床面積:約 35 万㎡、平均築 28 年 維持改修費に年間 25 億円かかる計算で単年度一般会計予算額から負担が大きい。 (参考:平成 27 年度一般会計当初予算額 450 億 5 千万円) 平成 20 年 9 月に「佐倉市ファシリティマネジメント推進基本方針」策定 施設等の引き継ぎ・次世代の負担軽減を目的に4つの基本的な考え方と7つの実施方策を 示す。 ◎基本的な考え方 ①経済性の向上②機能性の向上③社会ニーズの的確な対応④環境負荷の低減 ◎実施方策 ①ファシリティ情報の一元化及び共有化②土地の利活用の促進③施設評価の実施④施設の 利活用の促進⑤維持保全業務の適正化⑥光熱水費の削減⑦職員意識改革の推進 7.佐倉市 FM 体制 FM を一括推進できるように統合して市長直轄部門に FM の見せる化推進。 施設白書を毎年更新(全国で一番薄い白書では) FM 事例紹介 ◎事例紹介 1 学校のトイレの自動洗浄時間管理で年間約 1,300 万 円の削減を行った。 ◎事例紹介 2 保育園改修で担当する部が違う公園の土地と交換 し、 仮設園舎建設費を約 2,500 万円の削減を行った。 ◎事例紹介 3 空き教室を削減して集中化を行い、 総量削減(約 450 ㎡)➕予算削減(約 6,000 万円)を行った。 ◎事例紹介 4 三階建消防署分署の上層(三階・PH)部分を減築で耐震補強工事費総額を約 64,000 千円の削 減を行った。 ◎施設管理者点検マニュアルと FM110 番 技術者以外の管理者でも使えるマニュアルを作成し、点検できるようにした。 日常点検 VTR を作成し、HP や YouTubu で公開。 (子供でも分かりやすくゆるキャラを登場させて親しみやすくしている) ◎事例紹介 5 管理部門の違う複数の施設をまとめて整理調整(保育園、文化財センター、公民館) し、改修費を 2 億円削減した。 ◎事例紹介 6 私有財産の一時貸付として、自動販売機 20 台の場所貸しで年間 500 万円 ◎事例紹介 7 私有財産の一時貸付として、庁舎内掲示板作成に百十数万円かかるところを広告料金徴 収。約 130 万円/3 年間➕行政財産使用料(1,000 円/月) ◎事例紹介 8 私有財産の一時貸付として、庁舎内広告及び呼び出し番号表示用モニターで広告掲出料 約 270 万円/5 年間➕行政財産使用料(1,300 円/月) ◎事例紹介 9(公用車) 公用車の広告掲載で、約 110,000/年 公用車の各課の専用を共用で目標 1,000 万円/5 年 ◎事例紹介 10 公共施設 54 施設の光熱水費の削減で約 3,600 万円(約 15%)/1 年間 ◎事例紹介 11(節電対策) 照明、空調、電力使用料を 15%削減目標→クールビズ、OA 機器の待機電力管理、学校施 設に協力依頼 学校プール廃止して民間プールで授業を行う。 FM の広域連携(役割分担)(情報共有)をする。 FM はトップマネジメントが大事! 所感 市長直轄の部署で危機感を持って取り組む姿勢に多くの学ぶべきところが多 くあった。 ファシリティマネジメントとは、 「建物、設備、環境等を無理無駄なく管理し ていく事」。 総論賛成、各論反対の中、黒部市においても平成 26 年 2 月に「黒部市公共施 設白書」、平成 27 年 2 月に「黒部市公共施設の再編に関する基本方針」が策定 され、再編に向けて作業が進んでいる。 皆さんの税金が適正に使われる事を監視するのが私たち議員の仕事であるこ とからも、しっかり取り組まなければいけないと考える。 千葉県茂原市視察 視察日時:平成 27 年 11 月 17 日 10:00〜12:00 視察場所:千葉県茂原市役所 茂原市メガソーラー設置場所 対応:茂原市:総務企画部 合同会社 茂原ソーラーユートピア 内容:土地開発公社解散後の私有地の利活用について ◎説明 茂原市土地開発公社の設立、解散まで 茂原市土地開発公社 昭和 49 年に設立。 事業化された土地累計は、面積で約 72 万㎡、金額(用地費、補償費)で約 445 億円 茂原市の人口増加する中で、公社による土地の先行取得は、本市における事業 費の抑制に寄与し、まちづくりに大きな役割を果たす。 土地神話(土地の値段は絶対に下がらない!) バブル経済の崩壊以降、公共用地を先行取得する経済効果が期待できなくなっ た。 財政事情が下降し、都市基盤整備事業などの事業期間が長期化している。 