ヨーロッパ竹中様 OB 訪問 報告レポート 神戸大学 経営学部経営学科 4

ヨーロッパ竹中様 OB 訪問 報告レポート
神戸大学 経営学部経営学科 4 年生
平成 27 年 5 月 12 日
1.概要
私は平成 27 年 4 月 24 日にドイツ、デュッセルドルフにあるヨーロッパ竹中様に OB 訪
問をさせていただきました。初めての OB 訪問ということで緊張もしていましたが、社員様
が暖かく迎えてくださりとても充実した 1 日を過ごすことが出来ました。本レポートでは、今
回の OB 訪問での経験を私自身の中で整理し、レポートという形でアウトプットすることを
目的に書き進めたいと思います。まず初めに当日の流れを振り返り、次に OB 訪問で学
んだこと、そして反省点、最後に結論という形で締めくくります。
2.当日の流れ
当日の流れですが、ヨーロッパ竹中様の社員様がプログラムを考えてくださっていたた
め、それに沿う形で進行されました。まず初めに軽く自己紹介をし、その後社員様よりい
ただいた資料に沿って会社概要の説明、さらにヨーロッパにおけるビジネス環境に関して
ご教授いただきました。その後ランチタイムではケータリングしていただいたサンドイッチ
をつまみながら社員様とキャリアに関するお話やお仕事に関するお話を伺ったり、社内を
案内していただいたりしました。ランチブレーク後は社員様より実際のヨーロッパ竹中様
の決算報告書を用いて財務分析に関するレクチャーをしていただき、その後ヨーロッパ竹
中様の QMS( Quality Management System) や ISO に関するお話を拝聴しました。全
行程が終了した後は社員様との懇親会ということで、晩御飯をご一緒させていただき、キ
ャリアに関するお話やヨーロッパでの生活に関してお話を伺いました。
3.学んだこと
まず、ご教授いただいた内容はどれもとても参考になるものばかりだったのですが、中
でも特に QMS と ISO に関するお話が印象に残っています。ISO に関しては一定の基準
を満たしたものに付与される品質保証のようなものだということは知っていたのですが、
ISO の歴史や実際の認定基準などの ISO にまつわる興味深い情報を学べて良かったで
す。ビジネスをみるにあたって、企業様の規模や社員数、財務指標などの観点から分析
することはあっても quality management という観点から見ることはあまりなかったため、
私にとって新しく、印象に残るものとなりました。また、ヨーロッパ竹中様の業務に関する
お話だけでなく社員様のキャリアに関するお話も伺ったのですが、私のキャリアを考える
にあたって非常に参考になりました。社員様にお話を伺うと皆様さまざまな経緯をたどっ
てデュッセルドルフにいらっしゃったのですが、「自分の思い通りのキャリアをそのままま
っすぐ辿ることはほとんどできない」というお言葉がとても印象的でした。大学 4 年生とい
う自分のキャリアに関して悩む時期にあって、学生は各々自分なりの答えを見つけて自
分なりの道に進むことを決断します。おそらく自分の思い描く将来のために入社したとし
ても社会の大きな流れにのまれ、自分の思い通りに行かないことがたくさんあると思いま
す。そのような時、「この会社では自分のしたいことが出来ない」と諦めるのではなく、今
その会社でできることをし、自分の中に蓄積し、巡ってくるチャンスを生かせるだけの能力
を蓄えることを考えるべきなのだとお話を伺う中で学びました。また、「学生時代に自分の
価値観の軸をしっかり養うべきだ」というお言葉も印象に残りました。学生時代に培った、
「これはしてはいけない」という自分のなかでの善と悪の線引きの基準が社会人になった
現在でも役立っているということを伺って、学生時代の蓄積が仕事をする上でのモットー
に通じるのだと感じました。おそらく何事もいい加減にこなしていれば仕事もどことなくい
い加減になると思いますし、何事も誠意を持って取り組んでいれば仕事も誠意を持ってこ
なせるのだと思いました。
4.反省点
