中 国 放送賞 入 賞 おじいちゃん大好き 広島市立福木小学校 高 橋 裕貴 ぼくとおじいちゃんの思い出は、たった十ヵ月しかありません。ぼくの初めての誕生日ま で後少しという時、病気で亡くなりました。でも、残してくれた宝物はたくさんあります。ビ デオのおじいちゃんは、いつも元気。写真は、どれを見ても笑顔のおじいちゃんとぼくのツ ーショット。覚えてはいないけれど、心の中はいつもおじいちゃんと一緒です。そして、大切 な物を受け継ぎました。夏になると、おばあちゃんの青空美容院が開店します。庭にイスを 置いて、散髪の始まりです。昔はおじいちゃんが、今はぼくの指定席になりました。だか ら、終わった後のメンテナンスもぼくの仕事です。みがいて、やっと終了です。最初は大き いなと感じていたイスも、最近では、少し小さくなったように思います。きっとこの景色を、 大空から笑って見てくれていると思うと、そうじにも気合いが入ります。ぼくにとって、形の あるたった一つの宝物です。もう一つおじいちゃんには、叶えたい夢があったようです。ぼ くと一緒に、カープを応援したかった、と。大丈夫、いつも球場へ行く時は、おじいちゃん の写真ポケットに入ってるよ。これからも、たくさんの楽しい思い出を作っていこうね。
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