土地の長期保有により金融機関に対して借入利息が増加した。 平成 10 年 「債務負担行為償還計画」策定 ・校舎保有土地の計画的な買戻しを図る。 平成 13 年 「第 1 次土地開発公社経営健全化計画」策定 「債務負担行為償還計画Ⅱ」策定 平成 17 年 「債務負担行為償還計画Ⅲ」策定 平成 18 年 「第 2 次土地開発公社経営健全化計画」策定 ・用地先行取得の凍結 ・当面処分予定の無い用地の有効活用の検討 ・組織の見直しと職員削減の実施 ・簿価上昇を抑制するため、地方債を活用した無利子貸付の実施 「第 3 セクター等改革推進債」を創設 平成 23 年 9 月「茂原市土地開発公社経営検討委員会」設置 平成 23 年 11 月「茂原市土地開発公社経営検討委員会」からの提言 平成 24 年 2 月 庁議において土地開発公社の解散方針を決定 平成 24 年 2 月 平成 24 年 6 月 解散方針・行程などを議会に説明 三セク債を活用し解散 することとした。 (効果) 現在の低金利で債務を固定化し、金利変動リスクから回避。 借入金利子の一部が特別交付税措置される。 これまでより、単年度あたりの財政負担が軽減される。 1.旧茂原市土地開発公社所有土地の概要 ①取得面積 96,833.73 ㎡ ②取得時簿価 14,207,732,703 円 ③取得時時価相当額 1,909,321,234 円 ※簿価は時価の約 7.5 倍 ・計画的に返済できなかった。 (高利息、地価の下落) 市民に多大な負債を背負わせてしまった 土地開発公社の解散で、土地は先行取得した所管にし、利用が確定している土地以外は順 次売却することとした。 ①安くても良いから売って返済にあてる。(市価) ②土地を買ったチームが責任もって売る。 ③企画政策課が全体を監視。 ④売却計画は、担当課が管理 ⑤行政財産として各課、普通財産にして売る時は管財課が窓口になる。 ⑥売却収入は、減債基金に積み立てし、繰り上げ償還 売却できるものは全て早期に売却する 宅地開発地で一部農地があった。 メガソーラーは、その農地転用可能である。 20 年間で農地転用が出来ることでメガソーラーを導入した。 事業化までは、暫定的に駐車場やメガオーラ―など有効利用を図っていく。 ◎現地視察 合同会社 茂原ソーラーユートピア 茂原市メガソーラー設置事業 着工日は、2013 年 12 月 売電開始日は 2014 年 8 月 990 キロワット定格 7 割の発電量がある。 2 箇所 設備投資 555 百万円 、 うち 2 億円は山を削る費用 発電効率は 20 年後に 80 パーセント予想。 経緯 ガスと同様に地元産のエネルギーである太陽光発電の促進と、遊休資産の有効活用を目 的に、2013 年 6 月、市有地での太陽光発電事業者をプロポーザル方式で公募。 住宅団地の造成事業を目指して取得していたものの、事業開始のめどが立たず、30 年以上 放置されていた 3 万 8035m2 の土地を造成。 ・6 社の地元企業で合弁会社設立。初期投資額 5 億 5500 万円。 ・茂原市への地代は、年間 100 円/m2 の契約。20 年間で約 8000 万円。固定資産税の総 額は 20 年間で約 4700 万円。 ・天候などによる発電量の増減にかかわらず、市には 1 億 2700 万円の収入見込み。 ・背の高い草を抑制するためと土の保水力を保つためにクローバーを植栽。 ・鳥の糞などでパネルが汚れた場合には、手作業で清掃していたが、鳥がパネル上端に 留まって糞をする場所が決まっていることに気付き、鳥除けのひもを張る。 ・南向きパネル 7056 枚 角度は、 30 度は効率的だか、後ろに影が多くなり前後のパネルの距離が長くなる。 10 度は水滴が落ちにくく誇りが溜まりやすい。 20 度は 30 度 10 度の欠点を補うため、採用した。 所感 黒部市も茂原市と同じように土地開発公社を解散し、市が土地を保有してい る。 今後も学校再編などで使われなくなった土地が増えてくることが予想される。 これからの黒部市を考えるうえで、計画をしっかり立てて、少しでも早く負債 である土地を売却する必要である。 未来にツケを残さない施策は、最重要課題だとあらためて思った。
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