本項目では、今回の OB 訪問にあたっての反省点を順に振り返っていきます。第一に、
私自身基礎知識が不足していた点です。社員様は本当に博識で、さまざまなトピックを振
っていただいたのですが、こちらの知識がないためあまり話についていけなかった場面が
多々ありました。質問リストを用意していってはいたのですが、すべて質問をし終わると途
端に何を話せばいいのかわからなくなってしまい、もう少し私自身話題の引き出しとなる
ようなトピックの蓄積をするべきだと感じました。第二に、ヨーロッパ竹中様およびヨーロッ
パ建築業界においてのリサーチ不足です。事前にヨーロッパ竹中様に関してインターネッ
トでリサーチはしましたが、概要のみ調べただけで、あまり深堀することなく OB 訪問に臨
んでしまいました。ヨーロッパ建築業界に関しても、もう少し深いリサーチをしてから OB 訪
問に臨んでいれば、何かほかに面白い議論を社員様と展開することが出来たかもしれな
いと思います。
5.結論
私は帰国後に日本で就職活動をする予定はなかったのですが、実際にヨーロッパで働
いていらっしゃる社員様と直にお話することで学べたことがたくさんありましたし、貴重な
体験になったと思います。会社の雰囲気というのはインターネットにおける情報収集のみ
では知ることができないものであり、積極的に OB 訪問をすることによって企業様の組織
風土や社員様同士の縦、横のつながり等を実際に確かめることが非常に重要なのだと
感じました。OB 訪問となると緊張しますし、主体的に行動を起こすことに億劫になってし
まいがちですが、昨今のインターネットベースの就職活動ではなく、やはり実際に自分の
目で確かめる、ということを省かずにするべきだと思います。
2014 年度 海外企業訪問(TAKEANAKA Europe)レポート
神戸大学経営学部4年
1. プログラム内容
9:00~
到着、事務所内案内
9:10~9:30
自己紹介、プログラム説明
10:00~11:00 竹中工務店及びヨーロッパ竹中概要説明 *A
11:00~12:00 ドイツ及びヨーロッパのビジネス環境
*B
13:00~14:00 ヨーロッパ竹中決算書 *C
15:00~16:00 ヨーロッパ竹中のQMS管理、ISOについて *D
自由意見交換&懇親会
2. プログラム詳細
A. 竹中工務店及びヨーロッパ竹中概要説明
竹中ヨーロッパでは、海外に進出したい法人(主に日系)に対して法や税率、
人件費などをトータルで加味したうえで、土地の選定から設計、施工、工場完
成後の操業メンテナンスまで一括して管理できる。この、設計施工一貫方式に
よって、スケジュールの短縮ができ、スピード感を求める顧客にとっては大き
なメリットとなる。
B. ドイツ及びヨーロッパのビジネス環境
ドイツには支店や事務所、現在はポーランドやルーマニアなど、低コストで進
出できる東欧に日系企業が工場を建てている。ユーロ圏が設けられたことで、
人も物も金も自由に移動できるようになった。
C. ヨーロッパ竹中決算書
特徴として、1つのプロジェクト額が大きいため、毎年の売り上げ変動が大き
かった。進行基準に変えることで、進捗状況に応じて計上できるようになった
ため、売上変動の差が少なくなった。ヨーロッパ中の様々な国の決算書をドイ
ツで集約して、本社で連結決算書にしている。人は、ヨーロッパ中の支店をま
たいで働いているため、プロジェクトが進行している地域に人が集中する。
D. ヨーロッパ竹中のQMS管理、ISOについて
ISO基準に基づき、品質管理を行っている担当者さんからの説明。社会的な
信頼を得る、ある意味マーケティングの要素でISOは用いられており、その
基準に沿えるように社内のシステムを作っていく。
3. 学んだこと、感じたこと
デュッセルドルフには日系企業の支社や子会社がたくさんあるのは知っていました
が、思っていたよりもその日本人コミュニティーが強いなと感じました。ソフトボ
ール大会をしたり、ジャパンデーを開催したりするなど。
また、オフィスを見学させていただき、現地スタッフの数が圧倒的に多く、また上
司もドイツ人ということで、日本の会社というよりは、海外の企業に日本人も働い
ているという印象でした。
今回OB訪問をさせていただいた社員さんは経理財務などの管理職をされている
方々で、海外勤務といえば営業という私のイメージと異なり驚きました。
若手の方がおっしゃっていたことから、海外に行くと人数が少ない分裁量権が大き
くなるという点でやりがいのある仕事だと思うと同時に、海外でも日本でも、仕事
をする上では同じ面が多いのかなと感じました。
もう少し早くこのようにOB訪問をしていれば、他の業界の方々を紹介していただ
くことも出来、より様々なお仕事について知る機会が持てたと思います。
2015.6.26
2015 年度
海外インターンシップ
(ドイツ:デュッセルドルフ)
―ドイツの日系企業での短期就業体験―
国際文化学部 国際文化学科
異文化コミュニケーションコース 四年
四ノ宮理沙
【概要】
この研修は、留学中に短期間海外で働くという経験を積むことで、一般的に日本で行わ
れるインターンシップとはまたテイストの違う「海外にある日系企業で働くとは」という
ことを身をもって経験するために行われた。研修期間は 2015 年 6 月 10 日から 16 日の一
週間で、大学の授業期間中であったために、大学の授業は一週間休むかたちとなった。基
本的には Mettmann にある NTN ドイツ工場で工場見学や従業員に対するインタビュー、
定例会議の見学などをし、六日目にはその系列の販売会社でもインタビューを行った。
【主な研修内容】
主に行っていた研修は従業員に対するインタビューである。この会社は機械類に関する
専門的なことを取り扱っているため、私のような文系の学生は機械に携わる仕事はできな
い。そのため、私の興味である「異なる文化的背景を持つ従業員同士が同じ職場で働く際
に、どのような文化的衝突や葛藤、または融和が起きているのか、また言語的問題以外に
も文化的背景の違いで生じた誤解や困難としてはどのようなことがあるのか」という点に
重きを置き、様々な背景を持つ方々にインタビューをさせていただいた。NTN ドイツ工
場では日本人の出向者の方4名、現地採用の日本人従業員の方 1 名、ドイツ人従業員 12
名(うちポーランド、ロシア、ルーマニア、モロッコなど、ドイツ以外の文化的背景も持
つ従業員は 5 名)
、系列会社では日本人出向者 3 名、ドイツ人従業員 4 名(うちポルトガ
ル、インドの文化的背景を持つ従業員が各 1 名位ずつ)
、計 24 名の従業員の方々に協力し
ていただいた。インタビュー対象者はこちらから指定したのではなく、各部署の長を社長
が選んでくださり、タイムスケジュールを組んで、ドイツ人にはドイツ語で一名ずつ、日
本人には日本語でほとんどの場合が集団で行われた。インタビューは許可を取ってからす
べて録音し、空いた時間や研修終了後に一つの文書としてまとめた。
その他にも、月に一度の月次報告会に一度、製造部署の会議にはほぼ毎日同席させてい
ただき、日本人出向者と現地人従業員がどのようにして働いているのかを見学した。始め
の三日は様子見ということで、社長や私の担当をしてくださった製造課長が私のインター
ンシップのタイムスケジュールを組んでくださり、工場を案内していただいたり、インタ
ビューを行ったりし、三日目に中間ミーティングとして、後半私が何をしたいかを相談
し、残りの二日に意見を反映させていただいた。先述したように仕事内容は基本的にかな
り専門知識を要するもので、私のできることはかなり限られていると思われたので、私は
より多くの方にインタビューをさせていただくことが私のできることかつ私にとって最も
有用なことではないかと考え、引き続きインタビューをお願いした。土曜日の社内祭りは
従業員の方々のご家族がたくさん来られ、社長のスピーチの後で、手配されたケータリン
グで自由に食事をとった。そのお祭りでは日本語で名前を書いてプレゼントするブースが
設けられ、現地人従業員やその家族に漢字で名前を書き、名札に入れてプレゼントした。
これは前回にも行われたらしく、前回も好評だったため、日本人従業員の方の案でもう一
度行われることになったそうだ。今回も好評で、その際に現地の方々と交流できたため、
ドイツ語力の向上や従業員の方との親睦を深めるという点で大変良かったといえるだろ
う。
月曜日は系列の販売会社のほうでインタビューをさせていただいた。こちらは工場ではな
くオフィスであることから、インタビューを通して先の工場のほうと比較して多くの違い
が発見され、大変興味深かった。
最終日は特にしなければならないことはすべてし終えていたため、一人の出向者の方が近
くにある社長おすすめの刃物博物館に連れて行ってくださった。午後はこのインターンシ
ップを通してどのようなことが得られたか、今後どのようにすればよいかなどを社長や製
造課長とお話しし、中央駅まで送っていただき帰路についた。
【達成できたこと】
インターンを通して 24 名もの従業員の方々にインタビューをさせていただき、私の最
も興味のあったところである「文化的異なる背景を持つ者同士の職場における共通性と相
違」について貴重な意見を聞くことができたため、これは大きな成果となった。というの
も、私は将来ドイツで働くことも視野に入れているからである。今回の経験はそのために
大いに役立ったといえるだろう。具体的に得た知識、経験を以下に述べる。
NTN ドイツ工場でインターンシップをする前までは、このようなグローバル企業では
公用語は英語だと思っていた。確かに系列の欧州販売会社では社内で外国人同士のコミュ
ニケーションは英語だったし、日本とのやり取りをする際の電話やメールはすべて英語
で、わたしがドイツ語でインタビューを始めると驚かれたほどだった。しかし NTN ドイ
ツ工場では、英語が得意でない従業員も多く、日本人の出向者の方々も片言のドイツ語で
コミュニケーションをとっているのを目の当たりにし、とても衝撃を受けたのを覚えてい
る。わたしはこれまで、もしドイツの企業でドイツ語を使って働くなら、ビジネスレベル
のドイツ語が必要とされると思っていたのだが、この現場を見てそうでないケースもある
ことを知った。実際出向者の方などはこれまでにドイツ語学んでこられた方ではなく、直
前にゲーテインスティテゥートのドイツ語コースに入るものの、一からのスタートである
うえ働きながらドイツ語を学ばれているとのことだ。出向者の方も現場の従業員も、持っ
ている専門知識は基本的に同じであるので、ドイツ語や英語が十分にできなくても身振り
手ぶりを駆使してコミュニケーションがとれていたのである。これがわたしがこのインタ
ーンシップ中に一番驚いたことであるといえるかもしれない。この経験からわたしが気づ
いたのは、もし将来ドイツで働くなら、もちろんドイツ語や英語の能力も大事だが、働き
たい業種や職種を絞り、その業界の専門知識を持っているほうがより重要であるというこ
とである。
【今後に向けて】
先にも述べたように、今回のインターンシップはご案内をいただいてからインターンシ
ップ開始までが短かったこともあり、多くの学生は学期中であったため、授業を休んで交
通費や宿泊費を負担してまでインターンシップに行くべきかどうかを考える時間が、十分
になかったのではないかと思われる。また、ドイツ以外の国に留学している学生は、すで
に学期が終了している場合もあると耳にしたが、案内をいただいた時点ではもうすでに旅
行などを計画していたのではないかと思われる。次回はもう少し早めにお知らせをしてい
ただくほうが、より多くの学生が参加できるのではないかと思われる。
また、この会社は基本的に専門知識を扱っているので、わたしのような文系の学生は仕
事として何もできることがなかったに等しい。わたしは将来ドイツで働いてみたいという
気持ちがあったのでインタビューは役に立ったが、日本でのインターンシップと同じ感覚
で、経験を積みたいからという理由だけで応募しても、この会社で特にできることはない
と思われるので、機械系の学生を主な対象としてお知らせすべきかもしれないと感じた。